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EUR 帳票出力 機能解説 EUR Server編


5.4.2 クライアントPCで出力する

蓄積した印刷データを,クライアントPCのプリンタに出力したり,プレビューしたりできます。

〈この項の構成〉

(1) 自動で出力する

帳票をクライアントPCに転送して出力する流れを,次の図に示します。

図5‒5 帳票をクライアントPCに転送して出力する流れ(自動印刷)

[図データ]

  1. 出力要求

    ユーザが,出力要求を業務プログラムに送ります。

  2. 印刷データ呼び出し

    業務プログラムが,スプールサーバ内のスプールデータから印刷データ(EPF形式ファイル)を呼び出します。

    このとき,複数のスプールデータのデータを統合して,一つの印刷データとして呼び出すこともできます。スプールデータの統合については,「6.3.2 複数のスプールデータを統合出力する」を参照してください。

  3. 印刷データ転送

    EUR Server - Spool Serviceは,生成された印刷データ(EPF形式ファイル)をクライアントPCに転送します。

  4. 出力

    印刷データ(EPF形式ファイル)を受信すると,EUR Client Serviceが起動して,指定したプリンタに自動で出力されます。

(2) ダイアログでプリンタを設定して出力する

帳票をクライアントPCに転送して出力する流れを,次の図に示します。

図5‒6 帳票をクライアントPCに転送して出力する流れ(対話型印刷)

[図データ]

  1. 出力要求

    ユーザが,出力要求を業務プログラムに送ります。

  2. 印刷データ呼び出し

    業務プログラムが,スプールサーバ内のスプールデータから印刷データ(EPF形式ファイル)を呼び出します。

    このとき,複数のスプールデータのデータを統合して,一つの印刷データとして呼び出すこともできます。スプールデータの統合については,「6.3.2 複数のスプールデータを統合出力する」を参照してください。

  3. 印刷データ転送

    EUR Server - Spool Serviceは,生成された印刷データ(EPF形式ファイル)をクライアントPCに転送します。

  4. [印刷先指定]ダイアログの表示

    印刷データ(EPF形式ファイル)を受信すると,EUR Client Serviceが起動して,出力先を設定するダイアログが表示されます。

  5. プリンタの選択

    [プリンタ]リストボックスで,クライアントPCのプリンタを選択します。

    出力したことがある印刷データ(EPF形式ファイル)を受信した場合は,前回の受信時に設定したプリンタ名が表示されます。初めて出力する印刷データ(EPF形式ファイル)を受信した場合は,プリンタ名は表示されません。

  6. トレイの選択

    [トレイ]リストボックスで,出力で使用するトレイを選択します。

    出力したことがある印刷データ(EPF形式ファイル)を受信した場合は,前回の受信時に設定したトレイ名が表示されます。初めて出力する印刷データ(EPF形式ファイル)を受信した場合は,トレイ名は表示されません。

  7. [OK]ボタンのクリック

    指定したプリンタのトレイで帳票が出力されます。

(3) 複数のクライアントに配布して出力する

クライアントPCのプリンタに配布印刷する流れを,次の図に示します。

図5‒7 クライアントPCのプリンタに配布印刷する流れ

[図データ]

印刷データの取得
1. 出力要求

ユーザが,出力要求を業務プログラムに送ります。

2. 印刷データ取得

業務プログラムが,スプールサーバ内のスプールデータから印刷データ(EPF形式ファイル)を取得します。

このとき,複数のスプールデータのデータを統合して,一つの印刷データとして取得することもできます。スプールデータの統合については,「6.3.2 複数のスプールデータを統合出力する」を参照してください。

配布印刷

手順2.で取得した印刷データを次の手順を繰り返すことで,複数のクライアントPCに配布します。

3. 印刷データ転送

EUR Server - Adapterは,取得した印刷データ(EPF形式ファイル)を,帳票サーバ内のEUR Server Serviceを経由して複数のクライアントPCに転送します。

4. 出力・プレビュー

配布先のクライアントPCのプリンタから帳票を出力したり,プレビューしたりできます。

(4) Webブラウザから出力する(ActiveXクライアント印刷)

クライアントPCのプリンタにActiveXクライアント印刷する流れを,次の図に示します。

図5‒8 クライアントPCのプリンタにActiveXクライアント印刷する流れ

[図データ]

  1. 出力要求

    ユーザが,出力要求を業務プログラムに送ります。

  2. 印刷データ取得

    業務プログラムが,スプールサーバ内のスプールデータから印刷データ(EPF形式ファイル)を取得します。

    このとき,複数のスプールデータのデータを統合して,一つの印刷データとして取得することもできます。スプールデータの統合については,「6.3.2 複数のスプールデータを統合出力する」を参照してください。

  3. 印刷データ転送

    EUR Server - Spool Serviceは,取得した印刷データ(EPF形式ファイル)をアプリケーションサーバに転送します。

  4. ダウンロード

    クライアントPCのWebブラウザから,Webサーバにアクセスして印刷データ(EPF形式ファイル)をダウンロードします。

    Webサーバとアプリケーションサーバが別マシンであったり,ネットワークを共有していたりする場合は,業務プログラム側でアプリケーションサーバの印刷データ(EPF形式ファイル)をWebサーバに転送しておいてください。

  5. 出力・プレビュー

    印刷データ(EPF形式ファイル)のダウンロードが完了すると,EUR Web Plug-Inによって,クライアントPCのプリンタから帳票を出力したり,プレビューしたりできます。

■注意
  • 32ビット版のInternet Explorerを使用してください。64ビット版のInternet Explorerでは,帳票の出力はできません。

(5) Webブラウザから出力する(ヘルパクライアント印刷)

クライアントPCのプリンタにヘルパクライアント印刷する流れを,次の図に示します。

図5‒9 クライアントPCのプリンタにヘルパクライアント印刷する流れ

[図データ]

  1. 出力要求

    ユーザが,出力要求を業務プログラムに送ります。

  2. 印刷データ取得

    業務プログラムが,スプールサーバ内のスプールデータから印刷データ(EPF形式ファイル)を取得します。

    このとき,複数のスプールデータのデータを統合して,一つの印刷データとして取得することもできます。スプールデータの統合については,「6.3.2 複数のスプールデータを統合出力する」を参照してください。

  3. 印刷データ転送

    EUR Server - Spool Serviceは,取得した印刷データ(EPF形式ファイル)をアプリケーションサーバに転送します。

  4. ダウンロード

    クライアントPCのWebブラウザから,Webサーバにアクセスして印刷データ(EPF形式ファイル)をダウンロードします。

    Webサーバとアプリケーションサーバが別マシンであったり,ネットワークを共有していたりする場合は,業務プログラム側でアプリケーションサーバの印刷データ(EPF形式ファイル)をWebサーバに転送しておいてください。

    なお,HTTPヘッダに指定するEPF形式ファイルのMIMEタイプには,次のとおり指定してください。

    • 帳票をプリンタに出力する場合

      「application/vnd.hitachi.eurpm-print」を指定します。

    • 帳票をプレビューする場合

      「application/vnd.hitachi.eurpm-view」を指定します。

  5. ヘルパ起動

    クライアントPCにインストールされたEUR Client Serviceを起動します。

  6. 出力・プレビュー

    クライアントPCのプリンタから帳票を出力したり,プレビューしたりできます。

手順4.の代わりに,EPF形式ファイルをメール送信する運用もできます。この場合,メール受信者は,添付されたEPF形式ファイルをローカルディスクに保存し,ダブルクリックすることで出力できます。

(6) コマンドを実行して出力する

コマンドを実行してクライアントPCのプリンタに出力する流れを,次の図に示します。

図5‒10 コマンドを実行してクライアントPCのプリンタに出力する流れ

[図データ]

  1. 出力要求

    ユーザが,出力要求を業務プログラムに送ります。

  2. 印刷データ取得

    業務プログラムが,スプールサーバ内のスプールデータから印刷データ(EPF形式ファイル)を取得します。

    このとき,複数のスプールデータのデータを統合して,一つの印刷データとして取得することもできます。スプールデータの統合については,「6.3.2 複数のスプールデータを統合出力する」を参照してください。

  3. 印刷データ転送

    EUR Server - Spool Serviceは,取得した印刷データ(EPF形式ファイル)をアプリケーションサーバに転送します。

  4. ダウンロード

    クライアントPCの業務プログラムから,Webサーバにアクセスして印刷データ(EPF形式ファイル)をダウンロードします。

    Webサーバとアプリケーションサーバが別マシンであったり,ネットワークを共有していたりする場合は,業務プログラム側でアプリケーションサーバの印刷データ(EPF形式ファイル)をWebサーバに転送しておいてください。

  5. 出力・プレビュー

    コマンドを実行して,クライアントPCのプリンタから帳票を出力したり,プレビューしたりできます。

■参考

手順2.で取得した印刷データを直接クライアントPCに転送してeurpmcepfviewerコマンドを実行しても,帳票を出力できます。

(7) 起動部品の設定

(a) 帳票を自動印刷または対話型印刷する場合

帳票出力で使用する起動部品のメソッドおよびオプションの指定値を次に示します。

  • SS-ActiveX起動部品:PrintSpoolReportメソッド

  • SS-Java起動部品:printSpoolReportメソッド

  • SS-コマンド起動部品(eurpmlscコマンド):/mオプションにprintを指定

また,出力時に設定する起動部品のプロパティ,メソッド,およびオプションの指定値を次に示します。

  1. スプールデータを格納しているサーバの設定

    スプールデータを格納しているサーバのIPアドレスを設定します。

    サーバの設定

    起動部品の設定項目

    設定する値

    スプールデータを格納しているサーバのIPアドレス

    SS-ActiveX起動部品:ServerAddressプロパティ

    SS-Java起動部品:setServerAddressメソッド

    SS-コマンド起動部品:/svrオプション

    255.255.255.255形式

  2. ジョブIDの設定

    スプールデータのジョブIDを設定します。

    ジョブIDの設定

    起動部品の設定項目

    設定する値

    スプールデータのジョブID

    SS-ActiveX起動部品:SearchJobIDプロパティ

    SS-Java起動部品:setSearchJobIDメソッド,またはsetSearchJobIDMultiメソッド

    SS-コマンド起動部品:/idオプション

    ジョブID(36バイト以内の文字列)

  3. クライアントPCの設定

    クライアントPCのIPアドレスを指定します。

    クライアントPCの設定

    起動部品の設定項目

    設定する値

    IPアドレス

    SS-ActiveX起動部品:ClientAddressプロパティ

    SS-Java起動部品:setClientAddressメソッド

    SS-コマンド起動部品:/clientオプション

    255.255.255.255形式

  4. ダイアログの設定

    クライアントPCで帳票を受信したときにダイアログを表示するかどうかを設定します。

    ダイアログの設定

    起動部品の設定項目

    設定する値

    ダイアログを表示するかどうか

    SS-ActiveX起動部品:DispPrintDlgプロパティ

    SS-Java起動部品:setDispPrintDlgメソッド

    0(対話型印刷)

    1(自動印刷)

    2(対話型印刷プレビュー表示)

    3(全自動印刷)※1

    4(対話型印刷プレビュー表示限定)※2

    SS-コマンド起動部品:/dialogオプション

    dialog(対話型印刷)

    auto(自動印刷)

    preview(対話型印刷プレビュー表示)

    fullauto(全自動印刷)※1

    pvonly(対話型印刷プレビュー表示限定)※2

    注※1 印刷実行時に印刷中のダイアログが表示されません。

    注※2 印刷ダイアログを表示しないため,印刷を実行できません。

  5. クライアントPCのプリンタの設定

    必要に応じて,出力時に使用するクライアントPCのプリンタやトレイを設定します。設定しないときは,スプールデータの属性値に従って出力先を決定します。

    クライアントPCのプリンタの設定方法は,プリンタクラス名とプリンタ名の2種類の指定方法を選択できます。

    クライアントPCのプリンタの設定

    起動部品の設定項目

    設定する値

    プリンタクラス名

    SS-ActiveX起動部品:PrinterClassNameプロパティ

    SS-Java起動部品:setPrinterClassNameメソッド

    SS-コマンド起動部品:/prcオプション

    プリンタクラス名(80バイト以内の文字列)

    プリンタ名

    OS上のプリンタ名

    SS-ActiveX起動部品:ClientPrinterNameプロパティ

    SS-Java起動部品:setClientPrinterNameメソッド

    SS-コマンド起動部品:/pオプション

    プリンタ名(80バイト以内の文字列)

    OS上のプリンタのトレイ名

    SS-ActiveX起動部品:ClientTrayNameプロパティ

    SS-Java起動部品:setClientTrayNameメソッド

    SS-コマンド起動部品:/tオプション

    トレイ名(80バイト以内の文字列)

  6. 印刷付加情報の設定

    必要に応じて,印刷付加情報(印刷部数,用紙の向きなど)を設定します。

(b) 帳票を配布印刷,ActiveXクライアント印刷,ヘルパクライアント印刷,またはコマンド実行で印刷する場合

帳票を配布印刷,ActiveXクライアント印刷,ヘルパクライアント印刷,またはコマンド実行で印刷するには,スプールデータから印刷データ(EPF形式ファイル)を取得する必要があります。スプールデータから印刷データを取得するときの起動部品の設定については,「5.3 帳票の印刷データを取得する」を参照してください。

取得した印刷データは,次の方法で印刷します。

  • 配布印刷する場合

    取得した印刷データをクライアントPCに配布して印刷します。

    クライアントPCに配布印刷するときの起動部品の設定については,「3.2.2(2)(b) 配布印刷に関する設定」(自動印刷するとき)または「3.2.4(2)(b) 配布印刷に関する設定」(対話型印刷するとき)を参照してください。

  • ActiveXクライアント印刷またはヘルパクライアント印刷する場合

    取得した印刷データをWebサーバに転送しておき,クライアントPCのWebブラウザから印刷データをダウンロードして印刷します。

  • コマンド実行で印刷する場合

    取得した印刷データをWebサーバに転送しておきます。クライアントPCのWebブラウザから印刷データをダウンロードしたあと,eurpmcepfviewerコマンドを実行して印刷します。また,取得した印刷データを直接クライアントPCに転送してeurpmcepfviewerコマンドを実行しても,帳票を印刷できます。