Hitachi

JP1 Version 12 JP1/Performance Management - Agent Option for Platform(UNIX(R)用)


2.3.16 PowerVMを使用した仮想化システムで収集できるデータ

〈この項の構成〉

(1) PowerVMの機能

PowerVMは,統合仮想化システムを実現する拡張機能です。PowerVMには,次に示すような多数の機能があります。

(2) PowerVMの構造

PowerVMは幾つかのコンポーネントを利用し,仮想化システムを実現しています。

PowerVMの構造を簡単に説明すると,Micro-Partitioning機能によって1つのプロセッサリソースを複数のLPARに割り当て,VIOS機能で限られた物理的なデバイスリソースを複数のLPARから使用できるようにしたものです。IVM(PowerVM)はそれらを利用しやすくするためのソフトウェアです。

図2‒11 PowerVM構造

[図データ]

(3) PowerVM上でのPFM - Agent for Platformの利用

PowerVM上でPFM - Agent for Platformを利用する場合,プロセッサ,メモリーの情報が動的に変更されることに注意してください。また,プロセッサ情報を扱うレコードを利用する場合は,割り当てができるプロセッサ数と同じ数のインスタンスを作成する仮想化システムと,そうではない環境とで異なる運用が必要になる場合があります。

プロセッサ情報

プロセッサ情報を表すレコードでは,Micro-Partitioning機能によって分割された「物理プロセッサ数*10」のインスタンスを表示します。ただし,これは1つのプロセッサに割り当てることが可能な最大の論理プロセッサ数が10ということであり,1インスタンスがプロセッサの10%の内訳を表現しているわけではありません。つまり,1つの物理プロセッサをMicro-Partitioning機能で4つの論理プロセッサに分割した場合,これらのプロセッサ使用率の合計は100%になります。ほか6つの未割り当て論理プロセッサは「Offline」の状態と表示され,使用されていない状況となります。

SMT機能を利用した場合も同様に,1つの物理プロセッサを2つの論理プロセッサに分割するため,Micro-Partitioningと同じ動作となります。

PFM - Agent for Platformでは,AIXのsarコマンドの出力結果からプロセッサのパフォーマンスデータを収集するように設定を変更できます。

使用方法については,「2.3.23 AIX環境でsarコマンドの出力結果からプロセッサのパフォーマンスを監視する運用」を参照してください。

メモリー

動的に変更されるリソースとして,アラームの設定には注意してください。使用しているメモリーが一定であっても,割り当てているメモリーリソースを減少させると,メモリー使用率は増加するため,意図しないアラームが通知されることがあります。

デバイス

ディスクのパフォーマンスデータは,LPAR上の論理パーティション群だけです。システム全体のパフォーマンスデータは収集できません。