6.3.2 複数のスプールデータを統合出力する
ここでは,複数のスプールデータを統合出力する方法について説明します。なお,複数のスプールデータを統合出力するには,EUR Server Enterpriseが必要です。
- 〈この項の構成〉
(1) 出力条件
複数のスプールデータの印刷データを統合して,EPF形式ファイルとして出力するには,次の条件をすべて満たす必要があります。
-
統合対象のスプールデータの数が,2〜10,000個であること。
-
統合対象のスプールデータに格納されている印刷データの合計ページ数が,999,999ページ以下であること。
-
統合対象のスプールデータに格納されている印刷データのファイルサイズの合計が2GB以下であること。
-
統合対象のすべてのスプールデータに格納されている印刷データの解像度(DPI値)がすべて同じであること。
-
統合対象のスプールデータが,すべて存在していること。
-
統合対象のすべてのスプールデータにアクセスできること。
-
統合対象のスプールデータの取得可否が,すべて「取得可能」に設定されていること。
(2) 出力の流れ
複数のスプールデータを統合出力する流れを次の図に示します。
-
出力要求
帳票の出力要求が業務プログラムに送られます。
-
統合対象スプールデータの指示
EUR Server - Spool Service Adapterは,統合対象のスプールデータのジョブIDをスプールサーバのEUR Server - Spool Serviceに指示します。
-
ファイル統合
EUR Server - Spool Serviceは,指示されたジョブIDに該当するスプールデータから,印刷データ(EPF形式ファイル)を取得して統合します。
-
出力
統合された印刷データは,スプールサーバのプリンタに出力できます。
また,統合した印刷データをアプリケーションサーバの任意のフォルダやメモリに出力し,クライアントPCに配布したり,Webブラウザからダウンロードしたりすることで,クライアントPCのプリンタに出力したり,クライアントPCでプレビューしたりできます。
- ■注意
-
スプールサーバのプリンタに出力するには,スプールサーバにWindows版のEUR Server - Spool Serviceが必要です。スプールサーバがUNIX/Linux環境の場合は,スプールサーバのプリンタへの出力はできません。
(3) 起動部品の設定
(a) 統合出力したスプールデータをファイル取得する場合
複数のスプールデータの統合出力(ファイル取得)で使用する起動部品のメソッドおよびオプションの指定値を次に示します。
-
SS-ActiveX起動部品:GetSpoolFileメソッド
-
SS-Java起動部品:getSpoolFileメソッド
-
SS-コマンド起動部品(eurpmlscコマンド):/mオプションにgetを指定
また,出力時に設定する起動部品のプロパティ,メソッド,およびオプションの指定値を次に示します。
-
統合対象スプールデータの設定
統合対象のスプールデータを設定します。
統合対象スプールデータの設定
起動部品の設定項目
設定する値
スプールデータのジョブID
SS-ActiveX起動部品:SearchJobIDプロパティ
SS-Java起動部品:setSearchJobIDメソッド,またはsetSearchJobIDMultiメソッド
SS-コマンド起動部品:/idオプション
ジョブID(36バイト以内の文字列)
蓄積先のスプールサーバのIPアドレス
SS-ActiveX起動部品:ServerAddressプロパティ
SS-Java起動部品:setServerAddressメソッド
SS-コマンド起動部品:/svrオプション
255.255.255.255形式
-
出力EPF形式ファイルの設定
統合した印刷データをアプリケーションサーバの任意のフォルダに出力する場合,出力EPF形式ファイル名を設定します。
出力EPF形式ファイルの設定
起動部品の設定項目
設定する値
出力ファイル名
SS-ActiveX起動部品:OutputFileNameプロパティ
SS-Java起動部品:setOutputFileNameメソッド
SS-コマンド起動部品:/ofnオプション
出力ファイル名(255バイト以内の文字列)
EPF形式ファイルを取得するフォルダ
SS-ActiveX起動部品:OutputFilePathプロパティ
SS-Java起動部品:setOutputFilePathメソッド
SS-コマンド起動部品:/oオプション
取得するフォルダのパス(255バイト以内の文字列)
-
印刷付加情報の設定
必要に応じて,印刷付加情報(印刷部数,用紙の向き,プリンタクラス名など)を設定します。
(b) 統合出力したスプールデータを印刷する場合
複数のスプールデータの統合出力(印刷)で使用する起動部品のメソッドおよびオプションの指定値を次に示します。
-
SS-ActiveX起動部品:PrintSpoolReportメソッド
-
SS-Java起動部品:printSpoolReportメソッド
-
SS-コマンド起動部品(eurpmlscコマンド):/mオプションにprintを指定
また,出力時に設定する起動部品のプロパティ,メソッド,およびオプションの指定値を次に示します。
-
統合対象スプールデータの設定
統合対象のスプールデータを設定します。
統合対象スプールデータの設定
起動部品の設定項目
設定する値
スプールデータのジョブID
SS-ActiveX起動部品:SearchJobIDプロパティ
SS-Java起動部品:setSearchJobIDメソッド,またはsetSearchJobIDMultiメソッド
SS-コマンド起動部品:/idオプション
ジョブID(36バイト以内の文字列)※
蓄積先のスプールサーバのIPアドレス
SS-ActiveX起動部品:ServerAddressプロパティ
SS-Java起動部品:setServerAddressメソッド
SS-コマンド起動部品:/svrオプション
255.255.255.255形式
-
印刷方式の設定
スプールデータの印刷方法を設定します。
印刷設定
起動部品の設定項目
設定する値
印刷方法
SS-ActiveX起動部品:PrintModeプロパティ
SS-Java起動部品:setPrintModeメソッド
0(蓄積スプールサーバ印刷)
SS-コマンド起動部品:/pm
sv(スプールサーバで印刷する)
-
印刷付加情報の設定
必要に応じて,印刷付加情報(印刷部数,用紙の向き,プリンタクラス名など)を設定します。
(4) 統合後の属性情報
統合後のEPF形式ファイルの属性情報を次の表に示します。
EPF形式ファイルの属性 |
統合時の指定可否 |
統合後のEPF形式ファイルに設定される値 |
||
---|---|---|---|---|
統合時に指定あり |
統合時に指定なし |
|||
スプールデータを一つだけ選択 |
スプールデータを複数選択 |
|||
印刷部数 |
○ |
指定値 |
スプールデータの印刷データの属性値 |
1 |
印刷部数の単位 |
○ |
指定値 |
スプールデータの印刷データの属性値 |
0(部単位) |
用紙の向き |
○ |
指定値 |
スプールデータの印刷データの属性値 |
未指定(印刷データを蓄積したときのページごとの属性で出力) |
スプールタイトル |
○ |
指定値 |
スプールデータの印刷データの属性値 |
未指定(印刷時は最初に指定するスプールデータに格納された印刷データの帳票ファイル名を出力) |
プリンタクラス名 |
○ |
指定値 |
スプールデータの印刷データの属性値 |
未指定 |
EUR Print Serviceのバージョン |
× |
− |
スプールデータの印刷データの属性値 |
統合するスプールデータの印刷データの最新バージョン |
印刷データを作成したプログラムのバージョン |
× |
− |
スプールデータの印刷データの属性値 |
統合するスプールデータの印刷データの最新バージョン |
ジョブID |
× |
− |
スプールデータの属性値 |
最初に指定するスプールデータの属性値 |
総ページ数 |
× |
− |
スプールデータの印刷データの属性値 |
統合するスプールデータの印刷データのページ数の総和 |
印刷日時書式 |
× |
− |
スプールデータの印刷データの属性値 |
最初に指定するスプールデータの印刷データの属性値 |
印刷日時フォント名 |
× |
− |
スプールデータの印刷データの属性値 |
最初に指定するスプールデータの印刷データの属性値 |
印刷日時フォントサイズ |
× |
− |
スプールデータの印刷データの属性値 |
最初に指定するスプールデータの印刷データの属性値 |
印刷日時出力位置 |
× |
− |
スプールデータの印刷データの属性値 |
最初に指定するスプールデータの印刷データの属性値 |
印刷日時フォント色 |
× |
− |
スプールデータの印刷データの属性値 |
最初に指定するスプールデータの印刷データの属性値 |