付録I 用語解説
(英字)
- JP1/Base
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イベントサービス機能を提供するプログラムです。サービスの起動順序を制御したり,JP1イベントを送受信したりできます。また,JP1/BaseはJP1/IM - EG for NNMiの前提プログラムです。
- JP1/Cm2/NNMi
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ネットワークの構成管理,性能管理および障害管理のための統合ネットワーク管理プログラムの総称です。バージョン11以降は製品名称がJP1/NNMiに変更になりました。
- JP1/IM - Manager
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システム全体の一元的な監視と操作を実現することで,システムを統合管理するためのプログラムです。
- JP1/IM - View
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JP1/IMでのシステム統合管理を実現するためのビューアー機能を提供するプログラム(GUI提供プログラム)です。
- JP1/NETM/DM
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ソフトウェアの配布およびクライアントの管理を,ネットワークを利用し一括して行うシステムの総称です。
- JP1/NNMi
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ネットワークの構成管理,性能管理および障害管理のための統合ネットワーク管理プログラムの総称です。
- JP1/Power Monitor
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ホストを自動的に起動・終了するプログラムです。スケジュールを設定してホストを起動・終了したり,離れた場所にあるホストを起動・終了したりできます。
- jp1hosts情報
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JP1独自のホスト名とIPアドレスの対応付けを定義するhosts情報です。
複数のネットワークに接続された環境などで,JP1の通信の動作をカスタマイズする場合に使います。jp1hosts情報はJP1/Baseが管理します。
jp1hosts情報は,IPv6アドレスを使用した通信には対応していません。IPv6アドレスを使用して通信する場合は,jp1hosts2情報を設定する必要があります。
→「jp1hosts2情報」を参照してください。
jp1hosts情報が設定されていると,JP1が通信をするときにhostsなどの設定より優先して参照されます。このため,JP1独自に,OSとは別のホスト名とIPアドレスの対応付けをして通信できます。
- jp1hosts2情報
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JP1独自のホスト名とIPアドレスの対応付けを定義するhosts情報です。
複数のネットワークに接続された環境などで,JP1の通信の動作をカスタマイズする場合に使います。jp1hosts2情報はJP1/Baseが管理します。
IPv6アドレスを使用して通信する場合は,jp1hosts2情報を設定する必要があります。
jp1hosts2情報が設定されていると,JP1が通信をするときにhostsなどの設定より優先して参照されます。このため,JP1独自に,OSとは別のホスト名とIPアドレスの対応付けをして通信できます。
なお,JP1/IM - EG for NNMiはIPv4/IPv6混在環境(デュアルスタック環境)に対応していますが,IPv6だけの環境には対応していません。
- JP1イベント
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システムで発生した事象をJP1で管理するための情報です。
JP1イベントは,次のような属性に分けて,事象を記録しています。
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基本属性
すべてのJP1イベントが持つ属性です。
属性名を表記する場合,例えばイベントIDはB.ID(または単にID)のように記述します。
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拡張属性
JP1イベントの発行元が任意に指定できる属性です。拡張属性は,次の共通情報と固有情報によって構成されます。
・共通情報(JP1イベントによって形式が統一されている拡張属性の情報)
・固有情報(共通情報以外の各製品固有の形式の情報)
属性名を表記する場合,例えば重大度はE.SEVERITY(または単にSEVERITY)のように記述します。
JP1イベントは,JP1/Baseのイベントサービス機能が管理しています。システムで発生した事象をJP1イベントとしてデータベースに記録しています。
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- JP1共通定義情報
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→「共通定義情報」を参照してください。
- NNMiインシデント
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JP1/NNMiまたはJP1/Cm2/NNMiが管理しているネットワーク機器で,何らかの事象が発生した場合に通知される,障害事象の単位を指します。
(ア行)
- イベントID
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JP1イベントの属性の一つで,JP1イベントを発行したプログラムや,発生した事象の内容を示す識別子です。JP1イベントの基本属性で,属性名は「B.ID」です。
イベントIDは,例えば,7FFF8000のような値で,16進数で表記します。
イベントIDは,JP1シリーズの各製品で一意になるように割り当てられています。JP1シリーズの各製品が発行するJP1イベントについては,各製品のマニュアルを参照してください。
ユーザーが使用できるイベントIDは,0〜1FFFおよび7FFF8000〜7FFFFFFFです。
なお,JP1イベントの詳細は,基本コード(上位4バイト)と拡張コード(下位4バイト)に分かれた8バイトの数値です。通常は,基本コードだけを使って4バイトで表記します。拡張コードは,ユーザーがAPIで設定するなど特別な場合を除いて0です。基本コードと拡張コードの表記が必要な場合は,「:」でつなげて,7FFF8000:0のように表します。
- [イベントコンソール]画面
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JP1/IM - Viewの画面の一つで,セントラルコンソールの受信したJP1イベントを時系列に表示します。JP1/IM - Central Consoleにログインすると最初に表示されます。
JP1/IMでは,各ホストで発生した事象をJP1イベントによって記録し,そのうち重要なJP1イベントをJP1/IMのマネージャーホストに転送して集中管理しています。このJP1イベントを,[イベントコンソール]画面に表示することで,システムで発生した事象を集中監視できます。
- イベントサーバ
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JP1/BaseでJP1イベントを管理する機能を持つプログラムです。イベントサーバを起動すると,JP1イベントを収集・配布できる状態になります。
- イベントサービス
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システム内で発生した事象をJP1イベントとして登録,および管理するための機能です。
- インシデント
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ITサービスの品質を低下させたり,システムの正常な運用を妨げたりする障害事象の単位を指します。
- エージェント
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システム上でほかのプログラムに管理される役割を持つプログラムのことです。または,システム上でほかのホストに管理される役割を持つホストのことです。JP1/IM - EG for NNMiはエージェントホストにインストールします。
(カ行)
- 拡張属性
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JP1イベントが持つ情報(属性)のうち,イベント発行元プログラムが任意に指定する属性のことです。
→「JP1イベント」を参照してください。
- 基本属性
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JP1イベントが持つ情報(属性)のうち,すべてのJP1イベントが持っている属性のことです。
→「JP1イベント」を参照してください。
- 共通定義情報
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JP1の実行環境の定義パラメーターを格納しているデータベースのことで,JP1/Baseが管理しています。データベースは,各サーバのローカルディスクにあり,定義パラメーターが物理ホストおよび論理ホストごとに分けて格納されています。
なお,JP1をクラスタシステムで運用する場合は,実行系・待機系の各サーバにある共通定義情報の論理ホストの定義内容を同じにする必要があります。このため,セットアップや環境設定をしたときは,実行系サーバでパラメーターを設定したあとで,待機系サーバに設定をコピーします。
- クラスタシステム
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複数のサーバを連携させて一つのシステムとして運用するシステムのことです。
障害が発生してもほかのサーバに処理を引き継ぐことで業務が中断することを避け,可用性を向上させることを目的としています。この処理を引き継ぐことをフェールオーバーといいます。
業務を実行中のサーバ(実行系)で障害が発生すると,待機していた別のサーバ(待機系)が業務の処理を引き継ぎます。実行「系」から待機「系」へ業務を切り替えるので,「系切り替えシステム」とも呼びます。
なお,クラスタシステムの種類には,複数のサーバが並列処理をして負荷分散することを目的としたシステム構成などもありますが,このマニュアルでは,フェールオーバーによって業務の中断を防ぐシステム構成のことだけを指します。
- 系切り替えシステム
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→「クラスタシステム」を参照してください。
(サ行)
(ハ行)
- ビューアー
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JP1/IMのシステム統合管理のために,目的に沿った画面を提供するためのプログラム(GUI提供プログラム)のことです。または,ビューアーを実行するホストのことです。
- フェールオーバー
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JP1を実行するサーバに障害が発生した場合に,ほかの正常なサーバにJP1を移動させて処理を続行することです。または,システム管理者の操作によって,JP1を実行するサーバを切り替えることです。
実行系サーバから待機系サーバにフェールオーバーするため,系切り替えともいいます。
- 物理ホスト
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クラスタシステムでJP1を運用する場合の,クラスタシステムを構成する物理的なサーバのことです。論理ホスト(物理的なサーバに依存せずに,フェールオーバーできる論理的なサーバ)に対する用語です。