6.5.1 自動アクションの遅延監視
自動アクションの実行処理で,次のようなトラブルが発生することがあります。
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自動アクションが想定した時間内に終了しなかった。
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自動アクションが長時間経過しても終了しない状態となった。
このようなトラブルが発生すると,トラブルの発生元となったアクションだけでなく,後続のアクションの実行処理にも影響が出てきます。
自動アクションの実行時間を監視(遅延監視)することで,上記のようなトラブル発生から,オペレーターが対応するまでの時間を短縮できます。遅延発生時の通知は,JP1イベントや通知コマンドによって行われます。
遅延監視の設定については,「6.5.3 実行監視の設定」を参照してください。
- 〈この項の構成〉
(1) 遅延監視の開始時間と終了時間
遅延監視の開始は,マネージャー上のJP1/Baseに自動アクションの実行契機となるJP1イベントが到着した時刻からとなります。
また,遅延監視の終了は,アクションの状態が下記の状態に遷移した時刻となります。
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「終了」「キャンセル」「強制終了」「実行不可」「実行失敗」
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「終了(キャンセル失敗)」「実行失敗(キャンセル失敗)」
遅延監視で設定した時間内に上記状態に遷移しなかった場合,"遅延"となります。
遅延監視の対象時間および遅延監視の対象となる状態を次の図に示します。
なお,クラスタシステムでフェールオーバー時に自動アクションを再実行する設定にしていた場合も,遅延監視の対象時間および遅延監視の対象となる状態は,通常運用の場合(上記の図)と変わりません。クラスタシステムで運用している場合には系切り替えの時間も考慮に入れて遅延監視時間を設定する必要があります。
- 重要
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自動アクションを手動で再実行した場合は,遅延監視の対象にはなりません。これは,ユーザー自身が自動アクションを再実行し,アクション開始時間および経過時間を把握できるためです。
また,状態が「なし」となる自動アクションや状態が「抑止」となった自動アクションも遅延監視の対象にはなりません。