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JP1 Version 13 JP1/Integrated Management 3 - Manager 導入・設計ガイド


9.5.1 製品プラグイン

製品プラグインは,JP1/IM - Manager(インテリジェント統合管理基盤)の連携機能として動作し,統合エージェントの構成,パフォーマンスデータ,およびJP1イベントを管理するコンポーネントです。

製品プラグインは,プラグイン関数を同梱し,製品プラグインと統合エージェントをセットアップすると,JP1/IM - Manager(インテリジェント統合管理基盤)で,次のことができるようになります。

JP1/IM - Agentが提供する製品プラグインを次に示します。

製品プラグイン

機能

jp1pccs.js

Exporterの管理機能

jp1pccs_azure.js

Azure Monitorの性能情報の収集機能

jp1pccs_kubernetes.js

ユーザー独自のPrometheusによるコンテナ監視機能

注※

JP1/IM - Agentに組み込まれているIMエクスポーターの製品プラグインです。詳細については,「12.5.1 製品プラグイン」を参照してください。

ここでは,JP1/IM - Agentの製品プラグイン(jp1pccs.js)が,JP1/IM - Managerと連携して提供する機能について説明します。

〈この項の構成〉

(1) IM管理ノードの作成

JP1/IM - Managerの統合オペレーション・ビューアーのIM管理ノードとして表示させるため,JP1/IM - Agentが管理する次の構成情報を取得します。

また,JP1/IM - Manager(インテリジェント統合管理基盤)と直接接続する次の構成情報も取得します。

JP1/IM - Managerのjddcreatetreeコマンド※1,または,WebGUI(統合オペレーション・ビューアー)でツリー情報の生成実行機能を実行したときに,JP1/IM - AgentのIM管理ノード関連ファイルを作成します。また,jddcreatetreeコマンド※1の実行後に,jddupdatetreeコマンド※1,または,WebGUIでIM管理ノード作成実行機能を実行することで,JP1/IM - Agentの構成を,統合オペレーション・ビューアーのツリーの表示内容に反映できます。

IM管理ノード関連ファイルについては,「3.5.3 IM管理ノード関連ファイル」を参照してください。

JP1/IM - Managerが階層構成で,統合マネージャーでIM管理ノード作成実行機能が実行された場合は,下位マネージャーの構成情報も取得します。

(a) ターゲットとなる構成情報のSIDの種類と使用できる機能

JP1/IM - Agentが作成するIM管理ノードに対応する構成情報のSIDの形式は,監視に使用するアドオンプログラムの種類に応じて異なります。

Exporterの種類ごとの,構成情報のSIDの種類と使用できる機能を,次に示します。

構成情報のSIDの種類

説明

使用できる機能

ホスト

統合エージェントホストSID

統合エージェント制御基盤がセットアップされているホストのSIDです。

なし(ツリーの階層構造に表示されます)

PrometheusホストSID

Prometheus serverがセットアップされているホストのSIDです。

エージェントホストSID

監視対象ホストのSIDです。

自ホストを監視するExporterの場合,ExporterがセットアップされているホストのSIDです。

リモートで監視するExporterの場合,監視対象のホストのSIDです。

リモート監視ホストSID

リモートで監視するExporterがセットアップされているホストのSIDです。

EC2ホストSID

AWSのEC2上にインスタンスとして存在するホストのSIDです。

ログ監視ホストSID

FluentdがセットアップされているホストのSIDです。

Management Applicationsカテゴリ

統合エージェント制御基盤SID

統合エージェント制御基盤のSIDです。

関連ノードのプロパティ表示

PrometheusSID

Prometheus serverのSIDです。

JP1/IM - Agentのプロセスに対する死活監視の設定で,Prometheus serverの稼働状態を監視している場合,Prometheus serverが停止しているときに発行されるJP1イベントは,このIM管理ノードに登録します。

AlertmanagerSID

AlertmanagerのSIDです。

JP1/IM - Agentのプロセスに対する死活監視の設定で,Alertmanagerの稼働状態を監視している場合,Alertmanagerが停止しているときに発行されるJP1イベントは,このIM管理ノードに登録します。

エージェントサービスSID

監視対象の運用管理用のSIDです。

自ホストを監視するExporterが停止しているときに発行されるJP1イベントは,このIM管理ノードに登録します。

リモート監視サービスSID

リモートで監視するExporterの運用管理用のSIDです。

リモートで監視するExporterが停止しているときに発行されるJP1イベントは,このIM管理ノードに登録します。

ログ監視サービスSID

Fluentdの運用管理用のSIDです。

Fluentdが停止しているときに発行されるJP1イベントは,このIM管理ノードに登録します。

統合エージェントのカテゴリ

エージェントSID

監視対象のSIDです。

パフォーマンスデータを監視するアラートのJP1イベントや,ホストに対する死活監視の設定で,ホストの稼働状態を監視している場合,ホストが停止しているときに発行されるJP1イベントは,このIM管理ノードに登録します。

トレンド情報の表示,関連ノードのプロパティ表示

リモートエージェントSID

リモートで監視する対象のSIDです。

パフォーマンスデータを監視するアラートのJP1イベントや,ホストに対する死活監視の設定で,ホストの稼働状態を監視している場合,ホストが停止しているときに発行されるJP1イベントは,このIM管理ノードに登録します。

ログ監視対象のSID

監視対象のログを出力するアプリケーションやOSのSIDです。

監視対象のログファイルに出力される情報,および,Windowsのイベントログに出力される情報を変換したJP1イベントは,このIM管理ノードに登録します。

Platformカテゴリ

EC2のCloudWatchSID

EC2の監視対象のSIDです。

Yet another cloudwatch exporterで監視している場合,AWSのEC2にインスタンスが存在,かつ,メトリック定義ファイルにEC2のメトリックを記述しているときは,インスタンス別のメトリクスごとに,このIM管理ノードを作成します。EC2のインスタンスを監視するアラートに対応するJP1イベントは,このIM管理ノードに登録します。

なお,イメージ(AMI)ID別,インスタンスタイプ別,およびインスタンス全体に対するIM管理ノードは作成しません。

トレンド情報の表示,関連ノードのプロパティ表示

オブジェクトルートノード

EC2以外のCloudWatchSID

EC2以外の監視対象のSIDです。

Yet another cloudwatch exporterで監視している場合,AWSのEC2以外のサービスにリソースが存在,かつ,メトリック定義ファイルにそのリソースを監視するメトリックを記述しているときは,インスタンス別のメトリクスごとに,このIM管理ノードを作成します。EC2以外のサービスを監視するアラートに対応するJP1イベントは,このIM管理ノードに登録します。

トレンド情報の表示,関連ノードのプロパティ表示

(b) 統合エージェント基盤のSIDの作成条件

インテリジェント統合管理基盤から統合エージェント基盤の構成を取得し,次のSIDを作成します。

  • 統合エージェントホストSID

  • 統合エージェント制御基盤SID

ユーザーが,監視対象を監視するためにユーザー独自のPrometheusやユーザー独自のFluentdを使用し,統合エージェントをインストールしていない場合,そのホストの統合エージェント制御基盤SIDは作成しません。

JP1/IM - Managerが階層構成で,統合マネージャーでIM管理ノード作成実行機能が実行された場合,下位マネージャーが管理する構成も取得します。そのため,下位マネージャーのインテリジェント統合管理基盤にアクセスできる必要があります。階層構成のJP1/IM - Managerの前提条件については,インテリジェント統合管理基盤の「3.5.8 複数拠点の監視」を参照してください。

(c) 統合エージェント基盤以外のIM管理ノードの作成条件

JP1/IM - Agentは,統合エージェント基盤以外のIM管理ノードを,JP1/IM - Managerのトレンドデータ管理DBに保存されているトレンドデータから作成します。そのため,ユーザーは,使用するアドオンプログラムのサービスを起動し,1分程度待ったあと,IM管理ノードを作成する操作を行います。

注※

Prometheus設定ファイル(jpc_prometheus_server.yml)のscrape_intervalの値を変更している場合は,その値の時間だけ待ってから操作で行います。

jddcreatetreeコマンドの実行時に,トレンドデータ管理DBに保存されていない状態のアドオンプログラム,または,ユーザー独自のPrometheusもしくはFluentdに対するIM管理ノードは作成されません。

次のどちらかに該当する場合,トレンドデータ管理DBにメトリックが保存されていない状態になります。

  • アドオンプログラム,または,ユーザー独自のPrometheusもしくはFluentdのサービスを,停止または削除した状態で,トレンドデータ管理DBの保存期間(デフォルト32日)を過ぎる

  • アドオンプログラム,または,ユーザー独自のPrometheusもしくはFluentdのサービスを,停止または削除した状態で,トレンドデータ管理DBのサイズ上限によりメトリックが削除される

    注※

    トレンドデータ管理DBのメトリックの削除については,「2.7.2(3)トレンドデータの削除」を参照してください。

Yet another cloudwatch exporterを使用する場合,AWS上でタグの設定が必要です。詳細については,「9.5.1(1)(k) Yet another cloudwatch exporterのIM管理ノードの作成」を参照してください。

ユーザー独自のPrometheusまたはFluentdを使用する場合でも,トレンドデータ管理DBにトレンドデータが保存されていればIM管理ノードを作成します。

JP1/IM - Managerが階層構成で,統合マネージャーでIM管理ノード作成実行機能が実行された場合,下位マネージャー配下のIM管理ノードは,下位マネージャーのトレンドデータ管理DBに保存されているトレンドデータから作成します。そのため,下位マネージャーのインテリジェント統合管理基盤にアクセスできる必要があります。また,下位マネージャーのトレンドデータ管理DBにメトリックが保存されている必要があります。

(d) 停止中のサービスに対するIM管理ノードの作成と運用

メンテナンスなどの理由により,統合エージェントホスト,アドオンプログラム,または,ユーザー独自のPrometheusやFluentdのサービスを一時的に停止していても,IM管理ノードは作成されます。ただし,トレンドデータベースの保存期間を過ぎる,または,サイズ上限によりメトリックが削除されてしまった場合は,IM管理ノードは作成されなくなります。意図せずIM管理ノードが削除された場合,サービスを起動してメトリックがトレンドデータ管理DBに保存された状態でIM管理ノードのツリー情報の作成と反映操作を行うことで,再びIM管理ノードが作成されるようになります。

(e) 構成の変更または削除におけるIM管理ノードの作成と運用

アドオンプログラム,または,ユーザー独自のPrometheusやFluentdに対して,構成の変更または削除を行っても,トレンドデータ管理DBからそれらのメトリックが削除されないかぎり,構成の変更前または削除前のIM管理ノードが作成されます。構成の変更前または削除前のIM管理ノードを作成しない手順については,マニュアル「JP1/Integrated Management 3 - Manager 構築ガイド」の「1.21.2(10) IM管理ノードのツリー情報の作成と反映(Windowsの場合)(必須)」および「2.19.2(11) IM管理ノードのツリー情報の作成と反映(Linuxの場合)(必須)」を参照してください。

(f) プロパティ表示

JP1/IM - Managerの統合オペレーション・ビューアーのノード詳細領域に,JP1/IM - AgentのIM管理ノードのプロパティを表示します。

JP1/IM - AgentがIM管理ノードのプロパティとして設定する値を,次に示します。なお,ここに記載しないSIDにはプロパティを設定しません。

表9‒14 プロパティとして設定する値(1/2)

構成情報のSIDの種類

プロパティ名※1

Prometheusのホスト名

スクレイプジョブ名

Exporter名

Prometheusトレンド名

Module※2

メンバー名

jp1_pc_prome_hostname

job

jp1_pc_exporter

jp1_pc_trendname

module

ホスト

EC2ホストSID

Management Applicationsカテゴリ

PrometheusSID

"Prometheusのホスト名"

AlertmanagerSID

エージェントサービスSID

"スクレイプジョブ名"

"jp1_pc_exporterの値"

リモート監視サービスSID

統合エージェント制御基盤SID

統合エージェントのカテゴリ

エージェントSID

"Prometheusのホスト名"

"スクレイプジョブ名"

"jp1_pc_exporterの値"

"jp1_pc_trendnameの値

リモートエージェントSID

"jp1_pc_moduleの値"

ログ監視対象のSID

Platformカテゴリ

EC2のCloudWatchSID

"Prometheusのホスト名"

"スクレイプジョブ名"

"jp1_pc_exporterの値"

オブジェクトルートノード

EC2以外のCloudWatchSID

表9‒15 プロパティとして設定する値(2/2)

構成情報のSIDの種類

プロパティ名※1

アカウント

リージョン

AWS名前空間

接続先統合マネージャーホスト名

アドオンプログラム名

メンバー名

account

region

cloud_srv

manager_hostname

jp1_pc_addon_program

ホスト

EC2ホストSID

"アカウント文字列"

"リージョン名"

Management Applicationsカテゴリ

PrometheusSID

AlertmanagerSID

エージェントサービスSID

リモート監視サービスSID

統合エージェント制御基盤SID

"接続先統合マネージャーホスト名"

統合エージェントのカテゴリ

エージェントSID

リモートエージェントSID

ログ監視対象のSID

"jp1_pc_addon_programの値"

Platformカテゴリ

EC2のCloudWatchSID

"アカウント文字列"

"リージョン名"

"AWS名前空間名"

オブジェクトルートノード

EC2以外のCloudWatchSID

(凡例)

−:該当なし

注※1

各プロパティの値が255文字を超える場合,256文字目以降は切り捨てて表示します。

注※2

JP1/IM - Agentが同梱するBlackbox exporterのIM管理ノードの場合だけ表示します。

注※3

Yet another cloudwatch exporterのメトリックに,「dimension_任意の文字列」ラベルが存在しない場合は登録しません。複数存在する場合は,その数だけ登録します。

Prometheusのホスト名

PrometheusSIDまたはAlertmanagerSIDの場合,Prometheus serverがセットアップされているホスト名を設定します。それ以外の場合,IM管理ノードに対応するExporterをスクレイプしているPrometheus serverのホスト名を設定します。

スクレイプジョブ名

Prometheus設定ファイル(jpc_prometheus_server.yml)のscrape_configsで,job_nameに設定している値が入ります。

jp1_pc_exporterの値

Prometheus設定ファイル(jpc_prometheus_server.yml)のscrape_configsで,jp1_pc_exporterに設定している値が入ります。値が設定されていない場合は,「Unknown Exporter」が入ります。

jp1_pc_moduleの値

Prometheus設定ファイル(jpc_prometheus_server.yml)のscrape_configsで,paramsのmoduleに設定している値が入ります。

アカウント文字列

AWS定義ファイル(aws_settings.conf)で指定した,監視するアカウントIDに対応するAWSアカウント文字列の値が入ります。

リージョン名

Yet another cloudwatch exporterのメトリックに含まれるregionラベルの値が入ります。

AWS名前空間名

Yet another cloudwatch exporterのメトリック定義ファイル(metrics_ya_cloudwatch_exporter.conf)に設定している,SIDに対応するトレンドデータのメトリックの,cloud_srvメンバーに設定されている値が入ります。

jp1_pc_addon_program

Fluentdの監視定義ファイルでjp1_pc_addon_programに設定している値が入ります。値が設定されていない場合は,「Fluentd」が入ります。

(g) 構成情報のSIDの形式

JP1/IM - Agentが作成するIM管理ノードに対応する構成情報のSIDの形式を,次に示します。

URLエンコードした文字列が255を超える場合は,ターゲットとなる構成情報のSIDの構造化IDを分割します。255文字目までを構造化IDの名称に設定し,残りの文字列を下位の構造化IDの名称に設定します。

構成情報のSIDの種類

SIDの形式

ホスト

統合エージェントホストSID

_JP1PC-IMB_統合エージェント管理基盤のホスト名/_JP1PC-IMA_統合エージェント制御基盤のホスト名/_HOST_統合エージェント制御基盤のホスト名

PrometheusホストSID

_JP1PC-IMB_統合エージェント管理基盤のホスト名/_JP1PC-M_Pホスト名/_HOST_Pホスト名

エージェントホストSID

_JP1PC-IMB_統合エージェント管理基盤のホスト名/_JP1PC-M_Pホスト名/_JP1PC-AHOST_Eホスト名/_HOST_Iホスト名

リモート監視ホストSID

_JP1PC-IMB_統合エージェント管理基盤のホスト名/_JP1PC-M_Pホスト名/_JP1PC-AHOST_Eホスト名/_HOST_Eホスト名

EC2ホストSID

_JP1PC-IMB_統合エージェント管理基盤のホスト名/_JP1PC-M_Pホスト名/_JP1PC-AHOST_Eホスト名/_HOST_jp1_pc_nodelabel

ログ監視ホストSID

_JP1PC-IMB_統合エージェント管理基盤のホスト名/_JP1PC-LOGTRAP_Iホスト名/_HOST_Iホスト名

Management Applicationsカテゴリ

統合エージェント制御基盤SID

_JP1PC-IMB_統合エージェント管理基盤のホスト名/_JP1PC-IMA_統合エージェント制御基盤のホスト名/_HOST_統合エージェント制御基盤のホスト名>/_IMAGENT_

PrometheusSID

_JP1PC-IMB_統合エージェント管理基盤のホスト名/_JP1PC-M_Pホスト名/_HOST_Pホスト名/_PROMETHEUS_

AlertmanagerSID

_JP1PC-IMB_統合エージェント管理基盤のホスト名/_JP1PC-M_Pホスト名/_HOST_Pホスト名/_ALERTMANAGER_

エージェントサービスSID

_JP1PC-IMB_統合エージェント管理基盤のホスト名/_JP1PC-M_Pホスト名/_JP1PC-AHOST_Iホスト名/_HOST_Iホスト名/_JP1PC-A_jp1_pc_nodelabel/_JP1PC-SERVICE_

リモート監視サービスSID

_JP1PC-IMB_統合エージェント管理基盤のホスト名/_JP1PC-M_Pホスト名/_JP1PC-AHOST_Eホスト名/_HOST_Eホスト名/_JP1PC-RM_jp1_pc_remote_monitor_instance/_JP1PC-SERVICE_

ログ監視サービスSID

_JP1PC-IMB_統合エージェント管理基盤のホスト名/_JP1PC-LOGTRAP_Iホスト名/_HOST_Iホスト名/_JP1PC-A_jp1_pc_nodelabel_fluentd/_JP1PC-SERVICE_

統合エージェントのカテゴリ

エージェントSID

_JP1PC-IMB_統合エージェント管理基盤のホスト名/_JP1PC-M_Pホスト名/_JP1PC-AHOST_Iホスト名/_HOST_Iホスト名/_JP1PC-A_jp1_pc_nodelabel

リモートエージェントSID

_JP1PC-IMB_統合エージェント管理基盤のホスト名/_JP1PC-M_Pホスト名/_JP1PC-AHOST_Eホスト名/_JP1PC-RM_jp1_pc_remote_monitor_instance/_HOST_Iホスト名/_JP1PC-A_jp1_pc_nodelabel

ログ監視対象のSID

_JP1PC-IMB_統合エージェント管理基盤のホスト名/_JP1PC-LOGTRAP_Iホスト名/_HOST_Iホスト名/_JP1PC-A_jp1_pc_nodelabel

Platformカテゴリ

EC2のCloudWatchSID

_JP1PC-IMB_統合エージェント管理基盤のホスト名/_JP1PC-M_Pホスト名/_JP1PC-AHOST_Eホスト名/_JP1PC-RM_jp1_pc_remote_monitor_instance/_HOST_jp1_pc_nodelabel/_JP1PC-A_Yet%20another%20cloudwatch%20exporter

オブジェクトルートノード

EC2以外のCloudWatchSID

_JP1PC-IMB_統合エージェント管理基盤のホスト名/_JP1PC-M_Pホスト名/_JP1PC-AHOST_Eホスト名/_JP1PC-RM_jp1_pc_remote_monitor_instance/_JP1PC-AWS名前空間名_jp1_pc_nodelabel

Pホスト名

Prometheus serverがセットアップされているホストのホスト名を,URLエンコードした文字列です。

Eホスト名

Exporterがセットアップされているホストのホスト名を,URLエンコードした文字列です。

Iホスト名

監視対象ホストのホスト名を,URLエンコードした文字列です。

Blackbox exporter(ICMP監視)のディスカバリ設定ファイル(file_sd_config_blackbox_icmp.yml)で,targetsにIPアドレスを指定した場合,リモート監視ホストSIDとリモートエージェントSIDのIホスト名はIPアドレスとなります。

Fluentdの場合,監視定義ファイルのinstanceに指定した値です。

jp1_pc_nodelabel

Prometheus設定ファイル(jpc_prometheus_server.yml)のscrape_configsで,jp1_pc_nodelabelに設定している値をURLエンコードした文字列です。

EC2ホストSID,EC2のCloudWatchSID,EC2以外のCloudWatchSIDの場合,AWSのリソースのjp1_pc_nodelabelに設定した値をURLエンコードした文字列です。

Fluentdの場合,監視定義ファイルのjp1_pc_nodelabelに設定した値をURLエンコードした文字列です。

jp1_pc_remote_monitor_instance

ディスカバリ設定ファイルで,jp1_pc_remote_monitor_instanceに設定している値の「:」(コロン)より後ろの文字列をURLエンコードした文字列です。relabel_configsでjp1_pc_remote_monitor_instanceの値を変更している場合は,変更後の値をURLエンコードした文字列です。

jp1_pc_nodelabel_fluentd

Fluentdの監視定義ファイルのjp1_pc_nodelabel_fluentdに設定した値をURLエンコードした文字列です。

AWS名前空間名

Yet another cloudwatch exporterのメトリック定義ファイル(metrics_ya_cloudwatch_exporter.conf)で,cloud_srvメンバーに指定した値です。スラッシュ(/)は,ハイフン(-)に変更して指定します。

構成情報のSIDの文字列(先頭の「JP1PC」はJP1/IM - Agentで固定文字列)の意味を,次に示します。

SIDの文字列

意味

_JP1PC-IMB_

統合エージェント管理基盤の機能を持ったホスト

_JP1PC-IMA_

統合エージェント制御基盤の機能を持ったホスト

_JP1PC-M_

マネージャーの機能を持ったホスト

_JP1PC-LOGTRAP_

ログ監視の機能を持ったホスト

_JP1PC-AHOST_

エージェントの機能を持ったホスト

_JP1PC-A_

エージェント

_JP1PC-RM_

リモートエージェント

(h) 統合エージェントごとのIM管理ノード

統合エージェントが同梱するExporterの種類に応じて,作成するIM管理ノードが異なります。Exporterの種類ごとのIM管理ノードの作成可否を,次に示します。

構成情報のSIDの種類

セットアップされている統合エージェント基盤,アドオンプログラムごとのIM管理ノードの作成可否

統合エージェント制御基盤

Windows exporter

Node exporter

Blackbox exporter

Yet another cloudwatch exporter

ユーザー独自のExporter

Fluentd

ユーザー独自のExporter※1

ユーザー独自のFluentd1

ホスト

統合エージェントホストSID

PrometheusホストSID

エージェントホストSID

2

※2

リモート監視ホストSID

2

※2

EC2ホストSID

ログ監視ホストSID

Management Applicationsカテゴリ

統合エージェント制御基盤SID

PrometheusSID

AlertmanagerSID

エージェントサービスSID

1

1

リモート監視サービスSID

1

1

ログ監視サービスSID

統合エージェントのカテゴリ

エージェントSID

2

※2

リモートエージェントSID

2

※2

ログ監視対象のSID

Platformカテゴリ

EC2のCloudWatchSID

オブジェクトルートノード

EC2以外のCloudWatchSID

(凡例)

〇:IM管理ノードを作成する

−:IM管理ノードを作成しない

注※1

JP1/IM - Manager(インテリジェント統合管理基盤)に直接接続する場合が該当します。

注※2

Prometheus設定ファイル(jpc_prometheus_server.yml)で指定する内容に応じて,作成する場合と作成しない場合があります。

(i) ツリーの形式

JP1/IM - Managerの統合オペレーション・ビューアーのツリーに表示する内容は,監視に使用するExporterの種類に応じて異なります。

JP1/IM - Managerの統合オペレーション・ビューアーでは,JP1/IM - Agentが作成するIM管理ノードは,次に示すツリーで表示されます。

All Systems
├ BizSystem※1
│  ├ 統合マネージャーホスト名
│  │ └ Management Applications※2
│  │    ├ Metric forwarder(Prometheus server)3
│  │    ├ Alert forwarder(Alertmanager)4
│  │    ├ AWS metric collector(Yet another cloudwatch exporter)6
│  │    └ Synthetic metric collector(Blackbox exporter)6
│  ├ 監視対象ホスト名またはコンテナ名
│  │ ├ Management Applications※2
│  │    ├ JP1/IM agent control base※7
│  │ │ ├ Metric forwarder(Prometheus server)3
│  │ │ ├ Alert forwarder(Alertmanager)4
│  │ │ ├ Linux metric collector(Node exporter)5
│  │ │ ├ Windows metric collector(Windows exporter)5
│  │ │ ├ Synthetic metric collector(Blackbox exporter)6
│  │ │ ├ jp1_pc_nodelabelの値8
│  │ │ └ Log trapper(Fluentd)※9
│  │ ├ Platform※2
│  │ │ ├ Linux metric collector(Node exporter)10
│  │ │ └ Windows metric collector(Windows exporter)10
│  │ ├ jp1_pc_categoryで指定したカテゴリ11
│  │ │ └ jp1_pc_nodelabelの値12
│  │ └ jp1_pc_categoryで指定したカテゴリ※2
│  │    └ jp1_pc_nodelabelの値※13
│  ├ 監視対象のホスト名またはIPアドレス14
│  │ └ Platform※2
│  │    └ Synthetic metric collector(Blackbox exporter(ICMP))15
│  ├ HTTP/HTTPSで監視するホストのホスト名16
│  │ └ ServiceResponse※2
│  │    └ jp1_pc_nodelabelの値15
│  └ AWS上のホストのホスト名17
│     └ Platform※2
│        └ AWS metric collector(Yet another cloudwatch exporter)18
└ Amazon Simple Storage Service
    └ ストレージ名19
注※1

システムノードを示します。ユーザーがシステムノードを定義している場合に作成されます。

注※2

カテゴリを示します。

注※3

PrometheusSIDを示します。

注※4

AlertmanagerSIDを示します。

注※5

エージェントサービスSIDを示します。

注※6

リモート監視サービスSIDを示します。

注※7

統合エージェント制御基盤SIDを示します。

注※8

エージェントサービスSID(ユーザー独自のExporter)を示します。

注※9

ログ監視サービスSIDを示します。

注※10

エージェントSIDを示します。

注※11

カテゴリ(ユーザー独自のExporter)を示します。

注※12

エージェントSID(ユーザー独自のExporter)を示します。

注※13

ログ監視対象のSIDを示します。

注※14

Blackbox exporter(ICMP監視)のディスカバリ設定ファイル(file_sd_config_blackbox_icmp.yml)のtargetsで,ホスト名を指定した場合はホスト名,IPアドレスを指定した場合はIPアドレスが表示されます。

注※15

リモートエージェントSIDを示します。

注※16

エージェントホストSIDを示します。

注※17

EC2ホストSIDを示します。

ラベルには,AWSのjp1_pc_nodelabelタグに設定されている文字列が表示されます。

注※18

EC2のCloudWatchSIDを示します。

注※19

EC2以外のCloudWatchSIDを示します。

EC2以外のIM管理ノードの場合,「JP1CS-AWS名前空間名」をオブジェクトルートノード種別としたオブジェクトルートノードを作成します。

ラベルには,AWSのjp1_pc_nodelabelタグに設定されている文字列が表示されます。

エージェントSID,リモートエージェントSID,および,ログ監視対象のSIDについては,監視対象ごとにツリーSIDを作成します。監視対象を複数の異なるアドオンプログラムで監視する場合,1つのツリーSIDで表示します。ツリーSIDは同一になります。例えば,Blackbox exporterでWebサーバを外形監視し,そのWebサーバのログをFluentdでログ監視した場合,同一のツリーSIDになります。

次の値がすべて同じ場合,同じ監視対象と判定します。

  • 監視対象ホストのホスト名(構成情報のSIDの,_HOST_の名称)

  • IM管理ノードのラベル名

  • IM管理ノードのカテゴリID

■IM管理ノードのラベル名とカテゴリIDについて

ラベル名とカテゴリIDの値をユーザーが設定するのは,監視方法が次の場合です。それ以外の監視方法のラベル名とカテゴリIDについては,上記のツリーの表示を参照してください。

  • Blackbox exporterのHTTP/HTTPS監視の場合

    ディスカバリ設定ファイルのtargetsにラベル名を設定し,jp1_pc_categoryにカテゴリIDを設定します。

  • ユーザー独自のExporterの場合

    Prometheus設定ファイル(jpc_prometheus_server.yml)のスクレイプ定義で,jp1_pc_nodelabelにラベル名を設定し,ユーザー独自のディスカバリ設定ファイルのjp1_pc_categoryにカテゴリIDを設定します。

  • Fluentdのログ監視の場合

    テキストファイルの監視定義ファイルまたはWindowsイベントログの監視定義ファイルの[Metric Settings]セクションで,jp1_pc_nodelabelにラベル名を設定し,jp1_pc_categoryにカテゴリIDを設定します。

イベント一覧,トレンド情報表示などのJP1/IM - Managerの機能について,同一のツリーSIDが存在する場合,すでに作成済みのツリーSIDの付与情報に対して,新たに作成したツリーSIDの付与情報は,次の表のように対処されます。

付与情報

対処

target

追加

label

作成済みのツリーSIDのlabelを優先

resourceGroup

作成済みのツリーSIDのresourceGroupを優先

(j) コンテナ環境でのIM管理ノードの表示

コンテナ内に,統合エージェント,または,ユーザー独自のPrometheusやFluentdをインストールする場合,統合オペレーション・ビューアーでは,コンテナ名がホスト名としてツリーで表示されます。

(k) Yet another cloudwatch exporterのIM管理ノードの作成

Yet another cloudwatch exporterのメトリック定義ファイル(metrics_ya_cloudwatch_exporter.conf)に設定しているメトリックのうち,Yet another cloudwatch exporterで監視が行われている,かつ,AWS上でjp1_pc_nodelabelタグが設定されたリソースに対して,IM管理ノードを作成します。

JP1/IM - AgentのYet another cloudwatch exporterが監視対象としてサポートするAWSの名前空間を,次に示します。

表9‒16  JP1/IM - AgentのYet another cloudwatch exporterが監視対象としてサポートするAWSの名前空間

AWSの名前空間名

CloudWatch上のメトリクスの分類名

ディメンション

AWS/DynamoDB

テーブルメトリクス

TableName

AWS/ECS

インスタンス別メトリクス

InstanceId

AWS/Lambda

関数名別メトリクス

FunctionName

AWS/Lambda

リソース別メトリクス

FunctionName

Resource

AWS/S3

ストレージメトリクス

BucketName

StorageType

AWS/S3

各フィルターのメトリクスをリクエスト

BucketName

FilterId

AWS/SQS

キューメトリクス

QueueName

AWS/States

実行メトリクス

StateMachineArn

注※

AWS CloudWatchが,メトリクスをディメンションごとに分類した分類名です。CloudWatchのWebページで確認できます。

Yet another cloudwatch exporterで監視対象を指定する方法には,Auto-discovery configurationとstatic configurationの2種類がありますが,JP1/IM - Agentでは,Auto-discovery configurationで監視対象を指定しているリソースに対してだけ,IM管理ノードを作成できます。CloudWatch上で確認できるリソース全体やグループ化されたメトリックに対しては,IM管理ノードを作成しません。

なお,AWS上で,IM管理ノードの作成対象のリソース,またはリソースに設定されているjp1_pc_nodelabelタグを削除した場合,IM管理ノードは作成されなくなります。

また,タグの編集が終わってから,タグの情報がCloudWatchに反映されるまで,10分程度待つ必要があります。

Yet another cloudwatch exporter設定ファイル(jpc_ya_cloudwatch_exporter.yml)でのAuto-discovery configurationの設定については,マニュアル「JP1/Integrated Management 3 - Manager コマンド・定義ファイル・APIリファレンス」の「Yet another cloudwatch exporter設定ファイル(jpc_ya_cloudwatch_exporter.yml)」(2. 定義ファイル)を参照してください。

Yet another cloudwatch exporterを使用して監視を行う場合は,監視したいリソースのメトリックがCloudWatchで表示されていることを確認した上で,Prometheeus serverとYet another cloudwatch exporterのサービスを起動したあと,Prometheus設定ファイル(jpc_prometheus_server.yml)の項目「scrape_interval」に設定した時間(デフォルト:1分)が経過してから,jddcreatetreeコマンドおよびjddupdatetreeコマンド(構成変更モード(-cオプション)を指定)を実行してください。コマンドの実行後は,統合オペレーション・ビューアーのツリーに表示されるYet another cloudwatch exporterのIM管理ノードに過不足がないかを確認します。

表示されるIM管理ノードに過不足がある場合の対処方法については,取扱説明書「運用編」の「3.4.3(4)Yet another cloudwatch exporterのIM管理ノードが作成されない」を参照してください。

(l) 複数のスクレイプ定義で同じ監視対象を監視する構成について

Blackbox exporterおよびYet another cloudwatch exporterは,インストール先でないホストやリソースをリモートで監視するExporterです。同じExporterの複数のスクレイプ定義で同じ監視対象を監視したり,リモートで監視する同じExporterを別々のホストにセットアップして同じ監視対象を監視したりする設定をサポートしていません。設定した場合,統合オペレーション・ビューアーに表示されるIM管理ノードのツリーSIDが同一になります。そのため,[トレンド]タブで表示するトレンドデータは,どのExporterが収集した値か不定になります。

(m) IM管理ノードとメトリックのラベルについて

(c)統合エージェント基盤以外のIM管理ノードの作成条件」に示すとおり,トレンドデータ管理DBに保存されているトレンドデータからIM管理ノードを作成します。トレンドデータにはメトリックの情報が含まれており,メトリックごとにラベルが付与されています。

メトリックに付与するラベルは,次の定義ファイルで設定します。

  • ディスカバリ設定ファイル

    Exporterごとの共通のラベルを設定します。詳細については,マニュアル「JP1/Integrated Management 3 - Manager コマンド・定義ファイル・APIリファレンス」(2. 定義ファイル)の各Exporterのディスカバリ設定ファイルを参照してください。

  • Prometheus設定ファイル

    ディスカバリ設定ファイルで設定できないラベルやメトリックごとにラベルの値を変更する必要があるラベルを設定します。詳細については,マニュアル「JP1/Integrated Management 3 - Manager コマンド・定義ファイル・APIリファレンス」の「Prometheus設定ファイル(jpc_prometheus_server.yml)」(2. 定義ファイル)を参照してください。

(2) 関連の作成

統合オペレーション・ビューアーの[関連ノード]タブで表示する関連線の関連情報を作成します。

次の関連情報を作成します。

関連種別

from

to

managerAgent

JP1/IM - Managerを示すSID

統合エージェント制御基盤SID

注※

JP1/IM - Managerが階層構成の場合は,統合エージェント制御基盤を直接管理しているJP1/IM - Managerです。

(3) メトリック一覧の返却

Exporterが収集したパフォーマンスデータは,統合エージェントの機能によって,トレンドデータとして,JP1/IM - Managerのトレンドデータ管理DBに保存されます。

トレンドデータのメトリックは,JP1/IM - Managerの統合オペレーション・ビューアーまたはメトリック一覧取得API※1で,表示または取得できます。

メトリック一覧を返却できるIM管理ノードは,「9.5.1(1)(a)ターゲットとなる構成情報のSIDの種類と使用できる機能」に記載する,トレンド情報の表示機能を使用できる構成情報のSIDに対応するIM管理ノードです。

返却するメトリック一覧は,Exporterの種類に応じて,次のように異なります。

■Blackbox exporterのIM管理ノードの場合

Blackbox exporterのメトリック定義ファイル(metrics_blackbox_exporter.conf)に設定されているmoduleメンバーの値が,IM管理ノードのModuleの値で始まるメトリックの一覧を返却します。IM管理ノードのModuleの値は,統合オペレーション・ビューアーのプロパティで確認できます。

■Yet another cloudwatch exporterの場合

Yet another cloudwatch exporterのメトリック定義ファイル(metrics_ya_cloudwatch_exporter.conf)に設定されているcloud_srvメンバーの値と,IM管理ノードのAWS名前空間名が一致するメトリックの一覧を返却します。IM管理ノードのAWS名前空間名は,統合オペレーション・ビューアーのプロパティで確認できます。

■上記以外のExporterの場合

メトリック定義ファイル(metrics_Prometheusトレンド名.conf)に設定されているメトリックの一覧を返却します。

注※

Prometheus設定ファイル(jpc_prometheus_server.yml)の項目「scrape_configs」で,jp1_pc_trendnameに設定している値が入ります。

メトリック定義ファイルの設定内容や初期設定については,マニュアル「JP1/Integrated Management 3 - Manager コマンド・定義ファイル・APIリファレンス」(2. 定義ファイル)の各Exporterのメトリック定義ファイルを参照してください。

JP1/IM - Managerが階層構成で,統合マネージャーでトレンド情報表示機能が実行された場合,下位マネージャー配下のIM管理ノードについても統合マネージャーのメトリック定義ファイルに設定されている必要があります。

(4) トレンドデータの返却

JP1/IM - Agentの製品プラグインは,次に示す契機で,IM管理ノードとメトリックに対応したトレンドデータを返却します。

注※1

[統合オペレーション・ビューアー]画面の[トレンド]タブの詳細については,マニュアル「JP1/Integrated Management 3 - Manager 画面リファレンス」の「2.6.1(6)[トレンド]タブ」を参照してください。

注※2

時系列データ取得APIの詳細については,マニュアル「JP1/Integrated Management 3 - Manager コマンド・定義ファイル・APIリファレンス」の「5.11.2 時系列データ取得」を参照してください。

トレンドデータを返却できるIM管理ノードは,「9.5.1(1)(a)ターゲットとなる構成情報のSIDの種類と使用できる機能」に記載する,トレンド情報の表示機能を使用できる構成情報のSIDに対応するIM管理ノードです。

トレンドデータを返却する前提条件,および表示するインスタンス名を,次に示します。

(a) 前提条件

JP1/IM - Agentは,JP1/IM - Managerのトレンドデータ管理DBに保存しているパフォーマンスデータから,トレンドデータを作成して返却します。統合エージェントの機能を使用して,パフォーマンスデータをトレンドデータ管理DBに保存していない場合は,トレンドデータを返却できません。

JP1/IM - Managerが階層構成で,統合マネージャーでトレンド情報表示機能が実行された場合,下位マネージャー配下のIM管理ノードは,下位マネージャーのトレンドデータ管理DBに保存されているパフォーマンスデータから,トレンドデータを作成して返却します。そのため,下位マネージャーのインテリジェント統合管理基盤にアクセスできる必要があります。また,下位マネージャーのトレンドデータ管理DBにパフォーマンスデータが保存されている必要があります。

(b) インスタンス名(グラフの凡例として表示する文字列)

  • メトリックに,次に示す名前のラベルとメトリック定義ファイルのdrop_legend_labels※1で指定したラベル以外のラベルが設定されている場合,そのラベル名のメンバーを持つオブジェクトをJSON形式に変換し,先頭の「{」と末尾の「}」を削除した文字列をインスタンス名として返却します(例:「"core":"0,0","mode":"idle"」)。次に示す名前のラベルとメトリック定義ファイルのdrop_legend_labels※1で指定したラベル以外のラベルを設定されていない場合は,インスタンス名を返却しません。

    __name__,instance,job,jp1_pc_nodelabel,jp1_pc_prome_hostname,jp1_pc_exporter,jp1_pc_remote_monitor_instance,jp1_pc_category,jp1_pc_trendname,jp1_pc_module,jp1_pc_rm_agent_create_flag,jp1_pc_agent_create_flag,jp1_pc_multiple_node,jp1_pc_nodelabel_fluentd,jp1_pc_addon_program,account_id2,region2,name2

    注※1

    メトリック定義ファイルのdrop_legend_labelsについては,マニュアル「JP1/Integrated Management 3 - Manager コマンド・定義ファイル・APIリファレンス」の「Node exporterのメトリック定義ファイル(metrics_node_exporter.conf)」(2. 定義ファイル)を参照してください。

    注※2

    Yet another cloudwatch exprorerの場合にだけ該当します。

  • インスタンス名が249文字を超える場合,250文字目以降を削除します。

  • インスタンス名とする249文字目までが同じになる文字列が複数存在する場合,末尾に項番「#n」(n=1,2,3…)を付与します。

(c) 取得するパフォーマンスデータについて

JP1/IM - Managerのトレンドデータ管理DBに保存されているパフォーマンスデータの中で,どのパフォーマンスデータをトレンドデータとして返却するかは,メトリック定義ファイルのpromqlに設定するPromQL文で指定します。

promqlの初期値については,マニュアル「JP1/Integrated Management 3 - Manager コマンド・定義ファイル・APIリファレンス」(2. 定義ファイル)の,各Exporterのメトリック定義ファイルについて説明している個所で,各メトリックの設定内容(初期状態)を記載している表の「メトリック定義ファイル用promql($jp1im_TrendData_labelsを含む)」の説明を参照してください。

PromQL文に関する注意事項については,マニュアル「JP1/Integrated Management 3 - Manager コマンド・定義ファイル・APIリファレンス」の「PromQL文に関する注意事項」(2. 定義ファイル)を参照してください。

メトリック定義ファイルのpromqlの値に含まれる文字列「$jp1im_TrendData_labels」は,パフォーマンスデータを取得するときに,取得対象を絞り込むためのPromQL文に置き換えられます。例えば,次のようにpromqlの値に「$jp1im_TrendData_labels」を含む文字列を指定することで,トレンドデータを返却するIM管理ノードのパフォーマンスデータだけを,トレンドデータとして取得できます。

■promqlに指定する文字列

(windows_memory_available_bytes and $jp1im_TrendData_labels) / (1024*1024)

■「$jp1im_TrendData_labels」の置き換え後の文字列

(windows_memory_available_bytes and {jp1_pc_prome_hostname="Prometheusのホスト名",job="スクレイプジョブ名",instance="instanceラベルの値"}) / (1024*1024)

なお,promqlの値に「$jp1im_TrendData_labels」が含まれない場合,取得対象が絞り込まれず,正しくトレンドデータが返却されないことがあります。

また,「$jp1im_TrendData_labels」の置き換え後の文字列は,IM管理ノードによって異なります。詳細については,マニュアル「JP1/Integrated Management 3 - Manager コマンド・定義ファイル・APIリファレンス」の「Node exporterのメトリック定義ファイル(metrics_node_exporter.conf)」(2. 定義ファイル)に記載している「■$jp1im_TrendData_labelsの置き換え」の説明を参照してください。

JP1/IM - Managerが階層構成で,統合マネージャーでトレンド情報表示機能が実行された場合,下位マネージャー配下のIM管理ノードについても統合マネージャーのメトリック定義ファイルに設定されている必要があります。

(d) インスタンスごとのデータ数の上限について

インスタンスごとのデータ数の上限値は,JP1/IM - Managerから引数で渡されます。インスタンスごとの返却データは,「収集期間の時間数÷インスタンスごとのデータ数の上限値」の間隔で返却します。インスタンスごとの返却データの数は,引数の上限値を超えず,このメソッドの戻り値「countPerInstance」は,常に「false」になります。

(e) パフォーマンスデータの時刻について

トレンドデータは,パフォーマンスデータごとに時刻を設定して返却しますが,この時刻は,パフォーマンスデータを収集,格納した時刻ではなく,開始時刻から終了時刻までを等間隔で刻んだ時刻となります。等間隔の時間は,「(時系列データ取得APIの終了時刻−時系列データ取得APIの開始時刻)÷インスタンス当たりのデータ数の上限」により算出します。統合オペレーション・ビューアーの[トレンド]タブでトレンドデータを表示した場合,インスタンス当たりのデータ数の上限は60となります。

■統合オペレーション・ビューアーの[トレンド]タブに表示するトレンドデータの時刻の例

前提条件を次に示します。

  • Prometheus serverがトレンドデータを収集した時刻

    1つ目のデータの収集時刻:2022/02/19 12:15:00

    2つ目のデータの収集時刻:2022/02/19 12:16:00

    3つ目のデータの収集時刻:2022/02/19 12:17:00

      :

  • 統合オペレーション・ビューアーの[トレンド]タブで表示するトレンドデータの時刻の範囲

    開始時刻:2022/02/19 12:15:30

    終了時刻:2022/02/19 13:15:30

統合オペレーション・ビューアーの[トレンド]タブでトレンドデータを表示した場合,インスタンス当たりのデータ数の上限は60であるため,前提条件より,表示範囲の開始時刻から終了時刻までの時間(終了時刻−開始時刻)は60分,等間隔の時間((終了時刻−開始時刻)÷インスタンス当たりのデータ数の上限)は1分となります。

これにより,統合オペレーション・ビューアーの[トレンド]タブに表示するトレンドデータの時刻(返却するトレンドデータに設定する時刻)は,次に示すとおり,表示範囲の開始時刻を起点とした1分刻みの時刻となります。

1つ目のデータの表示時刻:2022/02/19 12:15:30

2つ目のデータの表示時刻:2022/02/19 12:16:30

3つ目のデータの表示時刻:2022/02/19 12:17:30

  :

(f) 収集したパフォーマンスデータとトレンドデータの関係

トレンドデータの返却機能では,指定した収集期間の中で,一定の収集間隔で収集するパフォーマンスデータに対して,一定の出力間隔で過去5分間に収集したパフォーマンスデータがトレンドデータとして出力します。過去5分間に収集したパフォーマンスデータが前回の出力時と同じデータの場合は,そのデータで補完してトレンドデータを出力します。過去5分間に収集したパフォーマンスデータが存在しない場合は,データを補完しません。

また,Exporterが停止しているなど,パフォーマンスデータが収集できない場合は,トレンドデータを出力しません。

(g) トレンドデータの出力期間に未来の期間が含まれる場合の注意事項

トレンドデータの出力期間に未来の期間が含まれると,トレンドデータの返却機能の使用時刻(現在時刻)より未来の期間に出力されたトレンドデータの出力時刻は,未来の時刻となります。トレンドデータの出力時刻が未来の時刻となることを抑止したい場合は,トレンドデータの出力期間に未来の期間を含めないようにしてください。

(h) アラートとトレンドデータの関係

アラートルールの評価は,Prometheusがパフォーマンスデータを収集した時点で行うため,アラートの通知時刻は,アラートの評価を行ったパフォーマンスデータの収集時刻となります。アラートの通知時刻でトレンドデータを突き合わせるときは,出力時刻が未来方向に直近のトレンドデータと突き合わせる必要があります。

(i) メトリック値のリセットについて

OSの再起動によって,パフォーマンスデータがリセットされるメトリックがあります。このようなメトリックをトレンド表示する際,表示期間にOSの再起動が含まれていた場合,瞬間的に飛びぬけた値(大きな値,小さな値,またはマイナスの値)が表示されたり,グラフが極端な変化を示したりすることがあります。

このような場合は,OSの再起動などが行われていないか確認し,該当する時間帯のデータは無視するようにしてください。

(5) アラートに応じたJP1イベントの作成

JP1/IM - Agentの製品プラグインは,Prometheus serverがアラートルールを評価して,アラートの状態が「firing」または「resolved」になったときに,アラートの内容に応じたJP1イベントを作成します。

作成されたJP1イベントは,統合マネージャーホストのJP1/Baseに登録され,JP1/IM - Managerの統合オペレーション・ビューアーやJP1/IM - Viewで確認できます。

次の場合もJP1イベントを作成しますが,この場合は,JP1イベント変換APIの「デフォルト形式」によって通知します。

アラート設定ファイルのexprに不正なPromQL文が設定されている場合,JP1イベントが発行されない,または,拡張属性の値が空欄になることがあります。PromQL文に関する注意事項については,マニュアル「JP1/Integrated Management 3 - Manager コマンド・定義ファイル・APIリファレンス」の「PromQL文に関する注意事項」(2. 定義ファイル)を参照してください。

(6) JP1イベントに対応するSIDの返却

JP1/IM - Agentの製品プラグインは,次の条件のすべてに該当するJP1イベントを受信したときに,JP1/IM - AgentのIM管理ノードとJP1イベントの関連付けを行います。

JP1/IM - AgentのIM管理ノードに関連付けられたJP1イベントは,JP1/IM - Managerの統合オペレーション・ビューアーのイベント一覧に表示されます。

なお,次の条件のどちらかに該当する場合,関連付けを行いません。

関連付けの対象となるIM管理ノードのSIDの種類と,関連付けを行う条件を,次に示します。SIDの種類の詳細については,「9.5.1(1)(a)ターゲットとなる構成情報のSIDの種類と使用できる機能」を参照してください。

SIDの種類

関連付けを行う条件

統合エージェント制御基盤SID

次のどちらかに該当する場合,統合エージェント制御基盤SIDに関連付けを行います。

  • 属性「OBJECT_NAME」の値が「IMAGENT」である

  • アラート名が「jp1_pc_procmon_imagent」で始まるアラート定義により発行されたJP1イベントである

ログ監視対象のSID

属性「PRODUCT_NAME」の値が「/HITACHI/JP1/JPCCS2/LOGTRAP/」で始まる場合,ログ監視対象のSIDに関連付けを行います。

エージェントサービスSID(Fluentd(ログメトリクス))

アラート名が次のどちらかで始まるアラート定義により発行されたJP1イベントの場合,エージェントサービスSID(Fluentd(ログメトリクス))に関連付けを行います。

  • 「jp1_pc_procmon_fluentd_prome_win 」

  • 「jp1_pc_procmon_fluentd_prome_rotatelogs 」

  • 「jp1_pc_procmon_fluentd_prome_ruby 」

ログ監視サービスSID

アラート名が次のどれかで始まるアラート定義により発行されたJP1イベントの場合,ログ監視サービスSIDに関連付けを行います。

  • 「jp1_pc_procmon_fluentd_win 」

  • 「jp1_pc_procmon_fluentd_rotatelogs 」

  • 「jp1_pc_procmon_fluentd_ruby 」

PrometheusSID

次のどちらかに該当する場合,PrometheusのPrometheusSIDに関連付けを行います。

  • アラート名が「jp1_pc_prometheus_healthcheck」というアラート定義により発行されたJP1イベントである

  • アラート名が「jp1_pc_procmon_prometheus」というアラート定義により発行されたJP1イベントである

AlertmanagerSID

次のどちらかに該当する場合,AlertmanagerSIDに関連付けを行います。

  • アラート名が「jp1_pc_alertmanager_healthcheck」というアラート定義により発行されたJP1イベントである

  • アラート名が「jp1_pc_procmon_alertmanager」というアラート定義により発行されたJP1イベントである

リモート監視サービスSID,またはエージェントサービスSID

次のどれかに該当する場合,関連付けを行います。

  • アラート名が「jp1_pc_exporter_healthcheck」というアラート定義により発行されたJP1イベントである場合

    通信できないExporterのリモート監視サービスSIDまたはエージェントサービスSIDに関連付けを行います。

  • アラート名が「jp1_pc_procmon_RM 」で始まるアラート定義により発行されたJP1イベントである場合

    リモート監視サービスSIDに関連付けを行います。

  • アラート名が「jp1_pc_procmon_RM 」で始まらず,「jp1_pc_procmon_」で始まるアラート定義により発行されたJP1イベントである場合(統合エージェント管理基盤SID,統合エージェント制御基盤SID,ログ監視対象のSID,ログ監視サービスSID,PrometheusSID,およびAlertmanagerSIDの条件にも該当しない場合)

    リモート監視サービスSIDに関連付けを行います。

EC2のCloudWatchSID

次に示すJP1イベントの場合,EC2のCloudWatchSIDとの関連付けを行います。

  • スクレイプジョブ名が「jpc_cloudwatch」のスクレイプ定義で,AWS名前空間名が「AWS/EC2」のパフォーマンスデータを監視して発行されたJP1イベント

EC2以外のCloudWatchSID

次に示すJP1イベントの場合,EC2以外のCloudWatchSIDとの関連付けを行います。

  • スクレイプジョブ名が「jpc_cloudwatch」のスクレイプ定義で,AWS名前空間名が「AWS/EC2」以外のパフォーマンスデータを監視して発行されたJP1イベント

エージェントSID,またはリモートエージェントSID

上記の条件のどれにも該当しないJP1イベントの場合,アラートで評価した監視対象のエージェントSID,またはリモートエージェントSIDに関連付けを行います。

アラート設定ファイルのexprに不正なPromQL文が設定されている場合,拡張属性の値が空欄になり,JP1イベントが正しいIM管理ノードに関連付かないことがあります。PromQL文に関する注意事項については,マニュアル「JP1/Integrated Management 3 - Manager コマンド・定義ファイル・APIリファレンス」の「PromQL文に関する注意事項」(2. 定義ファイル)を参照してください。

次のJP1イベントはマネージャーノードに紐づけられます。マネージャーが階層構成の場合は,直接繋がっているマネージャーノードにのみ紐づけられます。

イベントID

説明

00007630

エージェントの追加を検知したときに発行するJP1イベント

00007631

エージェントの削除を検知したときに発行するJP1イベント

00007632

エージェント情報の更新を検知したときに発行するJP1イベント