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EUR 帳票出力 機能解説 EUR Server編


3.2.2 自動で出力する(配布印刷)

同一の帳票を複数のクライアントに配布して出力する方法を,配布印刷といいます。帳票サーバから帳票の印刷データ(EPF形式ファイル)がクライアントPCに配布されると,EUR Client Serviceが起動して帳票を自動で出力できます(自動印刷)。印刷実行時に印刷中ダイアログを表示させないように設定することもできます(全自動印刷)。

自動印刷では,あらかじめ設定したプリンタに帳票が自動で出力されるため,データ受信時にクライアントPCを操作する必要はありません。

〈この項の構成〉

(1) 出力の流れ

帳票を複数のクライアントPCに配布して出力する流れを,次の図に示します。

図3‒5 帳票を複数のクライアントPCに配布して出力する流れ(自動印刷)

[図データ]

印刷データの生成
1. 出力要求

帳票の出力要求が業務プログラムに送られます。

2. 転送

EUR Server - Adapterは,ユーザデータファイルを帳票サーバのEUR Server Serviceに転送します。

3. 印刷データ生成

転送されたユーザデータファイルとあらかじめ帳票サーバに配置しておいた印刷定義ファイルから,印刷データ(EPF形式ファイル)が生成されます。

なお,手順1.〜手順3.で生成された印刷データが複数ある場合,一つの印刷データに統合することもできます。印刷データの統合方法については,「6.3.1 複数のEPF形式ファイルを統合出力する」を参照してください。

配布印刷

手順3.で生成した印刷データを,手順4.〜手順5.を繰り返すことで複数のクライアントPCに配布します。

4. 印刷データ転送(EUR Server - AdapterからEUR Server Serviceへ)

EUR Server - Adapterは,生成された印刷データ(EPF形式ファイル)をEUR Server Serviceに転送します。

5. 印刷データ転送(EUR Server ServiceからクライアントPCへ)

EUR Server Serviceは,転送された印刷データ(EPF形式ファイル)をクライアントPCに転送します。

6. 出力

印刷データ(EPF形式ファイル)を受信すると,EUR Client Serviceが起動して,指定したプリンタに自動で出力されます。

(2) 起動部品の設定

(a) 印刷データの生成に関する設定

印刷データの生成で使用する起動部品のメソッド,関数,およびオプションの指定値を次に示します。

  • ActiveX起動部品:OutputEPFReportメソッド

  • Java起動部品:outputEPFReportメソッド

  • COBOL起動部品:OutputEPFReport関数

  • コマンド起動部品(eurpmcコマンド):/mオプションにepfを指定

また,生成時に設定する起動部品のプロパティ,メソッド,パラメタ,およびオプションの指定値を次に示します。

  1. 帳票ファイルの設定

    印刷する帳票ファイル名を設定します。

    帳票ファイルの設定

    起動部品の設定項目

    設定する値

    帳票ファイルの名前

    ActiveX起動部品:ReportFileNameプロパティ

    Java起動部品:setReportFileNameメソッド

    COBOL起動部品:REPORTNAMEパラメタ

    コマンド起動部品:/rfオプション

    帳票ファイル名(255バイト以内の文字列)

  2. EPF形式ファイルの設定

    EPF形式ファイル名を設定します。

    EPF形式ファイルの設定

    起動部品の設定項目

    設定する値

    EPF形式ファイル名

    ActiveX起動部品:EPFFileNameプロパティ

    Java起動部品:setEPFFileNameメソッド

    COBOL起動部品:EPFFILENAMEパラメタ

    コマンド起動部品:/epfnオプション

    EPF形式ファイル名(255バイト以内の文字列)

  3. マッピングデータファイルの設定

    マッピングデータファイル名を設定します。

    ユーザデータファイルの設定

    起動部品の設定項目

    設定する値

    マッピングデータファイルの名前

    ActiveX起動部品:DataFileNameプロパティ

    Java起動部品:setDataFileNameメソッド

    COBOL起動部品:MAPPINGDATAパラメタ

    コマンド起動部品:/mapオプション

    マッピングデータファイル名(255バイト以内の文字列)

  4. ユーザデータファイル,印刷定義ファイル,および印刷付加情報の設定

    必要に応じて,ユーザデータファイル(ユーザ定義データファイルなど),印刷定義ファイル(複数様式情報定義ファイル,文書情報設定ファイル,置き換え表管理情報ファイルなど)および印刷付加情報(印刷開始ページ,印刷部数,ページ番号など)を設定します。

  5. プリンタクラス名の設定

    同じ帳票が送られてきたときに,前回印刷時に指定したプリンタ名とトレイ名をデフォルト表示するためには,帳票のプリンタクラス名で前回印刷時の情報を記憶させます。

    クライアントPCのプリンタ

    起動部品の設定項目

    設定する値

    プリンタクラス名

    ActiveX起動部品:PrinterClassNameプロパティ

    Java起動部品:setPrinterClassNameメソッド

    COBOL起動部品:PRINTERCLASSNAMEパラメタ

    コマンド起動部品:/prcオプション

    プリンタクラス名(80バイト以内の文字列)

■参考

1.の帳票ファイルの設定は,帳票ファイル名を直接指定する以外に,帳票セット指定ファイルを指定することもできます。

  • 帳票セット指定ファイル

    帳票ファイル名やマッピングデータファイル名を,帳票セットとして帳票セット指定ファイルにまとめて指定することができます。出力時には次に示すプロパティ,メソッド,パラメタ,またはオプションで帳票セット指定ファイル名を指定してください。

    ・ActiveX起動部品:MultiReportSetFileNameプロパティ

    ・Java起動部品:setMultiReportSetFileNameメソッド

    ・COBOL起動部品:REPORTSETFILEパラメタ

    ・コマンド起動部品:/mrsオプション

(b) 配布印刷に関する設定

配布印刷で使用する起動部品のメソッド,関数,およびオプションの指定値を次に示します。

  • ActiveX起動部品:PrintPMReportメソッド

  • Java起動部品:printReportメソッド

  • COBOL起動部品:PrintReport関数またはPrintReport2関数

  • コマンド起動部品:/m print

また,印刷時に設定する起動部品のプロパティ,メソッド,パラメタ,およびオプションの指定値を次に示します。

  1. 配布するEPF形式ファイルの設定

    配布するEPF形式ファイル名を設定します。

    配布するEPF形式ファイル名には,「(a) 印刷データの生成に関する設定」の手順2.で生成したEPF形式ファイル名を設定します。

    EPF形式ファイルの設定

    起動部品の設定項目

    設定する値

    EPF形式ファイル名

    ActiveX起動部品:EPFFileNameプロパティ

    Java起動部品:setEPFFileNameメソッド

    COBOL起動部品:EPFFILENAMEパラメタ

    コマンド起動部品:/epfnオプション

    EPF形式ファイル名(255バイト以内の文字列)

  2. 印刷方法の設定

    帳票を印刷する方法を設定します。

    印刷方法の設定

    起動部品の設定項目

    設定する値

    印刷方法

    ActiveX起動部品:PrintModeプロパティ

    Java起動部品:setPrintModeメソッド

    COBOL起動部品:PRINTMODEパラメタ

    5(クライアントPCに配布印刷する)

    コマンド起動部品:/pmオプション

    clds(クライアントPCに配布印刷する)

  3. クライアントPCの設定

    クライアントPCのIPアドレスを指定します。

    クライアントPCの設定

    起動部品の設定項目

    設定する値

    IPアドレス

    ActiveX起動部品:ClientAddressプロパティ

    Java起動部品:setClientAddressメソッド

    COBOL起動部品:CLIENTADDRパラメタ

    コマンド起動部品:/clientオプション

    255.255.255.255形式

  4. ダイアログの設定

    クライアントPCで帳票を受信したときにダイアログを表示するかどうかを設定します。

    ダイアログの設定

    起動部品の設定項目

    設定する値

    ダイアログを表示するかどうか

    ActiveX起動部品:DispPrintDlgプロパティ

    Java起動部品:setDispPrintDlgメソッド

    COBOL起動部品:DISPPRINTDLGパラメタ

    1(自動印刷)

    3(全自動印刷)

    コマンド起動部品:/dialogオプション

    auto(自動印刷)

    fullauto(全自動印刷)

    注※ 印刷実行時に印刷中のダイアログが表示されません。

  5. クライアントPCのプリンタの設定

    クライアントPCのプリンタを設定します。

    クライアントPCのプリンタ

    起動部品の設定項目

    設定する値

    プリンタ名

    OS上のプリンタ名

    ActiveX起動部品:ClientPrinterNameプロパティ

    Java起動部品:setClientPrinterNameメソッド

    COBOL起動部品:CLIENTPRINTERNAMEパラメタ

    コマンド起動部品:/pオプション

    プリンタ名(80バイト以内の文字列)

    OS上のプリンタのトレイ名

    ActiveX起動部品:ClientTrayNameプロパティ

    Java起動部品:setClientTrayNameメソッド

    COBOL起動部品:CLIENTTRAYNAMEパラメタ

    コマンド起動部品:/tオプション

    トレイ名(80バイト以内の文字列)

(3) 出力結果

3.2.1(4) 出力結果」を参照してください。

(4) 注意事項

帳票を連続して出力すると,メモリ不足のエラーになることがあります。クライアントPCでメモリ不足のエラーが発生した場合は,時間を置いて再度出力するか,EUR Client Serviceを再起動してください。

(5) コーディング例

次に示すパラメタを指定して,クライアントPCへの配布印刷をします。

■入力ファイル(EPF形式データ):EUR Server - Adapter稼働マシンに配置

EPF形式ファイル名:sample1_EPF.epf

EPF形式ファイルパス:c:\Temp

■そのほかの設定

印刷方式:5

クライアントPCのIPアドレス:127.0.0.1

コーディング例を次に示します。

(a) Java起動部品の場合

import JP.co.Hitachi.soft.EURPM.*;
 
    try {
      EURPMAdapterForJava obj=new EURPMAdapterForJava();
 
      String target = request.getRemoteAddr();
 
      obj.setEPFFileName("sample1_EPF.epf");
                          //EPF形式ファイル名の指定
      obj.setEPFFilePath("c:\\Temp");
                          //EPF形式ファイルパスの指定 
      obj.setPrintMode(5);
                          //印刷方式の指定
      obj.setClientAddress("127.0.0.1");
                          //クライアントPCのIPアドレスの指定
      obj.printReport();
                          //帳票の出力指示
    }
    catch (JP.co.Hitachi.soft.EURPM.EURPMException ce) {
                                    //エラー処理
      int errid;
      errid=ce.getErrorCode();
                     //エラーコードをerridに取り出す
      if (errid==301) {
                     //KEEY301-Eの場合のエラー処理
      } else if (errid==   {
                     //以下,そのほかのエラー処理を繰り返す
              :
      }
    }