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JP1 Version 12 JP1/SNMP System Observer


2.4.4 折れ線グラフ形式のレポートファイル

折れ線グラフ形式のレポート部には,レポート詳細,グラフおよびグラフ凡例表が表示されます。また,設定方法によって,統計情報をあわせて表示できます。次の図に,その例を示します。

図2‒22 HTML形式のレポートファイル(折れ線グラフ形式)

[図データ]

レポートファイルで表示される内容について説明します。

〈この項の構成〉

(1) レポート詳細

収集対象サーバ名,サブリソース名,インスタンス名が表示されます。

(2) グラフ凡例表

グラフ線の凡例として,グラフ線の描画色と,サブリソース名,インスタンス名が表示されます。表示形式は,インスタンス数折り返し凡例形式,およびサブリソース別凡例形式の二つの形式があります。

(a) インスタンス数折り返し凡例形式

各凡例は,グラフ線の描画色一つに対し,[サブリソース名(インスタンス名)]の形式で出力されます。

インスタンス数折り返し凡例形式は,グラフ表示詳細設定ウィンドウで[凡例を折り返して表示する]チェックボックスを外した場合,またはレポート定義ファイルでgraph_legend_rowキーを省略するか,またはキー値を省略した場合に出力されます。

インスタンス数折り返し凡例形式では,グラフ凡例表の列数はインスタンス数となります。列数の任意指定はできません。次の図にインスタンス数折り返し凡例形式のグラフ凡例表の例を示します。

図2‒23 インスタンス数折り返し凡例形式のグラフ凡例表

[図データ]

(b) サブリソース別凡例形式

グラフ線の各凡例はサブリソースごとにまとめられます。各凡例は,グラフ線の描画色一つに対し,[(インスタンス名)]の形式で出力されます。サブリソース別凡例形式は,グラフ表示詳細設定ウィンドウで[凡例を折り返して表示する]チェックボックスをチェックした場合,またはレポート定義ファイルでgraph_legend_rowキーに値を設定した場合に,出力されます。

サブリソース別凡例形式では,グラフ凡例表の列数は指定値,またはインスタンス数となります。

指定値の数がインスタンス数より大きい場合,列数はインスタンス数となります。サブリソース別凡例形式による出力は,レポート作成時のデフォルト設定で,折り返し数は10と指定されています。

グラフ表示詳細設定ウィンドウの[凡例を折り返して表示する]チェックボックスについては「5.9.5(1) グラフ表示詳細設定ウィンドウ」を,レポート定義ファイルのgraph_legend_rowキーについては「7.3.21(3) レポート条件の定義内容」を参照してください。次の図にサブリソース別凡例形式のグラフ凡例表の例を示します。この例ではインスタンス数6のリソースに対し,折り返し数5を指定しています。

図2‒24 サブリソース別凡例形式のグラフ凡例表

[図データ]

(3) グラフ

グラフは,グラフ枠,グラフ線,単位,プロットタイプ,線種凡例,日付から構成されています。次の図に,グラフ出力例を示します。

図2‒25 グラフ出力例(折れ線グラフ形式の場合)

[図データ]

(a) グラフ枠

  • グラフ枠の縦軸は値,横軸は時間で描画されます。

  • グラフ線縦軸の目盛値に表示する有効けた数は6けたです

  • グラフ線縦軸の目盛値で,値が1,000,000以上となる場合の表示形式を,「整数表示または小数表示」と「指数表示」から選択できます。表示形式は,ssorptd動作定義ファイルのexponential-notationキーで指定できます。exponential-notationキーについては「7.3.22 ssorptd動作定義ファイル(ssorptd.def)」を参照してください。

  • グラフ時間軸の開始,終了時刻は,レポート期間内の収集データが存在する期間,またはデータ抽出期間のどちらかが選択できます。次に詳細を示します。

    レポート期間内の収集データが存在する期間の場合

    レポートファイル作成ウィンドウ,またはssodemandrptコマンドで指定したデータ抽出期間内の,最初のプロット点と最後のプロット点の時刻が,開始時刻,および終了時刻となります。この設定はデフォルト設定となっています。グラフ時間軸の開始,終了時刻にレポート期間内の収集データが存在する期間を指定した場合の例を次の図に示します。

    図2‒26 レポート期間内の収集データが存在する期間の場合の例

    [図データ]

    <収集データとプロット点の条件>

    データ抽出期間:2003年12月22日0時0分0秒〜2003年12月27日0時0分0秒

    プロット点:2003年12月22日15時21分31秒〜2003年12月26日13時21分31秒

    データ抽出期間の場合

    レポートファイル作成ウィンドウ,またはssodemandrptコマンドで指定したデータ抽出期間を開始,終了時刻とします。

    開始,終了時刻のどちらか,または両方を省略した場合,省略された側の時刻は,最初,および最後のプロット点の時刻が設定されます。グラフ時間軸の開始,終了時刻にデータ抽出期間を指定した場合の例を次の図に示します。

    図2‒27 データ抽出期間の場合の例

    [図データ]

    <収集データとプロット点の条件>

    データ抽出期間:2003年12月22日0時0分0秒〜2003年12月27日0時0分0秒

    プロット点:2003年12月22日15時21分31秒〜2003年12月26日13時21分31秒

    指定方法はグラフ表示詳細設定ウィンドウの[時間軸],またはレポート定義ファイルのgraph_time_adjustキーで行います。[時間軸]については「5.9.5(1) グラフ表示詳細設定ウィンドウ」を,graph_time_adjustキーについては「7.3.21(3) レポート条件の定義内容」を参照してください。

  • グラフ時間軸の目盛線は次に示す方法で任意に指定できます。

    時間軸の分割数を指定する方法

    分割数として1〜60が指定できます。ただし,50分割を超える指定をすると,時刻の文字列が重なって表示されます。時間軸の分割数を指定する場合の例を次の図に示します。図では,6分割を指定しています。

    図2‒28 時間軸の分割数を指定する場合の例

    [図データ]

    目盛の時間間隔を指定する方法

    時間間隔として,1分から365日が指定できます。目盛は,グラフ軸開始時間から,指定した間隔で描線されます。

    指定した結果としてグラフ時間軸が50分割を超えると,時刻の文字列が重なって表示されます。

    指定方法はグラフ表示詳細設定ウィンドウの[目盛線],またはレポート定義ファイルのgraph_xdivideキーで行います。[目盛線]については「5.9.5(1) グラフ表示詳細設定ウィンドウ」を,graph_xdivideキーについては「7.3.21(3) レポート条件の定義内容」を参照してください。目盛の時間間隔を指定する場合の例を次の図に示します。

    図2‒29 目盛の時間間隔を指定する場合の例

    [図データ]

    <表示間隔とプロット点の条件>

    表示間隔:1日間隔

    プロット点:2003年12月22日15時21分31秒〜2003年12月26日13時21分31秒

  • 日付は次の場合に縦書きで表示されます。

    グラフ時間軸の分割指定で,分割数として7以上が指定された場合

    分割数として7以上が指定された場合の例を次の図に示します。図では,15分割が指定されており,日付が縦書き表示になっています。

    図2‒30 分割数として7以上が指定された場合の例

    [図データ]

    グラフ時間軸の分割指定に間隔指定がされていた場合で,終了時刻と終了時刻から一つ前の目盛線との間に,横書き表示に必要な間隔が確保できない場合

    グラフ時間軸の分割指定に間隔指定がされていた場合の例を次の図に示します。図は30時間間隔の指定で,プロット点の作成が2003年12月22日15時21分31秒から2003年12月26日13時21分31秒までのデータに対し,30時間間隔で目盛線を描線しています。3本目の目盛線と,グラフ時間軸の終了時刻が近接しているため,縦書きとなっています。

    図2‒31 グラフ時間軸の分割指定に間隔指定がされていた場合の例

    [図データ]

(b) グラフ線

グラフ線には,収集データ線,警戒しきい値線,危険しきい値線の3種類があります。それぞれの線種については「(e) 線種凡例」を参照してください。

収集データ線

一つのグラフ内で描線できる収集データ線は最大100本です。描画線数はサブリソース数×インスタンス数で算出できます。サブリソース数×インスタンス数が100を超えた場合,描線はサブリソースごとにインスタンス番号の若い順から行われ,計100本を描線し,それ以降は描線しません。

表2-10にサブリソースID×インスタンス数が100を超える場合の出力例を示します。この例ではサブリソース数9,インスタンス数13のリソースの場合,サブリソースID1〜7のインスタンスの描線は行われます。サブリソースID8の描線は,インスタンス番号9番目まで行われます。サブリソースID8のインスタンス番号10以降,およびサブリソースID9の全インスタンスは描線されません。

表2‒10 サブリソースID×インスタンス数が100を超える場合の出力例(サブリソース数9,インスタンス数13のリソースの場合)

サブリソースID

インスタンス番号

収集データ線の本数

1

1

1

2

2

13

13

2

1

14

2

15

13

26

8

1

92

2

93

9

100

10

未出力

13

未出力

9

1

未出力

13

未出力

収集データ線は,指定された抽出期間内にあるデータを,プロットタイプで指定した時間ごとに平均を算出し,その区間を描線しています。プロットタイプで指定した時間間隔ごとにデータがない場合,その区間を描線するかしないかを指定できます。描線する場合の例を図2-31,および描線しない場合の例を図2-32に示します。

図2‒32 プロットタイプで指定した時間間隔ごとにデータがない場合の例(描線する場合)

[図データ]

図2‒33 プロットタイプで指定した時間間隔ごとにデータがない場合の例(描線しない場合)

[図データ]

 

指定方法は,グラフ表示詳細設定ウィンドウの[グラフ線],およびレポート定義ファイルのgraph_blankキーで行います。[グラフ線]については「5.9.5(1) グラフ表示詳細設定ウィンドウ」を,graph_blankキーについては「7.3.21(3) レポート条件の定義内容」を参照してください。

グラフ線とサブリソースおよびインスタンスとの対応は,グラフ線の色とグラフ凡例で行います。また,収集データ線にマウスカーソルを合わせると,その線のサブリソース名とインスタンス名がツールチップで表示されます。ツールチップの内容は,[サブリソース名(インスタンス名)]です。ツールチップによる表示は,表示されている線に対して有効です。

複数の収集データ線同士が重なる場合,後から描線された線が表示されます。

警戒しきい値線
  • しきい値表示設定ウィンドウの[しきい値表示]で[警戒しきい値の表示]をチェックし,グラフ表示詳細設定ウィンドウの[しきい値線]で[サブリソースごとの設定により表示する]を選択した場合,またはグラフ表示詳細設定ウィンドウの[しきい値線]でチョイスボックスの[警戒しきい値]もしくは[警戒しきい値と危険しきい値]を選択した場合に描線されます。また,レポート定義ファイルのgraph_thresholdキーでも描線設定ができます。しきい値表示設定ウィンドウについては「5.9.4(2) しきい値表示設定ウィンドウ」を,グラフ表示詳細設定ウィンドウについては「5.9.5(1) グラフ表示詳細設定ウィンドウ」を,graph_thresholdキーについては「7.3.21(3) レポート条件の定義内容」を参照してください。

    なお,警戒しきい値線が描線設定されていた場合でも,対応する収集データ線が出力されていなければ,警戒しきい値は出力されません。

  • デフォルト設定では描線されません。

  • 警戒しきい値線は,一点鎖線で描線されます。

  • 対象となる収集データ線と同じ色で描線されます。

  • 描線は,サブリソースごとに指定ができます。

  • 描線期間内でしきい値が変動した場合,変動値が描線されます。

  • 複数の描線が重なる場合,最後に描線されたしきい値が表示されます。

  • ツールチップで[サブリソース名(インスタンス名)]が出力されます。

    ツールチップによる表示は,表示されている線に対して有効です。

危険しきい値線
  • しきい値表示設定ウィンドウの[しきい値表示]で[危険しきい値の表示]をチェックし,グラフ表示詳細設定ウィンドウの[しきい値線]で[サブリソースごとの設定により表示する]を選択した場合,またはグラフ表示詳細設定ウィンドウの[しきい値線]で[危険しきい値]をチェックした場合に描線されます。また,レポート定義ファイルのgraph_thresholdキーでも描線設定ができます。しきい値表示設定ウィンドウについては「5.9.4(2) しきい値表示設定ウィンドウ」を,グラフ表示詳細設定ウィンドウについては「5.9.5(1) グラフ表示詳細設定ウィンドウ」を,graph_thresholdキーについては「7.3.21(3) レポート条件の定義内容」を参照してください。

    なお,危険しきい値線が描線設定されていた場合でも,対応する収集データ線が出力されていなければ,危険しきい値は出力されません。

  • デフォルト設定では描線されません。

  • 危険しきい値線は,点線で描線されます。

  • 対象となる収集データ線と同じ色で描線されます。

  • 描線は,サブリソースごとに指定が可能です。

  • 描線期間内でしきい値が変動した場合,変動値が描線されます。

  • 複数の描線が重なる場合,最後に描線されたしきい値が表示されます。

  • ツールチップで[サブリソース名(インスタンス名)]が出力されます。

    ツールチップによる表示は,表示されている線に対して有効です。

(c) 単位

収集データの値の単位が表示されます。

(d) プロットタイプ

レポートタイプ設定ウィンドウ,またはレポート定義ファイルのplot_typeで指定したプロットタイプが表示されます。

(e) 線種凡例

  • グラフ線の種類について,グラフ凡例表の下に説明文が記されます。

  • 線は黒色で描線されます。

  • 収集データ線が実線,警戒しきい値線が一点鎖線,危険しきい値線が点線で描線されます。

  • 警戒しきい値線,危険しきい値線の出力に関係なく,3種類表示されます。

(f) 日付

  • 各座標の時刻を表示します。"yyyy/mm/dd 00:00:00"形式で表示され,横書き表示の場合は"dd"と"00"の間で改行されます。

  • 縦書き,および横書きの条件については,「(a) グラフ枠」を参照してください。

  • 縦書きとなった場合でも,設定方法によって文字列が重なって表示され,見にくくなる場合があります。また重度に文字列が重なった場合,文字列が横線のように表示されます。次の図に例を示します。

    図2‒34 文字列が重度に重なった場合の例

    [図データ]

    <時間軸と目盛り線の条件>

    時間軸:開始時刻を2004年5月27日18時0分0秒,終了時刻を2004年5月28日6時0分0秒

    目盛線の設定:1分間隔

    指定方法によっては,同一x座標上に目盛線が複数出力される場合があります。このとき,同一x座標上の目盛線は,最初に出力された目盛線の日付以外は出力されません。

(4) 統計情報

レポート対象となるデータの各サブリソース,および各インスタンスの,最小値,最大値,平均値を数値で出力できます。最小値および最大値が小数値の場合,小数点第3位で四捨五入されて第2位まで表示されます。値が整数値の場合,小数点「.00」が付与されます。

設定方法は,グラフ表示詳細設定ウィンドウの[統計情報],またはレポート定義ファイルで行います。[統計情報]については「5.9.5(1) グラフ表示詳細設定ウィンドウ」を,graph_statistics_infoキーについては「7.3.21(3) レポート条件の定義内容」を参照してください。デフォルト設定では出力されません。

出力できる統計情報の形式は,レポート出力の四つの表形式のうちから選択できます。グラフ表示の下に表示されます。

(5) 注意事項

折れ線グラフでは,グラフ時間軸の開始時刻を基準として,指定したプロットタイプに従いデータを平均化します。また,グラフに描画する各データは,データの平均化を開始した各時刻のデータとなります。例えば,レポート期間に10:00〜20:00を,プロットタイプに1時間と指定し,graph_time_adjustキーをoff,またはグラフ表示詳細設定ウィンドウで[時間軸の開始,終了時刻をデータ抽出期間に合わせる]チェックボックスをチェックしていない場合に,データが実在する期間が10:30〜19:00であった時,グラフの開始時刻は10:30となり,1時間ごとにデータが描画され,終了時刻が18:30となります。