6.3.3 パラメーターグループとAND条件
自動アクションでは,パラメーターグループやAND条件の指定によって,複雑な条件を指定した自動アクションにも対応できます。
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パラメーターグループ
パラメーターグループは,自動アクション実行の条件判定をする単位で,10個のパラメーターグループがあります。それぞれの自動アクション定義はどれかのパラメーターグループに属します。
パラメーターグループは,一つのイベントで複数のアクションを実行する場合や,後述のAND条件を指定する場合に使います。パラメーターグループは1桁の数字(0〜9)で指定します。
一つのJP1イベントがJP1/IMのマネージャーに届くと,パラメーターグループの小さいものから大きいものの順番に,パラメーターグループごとに,アクション定義パラメーターの実行条件とJP1イベントを比較します。一つのJP1イベントで実行される自動アクションは,パラメーターグループごとに1件です。
同一パラメーターグループ内で複数の実行条件が一致する場合は,「6.3.2 実行条件の優先度」に従い,優先順位の最も高いアクション定義パラメーターが1件だけ実行されます。
一つのJP1イベントで複数のアクション条件に一致した場合,比較した順番でJP1/Baseのコマンド実行にコマンド実行要求をします。ただし,複数ホストに実行要求をした場合や,コマンドの同時実行数が2以上になっている場合は,実行要求をした順番どおりに実行できないことがあります。
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AND条件
AND条件とは,複数の実行条件をすべて満たした場合にアクションを実行するための設定のことです。
パラメーターグループの指定に,数字ではなく「&」を指定すると,自動アクションの定義で直前(GUIで一つ上の表示,または定義ファイルで一つ上のアクションブロックの記述)に定義されている実行条件との組み合わせをAND条件として扱います。最大10個の自動アクション定義をAND条件の組み合わせとして定義できます。
受信したイベントが,AND条件のどれかの実行条件に一致すると,ほかの実行条件に一致するイベントを受信するのを待ちます。AND条件となっている実行条件がすべて成立すると,自動アクションが実行されます。
ただし,自動アクション定義が無効の実行条件は条件成立の対象外となります。
AND条件が成立するのを待つ時間は,ANDイベント保管期限で指定します。ANDイベント保管期限以上にJP1イベントの受信時刻が離れると,AND条件の対象となりません。
なお,イベント基盤サービス(evflowプロセス)が停止すると,AND条件の成立待ちのイベントはすべて破棄されます。プロセス管理機能でプロセス障害時に再起動する場合や,クラスタ運用で再起動をする場合は,注意してください。
自動アクション定義ファイル(actdef.conf)のDESC_VERSIONが4の場合,アクション定義を反映する際に,次のどちらかの操作をすると,定義変更していないアクション定義のAND条件の成立状態を維持できます。
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[アクション設定]画面で[定義を変更していない実行条件の状態を維持する]チェックボックスをチェックして,[適用]ボタンをクリックする
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jcachangeコマンドに-on,-off,-e,または-stオプションを指定して実行する
DESC_VERSIONが3以前の場合,または上記以外の操作でアクション定義を反映した場合は,すべてのAND条件の成立状態を初期化します。