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JP1 Version 13 JP1/IT Desktop Management 2 導入・設計ガイド


2.7.14 リモートコントロール中のコンピュータの画面の操作

リモートコントロール機能で遠隔地のコンピュータを操作する場合、コントローラは対象のコンピュータに対して次のような操作ができます。

キーボードやマウスの操作

呼び出した画面に対して、文字を入力したり、アイコンをドラッグしたりするなど、手もとのコンピュータを操作するのと同じようにキーボード操作、マウス操作ができます。[Ctrl]+[C]などのショートカットキーは、特殊キーとして登録することで実行できます。

CD-ROMやDVD-ROMの利用

コントローラを使用しているコンピュータのCD/DVDドライブ(ドライブ種別がCD-ROMのドライブ)を、接続先のコンピュータのドライブとして利用できます。データを転送することなく、接続先のコンピュータにソフトウェアをインストールできます。

シャットダウンと再起動の実行

コントローラから、コンピュータのシャットダウンや再起動を指示できます。再起動時にコンピュータへの再接続を設定しておくと、再起動後に自動的に再接続し、リモートコントロールを継続できます。

クリップボードの転送

コントローラとコンピュータ間でクリップボードのデータを送受信できます。この機能を使用すると、コントローラ側のコンピュータと対象のコンピュータとの間で、テキストやビットマップをコピー&ペーストできます。

関連リンク

〈この項の構成〉

(1) リモートコントロール中の特殊キーの登録と入力

機能キー、ショートカットキーなどの特殊キーは、キーボードから入力するとコントローラ自身で実行されてしまいます。このため、コンピュータに対して特殊キーを入力する場合は、コントローラに特殊キーを登録して実行する必要があります。コントローラに特殊キーを登録する方法については、マニュアル「JP1/IT Desktop Management 2 運用ガイド」の、コントローラに特殊キーを登録する手順についての説明を参照してください。

登録された特殊キーは、[リモートコントロール]ウィンドウの「キーボードの入力バー」に表示されます。キーボードの入力バーに表示されたボタンをクリックするだけで、特殊キーを対象のコンピュータに入力できます。

[図データ]

ヒント

コントローラ側のコンピュータが日本語キーボードで、接続先のコンピュータが英語キーボードのように入力環境が異なる場合、キーボード操作で特定の文字を入力できないことがあります。このような場合、特殊キーやクリップボードのデータの転送を利用することで、入力環境の違いを意識しないで文字を入力できます。

関連リンク

(2) デフォルトでコントローラに提供されている特殊キー

コントローラがデフォルトで提供している特殊キーの一覧を次の表に示します。これらは、特殊キーの登録時に[特殊キータイプ]で「デフォルト」を設定すると選択できます。

項番

特殊キー

1

[F1]

2

[Shift]+[F1]

3

[Shift]+[F10]

4

[SpaceBar]

5

[Esc]

6

[Alt]

7

[Alt]+[Tab]

8

[Alt]+[Esc]

9

[Alt]+[SpaceBar]

10

[Alt]+[-]

11

[Alt]+[Enter]

12

[Alt]+[F4]

13

[Alt]+[F6]

14

[Alt]+[PrintScreen]

15

[PrintScreen]

16

[Ctrl]+[C]

17

[Ctrl]+[O]

18

[Ctrl]+[P]

19

[Ctrl]+[S]

20

[Ctrl]+[V]

21

[Ctrl]+[X]

22

[Ctrl]+[Z]

23

[Ctrl]+[Esc]

24

[Ctrl]+[F6]

25

[Ctrl]+[Tab]

26

[漢字]

(3) リモートコントロール中のクリップボードのデータの転送

コントローラまたはコンピュータでクリップボードの内容が更新されたときに、クリップボードのデータを自動的に接続先のコントローラまたはコンピュータに転送できます。コントローラとコンピュータのクリップボードの内容が常に同一となるため、例えば、次のような場合にコントローラとコンピュータの違いを意識しないで作業ができます。

なお、転送できるデータの種類は接続方法によって、次のように異なります。

標準接続の場合

次に示す種類のデータ、およびこれらを組み合わせたデータを送受信できます。

  • テキスト

  • ビットマップ

  • メタファイル

  • リッチテキスト

  • カラーパレット

RFBの接続の場合

ASCIIコードのテキストだけ送受信できます。ほかの文字コードのテキストを送受信できるかどうかは、接続先の環境に依存します。

クリップボードのデータの送受信は、コントローラがアクティブになったタイミングで実行されます。ただし、RFBで接続している場合は、コンピュータ側でクリップボードの内容が更新されるたびにデータが受信されます。

ヒント

標準接続の場合、容量の大きなデータの転送によって動作が遅くなることを防止したいときは、[環境の設定]ダイアログの[高速化]タブで、テキストデータだけを転送するようにも設定できます。

ヒント

データの転送中は、[リモートコントロール]ウィンドウ下部のステータスバーにメッセージおよびプログレスバーが表示されます。予想外に大きなファイルの転送が始まって、なかなか処理が終わらないようなときは、プログレスバー上を右クリックすると表示される[キャンセル]メニューで転送を中断できます。中断した場合、転送中のデータは破棄され、クリップボードの内容は元に戻ります。

(4) リモートコントロール接続できるコンピュータの検索範囲の指定方法

ネットワーク上から、リモートコントロールできるコンピュータを検索するための検索範囲は、次の表に示す方法で指定できます。

項番

方法

指定例

指定例の場合の対象範囲

1

単独のIPアドレスを指定する。

172.17.11.10

172.17.11.10

2

IPアドレスを3バイト目まで記述し、最終1バイトを、ハイフン(-)で区切って2つ指定する。連続する複数のIPアドレスの範囲内で検索する場合に使用する。

172.17.11.10-20

172.17.11.10〜172.17.11.20

3

IPアドレスを3バイト目まで記述し、最終1バイトを、コンマ(,)で区切って複数個指定する。連続しない複数のIPアドレスを対象として検索する場合に使用する。

172.17.11.10,11,100,200

172.17.11.10、172.17.11.11、172.17.11.100、172.17.11.200

4

項番2、3を組み合わせて指定する。

172.17.11.10,50-100,200

172.17.11.10、172.17.11.50〜172.17.11.100、172.17.11.200

5

IPアドレスの3バイト目までを指定する。同一サブネット内のすべてのIPアドレスを検索対象とする場合に使用する。

172.17.11

172.17.11.0〜172.17.11.255

(5) リモートコントロール接続できるコンピュータの状態

[接続できるコンピュータの検索]ダイアログに表示されるコンピュータの状態は、「無応答」、「未起動」、「接続拒否」、「接続待ち」の4種類です。状態の遷移を次の図に示します。

[図データ]

無応答

 該当するコンピュータが存在しない、または起動していない状態です。

未起動

 該当するコンピュータがリモートコントロールの対象外、またはリモコンエージェントが起動していない状態です。

接続拒否

 該当するコンピュータ(エージェント導入済み)でリモコンエージェントは起動しているが、 接続できない状態です。原因として、許可コントローラとして登録されていない、リモートコントロールで使用するポートをほかのアプリケーションで使用しているなどが考えられます。[接続できるコンピュータの検索]ダイアログの[詳細]タブでメッセージを確認してください。

接続待ち

 該当するコンピュータが接続できる状態です。

(6) リモートコントロール中(フルスクリーン表示時)のメニューバーからの操作

フルスクリーン表示で表示されるメニューバーから、リモートコントロールの設定、データの送受信状況の確認、画面表示設定などが実行できます。

それぞれのアイコンおよび機能の説明について、次の表に示します。

アイコン画像

アイコン名

説明

[図データ]

ピンボタン

アイコンをクリックすると、メニューバーを常に表示させるかどうかを設定できます。有効にすると、マウスカーソルが画面上部になくても、常に画面上部にメニューバーが表示されます。デフォルトは、無効です。

[図データ]

Ctrl+Alt+Deleteボタン

アイコンをクリックすると、接続先の機器に、[Ctrl]+[Alt]+[Delete]キーと同様の操作を実行できます。

[図データ]

最新表示ボタン

アイコンをクリックすると、リモートコントロール中の画面の表示内容を最新の状態に更新できます。画面が乱れて表示画面をリフレッシュしたい場合などに実行します。

[図データ]

送受信アイコン

リモート接続先との送受信状況や、暗号化の状態を確認できます。かぎ付きのアイコンが表示されている場合は、暗号化されている状態です。

また、右クリックすると表示されるメニューから、送受信データの値を初期化できます。

[図データ]

最小化ボタン

アイコンをクリックすると、リモートコントロール中の画面を最小化できます。画面には、接続元コンピュータのデスクトップ画面が表示されます。

[図データ]

元に戻すボタン

アイコンをクリックすると、フルスクリーン表示を解除して、ウィンドウ表示に戻せます。

[図データ]

閉じるボタン

アイコンをクリックすると、リモートコントロールを終了して、ウィンドウが閉じます。

(7) リモートコントロール時の注意事項

リモートコントロール機能を利用する際の注意事項を次に示します。また、接続先のコンピュータのOSごとの注意事項についても説明します。

Windows Server 2019、Windows Server 2016、Windows 10、Windows 8.1、Windows 8、およびWindows Server 2012のコンピュータと接続する場合の注意事項

Windows 7、Windows Server 2008、およびWindows Vistaのコンピュータと接続する場合の注意事項

Windows 10、Windows 8.1、Windows 8、Windows 7およびWindows Vistaのコンピュータと接続する場合の注意事項

Windows 10のコンピュータと接続する場合の注意事項

Windows Server 2019、Windows Server 2016、Windows Server 2012およびWindows Server 2008のコンピュータと接続する場合の注意事項

Windows Server 2003のコンピュータと接続する場合の注意事項

Windows XPのコンピュータと接続する場合の注意事項

重要

OSがWindows 7でWindows XP Modeのコンピュータは、リモートコントロールできません。