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JP1 Version 12 JP1/IT Desktop Management 2 - Asset Console 構築・運用ガイド


2.4.2 ライセンスの形態に合わせて利用先を正確に管理する

ライセンスの種類やオプションに応じてライセンス情報を作成し、利用先を割り当てることで、ライセンスの利用状況を厳密に管理できます。

2.4.1 ライセンスの保有数と利用数を基に運用状況を確認する」で示した総数管理で必要な作業に加えて、ライセンスを割り当てて管理するために必要な作業とその流れを次に示します。

図2‒6 ライセンスを割り当てて管理するための作業の流れ

[図データ]

  1. ライセンス購入時に、ライセンス情報を作成して登録する。

    それぞれのライセンス形態やオプションの設定に合わせて、ライセンス情報を作成します。

    例えば、マシン許諾ライセンスで、アップグレード保証付き、ダウングレードソフトウェアへの適用可、といった情報を登録します。

    ライセンス情報の登録方法については、「14.4.5 ライセンスを追加する(新規ソフトウェア登録)」を参照してください。

  2. ライセンスを利用先に割り当てる。

    ライセンス区分に合わせて、機器またはユーザにライセンスを割り当てます。

    ライセンスの割り当ては、プロダクトIDなどのキー情報を登録して利用先と対応づけます。ライセンスの割り当て方法については、「14.4.6(2) ライセンスを割り当てる」を参照してください。

  3. 総数管理と共通の作業を実施する。

    ライセンスを割り当てた機器にソフトウェアをインストールし、総数管理と共通の各種作業(管理情報の登録、ソフトウェア名称の対応づけ、タスクの設定、ライセンスの集計)を実施します。

  4. ライセンスが適正に運用されているかどうかを確認する。

    「ライセンス管理」以下の各業務メニューで、登録したライセンス情報に対して、次の内容を確認できます。

    • 「保有ライセンス一覧」

      ライセンス区分ごとに、集計された結果を確認できます。

    • 「超過ライセンス一覧」

      ライセンス区分ごとに、保有数に対して設定したしきい値を超えて利用されているライセンスがあるかどうかを確認できます。また、適正に利用されていないライセンスを検出したときは、利用先をすぐに特定できます。

ライセンスを正確に管理するためには、ライセンスの形態やオプションに合わせてライセンス情報を作成して、運用方法に合わせて割り当て方を選択することが大切です。なお、ライセンス情報として管理できる情報は各種用意されていますが、保有数の集計は「ライセンス区分」の値を基に実行されます。

Asset Consoleでのライセンス管理として提案するライセンスの管理例を次に示します。

〈この項の構成〉

(1) マシン許諾ライセンスのライセンス管理例

機器に対して許諾されるライセンスは、次のように管理します。

(2) ユーザ許諾ライセンスのライセンス管理例

ユーザに対して許諾されるライセンスは、次のように管理します。

(3) プレインストールのライセンス管理例

プレインストールされていたソフトウェアのライセンスは、次のように管理します。

(4) サーバライセンスのライセンス管理例

サーバ製品のライセンスは、次のように管理します。

また、サーバライセンスには、クライアントアクセスライセンス、管理ノードライセンス、CPUライセンスなどの付随ライセンスがあります。それぞれの管理例を次に示します。

クライアントアクセスライセンス

サーバにアクセスする管理者のコンピュータ(ユーザ)数に応じて、許諾されるライセンスです。管理方法は、次のどちらかを選択します。

アクセス可能な管理者のコンピュータ数を保有数として管理する

サーバライセンスとは別に、1つのライセンスを登録して、クライアントアクセスライセンスの情報を作成します。例えば、アクセス数100が許諾されているクライアントライセンスを、保有数100のソフトウェア資産として登録します。「ライセンス形態」は、「クライアントアクセスライセンス」とします。

これによって、ライセンス保有数として許諾されているアクセス数を集計できます。

なお、機器との関連情報は持たないため、利用数などは集計されません。

サーバライセンスの付加情報として管理する

簡易的な方法として、クライアントアクセスライセンスをライセンスとして登録しないで、備考などにアクセス数を登録して管理します。保有数は手動で計算する必要があります。

管理ノードライセンス

サーバが管理する管理者のコンピュータ数に応じて、許諾されるライセンスです。管理方法は、次のどちらかを選択します。

サーバが管理する管理者のコンピュータ数を保有数として管理する

サーバライセンスとは別に、1つのライセンスを登録して、管理ノードライセンスの情報を作成します。例えば、管理ノード100が許諾されている管理ノードライセンスを、保有数100のライセンスとして登録します。「ライセンス形態」は、「管理ノードライセンス」とします。

これによって、保有ライセンスとして許諾されている管理ノード数を集計できます。

なお、機器との関連情報は持たないため、利用数などは集計されません。

サーバライセンスの付加情報として管理する

簡易的な方法として、管理ノードライセンスをライセンスとして登録しないで、サーバライセンスの付加情報として、備考などに管理ノード数を登録して管理します。ただし、保有数は手動で計算する必要があります。

CPUライセンス

CPUライセンスは、CPUの数に対して許諾されるライセンスです。サーバライセンスではなく、CPUライセンスとしてライセンス情報を作成します。

(5) セカンドライセンスのライセンス管理例

2台目の機器にインストールが許可されている場合のライセンスの管理例を示します。管理方法は、次のどちらかを選択します。

ユーザ許諾ライセンスとして管理する

ユーザ許諾ライセンスとして(「ライセンス区分」に「ユーザ許諾」を指定して)ライセンス情報を作成します。

同一のユーザが利用する2台目の機器に許可されているものとして管理します。ただし、3台以上の機器にインストールされていても、ライセンスを超過して使用していることは検知されません。

セカンドライセンスのライセンス情報を追加して管理する

サーバライセンスとは別にライセンスを登録して、セカンドライセンスのライセンス情報を作成します。この場合、備考などに元のライセンスとの対応を示しておくと便利です。

(6) 同時実行ライセンスのライセンス管理例

同時実行ライセンスの管理例を示します。管理方法は、次の中から選択します。

同時実行が可能な数を保有数として管理する

サーバライセンスとは別に、1つのライセンスを登録して、同時実行ライセンスのライセンス情報を作成します。

例えば、実行数100が許諾されている同時実行ライセンスを、保有数100のライセンスとして登録します。「ライセンス形態」は、「同時実行ライセンス」とします。

これによって、ライセンスで許可される同時実行可能な数を、ライセンス保有数の集計で確認できます。

なお、機器との関連情報は持たないため、利用数などは集計されません。

サーバライセンスの付加情報として管理する

簡易的な方法として、同時実行ライセンスをライセンスとして登録しないで、サーバライセンスの付加情報として、備考などに実行数を登録して管理します。ただし、保有数は手動で計算する必要があります。

機器に割り当てて管理する
  • 同時実行が可能な数を保有数として、ライセンスを登録します。

  • サーバライセンスではなく、同時実行ライセンスとして、ライセンス情報を作成します。

  • 購入したライセンスのプロダクトIDなど、キーとなる情報を登録して、1台の機器につき1つずつ割り当てます。

    同時に実行できる数だけインストールを許可する運用とすることで、同時実行数を制限できます。