4.4.1 JP1/Baseのログファイルトラップとは
ログファイルトラップとは,JP1/Baseが提供している機能の一つで,ログファイルのレコードをイベントに変換する機能です。アプリケーションのログファイルのレコードをJP1/IMで監視するためには,ログファイルトラップを使用します。
ログファイルトラップは,次の流れで設定します。
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監視したいホストにIM構成管理でログファイルトラップ動作定義ファイルを作成
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監視したいホストのログファイルトラップをIM構成管理で起動
このマニュアルでは,「2.1 基本的な構成のシステムとは」で示した基本的な構成のシステムのうち,ホスト1にある次のようなログファイルに対してログファイルトラップを設定する手順を例として説明します。
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レコードがファイルの先頭から連続で追加される形式(シーケンシャルファイル)である。
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レコードは1行ごとに可変長の文字列が格納される。
- ログファイルのサンプル:
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2014/03/07 12:00:00.001 AAAA1111-E "System Error" .....
2014/03/07 12:00:00.002 AAAA1112-I "Information" .....
2014/03/07 12:00:00.003 AAAA1113-I "Warning" .....
:
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このマニュアルで説明する形式以外のログファイルに対して設定する場合は,マニュアル「JP1/Base 運用ガイド」のイベント変換について書かれた個所を参照して,ログファイルの形式を確認してください。
- 〈この項の構成〉
(1) 作成するログファイルトラップ動作定義ファイルの記載内容の説明
「4.4.1(2) 監視したいホストにIM構成管理でログファイルトラップ動作定義ファイルを作成する」で作成する,ログファイルトラップ動作定義ファイルの設定内容の詳細を説明します。
記載内容の詳細
記載内容 |
説明 |
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FILETYPE=SEQ RECTYPE=VAR '\n' |
ログファイルトラップの対象とするログファイルの形式を指定します。このマニュアルでは,1行ごとに可変長レコードが格納される,SEQ形式のシーケンシャルファイルを対象としています。 |
ACTDEF=<Error>00000111 "System Error" |
ログファイルに書き込まれるレコードのうち,イベント変換の対象とするレコードの条件を指定します。変換後のイベントの重大度およびイベントIDを指定する場合は「ACTDEF=<重大度>イベントID "変換したいレコードが含む文字列"」と指定します。この例では,文字列「System Error」を含むレコードを,重大度がエラー(Error),イベントIDが「00000111」のイベントに変換します。 |
イベントに変換されるレコードの例,および変換後のイベントの例を次に示します。
- イベントに変換されるレコード
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2014/03/07 12:00:00.001 AAAA1111-E "System Error" .....
- 変換後のイベント
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重大度:「エラー」
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イベントID:「00000111」
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メッセージ:「2014/03/07 12:00:00.001 AAAA1111-E "System Error" .....」
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(2) 監視したいホストにIM構成管理でログファイルトラップ動作定義ファイルを作成する
JP1ユーザーがログファイルトラップを設定するために,監視したいホストにIM構成管理でログファイルトラップ動作定義ファイルを作成します。この操作は,監視したいホストに対して実行します。
前提条件
次の条件を満たす必要があります。
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「4.1 IM構成管理とは」に従って基本的な構成のシステムが構築されている。
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ホスト情報が収集済みである。
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ログファイルが存在している。
操作手順
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Windowsスタートメニューから[すべてのプログラム]−[JP1_Integrated Management 3 - View]−[構成管理]を選択して,[ログイン]画面を表示します。
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JP1ユーザー名(jp1admin),パスワード(jp1admin),接続先ホスト名(kanri)を入力して,ログインし,[IM構成管理]画面を表示します。
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[IM構成]タブをクリックしたあと,[IM構成]ページのツリー表示領域でログファイルを監視したいホストを選択します。
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メニューバーから[表示]−[プロファイル表示]を選択して,[プロファイル表示/編集]画面を表示します。
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ツリー表示領域から[JP1/Base]を選択します。
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右クリックして表示されるポップアップメニューから[排他編集設定]を選択して,排他編集権を取得します。
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ツリー表示領域から[ログファイルトラップ情報]を選択します。
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右クリックして表示されるポップアップメニューから[プロファイル追加]を選択して,ログファイルトラップの監視名を追加します。
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設定値が一意になるようにログファイルトラップの監視名を設定します。
表示されたテキストボックスに,一意な監視名を入力します。クラスタIDを指定する場合は,クラスタIDの[有効]チェックボックスをチェックして,クラスタIDを入力します。なお,ログファイルトラップはここで入力した監視名ごとに管理されます。
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[OK]ボタンをクリックします。
追加したログファイルトラップの監視名が,ツリー表示領域に表示されます。また,監視名に対応するログファイルトラップ定義ファイルの内容が[プロファイル表示/編集]画面のノード情報表示領域に表示されます。
なお,監視名を追加した直後は,ログファイルトラップ動作定義ファイルには何も設定されていません。
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起動オプションを指定します。
指定例を次に示します。
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監視ログファイル名:c:\log\logfile1.log
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追加オプション:なし
監視したいホストがLinuxの場合は,追加オプションでログファイルトラップの対象とするログファイルの文字コードを指定してください。
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ログファイルトラップ動作定義ファイルの内容を入力します。
入力内容の例を次に示します。
FILETYPE=SEQ
RECTYPE=VAR '\n'
ACTDEF=<Error>00000111 "System Error"
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起動オプション,および設定内容を編集したら,[実行]ボタンをクリックします。
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設定を反映するか確認するダイアログボックスが表示されるので[はい]ボタンをクリックします。
ダイアログボックスにKNAN20321-Qメッセージが表示された場合は,IM構成管理でログファイルトラップを起動したときに設定が反映されます。
関連項目
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構築ガイド 3.5.1 エージェント構成のホストにプロファイルを設定する
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画面リファレンス 5.1.2 [IM構成]ページ
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画面リファレンス 5.9 [プロファイル表示/編集]画面
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JP1/Base 運用ガイド アプリケーションプログラムのログファイルの変換について書かれた個所
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JP1/Base 運用ガイド ログファイルトラップ動作定義ファイルについて書かれた個所
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JP1/Base 運用ガイド ログファイルトラップ起動定義ファイルについて書かれた個所
(3) 監視したいホストのログファイルトラップをIM構成管理で起動する
JP1ユーザーがアプリケーションのログファイルのレコードをJP1/IMで監視するために,IM構成管理でログファイルトラップを起動します。この操作は,監視したいホストに対して実行します。
前提条件
次の条件を満たす必要があります。
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監視したいホストにログファイルトラップ動作定義ファイルが作成されている。
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監視したいホストのJP1/Baseに対して,プロファイルの排他編集権を取得している。
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監視したいホストでJP1/Base LogTrapサービスが起動している。
操作手順
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[プロファイル表示/編集]画面のツリー表示領域から,起動したいログファイルトラップの監視名を選択します。
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次に示すどちらかの方法でログファイルトラップを起動します。
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メニューバーから[操作]−[プロセス起動]を選択する。
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右クリックして表示されるポップアップメニューから[プロセス起動]を選択する。
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関連項目
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構築ガイド 3.5.1 エージェント構成のホストにプロファイルを設定する
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画面リファレンス 5.9 [プロファイル表示/編集]画面
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JP1/Base 運用ガイド アプリケーションプログラムのログファイルの変換について書かれた個所