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JP1 Version 13 JP1/Integrated Management 3 - Event Gateway for Network Node Manager i


2.4.5 トラブルに備えた設定

JP1/IM - EG for NNMiは,JP1/IM - EG for NNMi自身にトラブルが発生した場合に備えて,トラブルを解決するための調査資料を採取するツールや,プロセスの異常終了時に自動でプロセスを再起動する機能などを提供しています。

ここでは,JP1/IM - EG for NNMiのトラブルに備えた設定について説明します。

〈この項の構成〉

(1) トラブル発生時の資料採取の準備(Windows限定)

JP1/IM - EG for NNMiのプロセスがアプリケーションエラーで停止した場合,エラーダイアログボックスが表示されている状態で,次の手順でユーザーダンプを採取します。

  1. タスクマネージャを起動する。

    タスクマネージャは次のどちらかの手順で起動できます。

    • タスクバーの空いている場所で右クリックをして「タスクマネージャ」を選択する

    • [Ctrl]+[Shift]+[Esc]キーを押してタスクマネージャを起動する

  2. [プロセス]タブをクリックする。

  3. アプリケーションエラーで停止したJP1/IM - EG for NNMiのプロセス名を右クリックし,「ダンプファイルの生成」を選択する。

  4. ユーザーダンプの出力先パスを示すダイアログボックスが表示されるので,そこから採取する。

    重要

    エラーダイアログボックスを消してしまうと正常なダンプは取得されないため,ユーザーダンプを採取できなくなってしまいます。誤って採取前にエラーダイアログボックスを([OK]ボタンなどをクリックして)消してしまった場合は,現象を再現させてからユーザーダンプを採取してください。

(2) トラブル発生時の資料採取の準備(UNIX限定)

JP1/IM - EG for NNMiではトラブル発生時に資料を採取するためのツールをシェルスクリプト(jegn_log.sh)として提供しています。このツールは,トラブルの解決の調査資料となる情報を一括して採取するツールです。

JP1/IM - EG for NNMiの資料採取ツールで採取できるのは,JP1/IM - EG for NNMiおよびJP1/Baseのトラブルシュート資料です。採取できる資料の詳細については,「10.3 トラブル発生時に採取が必要な資料」を参照してください。

資料採取ツールについて

jegn_log.shコマンドの詳細については,「7. コマンド」の「jegn_log.sh(UNIX限定)」を参照してください。

なお,トラブルが発生した場合に調査資料として,コアダンプファイルが必要になることがあります。コアダンプファイルの出力はユーザーの環境設定に依存するため,次に示す設定を確認しておいてください。

(a) コアダンプに関連するカーネルパラメーターの設定(Linux限定)

Linuxのカーネルパラメーター(kernel.core_pattern)の設定で,コアダンプファイルの出力先が採取対象のログファイルディレクトリ以外に設定されている場合や,ファイル名をデフォルトの設定から変更している場合,資料採取ツールの実行時にコアダンプファイルを採取できません。

資料採取ツールは,次に示す採取対象のログファイルディレクトリにあるファイル名がcoreから始まるファイルを採取します。

物理ホストの場合

/var/opt/jp1eg4nnmi/log

論理ホストの場合

共有ディレクトリ/jp1eg4nnmi/log

kernel.core_patternの設定を変更している場合には,資料採取ツールの実行前に次のことを実施しておく必要があります。

  • コアダンプファイルの出力先ディレクトリを変更している場合

    コアダンプファイルをデフォルトの出力先ディレクトリにコピーしておく。

  • コアダンプファイルのファイル名を変更している場合

    コアダンプファイルのファイル名をcoreから始まるファイル名にリネームしておく。

(b) コアダンプに関連するABRTの設定(Linux限定)

自動バグレポートツール(ABRT)をインストールしているLinuxで,ABRTの設定でプロセスやOSアカウントのユーザーまたはユーザーのグループに対してコアダンプファイルの生成を制限している場合,JP1/IM - EG for NNMiのプロセスで発生したセグメンテーション障害,バス障害やコアダンプファイルの出力契機に,コアダンプファイルが出力されないため,調査が行えません。

ご使用の運用に合わせて,JP1/IM - EG for NNMiを実行するOSアカウントのユーザーまたはユーザーのグループやプロセスに対して,コアダンプファイルの生成を制限しないようにABRTの設定を見直してください。詳しくは,ご使用のLinuxのドキュメントを参照してください。

(c) コアダンプに関連するsystemdの設定(Linux限定)

コアダンプファイル名の設定ファイル(/proc/sys/kernel/core_pattern)が「|/usr/lib/systemd/systemd-coredump」から始まる文字列で設定されているLinuxが対象です。

コアダンプファイルの動作設定ファイル(/etc/systemd/coredump.conf)でコアダンプファイルを生成しない設定をしている場合,JP1/IM - EG for NNMiのプロセスで発生したセグメンテーション障害,バス障害やコアダンプファイルの出力契機に,コアダンプが出力されないため,調査が行えません。

ご使用の運用に合わせて,コアダンプファイルを生成するようにコアダンプファイルの動作設定ファイル(/etc/systemd/coredump.conf)の設定を見直してください。詳しくは,ご使用のLinuxのドキュメントを参照してください。

(3) プロセス異常終了時の再起動の設定

JP1/IM - EG for NNMiを起動するとプロセスが生成されます。JP1/IM - EG for NNMiでは,何らかの理由でプロセスが異常終了した場合に,自動でプロセスを再起動するように設定できます。

プロセスを再起動するための設定手順を次に示します。

  1. プロセス再起動を設定する。

    拡張起動プロセス定義ファイル(jegn_service_0700.conf)を編集します。格納先を次に示します。

    Windowsの場合

    ・物理ホスト:EG for NNMiパス\conf

    ・論理ホスト:共有フォルダ\JP1EG4NNMI\conf

    UNIXの場合

    ・物理ホスト:/etc/opt/jp1eg4nnmi/conf

    ・論理ホスト:共有ディレクトリ/jp1eg4nnmi/conf

    「再起動可否」のパラメーターは「|」で区切られた4番目の値で,0(再起動しない:デフォルト)または1(再起動する)を設定します。ほかのパラメーターの値は変更しないでください。

    拡張起動プロセス定義ファイルの詳細については,「付録F.1 拡張起動プロセス定義ファイル(jegn_service_0700.conf)」を参照してください。

  2. 設定内容を反映する。

    JP1/IM - EG for NNMiを再起動するか,jegn_spmd_reloadコマンドを実行すると,設定内容が反映されます。jegn_spmd_reloadコマンドの詳細については,「7. コマンド」の「jegn_spmd_reload」を参照してください。

  3. Microsoftへのエラー報告を抑止する(Windows限定)。

    Windowsの場合は,エラー検知時に表示されるMicrosoftへのエラー報告のダイアログボックスが表示されないように設定します。ダイアログボックスが表示されると,プロセスの再起動ができないためです。

    1. [ファイル名を指定して実行]で「gpedit.msc」と入力して[OK]ボタンをクリックする。

    2. ローカルグループポリシーエディターで,[コンピュータの構成]−[管理用テンプレート]−[Windows コンポーネント]−[Windows エラー報告]をクリックする。

    3. 画面右側の[Windows エラー報告を無効にする]を右クリックして[編集]を選択する。

    4. 設定画面で[有効]のラジオボタンをオンにする。

    5. [OK]ボタンをクリックする。

(4) プロセス異常検知時のJP1イベントの発行の設定

JP1/IM - EG for NNMiでは,プロセスの異常時や異常終了からの自動復旧時にJP1イベントを発行できます。JP1イベントを発行することによって,JP1/IM - EG for NNMi自身のトラブルを履歴管理できるようになります。

JP1イベントを発行するための設定手順を次に示します。

  1. JP1イベント発行を設定する。

    JP1/IM - EG for NNMiパラメーター定義ファイル(jegn_param_V7.conf)を編集します。格納先を次に示します。

    Windowsの場合

    ・物理ホスト:EG for NNMiパス\conf

    ・論理ホスト:共有フォルダ\JP1EG4NNMI\conf

    UNIXの場合

    ・物理ホスト:/etc/opt/jp1eg4nnmi/conf

    ・論理ホスト:共有ディレクトリ/jp1eg4nnmi/conf

    このファイルの「SEND_PROCESS_TERMINATED_ABNORMALLY_EVENT」と「SEND_PROCESS_RESTART_EVENT」がJP1イベント発行の設定パラメーターです。JP1イベントを発行するには,値を「dword:1」に変更します。

    JP1/IM - EG for NNMiパラメーター定義ファイルの詳細については,「付録F.2 JP1/IM - EG for NNMiパラメーター定義ファイル(jegn_param_V7.conf)」を,参照してください。

  2. JP1/Baseのjbssetcnfコマンドを実行して,定義内容を反映する。

    jbssetcnfコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Base 運用ガイド」を参照してください。

  3. JP1/IM - EG for NNMiを再起動する。

    再起動後に設定内容が反映されます。