構成定義ファイル(naa.cnf)
形式
read オブジェクトID write オブジェクトID readcomm コミュニティ名 writecomm コミュニティ名
説明
次の設定を定義します。
-
ネイティブエージェントから取得,または設定するMIB
-
読み取り専用MIBオブジェクトの追加(read)
-
読み書き可能MIBオブジェクトの追加(write)
-
-
ネイティブエージェントアダプターがネイティブエージェントへ送信するSNMPリクエストのコミュニティ名
-
GETリクエストで使用するコミュニティ名の指定(readcomm)
-
SETリクエストで使用するコミュニティ名の指定(writecomm)
-
naa.cnfは,ネイティブエージェントアダプターの起動時に読み込まれます。ネイティブエージェントから取得するMIBグループは,naa.cnfによって決定されます。NNMまたはNNMiからnaa.cnfに定義したMIBオブジェクトについてのSNMP要求が送信されます。
格納場所
Solaris,AIXおよびLinuxの場合:/etc/srconf/agt/naa.cnf
記述内容
- read オブジェクトID
-
ネイティブエージェントのMIBオブジェクトの登録で,読み取り専用MIBオブジェクトを追加します。
MIBのサブツリー,または個別のMIBオブジェクトを読み取り専用として設定するには,readタグの定義行を追加します。
オブジェクトIDは,MIBのサブツリー,または個別のMIBオブジェクトのオブジェクト識別子です。オブジェクトIDは,数値形式で指定します。オブジェクトの名称は使用できません。オブジェクトIDに接尾辞を指定してもエラーにはなりません。なお,オブジェクトIDの最初の「.(ドット)」は指定しないでください。
-
オブジェクトID:デフォルトでnaa.cnfに定義されているMIBのオブジェクトIDを次の表に示します。
-
- write オブジェクトID
-
ネイティブエージェントのMIBオブジェクトの登録で,読み書き可能MIBオブジェクトを追加します。
個別のMIBオブジェクトを読み書き可能として設定するには,writeタグの定義行を追加します。
オブジェクトIDは,個別のMIBオブジェクトのオブジェクト識別子です。オブジェクトIDは,数値形式で指定します。オブジェクトの名称は使用できません。また,オブジェクトIDに接尾辞を指定してもエラーにはなりません。なお,オブジェクトIDの最初の「.(ドット)」は指定しないでください。
MIBのサブツリーを読み書き可能として登録することもできますが,この方法は使用しません。
-
オブジェクトID:デフォルトでnaa.cnfに定義されているMIBのオブジェクトIDを次の表に示します。
表6‒2 naa.cnf定義ファイルにデフォルトで定義されているMIBオブジェクトID MIBオブジェクトID
read/write
適用OS
Solaris
AIX
Linux
.1.3.6.1.2.1.2
read
○
○
○
.1.3.6.1.2.1.3
read
○
○
○
.1.3.6.1.2.1.4
read
○
○
○
.1.3.6.1.2.1.5
read
○
○
○
.1.3.6.1.2.1.6
read
○
○
○
.1.3.6.1.2.1.7
read
○
○
○
.1.3.6.1.2.1.10
read
−
○
−
.1.3.6.1.2.1.12
read
−
○
−
.1.3.6.1.2.1.25
read
−※
○
○
.1.3.6.1.2.1.31
read
−
−
○
.1.3.6.1.2.1.55
read
−
−
○
.1.3.6.1.4.1.2
read
−
○
−
.1.3.6.1.4.1.4
read
−
○
−
.1.3.6.1.4.1.42
read
○
−
−
.1.3.6.1.4.1.2021
read
−※
−
○
-
- readcomm コミュニティ名
-
ネイティブエージェントのGETリクエストで使用するコミュニティ名を指定します。
ネイティブエージェントアダプターがネイティブエージェントに対して送信するGETリクエスト中のコミュニティ名(デフォルトは「public」)を設定するには,readcommタグの定義行を追加します。
ネイティブエージェントのgetコミュニティ名と一致させてください。
GETリクエストで使用するコミュニティ名を指定する場合の注意事項を次に示します。
-
readcommタグとコミュニティ名の間には半角スペースを1文字挿入してください。
-
コミュニティ名の最大長は60文字です。
-
naa.cnf定義ファイル内でreadcommタグは1個だけ指定してください。
-
readcommタグを使用する場合,naaagtプロセスの-readcommオプションは指定しないでください。
-
- writecomm コミュニティ名
-
ネイティブエージェントのSETリクエストで使用するコミュニティ名を指定します。
ネイティブエージェントアダプターがネイティブエージェントに対して送信するSETリクエスト中のコミュニティ名(デフォルトは「public」)を設定するには,writecommタグの定義行を追加します。
ネイティブエージェントのsetコミュニティ名と一致させてください。
SETリクエストで使用するコミュニティ名を指定する場合の注意事項を次に示します。
-
writecommタグとコミュニティ名の間には半角スペースを1文字挿入してください。
-
コミュニティ名の最大長は60文字です。
-
naa.cnf定義ファイル内でwritecommタグは1個だけ指定してください。
-
writecommタグを使用する場合,naaagtプロセスの-writecommオプションは指定しないでください。
-
注意事項
-
naa.cnf削除時の注意事項
naa.cnfを削除した状態でネイティブエージェントアダプターを起動しないでください。
naa.cnfを削除してネイティブエージェントアダプターを起動すると,ネイティブエージェントからMIB-II情報だけを取得するように動作します。取得するMIBオブジェクトをnaa.cnfに指定するようにしてください。
-
naa.cnf定義ファイルの仕様についての注意事項(Solarisの場合)
Solaris版SNMPエージェントのnaaagtプロセスが参照するnaa.cnfと,NNMが提供するnaaagtプロセスが参照するnaa.cnfとは,パス名および定義の仕様が異なります。NNMが提供するnaa.cnfをSNMPエージェントでそのまま使用できません。
定義例
-
MIBのサブツリー,または個別のMIBオブジェクトを読み取り専用として「.1.3.6.1.2.1.2」を設定します。
read 1.3.6.1.2.1.2
-
naa.cnf定義ファイルが次のような定義の場合,ネイティブエージェントアダプターは,MIB-IIのinterfaces,at,ip,icmp,tcp,udp,hostの各グループをネイティブエージェントから取得します。
read 1.3.6.1.2.1.2 read 1.3.6.1.2.1.3 read 1.3.6.1.2.1.4 read 1.3.6.1.2.1.5 read 1.3.6.1.2.1.6 read 1.3.6.1.2.1.7 read 1.3.6.1.2.1.25
-
個別のMIBオブジェクトを読み書き可能として「.1.3.6.1.4.1.116」を設定します。
write 1.3.6.1.4.1.116
-
GETリクエスト中のコミュニティ名に「snmpread」を設定します。
readcomm snmpread
-
SETリクエスト中のコミュニティ名に「snmpwrite」を設定します。
writecomm snmpwrite