5.11.5 セントラルスコープのデータベース
セントラルスコープのデータベースには,監視オブジェクトDBと,ホスト情報DBがあります。
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JP1/IM - Managerは,JP1/IM - Viewに表示する監視オブジェクトの情報を蓄積した監視オブジェクトDBを管理します。
監視オブジェクトDBは,JP1/IM - Viewから指示を受けたり,監視オブジェクトの状態を変更させるJP1イベントを受信したときに更新されます。
なお,監視オブジェクトDBの更新には,次のように更新処理に時間が掛かるものがあります。
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[監視ツリー(編集中)]画面からのサーバツリー更新
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jcsdbimportコマンドによる監視オブジェクトDBへのDB情報の反映
これらの更新処理のときにOSのシャットダウンやクラスタシステムによる系切り替えなどが発生すると,データベースが破損してしまうことがあります。
データベースの破損を防ぐ機能としてJP1/IM - Managerには,監視オブジェクトDBの自動バックアップ・リカバリー機能があります。この機能を有効にすると,上記更新処理の際に更新前の状態でデータベースを自動的にバックアップし,問題が発生した場合には更新前の状態に自動的にリカバリーします。問題が発生しなかった場合には,バックアップデータは自動的に削除されます。
この機能は,新規インストールの場合は有効に,バージョンアップの場合は無効になっています。バージョンアップの場合でも,耐故障性を向上させるため,この機能を有効にすることをお勧めします。
設定は,監視オブジェクトDBの自動バックアップ・リカバリー設定ファイル(auto_dbbackup_xxx.conf)を使用し,jbssetcnfコマンドでその定義内容を反映させることで有効となります。
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ホスト情報DBの管理
JP1/IM - Manager(セントラルスコープ)は,JP1/IM - Manager(セントラルスコープ)独自のホスト情報を格納したホスト情報DBを管理します。
セントラルスコープのデータベースの情報は,次の表に示すコマンドにより取得,反映ができます。
コマンド名 |
使用目的 |
---|---|
jcsdbexportコマンド |
監視オブジェクトDBの情報取得 |
jcsdbimportコマンド |
監視オブジェクトDBへの情報反映 |
jcshostsexportコマンド |
ホスト情報DBの情報取得 |
jcshostsimportコマンド |
ホスト情報DBへの情報反映 |
jcsxxexportコマンドを利用してDB情報を確認したり,jcsxxexportコマンド,jcsxximportコマンドを併用して,ほかのサーバに環境を移行したりできます。
セントラルスコープのツリー構成情報,および監視オブジェクトの状態変更条件をほかのサーバに移行する方法を次に示します。
- 〈この項の構成〉
(1) コマンド(jcsdbexportおよびjcsdbimport)を使用して移行する方法
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移行元のサーバでjcsdbexportコマンドを実行します。
監視オブジェクトDBの保管情報がツリー構成ファイルとしてローカルにファイル出力されます。
ファイルに出力される情報は,監視ツリー構成情報,共通イベント監視条件,およびビジュアル監視画面構成情報です。
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出力されたファイルを移行先のサーバに転送します。
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移行先のサーバでjcsdbimportコマンドを実行します。
移行元サーバの監視オブジェクトDBのデータが移行先サーバに反映されます。
jcsdbexportコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Integrated Management 3 - Manager コマンド・定義ファイル・APIリファレンス」の「jcsdbexport」(1. コマンド)を参照してください。
jcsdbimportコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Integrated Management 3 - Manager コマンド・定義ファイル・APIリファレンス」の「jcsdbimport」(1. コマンド)を参照してください。
(2) GUIを使用して移行する方法
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移行元のサーバで[監視ツリー(編集中)]画面から[ファイル]−[ツリーを保存]を選択し,出力されたCSVファイルを保存します。
CSVファイルに出力される情報は,現在表示中のツリーの監視ツリー構成情報,および共通イベント監視条件です。ビジュアル監視画面構成情報は出力されません。なお,[サーバのツリーを更新]をしていない変更も出力されます。
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出力されたCSVファイルを移行先のサーバに転送します。
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移行先のサーバで[監視ツリー(編集中)]画面から[ファイル]−[ツリーを開く]を選択し,CSVファイルの内容を読み込みます。
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移行先のサーバで[監視ツリー(編集中)]画面から[ファイル]−[サーバのツリーを更新]を選択します。
移行元サーバの監視オブジェクトDBのデータが移行先サーバに反映されます。
(3) セントラルスコープのツリー構成情報および監視オブジェクトの状態変更条件をほかのサーバに移行する場合の注意事項
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ビジュアル監視画面構成情報の移行は,一度ですべての情報を出力できるコマンド(jcsdbexport,jcsdbimport)で実行してください。GUIから実行すると,[ビジュアル監視データを保存]によって出力されたCSVファイルを移行先のサーバで[ビジュアル監視データを開く]を選択して読み込む必要があります。
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コマンドで移行する場合と,GUIで移行する場合とでは,出力されるファイルの形式が異なります。そのため,コマンドで出力したファイルをGUIから入力したり,GUIで出力したファイルをコマンドで入力したりすることはできません。