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JP1 Version 13 JP1/Integrated Management 3 - Manager 導入・設計ガイド


7.2.2 自動アクション定義ファイルをもとにした対処アクションの自動実行の定義の作成

自動アクション定義ファイルからの移行は,ユーザー自身で自動アクション定義を基に対処アクションの自動実行の定義を作成し,反映してください。

なお,次の前提条件に当てはまる場合は,自動アクションの設定値を置き換えるだけで対処アクションの自動実行の定義を作成できます。ただし,自動アクション結果は移行できません。自動アクション結果を参照する場合は,JP1/IM - Viewまたはjcashowaコマンドで確認してください。

自動アクション定義ファイルからの移行方法について説明します。

〈この項の構成〉

(1) パラメーターの置き換え

次に示す表に従って,設定値に対応するパラメーターに変更します。自動アクション定義と同等の対処アクションの自動実行の定義を作成できます。

表7‒2 自動アクション定義と対処アクションの自動実行の定義のパラメーター対応一覧

項番

自動アクション定義の設定項目

対応する対処アクションの自動実行の定義の設定項目

備考

1

sta {true|false}

state_watch

2

act アクション名

label

3

[prm パラメーターグループ]

actionGroup

4

[cmt コメント]

description

5

aid アクションID

actionId

6

[valid true|false]

valid

7

eid イベントID

イベント条件として指定するため,設定不要です。

8

cnd イベント条件end-cnd

conditions

イベント条件の詳細については,「表7-3 イベント条件の詳細」を参照してください。

9

[usr ユーザー名]

実行先ホストに合わせて実行ユーザーが決定するため,設定不要です。

10

[hst {実行ホスト名|グループ名|業務グループ名|監視グループ名}]

host

11

[{cmd アクション|rul}]

type

rulは指定できません。

12

[var 環境変数ファイル名]

envFile

13

[det 抑止時間]

設定不可の項目です。

14

[ret 遅延監視時間]

設定不可の項目です。

表7‒3 イベント条件の詳細

項番

自動アクション定義の設定項目

対応する対処アクションの自動実行の定義の設定項目

備考

1

属性名

key:"属性名"

形式は,自動アクション定義と同じです。

2

比較キーワード

ope:"比較キーワード"

3

オペランド

val:["オペランド"]

対処アクションの自動実行の定義でオペランドを複数指定する場合は,配列として定義します。

注※

自動アクション定義で半角スペース,タブ,改行コード(CR,LF)および%を指定している場合,対処アクションの自動実行の定義では次の表に示す内容で定義してください。

表7‒4 オペランドの特殊文字対応

項番

指定したい値

(ASCIIコード)

自動アクション定義の記載方法

対処アクションの自動実行の定義の記載方法

備考

1

タブ(0x09)

%09

\t

2

半角スペース(0x20)

%20

" "

対処アクションの自動実行の定義では半角スペースはそのまま指定します。

3

%(0x25)

%25

%

対処アクションの自動実行の定義では%はそのまま指定します。

4

改行コードLF(0x0a)

%0a

\r

5

改行コードCR(0x0d)

%0d

\n

6

\(0x5c)

\

\\

(2) 自動アクションのイベント引き継ぎ情報の置き換え

自動アクションの定義でイベント引き継ぎ情報を使用している場合は,置き換えが必要です。

自動アクション定義の指定形式
${変数名$エンコーディング種類}
対処アクションの自動実行の定義の指定形式
${"種別":"イベント引き継ぎ情報":"エンコード種別"}

また,イベント引き継ぎ情報でイベントの拡張属性名をダブルクォーテーション(")で囲んでいる場合,EV"属性名"はEV#属性名の形式に置き換えられます。

表7‒5 引き継ぎ情報の対応一覧

項番

種別

イベント引き継ぎ情報

自動アクション定義の変数名

対処アクションの自動実行の定義の変数名

1

基本属性に対応する変数

イベントID(基本コード:拡張コード)

イベントIDを「基本コード:拡張コード」形式に変換した文字列です。

基本コードはイベントID(B.ID),拡張コードはイベントID(B.IDEXT)の値です。

基本コードおよび拡張コードは,8桁の16進数(A〜Fは大文字)で,各IDの前の0は省略されます。

例えば,拡張コードが00000000の場合,「基本コード:0」となります。

EVID

EVID

2

イベントID(基本コード)

イベントIDを「基本コード」形式に変換した文字列です。

8桁の16進数(A〜Fは大文字)で,IDの前の0は省略されます。

EVIDBASE

EVIDBASE

3

イベント登録日(yyyy/mm/dd)

登録時刻(B.TIME)を「yyyy/mm/dd」形式に変換した文字列です。

EVDATE

EVDATE

4

イベント登録時刻(hh:mm:ss)

登録時刻(B.TIME)を「hh:mm:ss」形式に変換した文字列です。

EVTIME

EVTIME

5

イベント発行元プロセスID

発行元プロセスID(B.PROCESSID)の値です。

EVPID

EVPID

6

イベント発行元プロセスのユーザーID

発行元ユーザーID(B.USERID)の値です。

EVUSRID

EVUSRID

7

イベント発行元プロセスのグループID

発行元グループID(B.GROUPID)の値です。

EVGRPID

EVGRPID

8

イベント発行元ユーザー名

発行元ユーザー名(B.USERNAME)の値です。

EVUSR

EVUSR

9

イベント発行元グループ名

発行元グループ名(B.GROUPNAME)の値です。

EVGRP

EVGRP

10

イベント発行元ホスト名

発行元イベントサーバ名(B.SOURCESERVER)の値です。

EVHOST

EVHOST

11

イベント発行元IPアドレス

発行元IPアドレスをIPv4アドレス形式またはIPv6アドレス形式にした文字列です。

EVIPADDR

EVIPADDR

12

イベントDB内通し番号

イベントDB内通し番号(B.SEQNO)の値です。

EVSEQNO

EVSEQNO

13

イベント到着日(yyyy/mm/dd)

到着時刻(B.ARRIVEDTIME)を「yyyy/mm/dd」形式に変換した文字列です。

EVARVDATE

EVARVDATE

14

イベント到着時刻

到着時刻(B.ARRIVEDTIME)を「hh:mm:ss」形式にした文字列です。

EVARVTIME

EVARVTIME

15

発生元のイベントDB内通し番号

発生元のイベントDB内通し番号(B.SOURCESEQNO)の値です。

EVSRCNO

EVSRCNO

16

メッセージ

メッセージ(B.MESSAGE)の値です。

EVMSG

EVMSG

17

拡張属性に対応する変数

(共通情報)

イベント拡張情報重大度(Emergency,Alert,Critical,Error,Warning,Notice,Information,,Debug)

重大度(E.SEVERITY)の値です。

EVSEV

EVSEV

18

ユーザー名

ユーザー名(E.USER_NAME)の値です。

EVUSNAM

EVUSNAM

19

オブジェクトタイプ

オブジェクトタイプ(E.OBJECT_TYPE)の値です。

EVOBTYP

EVOBTYP

20

オブジェクト名

オブジェクト名(E.OBJECT_NAME)の値です。

EVOBNAM

EVOBNAM

21

登録名タイプ

登録名タイプ(E.ROOT_OBJECT_TYPE)の値です。

EVROBTYP

EVROBTYP

22

登録名

登録名(E.ROOT_OBJECT_NAME)の値です。

EVROBNAM

EVROBNAM

23

プロダクト名

プロダクト名(E.PRODUCT_NAME)の値です。

EV"PRODUCT_NAME"

EV#PRODUCT_NAME

24

オブジェクトID

オブジェクトID(E.OBJECT_ID)の値です。

EV"OBJECT_ID"

EV#OBJECT_ID

25

事象種別

事象種別(E.OCCURRENCE)の値です。

EV"OCCURRENCE"

EV#OCCURRENCE

26

開始時刻

開始時刻(E.START_TIME)の値です。

EV"START_TIME"

EV#START_TIME

27

終了時刻

終了時刻(E.END_TIME)の値です。

EV"END_TIME"

EV#END_TIME

28

終了コード

終了コード(E.RESULT_CODE)の値です。

EV"RESULT_CODE"

EV#RESULT_CODE

29

発生元ホスト名

発生元ホスト名(E.JP1_SOURCEHOST)の値です。

EV"JP1_SOURCEHOST"

EV#JP1_SOURCEHOST

30

任意の拡張属性

拡張属性名で指定された属性の属性値です。

EV"拡張属性名"

EV#拡張属性名

31

拡張属性に対応する変数(IM属性)

相関イベントフラグ

相関イベントフラグ(E.@JP1IM_CORRELATE)の値です。次のどれかになります。

  • 0:相関イベントではない

  • 1:相関成立イベント

  • 2:相関不成立イベント

EV"@JP1IM_CORRELATE"

EV#@JP1IM_CORRELATE

32

応答待ちイベントフラグ

応答待ちイベントフラグ(E.@JP1IM_RESPONSE)の値です。

対処アクションのマッチング時は0となります。

EV#@JP1IM_RESPONSE

33

変更前の重大度

重大度(変更前)(E.@JP1IM_ORIGINAL_SEVERITY)の値です。

Emergency,Alert,Critical,Error,Warning,Notice,Information,Debug,または重大度に設定された値のどれかになります。

重大度変更機能が有効な場合だけ設定する属性です。

EV"@JP1IM_ORIGINAL_SEVERITY"

EV#@JP1IM_ORIGINAL_SEVERITY

34

重大度変更フラグ

重大度変更フラグ(E.@JP1IM_CHANGE_SEVERITY)の値です。次のどちらかになります。

  • 0:重大度を変更していない

  • 1:重大度を変更した

EV"@JP1IM_CHANGE_SEVERITY"

EV#@JP1IM_CHANGE_SEVERITY

35

変更後のメッセージ

メッセージ(変更後)(E.@JP1IM_DISPLAY_MESSAGE)の値です。

表示メッセージ変更機能が有効な場合だけ設定する属性です。

EV"@JP1IM_DISPLAY_MESSAGE"

EV#@JP1IM_DISPLAY_MESSAGE

36

表示メッセージ変更

表示メッセージ変更(E.@JP1IM_CHANGE_MESSAGE)の値です。次のどちらかになります。

  • 0:メッセージを変更していない

  • 1:メッセージを変更した

表示メッセージ変更機能が有効な場合だけ設定する属性です。

EV"@JP1IM_CHANGE_MESSAGE"

EV#@JP1IM_CHANGE_MESSAGE

37

その他

アクション実行要求元マネージャーホスト名

マネージャーホスト名の値です。

ACTHOST

ACTHOST

38

アクションの実行条件の指定で,正規表現中に"( )"を指定して切り出したデータ

EVENV1〜EVENV9

EVENV1〜EVENV9

注※

イベント引き継ぎ情報の変数EVIPADDRが指定された場合,およびJP1イベントの発行元IPアドレス(B.SOURCEIPADDR)がIPv6アドレスの場合,次の形式で変換します。

  • IPv6アドレス形式

    128ビットのアドレス値を16ビット単位でコロン(:)区切り,16進数(0000〜ffff)で出力した形式。

    例:0011:2233:4455:6677:8899:aabb:ccdd:eeff

  • IPv4アドレス形式

    32ビットのアドレス値を8ビット単位でピリオド(.)区切り,10進数(0〜255)で出力した形式。

    例:0.64.128.255

置き換え例
自動アクション定義
$EV"JP1_SOURCEHOST"$URLENC
置き換え後の対処アクションの自動実行の定義
${event:EV#JP1_SOURCEHOST:URLENC}