Hitachi Command Suite ユーザーズガイド
データマイグレーションの条件には,すべてのボリュームに対する条件,ボリュームの種類による条件があります。また,一部のボリュームについては,移動元として選択したときに,移動元にできない理由が画面に表示されます。
データマイグレーションを実施するすべてのボリュームは,次の条件に合致する必要があります。
- 次のどれかのストレージシステム内に移動元と移動先のボリュームがあること
- VSP 5000シリーズ
- VSP G1000
- VSP G1500
- VSP F1500
- VSP Gx00モデル
- VSP Fx00モデル
- Virtual Storage Platform
- Universal Storage Platform V/VM
- Hitachi USP
- HUS VM
- 移動元と移動先のボリュームのエミュレーションタイプ,ブロック数,容量,およびT10 PI属性が同じであること
ただし,次の場合は除きます。
- Universal Storage Platform V/VM のマイクロバージョンが60-03-20-00/00-xx 以降で,移動元と移動先がともにDPボリュームの場合は,エミュレーションタイプがOPEN-V とOPEN-0V 間でも移動できます。
- エミュレーションタイプがOPEN-Vである基本ボリュームの場合は,移動元より移動先の容量が大きくても移動できます。そのとき,移動元ボリュームと同じ容量のボリュームが再作成されます。移動先ボリュームの候補とする範囲を変更したい場合は,migration.propertiesファイルでmigration.plan.candidateCapacityGroupDisplayMaxCountプロパティの値を設定します。このプロパティについては,マニュアル「Hitachi Command Suite システム構成ガイド」を参照してください。容量差の大きいボリュームを移動先にすると再作成に時間が掛かるため,デフォルトのまま運用することをお勧めします。
- ボリュームのLDKC:CU:LDEV番号が00:00:00~00:FE:FFであること
- ボリュームにアクセスできること
- 移動元と移動先が,ほかのプログラムやタスク,Device Managerで予約されていないこと
- エミュレーションタイプが3390-Vでも6588-Aでもないこと
- エミュレーションタイプがOPEN-V以外の場合,移動元と移動先の両方が基本ボリューム,または両方がCVSボリュームであること
ボリュームの種類によって,移動元や移動先に選択できるかどうかが異なります。マイグレーション可否をボリュームの種類ごとに次の表に示します。
表10-2 ボリュームの種類によるデータマイグレーションの条件
ボリュームの種類,状態 移動元 移動先 基本ボリューム ○ ○ 外部ボリューム ○ ○ LUSEボリューム ○※1 × DPボリューム※2 階層プロファイルが適用されているHDTボリューム × × DPプールに関連づけられていない仮想ボリューム × × 上記以外 ○ ○ DPプール × ○※3 DPプールボリューム × × Cache Residency Managerが設定されているボリューム × × コマンドデバイスとして使用されているボリューム × × Cross-system Copyのペアを構成しているボリューム × × NASのシステムボリューム ○ × VSP G400,G600,G800またはVSP F400,F600,F800に搭載されたNASモジュールのシステムボリューム × × システムディスクボリューム × × コンカレントコピー対象のボリューム × × オンデマンドデバイス × × 中間ボリューム × × パスが設定されているボリューム ○ × SYSPLEXIDが設定されているメインフレームボリューム ○ ○ DEVNが設定されているメインフレームボリューム ○ ○ VOLSERが設定されているメインフレームボリューム ○ × 無停止データマイグレーションの移行元ボリューム ○ × nondisruptive migration属性でマッピングされたボリューム × × 無停止データマイグレーション用のリソースグループに属しているボリューム × × Quorumディスクとして使用されているボリューム × × ALU属性またはSLU属性のボリューム × × データダイレクトマップ用の外部ボリューム × × ドライブタイプがFMCかつ容量拡張が有効なパリティグループから作成されたボリューム × × 重複排除用のシステムデータボリューム × × High Availability Manager
- P-VOL
- S-VOL
× × ShadowImage P-VOLかつ3つのS-VOLとペアを構成しているボリューム × × S-VOLかつSP-VOLとペアを構成しているボリューム × × SP-VOLかつ2つのS-VOLとペアを構成しているボリューム × × 上記以外 ○ × Thin Image
- P-VOL
- V-VOL
- POOL
× × TrueCopy
- P-VOL
- S-VOL
次の状態は,Universal Storage Platform V/VM,Virtual Storage Platform,VSP Gx00モデル,VSP Fx00モデルまたはHUS VMでTrueCopy Syncの場合にだけ該当します。
- PSUS
- PSUE
- suspended
- PAIR
- Duplex
○※4
(内部ストレージシステムの場合だけ)× 上記以外 × × Universal Replicator
- P-VOL
- S-VOL
- COPY
- PAIR
- Pending duplex
- Duplex
× × 上記以外 ○※4 × JNL-VOL × × Copy-on-Write Snapshot P-VOL PAIRかつ世代数が1~63 ○ × 上記以外 × ×
- V-VOL
- POOL
× × Data Retention Utility※5 Read/Write ○ ○ 上記以外 ○ × XRC対象のボリューム suspended状態 ○ × 上記以外 × × 仮想IDが設定されているボリューム ○ ○※6 global-active device
- P-VOL
- S-VOL
- PSUS
- PSUE
○ × 上記以外 × × S-VOLとして予約されているボリューム × × Compatible FlashCopy® V2またはCompatible Software for IBM® FlashCopy® SE ターゲットボリューム × × 上記以外 ○ ×
- (凡例)
- ○:選択できる
- ×:選択できない
- 注※1
- 移動元がLUSEボリュームの場合,LUSEを構成するボリュームごとに移動先を選択します。移動先ボリュームは,次の条件にも合致する必要があります。
- 移動先ボリュームのすべてが,内部ボリュームまたは外部ボリュームで統一されていること
- 移動先ボリュームのI/O抑止モード,キャッシュモードおよびCLPRがすべて同じであること
- 移動先ボリュームがDPボリュームでないこと
- また,移動元と移動先のペアをHitachi Command Suite(HCS)が自動で作成するために,次の条件にも合致することをお勧めします。
- 移動先ボリュームが外部ボリュームのとき,すべてのボリュームが同じ外部ストレージシステム内にあること
- 移動先ボリュームのすべてのRAIDレベル,ドライブタイプおよびSLPRが同じであること
重要
- Universal Storage Platform V/VMのマイクロバージョンが60-05-12-00/00より前のストレージシステムのLUSEボリュームをマイグレーションする場合,データマイグレーション実行中に該当ボリュームへのI/O をしないでください。
- 注※2
- 移動先がDPボリュームまたはDPプールの場合,移動元と移動先のDPプールが異なっている必要があります。
- 注※3
- 次の条件に合致している必要があります。
- 閉塞以外の状態であること
- 移動元ボリューム以上の空き容量があること
- DPプールの使用済み容量が,使用率しきい値1,使用率しきい値2のうち高い方のしきい値を超えていないこと。マイグレーション実行後も超えないこと。
- DPプールの予約率が,最大予約率を超えていないこと。マイグレーション実行後も超えないこと。
- 移動先リソースの選択時に,新規にDPボリュームを作成するオプションを選択する場合は,DPプール内の仮想ボリューム数が上限値(VSP 5000シリーズ,VSP G1000,G1500,VSP F1500:63,232個,VSP G100 およびG200:2,048 個,VSP G150,G350,VSP F350:16,384個,VSP G370,VSP F370:32,768,VSP G400,G600,VSP F400,F600:4,096 個,VSP G700およびVSP F700:49,152,VSP G800およびVSP F800:16,384個,VSP G900およびVSP F900:63,232個,Virtual Storage Platform:63,232個,Universal Storage Platform V/VM:8,192個,HUS VM:14,080個)未満であること
- 移動元がDPボリュームのときは,移動元と移動先のDPプールが異なること
- データダイレクトマップ属性が有効でないこと
- 注※4
- 移動元と移動先のCLPRが同じである必要があります。
- 注※5
- 外部ストレージシステムがロックされている(Read/Writeでない)場合は,移動元にもできません。
- 注※6
- 次の場合は仮想IDが設定されたボリュームを移動先ボリュームに選択できません。
- 移動先がDPプールの際に表示される移動先作成オプションで,[新規DPボリュームを作成する]を選択した場合
- 移行元の容量と異なる容量を指定した場合
移動元にできない理由が表示されるボリュームは,データマイグレーションウィザードの移動元ボリューム選択ページの[選択したボリューム一覧]の[マイグレーション不可理由]列に次の文字列が表示されます。
表示される文字列 説明 Array Type サポートされていないストレージシステムです。 Cache Residency Manager
Cache LUN XPCache Residency Managerが設定されています。 Command Device コマンドデバイスとして使用されています。 Copy-On-Write Snapshot Status
XP Snapshot Status
Snapshot XP Status次のどれかに該当します。
- Copy-on-Write SnapshotのペアのP-VOLであり,状態がPAIR,世代数が64である。
- Copy-on-Write SnapshotのペアのP-VOLであり,状態がPAIRではない。
- Copy-on-Write SnapshotのペアのV-VOLである。
- Copy-on-Write SnapshotのペアのPOOLである。
Deduplication System Data Volume 重複排除用のシステムデータボリュームです。 Dynamic Provisioning [Pool Volume]
XP Thin Provisioning [Pool Volume]DPプールボリュームです。 Dynamic Provisioning [Unassigned]
XP Thin Provisioning [Unassigned]DPプールに関連づけられていない仮想ボリュームです。 External volume for which the Data Direct Mapping attribute is enabled データダイレクトマップ用の外部ボリュームです。 Externally Locked 外部ストレージシステムがData Retention Utilityでロックされています(Read/Writeでない)。 GAD Reserved
HA Reservedglobal-active deviceの副ボリュームとして予約されているボリュームです。 global-active device Status
High Availability Statusglobal-active device のペアを構成していて,状態が PSUS,PSUE のどちらでもない。 Intermediate volume 中間ボリュームです。 In the parity group, the volumes for which Accelerated Compression is enabled 容量拡張が有効なパリティグループ内のボリュームです。 Migration Reserved 移動先としてすでに予約されています。 NAS Platform (System LU) VSP G400,G600,G800またはVSP F400,F600,F800に搭載されたNASモジュールのシステムボリュームです。 Not Acquired Volume Information ボリュームの情報を取得できません。 On Demand Device オンデマンドデバイスボリュームです。 Quorum Disk Quorumディスクとして使用されているボリュームです。 Reserved Device Managerですでに予約されています。 Role Viewロールしか割り当てられていません。 ShadowImage Configuration [Leaf]
Business Copy Configuration [Leaf]
Business Copy XP Configuration [Leaf]ShadowImageのS-VOLであり,SP-VOLとペアを構成しています。 ShadowImage Configuration [Node]
Business Copy Configuration [Node]
Business Copy XP Configuration [Node]ShadowImageのSP-VOLであり,2つのS-VOLとペアを構成しています。 ShadowImage Configuration [Root]
Business Copy Configuration [Root]
Business Copy XP Configuration [Root]ShadowImageのP-VOLであり,3つのS-VOLとペアを構成しています。 System Disk システムディスクボリュームです。 Thin Image
Fast SnapThin Imageのペアを構成しています。 TrueCopy Asynchronous Status
Continuous Access Asynchronous Status
Continuous Access XP Asynchronous StatusTrueCopy Asyncのペアを構成していて,状態がPSUS,PSUE,suspendedのどれでもありません。 TrueCopy Synchronous Status
Continuous Access Synchronous Status
Continuous Access XP Synchronous Status次のどちらかに該当します。
- TrueCopy Syncのペアを構成していて,状態がPSUS,PSUE,PAIR,suspended,Duplexのどれでもない。
- Hitachi USPで,TrueCopy Syncのペアを構成していて,状態がPAIRまたはDuplexである。
Universal Replicator Status
Continuous Access Journal Status
Continuous Access XP Journal Status次のどちらかに該当します。
- Universal Replicatorのペアを構成していて,状態がCOPY,PAIR,Pending duplexまたはDuplexである。
- Universal Replicatorのジャーナルボリュームである。
Volume Migration V2
Auto LUN V2ストレージシステムにVolume Migration V2がインストールされていません。
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