環境変数定義ファイル(SnmpMaster)
形式
SNMP_MASTER_OPTIONS="[-aperror] [-apwarn] [-apverbose] [-authfail] [-Contact 連絡先] [-hexdump] [-ip_proto [ipv4 | ipv4_ipv6 | ipv6]] [-Location 設置場所] [-mask ログマスク値] [-sysDescr 説明] [-tcplocal] [-vbdump]" SR_SNMP_TEST_PORT=SNMP受信ポート番号 SR_TRAP_TEST_PORT=SNMPトラップ送信先ポート番号 SNMP_HTC_AUTH_LOG SNMP_HTC_INIT_WAIT_TIME=トラップを送信するまでの時間(秒) SR_LOG_DIR=出力先ディレクトリ SNMP_HTC_SNMPD_LOG_SIZE=snmpd.lognファイルのサイズ SNMP_HTC_SNMPD_LOG_CNT=snmpd.lognファイルの面数 PSALLOC=early NODISCLAIM=true
説明
環境変数定義ファイル(SnmpMaster)には,次の環境変数を定義します。
環境変数名 |
説明 |
---|---|
SNMP_MASTER_OPTIONS |
snmpdmプロセスの起動オプションを設定する環境変数 |
SR_SNMP_TEST_PORT |
SNMPエージェントのSNMP受信ポートを変更する環境変数 |
SR_TRAP_TEST_PORT |
SNMPトラップ送信先ポート番号を設定する環境変数 |
SNMP_HTC_AUTH_LOG |
コミュニティ不正時にログを取得することを指定する環境変数 |
SNMP_HTC_INIT_WAIT_TIME |
snmpdmプロセスが起動されたあとcoldStartトラップを送信するまでの時間を指定する環境変数 |
SR_LOG_DIR |
ログの出力先ディレクトリを指定する環境変数 |
SNMP_HTC_SNMPD_LOG_SIZE |
snmpd.lognファイルのサイズを指定する環境変数 |
SNMP_HTC_SNMPD_LOG_CNT |
snmpd.lognファイルの面数を指定する環境変数 |
PSALLOC |
AIXで早期ページスペース割り当てを実行するために設定する環境変数 |
NODISCLAIM |
AIXでメモリ領域の解放を抑止するために設定する環境変数 |
格納場所
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HP-UX (IPF)およびLinuxの場合:/opt/CM2/ESA/opt/SnmpMaster
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Solarisの場合:/etc/rc.config.d/SnmpMaster
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AIXの場合:/usr/CM2/ESA/opt/SnmpMaster
記述内容
- SNMP_MASTER_OPTIONS
-
snmpdmプロセスの起動オプションを設定する環境変数を定義します。
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-aperror:エラーログを出力します。
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-apwarn:エラーおよび警告ログを出力します。
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-apverbose:冗長ログを出力します。
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-authfail(-authfailの省略形:-a):マスターエージェントの認証失敗トラップの送信を抑止します。
この引数は,前バージョンのSNMPエージェントとの互換性のために用意されているだけなので,通常は使用しないでください。
認証失敗トラップを抑止する場合は,/etc/srconf/agt/snmpd.cnf内のsnmpEnableAuthenTrapsに2を設定し,マスターエージェントを再起動してください。
snmpd.cnfファイルの詳細については,「6. 定義ファイル」の「構成定義ファイル(snmpd.cnf)」を参照してください。
-aを指定してマスターエージェントを起動すると,マスターエージェントは/etc/srconf/agt/snmpd.cnf内のsnmpEnableAuthenTrapsの設定を2に書き換えます。そのあと,認証失敗トラップを抑止したくない場合は,/etc/srconf/agt/snmpd.cnf内のsnmpEnableAuthenTrapsに1を設定し,マスターエージェントを再起動してください。
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-Contact 連絡先(-Contactの省略形:-C):マスターエージェントの連絡先を変更します。
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-hexdump:SNMPパケットの内容を16進数ダンプで表示します。使用方法については「7.4.1 マスターエージェントの送受信パケットダンプの取得」を参照してください。
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-ip_proto [ipv4 | ipv4_ipv6 | ipv6]:SNMPリクエスト受信ポートのIPプロトコルバージョンを指定します。-ip_protoを指定しない場合は,IPv4とIPv6のSNMPリクエスト受信ポート(ipv4_ipv6)を使用します。
ipv4:IPv4のSNMPリクエスト受信ポートだけを使用します。
ipv4_ipv6:IPv4とIPv6のSNMPリクエスト受信ポートを使用します。
ipv6:IPv6のSNMPリクエスト受信ポートだけを使用します。
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-Location 設置場所(-Locationの省略形:-L)
マスターエージェントの設置場所を変更します。
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-mask ログマスク値(-maskの省略形:-m)
マスターエージェントのログマスク値を,指定されたログマスク値に変更します。
ログマスク値は,文字列,10進数,および16進数で指定できます。ログマスク値の指定と指定例を次に示します。
値の種別
ログの抑止
トレースログ出力
警告ログ出力
エラーログ出力
文字列
−
FACTORY_TRACE
FACTORY_WARN
FACTORY_ERROR
10進数
0
8388608
268435456
536870912
16進数
0x0
0x00800000
0x10000000
0x20000000
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-sysDescr 説明(-sysDescrの省略形:-sys):マスターエージェントのsysDescrを変更します。
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-tcplocal:サブエージェントからのTCP接続を受け付けます。
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-vbdump:SNMPパケット中のVarBindリストの内容を表示します。使用方法の詳細については,「7.4.1 マスターエージェントの送受信パケットダンプの取得」を参照してください。
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- SR_SNMP_TEST_PORT
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SNMPエージェントのSNMP受信ポートを変更する環境変数を定義します。
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変更後のSNMP受信ポート番号
マスターエージェントのSNMP受信ポートを設定します。マスターエージェントは,この環境変数が指定されていない場合,SNMP受信ポートに/etc/servicesファイルのsnmp行の値を使用します。通常は指定する必要はありません。マスターエージェントのSNMP受信ポートを変更する場合は,指定する必要があります。
デフォルトでは,次の値が設定されています。
SolarisまたはAIXの場合:161
Linuxの場合:22161
SNMPエージェントのSNMP受信ポートの変更手順の詳細については,「3.4.1 SNMPエージェントのSNMP受信ポートの変更方法」を参照してください。
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- SR_TRAP_TEST_PORT
-
SNMPトラップ送信先ポート番号を設定する環境変数を定義します。
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SNMPトラップ送信先ポート番号
マスターエージェントのSNMPトラップ送信先ポート番号を指定します。デフォルトは162です。
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- SNMP_HTC_AUTH_LOG
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コミュニティ不正時にログを取得する場合,1を指定します。デフォルトでは設定されていません。
- SNMP_HTC_INIT_WAIT_TIME
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snmpdmプロセスが起動されたあとcoldStartトラップを送信するまでの時間を指定する環境変数を定義します。
-
トラップを送信するまでの時間(秒)
snmpdmプロセスが起動されたあとcoldStartトラップを送信するまでの時間を0〜300(単位は秒)で指定します。この間にきたSNMP Requestは破棄されます。デフォルトは15秒です。
SNMP_HTC_INIT_WAIT_TIME環境変数で指定する時間に15秒より短い値に設定する場合,マネージャーからの要求に対してnoSuchNameエラーが返される可能性が高くなります。
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- SR_LOG_DIR
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ログの出力先ディレクトリを指定する環境変数を定義します。
-
出力先ディレクトリ
ログの出力先を指定します。
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- SNMP_HTC_SNMPD_LOG_SIZE
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snmpd.lognファイルのサイズを指定する環境変数を定義します。
-
snmpd.lognファイルのサイズ
ログ・16進数ダンプ・VarBindリストの出力ファイルのサイズを0〜50(単位はメガバイト)で指定します。なお,0を指定した場合,ログ・16進数ダンプ・VarBindリストは出力されません。デフォルトは10メガバイトです。
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- SNMP_HTC_SNMPD_LOG_CNT
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snmpd.lognファイルの面数を指定する環境変数を定義します。
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snmpd.lognファイルの面数
ログ・16 進数ダンプ・VarBindリストの出力ファイルの面数を1〜10で指定します。デフォルトは10面です。
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- PSALLOC=early
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AIXの場合,OSでメモリー不足が発生すると,OSからSIGKILLが発行され,SNMPエージェントが終了する現象が発生するのを回避します。
- NODISCLAIM=true
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環境変数PSALLOCにearlyを設定する場合には,同時に環境変数NODISCLAIM=trueを設定します。
注意事項
環境変数定義ファイルのバックアップについての注意事項を次に示します。
-
環境変数定義ファイルをバックアップする場合,Snmpで始まるファイル名でバックアップファイルを作成しないでください。
バックアップファイルに付ける名称の例を次に示します。
- (例)/opt/CM2/ESA/opt/SnmpMasterのバックアップファイルの場合
-
/opt/CM2/ESA/opt/Bak.SnmpMaster
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システムのOSがSolarisの場合,/etc/rc.config.d配下に環境変数定義のバックアップファイルを作成しないでください。
OS起動時のcoldStartトラップ送信についての注意事項を次に示します。
-
マスターエージェントのsnmpdmプロセスは,デフォルトでは起動されてから15秒後にcoldStartトラップを送信します。
ほかのサブエージェントの起動完了を確認することなくcoldStartトラップは送信されるため,この間マネージャーからの要求に対しては応答しません。通常,この15秒間はサブエージェントが起動完了するのに十分な時間ですが,使用している環境によっては起動完了が間に合わないことがあります。その場合は,SnmpMasterファイルのSNMP_HTC_INIT_WAIT_TIME環境変数にcoldStartトラップを送信するまでの時間(単位は秒)を指定して,coldStartトラップ送信のタイミングを調整してください。
定義例
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SNMPトラップ送信先ポート番号(SR_TRAP_TEST_PORT環境変数)に162を指定します。
SR_TRAP_TEST_PORT=162 export SR_TRAP_TEST_PORT
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SNMPマネージャーとSNMPエージェントがIPv6だけで通信します。
SNMP_MASTER_OPTIONS="-ip_proto ipv6 -tcplocal -aperror -apwarn -apverbose -hexdump -vbdump" export SNMP_MASTER_OPTIONS
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coldStartトラップを送信するまでの時間(単位は秒)を指定します。
SNMP_HTC_INIT_WAIT_TIME=15 export SNMP_HTC_INIT_WAIT_TIME
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AIXのOSでメモリー不足が発生するとSIGKILLが発行されるのを回避します。
PSALLOC=early export PSALLOC NODISCLAIM=true export NODISCLAIM
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SNMP_HTC_SNMPD_LOG_SIZE環境変数の指定例を次に示します。単位はメガバイトです。例では,10メガバイトを指定しています。
SNMP_HTC_SNMPD_LOG_SIZE=10 export SNMP_HTC_SNMPD_LOG_SIZE
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SNMP_HTC_SNMPD_LOG_CNT環境変数の指定例を次に示します。単位は面数です。例では,10面を指定しています。
SNMP_HTC_SNMPD_LOG_CNT=10 export SNMP_HTC_SNMPD_LOG_CNT
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ログの出力先を指定します。
SR_LOG_DIR=/tmp/esalog export SR_LOG_DIR
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コミュニティ名不正時のSNMPリクエストの送信元IPアドレスおよびコミュニティ名の取得を設定します。
SNMP_HTC_AUTH_LOG=1 export SNMP_HTC_AUTH_LOG