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JP1 Version 12 JP1/SNMP System Observer


2.6.4 マップ連携(アクション連携)

マップ連携(アクション連携)機能とは,NNMiコンソール画面の[アクション]メニューから[監視状態の表示]などのSSOが提供するアクションを選択することで,SSOコンソールにログインすることなくSSOを操作できる機能です。

アクション連携機能では,次の二つの機能を提供しています。

なお,監視状態表示画面やウィンドウは,監視マネージャまたは監視サーバのノードシンボルを一つだけ選択している状態のとき起動できます。ノードシンボルを複数選択して,一度のアクションで監視状態表示画面やウィンドウを複数起動できません。

NNMiコンソール画面の[アクション]メニューに,[監視状態の表示]などのメニューを登録する方法については,「3.1 インストールからセットアップまでの流れ」を参照してください。

〈この項の構成〉

(1) 監視状態の表示

NNMiコンソール画面の[アクション]メニューから[SNMP System Observer]−[監視状態の表示]または[監視状態の表示(HTTPS)]を選択することで,リソース収集(しきい値監視)でのリソース状態,およびプロセス・サービス監視でのアプリケーション状態を表示する監視状態表示画面を表示することができます。

マップ連携(シンボル連携)機能では,監視状態に応じたステータスが登録されることでノードシンボル色が変化します。さらに,アクション連携機能では,該当するノードを選択した状態で[監視状態の表示]または[監視状態の表示(HTTPS)]のメニューを実行すると,SSOコンソールにログインすることなく監視状態を確認できます。そのため,ノードシンボル色が変化した原因を容易に把握することができるようになります。

監視状態表示画面の起動設定については,「(4) アクションメニューの起動」を参照してください。

NNMiコンソール画面と監視状態表示画面での表示例を,次の図に示します。

図2‒70 NNMiコンソール画面と監視状態表示画面

[図データ]

次に,監視状態表示画面について説明します。

(a) 監視状態表示画面

監視状態表示画面は,リソース状態,アプリケーション状態,およびプロセス状態またはサービス状態を表示します。

監視状態表示画面を次の図に示します。

図2‒71 監視状態表示画面

[図データ]

表示項目を説明します。

監視マネージャ

監視マネージャのホスト名とIPアドレスを表示します。

監視サーバ

監視サーバのホスト名とIPアドレスを表示します。

[最新の状態に更新]

最新のSSOの監視状態を表示します。

[リソース状態]タブ

リソースの状態を表示するときに選択します。[リソース状態]タブを選択した場合の表示項目については,「(b) リソース状態の表示」を参照してください。

[アプリケーション状態]タブ

アプリケーションの状態を表示するときに選択します。[アプリケーション状態]タブを選択した場合の表示項目については,「(c) アプリケーション状態の表示」を参照してください。

重要

NNMiコンソール画面の[アクション]メニューから[SNMP System Observer]−[監視状態の表示]を選択した場合,または監視状態表示画面の[最新の状態に更新]ボタンを選択した場合は,[リソース状態]タブが選択された状態で監視状態表示画面が表示されます。

ただし,プロセスまたはサービスの監視だけを行っている場合は,[アプリケーション状態]タブが選択された状態で監視状態表示画面が表示されます。

(b) リソース状態の表示

[リソース状態]タブを選択すると,リソースの状態(カテゴリ,リソースグループ,リソース,サブリソース,インスタンス,および状態)を表示します。

[リソース状態]タブを選択した状態を,次の図に示します。

図2‒72 リソース状態表示

[図データ]

表示項目を説明します。

[カテゴリ]

カテゴリを表示します。

[リソースグループ]

リソースグループを表示します。

[リソース]

リソースを表示します。

[サブリソース]※1

サブリソースを表示します。

[インスタンス]※1,※2

インスタンスを表示します。

[状態]※1

リソースの状態を表示します。

アイコンと状態の対応を次の表に示します。

表2‒18 アイコンと状態

アイコン

リソース状態

[図データ](緑)

正常

[図データ](黄)

警戒

[図データ](赤)

危険

[図データ](青)

認識不能

注※1

リソース値が算出されない場合は,−(ハイフン)で表示されます。次に,リソース値が算出されない場合を示します。

  • しきい値による監視を行っていない場合

  • 収集開始直後,リソース値を一度も取得できていない場合

注※2

インスタンスは,同一リソース内のインスタンスの名称がすべて数値の場合,自然順で表示されます。これ以外の場合(文字列を含む名称のインスタンスが存在する場合),辞書順で表示されます。

(c) アプリケーション状態の表示

[アプリケーション状態]タブを選択すると,アプリケーションの状態(アプリケーション名,付加情報,および状態)を表示します。

[アプリケーション状態]タブを選択した状態を,次の図に示します。

図2‒73 アプリケーション状態表示

[図データ]

表示項目を説明します。

[アプリケーション名]

アプリケーションを表示します。

アプリケーションを選択すると,アプリケーションの監視対象によってプロセス状態,またはサービス状態を表示します。

プロセス状態またはサービス状態については,「(d) プロセスの状態表示またはサービスの状態表示」を参照してください。

[付加情報]

アプリケーションの付加情報を表示します。付加情報を設定していない場合は,−(ハイフン)で表示されます。

[状態]

アプリケーションの状態を表示します。

アイコンと状態の対応については,表2-18を参照してください。

(d) プロセスの状態表示またはサービスの状態表示

監視対象がプロセスのアプリケーションの場合,プロセスの状態を表示します。監視対象がサービスのアプリケーションの場合は,サービスの状態を表示します。

プロセス状態の表示を,次の図に示します。

図2‒74 プロセス状態表示

[図データ]

表示項目を説明します。

[監視プロセス名]

監視プロセスを表示します。

[監視子プロセス名]

監視子プロセスを表示します。

[状態]

監視プロセスおよび監視子プロセスの状態を表示します。

アイコンと状態の対応については,表2-18を参照してください。

サービス状態の表示を,次の図に示します。

図2‒75 サービス状態表示

[図データ]

表示項目を説明します。

[監視サービス名]

監視サービスを表示します。

[状態]

監視サービスの状態を表示します。

アイコンと状態の対応については,表2-18を参照してください。

(e) 注意事項

[リソース状態]タブや[アプリケーション状態]タブは,ssocolmngデーモンプロセスおよびssoapmonデーモンプロセスが停止していると,各状態を表示できません。

(2) ウィンドウの起動

NNMiコンソール画面の[アクション]メニューから[SNMP System Observer]−[リソース収集条件設定]などを選択することで,SSOのウィンドウを起動してリモート操作ができます。起動できるウィンドウを次に示します。

注※

作成したレポートファイルの一覧を表示します。

ウィンドウを起動してリモート操作するSSOは,アクション時に選択したノードによって異なります。選択したノードが監視マネージャの場合,リモート操作するSSOは監視マネージャ上のSSOです。選択したノードが監視サーバの場合,リモート操作するSSOは監視サーバを監視しているSSOです。

注意事項

アプレットウィンドウの場合,ウィンドウ(レポート参照を除く)を起動すると,次の画面が表示されます。この画面を閉じると,起動したウィンドウも終了します。そのため,ウィンドウの操作中は,この画面を閉じないでください。

なお,起動したウィンドウを終了してもこの画面は閉じません。ウィンドウを終了する際は,手動でこの画面を閉じてください。

[図データ]

(3) アクションメニューのアクセス権

アクションメニューのアクセス権は,NNMiのロールによって制御されます。アクションに必要なロールはメニュー項目によって異なります。各メニュー項目にデフォルトで設定されているロールを次に示します。

表2‒19 メニュー項目のデフォルトのロール

項番

メニュー項目

ロール

定義1

定義2

1

監視状態の表示

オペレータレベル1

オペレータレベル1

2

リソースブラウザ

オペレータレベル1

オペレータレベル1

3

リソース収集データ参照

オペレータレベル1

管理者

4

リソース収集条件設定

管理者

管理者

5

リソース収集条件参照

オペレータレベル1

管理者

6

プロセスモニタ

オペレータレベル1

管理者

7

プロセス監視条件設定

管理者

管理者

8

プロセス監視条件参照

オペレータレベル1

管理者

9

レポート設定

管理者

管理者

10

レポート参照

オペレータレベル1

管理者

11

監視状態の表示(HTTPS)

オペレータレベル1

オペレータレベル1

12

リソースブラウザ(HTTPS)

オペレータレベル1

オペレータレベル1

13

リソース収集データ参照(HTTPS)

オペレータレベル1

管理者

14

リソース収集条件設定(HTTPS)

管理者

管理者

15

リソース収集条件参照(HTTPS)

オペレータレベル1

管理者

16

プロセスモニタ(HTTPS)

オペレータレベル1

管理者

17

プロセス監視条件設定(HTTPS)

管理者

管理者

18

プロセス監視条件参照(HTTPS)

オペレータレベル1

管理者

19

レポート設定(HTTPS)

管理者

管理者

20

レポート参照(HTTPS)

オペレータレベル1

管理者

注※

デフォルトのロールは,インポートしたURLアクション定義ファイルによって,定義1または定義2に設定されます。URLアクション定義ファイルについては,「3.1.1 SSOのインストールとセットアップの流れ」を参照してください。

実行するために必要なNNMiのロールは,運用に応じて変更できます。変更する場合は,NNMiコンソールからメニュー項目のロールを変更してください。詳細はNNMiコンソールのヘルプを参照してください。

なお,ロールは次の中から選択してください。

注意事項

URLアクション定義ファイルをNNMiに再度インポートすると,変更したロールはデフォルトに戻ります。

(4) アクションメニューの起動

監視状態表示画面やウィンドウは,各アクションのURLをNNMiのURLアクション定義に指定することで起動できます。

SSOは,バージョン09-10から分散構成のシステム構成に対応しています。[アクション]メニューからSSOの各アクションを起動するには,ノードごとに監視マネージャが異なることを考慮する必要があります。また,各アクションのURLには,監視マネージャのIPアドレスとポート番号が含まれます。ノードごとに監視マネージャが異なると,監視マネージャのIPアドレスやポート番号も異なってきます。そこで,NNMiのカスタム属性機能を使用し,ノードごとに監視マネージャのIPアドレスとポート番号の情報を保持させます。そのため,カスタム属性に監視マネージャの情報を登録することで,分散構成のSSOにも対応できます。

次に,NNMiのカスタム属性について説明します。

(a) カスタム属性の概要

アクション時は,ノードのリソース状態やアプリケーション状態を管理している監視マネージャを特定する必要があります。監視マネージャを特定するためには,NNMiのノードウィンドウの[カスタム属性]タブに,監視マネージャの情報を登録します。[カスタム属性]タブには「名前」,「値」を登録します。

登録するカスタム属性の「名前」および「値」の説明を次の表に示します。

表2‒20 [カスタム属性]タブに登録する情報

項番

名前

説明

1

jp.co.hitachi.jp1.sso.address

ノードを監視している監視マネージャのIPアドレス(物理ホストのIPアドレス,またはchange-my-address:キーに設定したIPアドレス。ssonnmactaddr.confファイルの設定がある場合は,設定した監視マネージャIPアドレス。)

2

jp.co.hitachi.jp1.sso.agentaddr

監視サーバのIPアドレス

3

jp.co.hitachi.jp1.sso.consoleweb

ssoport.confファイルのssoconsolewebに指定したポート番号

4

jp.co.hitachi.jp1.sso.consoleweb.https

ssoport.confファイルのssoconsolewebhttpsに指定したポート番号

登録するカスタム属性は,ノードによって異なります。ノード別に登録するカスタム属性を次の表に示します。

表2‒21 ノード別に登録するカスタム属性

項番

カスタム属性

監視マネージャ

監視サーバ

1

jp.co.hitachi.jp1.sso.address

2

jp.co.hitachi.jp1.sso.agentaddr

×

3

jp.co.hitachi.jp1.sso.consoleweb

4

jp.co.hitachi.jp1.sso.consoleweb.https

(凡例)

○:登録する

×:登録しない

注※

監視マネージャ自身を監視している場合は登録します。

アクションメニューの起動に必要なカスタム属性は,アクションによって異なります。アクション別に必要なカスタム属性を次の表に示します。

表2‒22 アクションメニューの起動に必要なカスタム属性

項番

カスタム属性

監視状態の表示

ウィンドウの起動

1

jp.co.hitachi.jp1.sso.address

2

jp.co.hitachi.jp1.sso.agentaddr

3

jp.co.hitachi.jp1.sso.consoleweb

4

jp.co.hitachi.jp1.sso.consoleweb.https

(凡例)

○:必要

−:不要

(b) カスタム属性を登録する契機

カスタム属性を登録する契機について説明します。

  • 監視サーバのノードへの登録

    次の条件がすべて成立すると,カスタム属性を監視サーバのノードに登録します。

    • NNMi連携可

    • ssoapmon動作定義ファイル(ssoapmon.def)またはssocolmng動作定義ファイル(ssocolmng.def)のnnm-urlaction-coop:キーの値が「on」である

    • リソース収集条件またはプロセス監視条件が追加された場合

      条件が追加されたときにNNMi連携不可だった場合は,NNMi連携可になったタイミングでカスタム属性を登録します。すでに条件追加時に登録済みの監視サーバに対しては,カスタム属性の登録処理を行いません。

    • ssoapmonおよびssocolmngデーモンプロセス起動時に,すでにリソース収集条件およびプロセス監視条件が登録されていた場合

      起動後の初回だけカスタム属性を登録します。

  • 監視マネージャのノードへの登録

    次の条件がすべて成立すると,カスタム属性を監視マネージャのノードに登録します。

    • NNMi連携可

    • ssoapmon動作定義ファイル(ssoapmon.def)またはssocolmng動作定義ファイル(ssocolmng.def)のnnm-urlaction-coop:キーの値が「on」である

    • 次のどちらかの場合

      ・ssoapmonまたはssocolmngデーモンプロセスが起動(起動したときにNNMi連携不可だった場合は,NNMi連携可になったタイミングでカスタム属性を登録します。)

      ・ssoapcom -nコマンドまたはssocolmng -nコマンドの実行

ssoapmon動作定義ファイル(ssoapmon.def)については「7.3.7 ssoapmon動作定義ファイル(ssoapmon.def)」を,ssocolmng動作定義ファイル(ssocolmng.def)については「7.3.8 ssocolmng動作定義ファイル(ssocolmng.def)」を参照してください。

(c) カスタム属性を削除する契機

次の事象が発生したタイミングでカスタム属性を削除します。

  • ssocadelコマンドを実行した

  • SSOをアンインストールした

削除対象は,ssocadelコマンドを実行した監視マネージャが登録したカスタム属性です。ssocadelコマンドについては,「6. コマンド ssocadel」を参照してください。

(d) 注意事項

  • NNMiマップビュー上のノードの[カスタム属性]タブに登録した監視マネージャのIPアドレスとポート番号は,SSOが停止したあとも残ります。

  • ポート番号はHTTPでアクセスする場合はssoport.confのssoconsolewebの値を使用し,HTTPSでアクセスする場合はssoport.confのssoconsolewebhttpsの値を使用します。この値を変更し,ssoconsoledデーモンプロセスだけを再起動すると,アクション連携機能は正しく動作しません。この場合,ssocolmngデーモンプロセスとssoapmonデーモンプロセスを再起動してください。

  • 一度登録されたカスタム属性は,ssocadelコマンドを実行しないかぎり削除されません。そのため,nnm-urlaction-coop:キーをoffに変更したあともカスタム属性が登録済みの監視サーバについては,SSOのメニューを起動することができます。SSOのメニューを起動させないようにするためには,ssocadelコマンドを実行しカスタム属性を削除してください。

(5) マップ連携(アクション連携)に関する注意事項