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JP1 Version 12 JP1/Performance Management - Agent Option for Platform(UNIX(R)用)


2.3.17 HP Integrity Virtual Machines(I-VM)を使用した仮想化システムで収集できるデータ

〈この項の構成〉

(1) HP Integrity Virtual Machinesの機能

HP Integrity Virtual Machinesは,プロセッサリソースを動的に5%単位で分割し,論理パーティションに割り当てることを可能にする機能(sub-CPUパーティショニング技術)です。この機能を使用すると,1つの物理プロセッサで最大20個の論理プロセッサを設定できます。この機能を利用すると,PFM - Agent for Platformは論理分割されたプロセッサのパフォーマンスデータを収集します。

プロセッサリソース以外にも,複数の論理パーティションからのI/Oの共有や,メモリーの仮想化などをサポートしています。HP Integrity Virtual Machinesは,HP-UX以外にもLinuxをサポートしているため,Linuxの互換性も提供できます。

(2) HP Integrity Virtual Machinesの構造

HP Integrity Virtual Machinesが提供するプロセッサリソースの割り当て機能は,AIXが提供しているMicro-Partitioningとほぼ同じ機能になります。

図2‒12  HP Integrity Virtual Machines(I-VM)の構造

[図データ]

(3) HP Integrity Virtual Machines上でのPFM - Agent for Platformの利用

HP Integrity Virtual Machines上でPFM - Agent for Platformを利用する場合,プロセッサ,メモリー,デバイスの情報が変更されることに注意してください。

プロセッサ情報

プロセッサ情報を表すレコードでは,該当仮想マシンに割り当てられた仮想プロセッサ数と同じインスタンス数が表示されます。

HP Integrity Virtual Machines上の仮想プロセッサは動的に割り当てリソースが変動するため,同じプロセッサ使用率でも実際に使われている「容量」が変わります。例えば30%のプロセッサリソースを割り当てられたプロセッサ「#1」が存在し,「#1」の使用率が50%だとします。この状態からプロセッサリソースの割り当てを倍の60%に変更した場合,「#1」の使用率は25%になります(実際にはオーバーヘッドやカーネルの構造などの要因によって誤差が発生します)。そのため,プロセッサの使用率に余裕があるかどうかを判断するには,現在のキューの長さなどプロセッサリソースの割り当てに影響を受けにくいフィールドが適切です。

メモリー

HP Integrity Virtual Machinesではメモリーの仮想化も対応していますが,動的に変更できません。そのため,仮想マシン上であっても,非仮想マシン上と同様の運用ができます。

デバイス

メモリーと同様に,HP Integrity Virtual MachinesではI/Oの仮想化も対応しています。ディスクのパフォーマンスデータは,論理パーティション群だけ収集できます。システム全体のパフォーマンスデータは収集できません。