5.9.3 対処済み時の状態変更イベントの自動削除
JP1イベントの対処状況を「対処済」にした場合,状態変更イベントの履歴を自動で削除するよう設定できます。この機能を有効にした場合は,監視オブジェクトのすべての状態変更イベントを「対処済」にして履歴を削除すると,監視オブジェクトの状態は「初期状態」になります。
この機能は,デフォルトでは無効です。
対処済み時の状態変更イベントの自動削除の動作について,例を挙げて説明します。なお,以降で説明する動作例は,次の前提条件に従います。
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監視オブジェクト1の状態変更条件に,エラーイベントおよび警告イベントが設定されている。
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監視オブジェクト1は,エラーイベントに対しては状態が「エラー」に,警告イベントに対しては状態が「警告」に変わるよう設定されている。
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監視グループ1の状態変更条件は設定されていない(デフォルト設定のまま)。
JP1イベントの対処状況を「対処済」に変更した場合の動作を例を挙げて説明します。
図中の番号1〜4は,「図5-25 対処済み連動機能の動作例(1)」の動作と同じです。監視オブジェクト1の状態変更イベントのうち,エラーイベントを「対処済」にします。
図中の番号5で,セントラルコンソールの[イベント検索]ページで監視オブジェクト1の状態変更イベントを検索すると,図中の番号3で「対処済」にしたJP1イベントの履歴はすでに状態変更イベントから削除されているため,[イベント検索]ページには表示されません。未対処の状態変更イベントだけが表示されます。
なお,この機能を有効にしたあとに発生した状態変更イベントだけが,削除の対象となります。この機能を有効にする前に発生し,すでに「対処済」にした状態変更イベントの履歴は削除されません。これらの履歴を削除したい場合は,[監視ツリー]画面またはjcschstatコマンドで監視ノードの状態を「初期状態」に変更して,手動で削除してください。
設定方法については,マニュアル「JP1/Integrated Management 3 - Manager 構築ガイド」の「6.7.3 JP1イベントの対処済み時に状態変更イベントを自動で削除するための設定」を参照してください。
- 重要
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誤って一度「対処済」にしたJP1イベントを,「エラー」など「対処済」以外の状態に戻しても,監視オブジェクトの状態や状態変更イベントの履歴は元に戻りません。そのため,セントラルスコープからJP1イベントを検索できなくなります。一度「対処済」にしたJP1イベントは[イベントコンソール]画面から検索する必要があります。
状態の操作に十分な注意が必要なため,通常の運用では,対処済み時の状態変更イベントの自動削除機能は使用しないでください。セントラルスコープ上で監視オブジェクトを「初期状態」にし,状態変更イベントの履歴を削除する方法を推奨します。セントラルコンソールの操作だけを許可したいといった特別な理由の場合だけ,この機能を使ってください。
- メモ
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対処済み時の状態変更イベントの自動削除を設定しても,状態変更イベントの件数が上限(100件)を超えた場合,対処済み連動機能は無効になります。そのため,定期的に状態変更イベントを「対処済」にし,状態変更イベントを削除してください。