9.4.3 システムの階層構成の管理
IM構成管理を使用しない場合は,JP1/Baseが提供する構成定義機能を使用して,JP1/IMが管理するシステムの階層構成(IM構成)を管理します。マネージャーで,構成定義ファイル(jbs_route.conf)にホスト間の関係を定義し,jbsrt_distribコマンドを実行することによって,定義内容が有効になります。
システムの階層構成を定義すると,JP1/IMで次のことができるようになります。
-
JP1イベントの上位ホストへの転送
-
JP1/IM - Viewからのコマンド実行
-
JP1/IMからの自動アクション
-
定義情報の収集と配布
なお,IM構成管理を使用してシステムの階層構成をJP1/IM - Managerから一元的に管理する場合は,「8. IM構成管理によるシステムの階層構成の管理」を参照してください。
(1) 構成管理機能で定義するシステムの階層構成
JP1/Baseの構成管理機能で3階層の構成を定義すると,中間の階層のマネージャーは拠点マネージャーとなります。
最上位のマネージャーで一括して定義することも,各マネージャーが管理する複数の部分に分割して定義することもできます。
構成管理機能で定義するシステムの階層構成の例を,図9-10から図9-12に示します。
上記の例の場合,構成定義ファイル(jbs_route.conf)は次のように定義します。
(2) 構成管理機能によるシステムの階層構成の定義方法
構成管理機能によってシステムの階層構成を定義する手順の概要を,次に示します。
-
マネージャーで,構成定義ファイルを定義する。
マネージャーから下位にあたるマネージャーおよびエージェントのホストを,構成定義ファイル(jbs_route.conf)に定義します。
定義ファイルには,一括して定義する場合はシステム全体の階層構成を,分割して定義する場合は拠点マネージャー以下の階層構成を定義してください。
-
マネージャーで,jbsrt_distribコマンドを実行する。
このコマンドを実行すると,構成定義ファイルに定義したホストへ定義情報が配布されて,設定が有効になります。
システムの階層構成を複数の部分に分割して定義する場合は,手順1と手順2を,各マネージャーで繰り返してください。そのあとで,最上位のマネージャーで次の手順によって,システム全体の定義を作成します。
-
最上位のマネージャーで,構成定義ファイルを定義する。
最上位のマネージャーから次のマネージャーの階層までを,構成定義ファイル(jbs_route.conf)に定義する。
-
最上位のマネージャーで,jbsrt_syncコマンドを実行する。
このコマンドを実行すると,構成定義ファイルに定義したマネージャーから構成定義が収集されて,システム全体の構成情報が作成されます。
システム構成定義の内容は,各ホスト上でjbsrt_getコマンドを実行することで確認できます。
構成定義ファイルの形式については,マニュアル「JP1/Base 運用ガイド」の「構成定義ファイル(jbs_route.conf)」を参照してください。また,設定手順については,マニュアル「JP1/Integrated Management 3 - Manager 構築ガイド」の「1.10 IM構成管理を使用しない場合のシステムの階層構成の設定(Windowsの場合)」(Windowsの場合)または「2.9 IM構成管理を使用しない場合のシステムの階層構成の設定(UNIXの場合)」(UNIXの場合)を参照してください。