5.8.1 クラスタ運用に関するOS共通の注意事項
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クラスタシステムでJP1/Baseのセットアップをする場合は,物理ホストおよび既存の論理ホストで動作しているJP1/Baseのサービスを必ず停止させてください。物理ホストおよび既存の論理ホストのJP1/Baseを停止しないままセットアップをした場合,論理ホストのサービスが正常に動作しなくなります。この場合は,サーバを再起動して,回復してください。
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クラスタ運用をするシステムでユーザーアプリケーションなどからイベントを発行する場合は,jevsendコマンドを使用し,-sオプションでイベントサーバ名を指定してください。これによって,発行されたイベントがフェールオーバー時に実行系から待機系に引き継がれます。
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JP1/BaseのイベントDBおよびコマンド実行履歴ファイル(ISAM)の二重化は支援していません。ミラーディスク,RAIDディスクなどを利用して,ディスクシステム自体で信頼性を確保してください。
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クラスタ運用をする場合,イベントサーバ設定ファイル(conf)のoptionsパラメーターにsyncを指定してください。通常,プログラムからのディスク書き込みは,処理の性能を向上させるためにオペレーティングシステムがメモリー上でバッファリングを実行し,遅延書き込みしています。このため,電源異常やオペレーティングシステムの障害のためにシステムが急停止するような場合,ディスクに書き込んだはずのデータが消失することがあります。イベントサービスは,このバッファリングを抑止するとデータの消失を防止します。optionパラメーターにno-syncを指定したり,sync,no-syncのどちらも指定しなかったりした場合,データ消失のおそれがあります。ただし,JP1イベントが発行されるたびにディスクに書き込むため,JP1イベント発行の性能が劣化する場合があります。性能については環境により異なりますので事前に検証を行ってください。
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クラスタシステムで多重起動をする場合,多重起動する論理ホストの数だけ,システムのリソースが必要となります。
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クラスタシステムでJP1/Baseを物理ホストでも運用する場合,物理ホストのイベントサービスの設定をIPアドレス指定方式に変更する必要があります。実行系,待機系それぞれのイベントサーバ設定ファイル(conf)を編集して,portsパラメーターに指定するアドレスを,自ホスト名,自ホストのIPアドレス,または<jp1hosts2>に変更してください。物理ホストのイベントサービスでは,初期設定で<jp1host2>(新規インストールの場合)または0.0.0.0(バージョン09-50以前からの上書きインストールの場合)となっています。0.0.0.0が設定されている場合,物理ホストのイベントサービスと論理ホストのイベントサービスは同時に起動できません。イベントサーバ設定ファイルの詳細については,「16. 定義ファイル」の「イベントサーバ設定ファイル」を参照してください。
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認証サーバをクラスタシステムで運用していて,認証サーバを設定したホストにJP1/IMやJP1/AJSがインストールされている場合,認証サーバがフェールオーバーによって切り替わったとき,各プログラムは次のように動作します。
- JP1/IM
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通信障害が発生し,フェールオーバー後に回復する。
- JP1/AJS
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通信障害が発生し,フェールオーバー後に再ログインが必要となる。
JP1/IMおよびJP1/AJSの動作に問題がある場合は,認証サーバをクラスタシステム以外の場所に設置しておくことで回避できます。
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JP1/Baseのログファイルトラップを使って共有ディスク上のファイルを監視する場合,ファイル監視中は,その共有ディスクを常にアクセスできるように割り当てたままにしてください。ファイル監視中に共有ディスクの割り当て状態を変更すると,共有ディスクの割り当てや割り当て解除の制御に失敗したり,監視処理がエラーになったりするなどの問題が生じるおそれがあります。
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コマンド実行履歴ファイル(ISAM)のデータ消失を防止するために,jcocmddefコマンドで-flushオプションにONを設定して,実行履歴を1行ごとに書き込みする処理を有効にしてください。jcocmddefコマンドの詳細については,「15. コマンド」の「jcocmddef」を参照してください。
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コマンド実行履歴ファイルの自動再編成機能が有効になっていると,ファイルサイズに応じてJP1/Baseの起動時間が増加します。その影響でフェールオーバーが正常に動作しない場合は,この機能を無効にしてください。コマンド実行履歴ファイルの自動再編成機能の詳細については,「4.9 コマンド実行履歴ファイルの自動再編成機能について」を参照してください。
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論理ホストを作成した環境で,他ホストと通信する物理ホストのJP1/Baseを使用する場合,物理ホストに優先的に割り当てられるIPアドレスがループバックアドレス(127.0.0.1)とならないように名前解決の設定をすることを推奨します。もしも,物理ホストに優先的に割り当てられるIPアドレスをループバックアドレス(127.0.0.1)とする必要がある場合は,次のように設定してください。
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jp1hostsで物理ホストに他ホストと通信できるIPアドレスを指定
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イベントサーバ設定ファイル(conf)のportsパラメーターのアドレスに他ホストと通信できるIPアドレスを指定
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API設定ファイル(api)に物理ホスト名のserverパラメーターを追加して,アドレスに他ホストと通信できるIPアドレスを指定
なお,ネットワークを分離した環境で運用する場合は,論理ホストを作成しない環境であっても,この設定が必要です。
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