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JP1 Version 12 JP1/IT Desktop Management 2 配布機能 運用ガイド


5.3.3 管理対象のコンピュータの登録方法

IDへ管理対象のコンピュータを登録させる方法には次の3種類があります。

〈この項の構成〉

(1) 管理対象のコンピュータからIDに登録する

管理対象のコンピュータは、Windowsの[スタート]メニューの[IDへの登録]を選択して表示される[IDへの登録]ダイアログボックスを使用して、IDへ登録します。

IDへの登録は、ID管理元中継と接続されている状態で処理します。しかし、ID管理元中継と接続されていない状態でも、IDへの登録やIDからの登録解除を待ち状態にできます。ID管理元中継と接続できる状態になってからあとにログオンした時、または[IDへの登録]を選択した時に、実際の登録や登録解除をID管理元中継に通知します。そのため、プレインストールやシステム構築の準備段階でもIDへの登録ができます。また、管理対象のコンピュータがリモートインストールなどを実行している最中は、ID管理元中継とは別機能で接続している状態です。この場合も、ID管理元中継と接続されていないときと同じように扱われます。

管理対象のコンピュータでのIDへの登録方法については、「12.2.1 IDへの登録」を参照してください。

(2) 配布管理システムからファイルを使って管理対象のコンピュータをIDに登録する

配布管理システム上で、ファイルを使って管理対象のコンピュータをIDに登録できます。新規導入時などに、大量のコンピュータをIDに登録する必要がある場合などに便利です。ファイルには、複数のコンピュータのID登録情報を設定しておきます。このようなファイルをIDファイルと呼びます。ファイルを使って管理対象のコンピュータをIDに登録する方法を次に示します。

(a) IDファイルを作成する

IDファイルでは、1つのホストごとに、ホスト名、ホスト識別子、ID名称、ID管理元中継名称などを設定します。

なお、表示言語が日本語の場合、Shift_JISエンコーディング形式のテキストファイルを使用して入出力します。表示言語が中国語(簡体字)の場合、GBKエンコーディング形式のテキストファイルを使用して入出力します。表示言語が英語の場合、ASCIIコード形式のテキストファイルを使用して入出力します。

ファイルはテキスト形式で、1カラム目に「'」(シングルクォーテーション)または「#」を付けると、その行はコメントと見なされます。

形式
ホスト名 HID=ホスト識別子,MAC=MACアドレス,ID=ID名称,MASTER=ID管理元中継名称
説明
●ホスト名(必ず設定)

IDに追加するホスト名またはIPアドレスを指定します。64バイトまで指定できます。

●HID=ホスト識別子

ホストを一意に認識する識別子を設定します。[ファイル]−[IDホストをファイルへ保存]でファイルに出力したIDにホスト識別子が設定されていた場合は、[ファイルからID登録]で管理対象のコンピュータをIDへ登録する場合にも、このホスト識別子を必ずそのまま設定してください。なお、[IDホストをファイルへ保存]で出力したファイルのIDにホスト識別子が設定されていないホスト、または新規に追加するホストについては、このオペランドを指定しないでください。

●MAC=MACアドレス

ホストのMACアドレスを設定します。MACアドレスの情報は、Wake on LAN機能などに関連する情報のため、基本的にこのオペランドは変更しないでください。変更すると機能が動作しないおそれがあります。

●ID=ID名称(必ず設定)

追加するID名称を指定します。32バイトまで指定できます。

●MASTER=ID管理元中継名称

追加するIDが存在する中継システムまたは管理用中継サーバのホスト識別子を指定します。管理用中継サーバの場合は、ホスト名またはホスト識別子を指定します。[IDホストをファイルへ保存]でIDをファイルに出力し、ホスト識別子が設定されていた場合は、必ずこのホスト識別子をそのまま設定してください。

64バイトまで指定できます。配布管理システムでこのパラメタを省略した場合、配布管理システム上のIDに管理対象のコンピュータを登録します。

(b) ファイルを使って管理対象のコンピュータをIDに登録する

作成したIDファイルを使って管理対象のコンピュータをIDに登録するには、配布管理システムの[あて先]ウィンドウで、メニューの[ファイル]−[ファイルからID登録]を選択し、作成したIDファイルを選択します。

(c) IDをファイルに出力する

配布管理システムに設定したIDと、IDに登録されているホストの情報をファイルに出力するには、[あて先]ウィンドウで、[ファイル]−[IDホストをファイルへ保存]を選択します。なお、この操作は、[最新の情報に更新]を実行したあと、行ってください。自動反映によって画面の状態と内部データの不一致が発生した場合、正しい情報が出力されないことがあります。

IDの情報のファイルへの出力例を次に示します。

図5‒17 IDの情報のファイルへの出力例

[図データ]

(3) IDの自動メンテナンスを使用して管理対象のコンピュータをIDに登録する

IDの自動メンテナンスを使用して、一定の条件に一致した管理対象のコンピュータを自動的にIDに登録できます。

IDの自動メンテナンスを使用して管理対象のコンピュータをIDに登録する方法については、「6.3 IDの自動メンテナンス」を参照してください。