6.3.4 イベント引き継ぎ情報
アクションの実行内容に関する次の項目は,イベント引き継ぎ情報としてアクションの契機となったJP1イベントの情報を指定できます。
JP1イベントの属性値の自動アクションへの引き継ぎは,イベント基盤サービスからアクション実行サービスに渡す際に実行しています。
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実行先ホスト名
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JP1ユーザー名
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環境変数ファイル名
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アクション
次に示すイベント引き継ぎ情報を指定できます。
種別 |
変数名 |
イベント引き継ぎ情報 |
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基本属性 |
EVBASE |
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EVID |
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EVIDBASE |
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EVDATE |
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EVTIME |
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EVPID |
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EVUSRID |
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EVGRPID |
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EVUSR |
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EVGRP |
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EVHOST |
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EVIPADDR |
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EVSEQNO |
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EVARVDATE |
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EVARVTIME |
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EVSRCNO |
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EVMSG |
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EVDETAIL |
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拡張属性 |
EVSEV |
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EVUSNAM |
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EVOBTYP |
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EVOBNAM |
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EVROBTYP |
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EVROBNAM |
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EV"PRODUCT_NAME" |
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EV"OBJECT_ID" |
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EV"OCCURRENCE" |
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EV"START_TIME" |
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EV"END_TIME" |
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EV"RESULT_CODE" |
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EV"JP1_SOURCEHOST" |
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EV"拡張属性名" |
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その他 |
EV"@JP1IM_CORRELATE" |
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EV"@JP1IM_ORIGINAL_SEVERITY" |
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EV"@JP1IM_CHANGE_SEVERITY" |
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EV"@JP1IM_DISPLAY_MESSAGE" |
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EV"@JP1IM_CHANGE_MESSAGE" |
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ACTHOST |
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EVENV1〜EVENV9 |
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(1) 指定方法
イベント引き継ぎ情報は,変数で指定します。変数は「$変数名」と指定します。$を文字として指定したい場合は,「\$」と指定してください。
なお,変換元の文字情報に,次に示す制御文字が含まれていた場合,その制御文字は半角スペース(0x20)に変換されて処理されます。
半角スペースに変換される制御文字:0x01〜0x1F(タブ(0x09)を除く),0x7F
(2) イベント引き継ぎ情報のエンコーディング
アクションの実行内容に関する項目のうち「アクション」については,イベント引き継ぎ情報の値をURLエンコーディングしたり,Base64エンコーディングしたりできます。
指定形式は,「$変数名$エンコーディングの種類」です。エンコーディングの種類の直後に半角英数字,または_(アンダーバー)を指定する場合は,「${変数名$エンコーディング種類}」の形式で指定してください。「$」を文字列として扱いたい場合は,エスケープ文字「\」を「$」の前に指定してください。
次の場合,「$変数名$エンコーディングの種類」または「${変数名$エンコーディング種類}」は,文字列と見なされて変換されません。
-
「変数名」に該当するイベントが存在しない。
-
指定形式が誤っている。
イベント引き継ぎ情報のエンコーディングの種類と指定形式を次に示します。
項番 |
エンコーディングの種類 |
指定形式 |
説明 |
---|---|---|---|
1 |
URLエンコーディング |
$変数名$URLENC |
イベント引き継ぎ情報の値をUTF-8の文字列としてURLエンコーディングします。 |
${変数名$URLENC} |
|||
2 |
Base64エンコーディング |
$変数名$ENC |
イベント引き継ぎ情報の値をBase64エンコーディングします。 |
${変数名$ENC} |
|||
3 |
Base64コーディングとURLコーディングの両方 |
$変数名$ENC$URLENC |
イベント引き継ぎ情報の値をBase64エンコーディングし,さらにURLエンコーディングします。 |
${変数名$ENC$URLENC} |
|||
4 |
エンコーディングしない |
$変数名 |
URLエンコーディングもBase64エンコーディングもしない。 |
${変数名} |
なお,引き継ぎ情報のエンコーディングは,自動アクション定義ファイル(互換用)では使用できません。
(3) イベント引き継ぎ情報の変換機能
イベント引き継ぎ情報の変換機能は,イベント引き継ぎ情報に含まれる特定のASCII文字を別の文字列に変換する機能です。
イベントに含まれるOSが特別な意味として取り扱う文字を別の文字に変換できます。例えば,変数で指定されたJP1イベントの情報に「"」や「'」など,コマンドで特別な意味を持つ文字がある場合,コマンドが正しく解釈されないときがあります。イベント引き継ぎ情報変換設定ファイルで文字変換することをお勧めします。
変換前の文字と変換後の文字列は,イベント引き継ぎ情報変換設定ファイルで指定できます。詳細は,マニュアル「JP1/Integrated Management 3 - Manager コマンド・定義ファイル・APIリファレンス」の「イベント引き継ぎ情報変換設定ファイル(event_info_replace.conf)」(2. 定義ファイル)を参照してください。