2.2.4 PFM - RM for Oracleのセットアップ手順(UNIXの場合)
ここでは,PFM - RM for Oracleを運用するための,セットアップについて説明します。
は使用する環境によって必要になるセットアップ項目,またはデフォルトの設定を変更する場合のオプションのセットアップ項目を示します。
- 〈この項の構成〉
(1) LANG環境変数の設定
PFM - RM for Oracleで使用できるLANG環境変数を次の表に示します。なお,表に示す以外の言語(ドイツ語,フランス語,スペイン語,韓国語,および,ロシア語)を設定した場合,LANG環境変数の値は「C」で動作します。
これらのLANG環境変数を設定する前に,設定する言語環境が正しくインストール・構築されていることを確認しておいてください。正しくインストール・構築されていない場合,文字化けが発生したり,定義データが不当に書き換わってしまったりすることがあります。
OS |
言語種別 |
LANG環境変数の値 |
|
---|---|---|---|
Linux※ |
日本語 |
シフトJISコード |
(該当なし) |
EUCコード |
(該当なし) |
||
UTF-8コード |
|
||
英語(日本語なし) |
|
||
中国語 |
GB18030コード |
|
|
UTF-8コード |
|
- 注※
-
次に示す言語種別以外は7ビット・アスキーの範囲をサポート
・日本語
・英語
・簡体字中国語
- 重要
-
共通メッセージログの言語は,サービス起動時やコマンド実行時に設定されているLANG環境変数によって決まります。そのため,日本語や英語など,複数の言語コードの文字列が混在することがあります。
(2) PFM - RM for Oracleの登録![[図データ]](GRAPHICS/ZU12001.GIF)
PFM - ManagerおよびPFM - Web Consoleを使ってPFM - RM for Oracleを一元管理するために,PFM - ManagerおよびPFM - Web ConsoleにPFM - RM for Oracleを登録する必要があります。
PFM - ManagerおよびPFM - Web Consoleに登録されている場合には,本手順は不要です。登録されていない場合には,本手順により手動登録をしてください。
手動登録の要否については,次の条件を確認してください。
- PFM - Managerへの手動登録
-
次の条件をすべて満たす場合に手動登録してください。
-
インストールするPFM - RM for Oracleの製品バージョンがPFM - Managerのリリースノートに記載していないバージョンである。
-
PFM - RM for OracleをPFM - Manager ホスト以外にインストールしている。
-
- PFM - Web Consoleへの手動登録
-
次の条件を満たす場合に手動登録してください。
-
インストールするPFM - RM for Oracleの製品バージョンがPFM - Web Consoleのリリースノートに記載していないバージョンである。
-
ただし,PFM - RM for Oracleのリリースノートにセットアップコマンドの実行が必要であることが記載されている場合は,セットアップコマンドを実行してください。
PFM - RM for Oracleの登録の流れを次に示します。
|
- 重要
-
-
PFM - RM for Oracleの登録は,インスタンス環境を設定する前に実施してください。
-
すでにPFM - RM for Oracleの情報が登録されているPerformance Managementシステムに,新たに同じバージョンのPFM - RM for Oracleを追加した場合,PFM - RM for Oracleの登録は必要ありません。
-
バージョンが異なるPFM - RM for Oracleを,異なるホストにインストールする場合,古いバージョン,新しいバージョンの順でセットアップしてください。
-
PFM - Managerと同じホストにPFM - RM for Oracleをインストールした場合,jpcconf agent setupコマンドが自動的に実行されます。共通メッセージログに「KAVE05908-I エージェント追加セットアップは正常に終了しました」と出力されるので,結果を確認してください。コマンドが正しく実行されていない場合は,コマンドを実行し直してください。コマンドの実行方法については,マニュアル「JP1/Performance Management リファレンス」のコマンドの章を参照してください。
-
PFM - RM for Oracleの情報を登録する作業では,PFM - Web Consoleの[レポート階層]画面および[アラーム階層]画面に「RM Oracle」という名前のディレクトリが作成されます。[レポート階層]画面で,すでに独自に「RM Oracle」という名前のディレクトリまたはファイルを作成していた場合には,名前を変更してから作業を始めてください。
-
(a) PFM - RM for Oracleのセットアップファイルをコピーする
PFM - RM for OracleをインストールしたホストにあるセットアップファイルをPFM - ManagerおよびPFM - Web Consoleをインストールしたホストにコピーします。手順を次に示します。
-
PFM - Web Consoleが起動されている場合は,停止する。
-
PFM - RM for Oracleのセットアップファイルをバイナリーモードでコピーする。
ファイルが格納されている場所およびファイルをコピーする場所を次の表に示します。
表2‒15 コピーするセットアップファイル(UNIXの場合) PFM - RM for Oracleの
セットアップファイル
コピー先
PFMプログラム名
OS
コピー先ディレクトリ
/opt/jp1pc/setup/jpcagt1w.EXE
PFM - Manager
Windows
PFM - Managerのインストール先フォルダ\setup
/opt/jp1pc/setup/jpcagt1u.Z
UNIX
/opt/jp1pc/setup/
/opt/jp1pc/setup/jpcagt1w.EXE
PFM - Web Console
Windows
PFM - Web Consoleのインストール先フォルダ\setup
/opt/jp1pc/setup/jpcagt1u.Z
UNIX
/opt/jp1pcwebcon/setup/
(b) PFM - Managerホストでセットアップコマンドを実行する
PFM - ManagerでPFM - RM for Oracleをセットアップするための次のコマンドを実行します。
jpcconf agent setup -key RMOracle
- コマンド実行時の注意事項
-
コマンドを実行するローカルホストのPerformance Managementのプログラムおよびサービスが完全に停止していない状態でjpcconf agent setupコマンドを実行した場合,エラーが発生することがあります。その場合は,Performance Managementのプログラムおよびサービスが完全に停止したことを確認したあと,再度jpcconf agent setupコマンドを実行してください。
PFM - ManagerホストにあるPFM - RM for Oracleのセットアップファイルは,この作業が終了したあと,削除してもかまいません。
(3) PFM - RM for Oracleで使用するOracleのアカウントの作成
PFM - RM for OracleでOracle Databaseを監視し,パフォーマンス情報を収集するためには,次のどちらかの設定が必要になります。
-
PFM - RM for OracleからOracle Databaseの監視に使用するアカウントをsysアカウントに設定する
-
特定のシステム権限を持つOracleのアカウントを作成して,そのアカウントをPFM - RM for OracleからOracle Databaseの監視に使用するアカウントに設定する
なお,環視対象がOracle Database 12c Release 2以降でCDB構成の場合は,PDBとルート・コンテナ(CDB$ROOT)を監視します。CDB構成で運用するためにOracleアカウントを作成する場合は,次のユーザーを作成してください。
-
ルート・コンテナ(CDB$ROOT)を監視するためにユーザーを作成する場合
CDB$ROOTに対して表2-16に記載しているシステム権限を付与した共通ユーザー
ルート・コンテナ(CDB$ROOT)の監視を行う場合,Oracle Databaseの管理アカウント(sysおよびsystem)を使用する場合と共通ユーザーを使用する場合で,収集するパフォーマンスデータが異なるものがあります。詳細については,「5 レコード一覧」または各レコードの説明を参照してください。
なお,収集範囲の違いは,監視ユーザーがPDBのパフォーマンス・データを収集するかの設定によります。設定方法の詳細については,Oracleのマニュアルを参照してください。
-
PDBを監視するためにユーザーを作成する場合
監視するPDBに対して表2-16に記載しているシステム権限を付与したローカル・ユーザー
また,mk_rmus.sqlスクリプトを実行してOracleアカウントを作成する場合は,次のユーザーを作成できます。
-
Oracle Database 11g Release 2以前の場合,またはOracle Database 12c Release 1以降で非CDB構成の場合
表2-16に記載しているシステム権限を付与したユーザー
-
Oracle Database 12c Release 2以降でCDB構成の場合
PFM - RM for Oracleがパフォーマンス情報を収集するためにOracle Databaseに対して実行する操作と,操作を実行するために必要なOracleのアカウントのシステム権限を次の表に示します。
PFM - RM for OracleがOracle Databaseに対して実行する操作 |
操作に必要なシステム権限 |
---|---|
|
|
sysアカウントは,表2-16のシステム権限を持ちます。Oracle Databaseの監視にセキュリティ要件などによってsysアカウントを使用できない場合,表2-16のシステム権限を持つOracleのアカウントを使用してください。
mk_rmus.sqlスクリプトを使用しないでPFM - RM for Oracleを使用できるOracleのアカウントを用意したい場合は,操作に応じた権限を付与してください。操作に応じた権限を付与することにより,Oracleのアカウントに付与する権限を,必要最小限に限定することができます。なお,ロールとして権限を付与している場合は,明示的(GRANT "権限" ...)に権限を与えてください。各操作で必要となる権限については,「付録I 権限に関する注意事項」を参照してください。
mk_rmus.sqlスクリプトを実行してOracleのアカウントを作成するために必要な情報を次の表に示します。セットアップの操作を始める前に,次の情報をあらかじめ確認してください。
項目 |
説明 |
---|---|
Enter username |
作成するアカウント名を指定する。 指定できる値は,CREATE USER文のuserパラメーターに指定できる値,かつ30バイト以内の7ビットアスキーの半角英数文字列。なお,数字で始まり,かつ英字を含む文字列は指定できない。デフォルト値はRMAGT1。
|
Enter password |
作成するアカウントのパスワードを指定する。 指定できる値は,CREATE USER文のIDENTIFIED句のBY passwordパラメーターに指定できる値,かつ30バイト以内の7ビットアスキーの半角英数文字列。なお,数字で始まり,かつ英字を含む文字列は指定できない。入力は必須。 |
Enter default tablespace |
作成するアカウントが使用するデフォルト表領域を指定する。 指定できる値は,CREATE USER文のDEFAULT TABLESPACE句に指定できる値,かつ30バイト以内の7ビットアスキーの半角英数文字列。なお,数字で始まり,かつ英字を含む文字列は指定できない。入力は必須。
|
Enter default temporary tablespace |
作成するアカウントが使用するデフォルト一時表領域を指定する。 指定できる値は,CREATE USER文のTEMPORARY TABLESPACE句に指定できる値,かつ30バイト以内の7ビットアスキーの半角英数文字列。なお,数字で始まり,かつ英字を含む文字列は指定できない。入力は必須。
|
- 注
-
-
各項目の入力値は,必ず,30バイト以内の7ビットアスキーの半角英数文字列で指定してください。31バイト以上の文字列が入力された場合や7ビットアスキー半角英数文字以外の文字を指定した場合,スクリプトが予期しない動作をするおそれがあります。
-
各パラメーターの入力値には,「スキーマ・オブジェクトの名称規則」の「非引用識別子」に含まれる値を指定してください。「非引用識別子」以外の値を指定した場合,スクリプトが予期しない動作をするおそれがあります。「スキーマ・オブジェクトの名称規則」および「非引用識別子」についてはOracleのマニュアルを参照してください。
-
Oracle Database 12c Release 2以降でCDB構成のルート・コンテナ(CDB$ROOT)を監視するために,mk_rmus.sqlを使用して共通ユーザーを作成する場合は,CDBに属するすべてのコンテナに,mk_rmus.sqlで指定するデフォルト表領域およびデフォルト一時表領域が存在する必要があります。そのためmk_rmus.sqlを実行する前に,CDBに属するすべてのコンテナにデフォルト表領域およびデフォルト一時表領域を作成してください。共通ユーザーを作成するための条件が不足している状態でmk_rmus.sqlを使用した場合は,共通ユーザーの作成に失敗し,「KAVL18506-E」のメッセージが表示されることがあります。共通ユーザーを作成するための条件についてはOracle Databaseのマニュアルを参照してください。
-
mk_rmus.sqlで作成したアカウントの詳細を確認するには,監視対象のOracle Databaseの静的ディクショナリ・ビュー DBA_USERSを参照してください。
静的ディクショナリ・ビュー DBA_USERSでアカウント「R4O」の表領域を参照する例を示します。次のSQL文を実行し,実行結果から誤った表領域でアカウントを作成していることがわかった場合は,アカウントを削除し,mk_rmus.sqlで再作成してください。
(例)
- UNIX上のOracleでアカウント「R4O」の詳細を参照する場合
-
-
コマンドプロンプトからSQL*Plusにsysアカウントで接続する。
sqlplus "sysアカウント/sysアカウントのパスワード@監視対象のデータベースのネットサービス名 AS SYSDBA"
-
SQL*Plusで次のようなSQL文を実行する。
SQL>select DEFAULT_TABLESPACE,TEMPORARY_TABLESPACE from
DBA_USERS where USERNAME='R4O';
-
実行結果で表示される,「DEFAULT_TABLESPACE」列(デフォルト表領域),「TEMPORARY_TABLESPACE」列(デフォルト一時表領域)などを確認する。
-
- 注意
-
Oracleのバージョンによって,SQL*Plusにsysアカウントで接続する方法が異なります。詳細については,Oracleのマニュアルを参照してください。
監視対象のOracle Databaseに対して,SYSDBA権限で接続を実施します。
-
CREATE USER文の詳細については,Oracleのマニュアルを参照してください。
また,Oracleのアカウント作成に必要な表領域などのリソースをあらかじめ用意してから,作業を実施してください。
Oracleのアカウント作成は,次の手順で実行します。
-
Oracleのsqlplusコマンドが実行できる環境を設定する。
Oracleの環境設定については,Oracleのマニュアルを参照してください。
-
PFM - RM for Oracleが提供しているmk_rmus.sqlがある,次のディレクトリに移動する。
/opt/jp1pc/agt1/agent/sql
-
監視先のOracle Databaseに対して,mk_rmus.sqlスクリプトを実行する。
(例)
- 監視対象がOracle Database 12c Release 1以前の場合,または監視対象がOracle Database 12c Release 2以降で非CDB構成の場合
-
sqlplus Oracleのアカウント/Oracleのアカウントのパスワード@監視対象のデータベースのネットサービス名 @mk_rmus.sql
- 監視対象がOracle Database 12c Release 2以降で,CDB構成の場合
-
・PDBにローカル・ユーザーを作成する場合
sqlplus Oracleのアカウント/Oracleのアカウントのパスワード@監視対象のPDBのネットサービス名 @mk_rmus.sql
・ルート・コンテナ(CDB$ROOT)に共通ユーザーを作成する場合
sqlplus Oracleのアカウント/Oracleのアカウントのパスワード@監視対象のルート・コンテナ(CDB$ROOT)のネットサービス名 @mk_rmus.sql
注意
-
sqlplusは,ORACLE Corporationが提供しているコマンドです。
-
mk_rmus.sqlスクリプトを実行するOracleのアカウントには,あらかじめCREATE USERシステム権限,CREATE SESSIONシステム権限,およびGRANT ANY PRIVILEGEシステム権限が付与されている必要があります。
-
sysアカウントを使用してmk_rmus.sqlスクリプトを実行する場合,AS SYSDBAオプションを指定しないとエラーになることがあります。
-
監視対象のOracle Databaseに対して,SYSDBA接続を実施します。
mk_rmus.sqlスクリプトの実行例を示します。
(例)
監視対象がOracle Database 12c Release 1以前の場合,または監視対象がOracle Database 12c Release 2以降で非CDB構成の場合
sqlplus "sys/sysのパスワード@監視対象のデータベースのネットサービス名 AS SYSDBA" @mk_rmus.sql
監視対象がOracle Database 12c Release 2以降で,CDB構成の場合
・PDBにローカル・ユーザーを作成する場合
sqlplus "sys/sysのパスワード@監視対象のPDBのネットサービス名 AS SYSDBA" @mk_rmus.sql
・ルート・コンテナ(CDB$ROOT)に共通ユーザーを作成する場合
sqlplus "sys/sysのパスワード@監視対象のルート・コンテナ(CDB$ROOT)のネットサービス名 AS SYSDBA" @mk_rmus.sql
-
mk_rmus.sqlスクリプトを実行すると,スクリプトの処理で実行結果をスプールファイルに出力します。ただし,下記のような場合,スプールファイルの作成に失敗します。
・mk_rmus.sqlスクリプトを実行時に,カレントディレクトリを手順2で示すディレクトリに変更していない場合
・root以外のユーザーがSQL*Plusでmk_rmus.sqlスクリプトを実行した場合
-
Oracleのアカウント作成に必要なパラメーターを設定する。
表2-17に示した項目を,コマンドの指示に従って入力してください。各項目とも省略はできません。デフォルトで表示されている値を,項目の入力とする場合はリターンキーだけを押してください。
すべての入力が終了すると,Oracleのアカウントが作成されます。
- 注意
-
-
PFM - RM for Oracleが使用するアカウントをsys以外に設定した場合,SYSスキーマに属するオブジェクトへの操作に対する,SQL Text(PD_PDSQ)レコードのExplain Plan(EXPLAIN_PLAN)フィールドの値を取得できません。この場合,Explain Plan(EXPLAIN_PLAN)フィールドには「Explain Plan Failed」というメッセージが格納されます。SYSスキーマのオブジェクトに対する,SQL Text(PD_PDSQ)レコードのExplain Plan(EXPLAIN_PLAN)フィールドの値を取得したい場合は,PFM - RM for Oracleの使用するアカウントに,sysを指定してください。
-
SQLを実行したユーザーのスキーマに属するオブジェクトに対して,PFM - RM for Oracleの使用するアカウントにアクセスする権限がない場合,またはオブジェクトを参照できない場合,SQL Text(PD_PDSQ)レコードのExplain Plan(EXPLAIN_PLAN)フィールドの値を取得できません。この場合,Explain Plan(EXPLAIN_PLAN)フィールドには「Explain Plan Failed」というメッセージが格納されます。Explain Plan(EXPLAIN_PLAN)フィールドの値を取得したい場合は,このフィールドの対象となるSQLを所有者.テーブル名で実行してください。
-
mk_rmus.sqlスクリプトを実行して作成したOracleのアカウントには,UPDATE ANY TABLEシステム権限など,ほかのスキーマのオブジェクトを自由に操作する権限が付与されますので,アカウントの管理には十分注意してください。
Oracleのアカウントに付与される権限と表領域の割り当て制限を次の表に示します。
表2‒18 mk_rmus.sqlでOracleのアカウントに付与される権限と表領域の割り当て制限 種別
付与される権限/割り当て制限
説明
システム権限
CREATE SESSION
監視先のOracle Databaseに対して,セッションを確立するために必要。
CREATE TABLE
監視先のOracle Databaseに対して,Oracle Databaseを監視するために必要なテーブル(表2-24を参照)を登録するときに必要。
CREATE PROCEDURE
監視先のOracle Databaseに対して,Oracle Databaseを監視するために必要な監視用のプロシージャ(表2-24を参照)を登録するときに必要。
SELECT ANY DICTIONARY
監視先のOracle Databaseに対して,Oracle Databaseを監視するために必要な情報(表2-24を参照)を登録するとき,および情報収集するために必要。
SELECT ANY TABLE
SQL Text(PD_PDSQ)レコードのExplain Plan(EXPLAIN_PLAN)フィールドを取得するために必要。
INSERT ANY TABLE
SQL Text(PD_PDSQ)レコードのExplain Plan(EXPLAIN_PLAN)フィールドを取得するために必要。
UPDATE ANY TABLE
SQL Text(PD_PDSQ)レコードのExplain Plan(EXPLAIN_PLAN)フィールドを取得するために必要。
DELETE ANY TABLE
SQL Text(PD_PDSQ)レコードのExplain Plan(EXPLAIN_PLAN)フィールドを取得するために必要。
CREATE ANY INDEX
SQL Text(PD_PDSQ)レコードのExplain Plan(EXPLAIN_PLAN)フィールドを取得するために必要。
ALTER ANY INDEX
SQL Text(PD_PDSQ)レコードのExplain Plan(EXPLAIN_PLAN)フィールドを取得するために必要。
表領域に対する割り当て制限
デフォルト表領域に対する無制限の割り当て※
監視先のOracle Databaseに対して,
Oracle Databaseを監視するために必要な情報(表2-24を参照)を登録するとき,およびPD_PDSQレコードのExplain Planフィールドを取得するために必要です。
-
- 注※
-
作成されたアカウントには,デフォルト表領域に指定された表領域に対して無制限に書き込みができる権限が付与されます。表領域の使用量の割り当てを変更する場合は,アカウントの作成後に,Oracleのsqlplusコマンドが実行できる環境でALTER USER文を発行してください。なお,ALTER USER文を実行するOracleアカウントには,ALTER USERシステム権限が必要になります。
使用量の割り当て変更の例を次に示します。
(例)
ALTER USER Oracleのアカウント QUOTA 表領域の使用量の上限値 ON 表領域名;
ALTER USER文の詳細については,Oracleのマニュアルを参照してください。
(4) インスタンス環境の設定
PFM - RM for Oracleでは,インスタンス環境および監視対象の設定が必要です。インスタンス環境の設定と監視対象の設定は1対1の関係です。
PFM - RM for Oracleでは,1つのインスタンス環境に定義できる監視対象は1つだけです。複数のインスタンス環境および監視対象を設定する場合は,次の手順を繰り返し実施します。
-
インスタンス情報の設定
-
監視対象の設定
-
Oracle Databaseへのオブジェクト登録
-
Oracle Databaseの設定
例えば,3つのOracleのインスタンスを監視したい場合は,これらの設定を3つそれぞれについて実施します。
複数のインスタンス環境を作成する場合,インスタンス数はシステムの構成に依存し,その目安は3〜5インスタンスです。収集するレコードを減らす,または収集間隔を広げることでインスタンス数を増やすことができます。また,運用の前に十分に検証してください。
それぞれの手順について説明します。
(a) インスタンス情報を設定する
PFM - RM for Oracleで監視するOracleのインスタンス情報を設定します。インスタンス情報の設定は,PFM - RMホストで実施します。
設定するインスタンス情報を次の表に示します。セットアップの操作を始める前に,次の情報をあらかじめ確認してください。Oracleのインスタンス情報の詳細については,Oracleのマニュアルを参照してください。
項目 |
説明 |
設定できる値 |
デフォルト値 |
---|---|---|---|
監視対象となるOracleシステム識別子(環境変数ORACLE_SIDと同じ値)。 |
255バイト以内の半角文字列。 ただし,次の文字は指定できない。
|
jpcconf inst setupコマンドの-instオプションで指定した値 |
|
PFM - RM for Oracleが使用するOracleクライアントのOracleホームのディレクトリ(環境変数ORACLE_HOMEと同じ値)。※2 |
255バイト以内の半角文字列。 ただし,次の文字は指定できない。
|
− |
|
PFM - RM for Oracleが使用するOracleクライアントのバージョン番号。 Oracle Client 12c以降(Oracle Client 18cなど)を使用する場合は,12を指定する。 |
2桁の数字。
|
11 |
|
Oracleを監視するアカウント。 指定できるアカウント,および必要な権限については,「(3) PFM - RM for Oracleで使用するOracleのアカウントの作成」を参照のこと。 |
255バイト以内の半角文字列。 ただし,次の文字は指定できない。
|
sys |
|
oracle_userで指定したアカウントのパスワード。 |
255バイト以内の半角文字列。 ただし,次の文字は指定できない。
|
− |
|
監視対象のデータベースのネットサービス名。 監視対象のデータベースのネットサービス名については,Oracleのマニュアルを参照のこと。 |
255バイト以内の半角文字列。 ただし,次の文字は指定できない。
|
インスタンス名(oracle_sidの値) |
|
エージェントログの出力先ディレクトリ(絶対パス)。 |
245バイト以内の半角文字列。 ただし,次の文字は指定できない。
|
/opt/jp1pc/agt1/agent/インスタンス名/log |
|
エージェントログの1ファイルの最大サイズ。※7 |
1〜32(単位:メガバイト)。 ただし,推奨は16以上。 |
16 |
|
クエリー時のOracleアクセスのタイムアウト時間。 |
0,10〜3600(単位:秒)。 0を指定した場合はタイムアウト監視を行わない。1〜9を指定した場合は,実行時,10に変更する。 タイムアウトについては,「2.6.5 レコード収集でのOracleアクセスのキャンセル機能」を参照のこと。 |
0 |
|
「Y」を指定した場合,PI_PIDB,PD_PDTSレコードで,次の項目※8の情報収集を行わず,0またはnumeric_10で指定した値を設定する。 |
{Y|N} |
N |
|
sql_optionが「Y」の場合,情報収集しない項目に設定する値を指定する。sql_optionが「N」の場合,指定を無視する。 |
0〜99999。 ただし,設定するフィールドのデータ型の最大値(shortの場合32767,ushortの場合65535)を超える値を指定した場合,データ型の最大値が設定される。※11 |
0 |
|
PFM - RM for Oracle起動時に監視対象のOracleが起動処理中であった場合などに,PFM - RM for OracleがOracle接続エラーで停止することがある。 「Y」を指定した場合,接続エラーが発生しても起動処理を継続する。「N」を指定した場合,この動作を有効にしない。 |
{Y|N} |
Y |
|
PD_PDDB,PI_PIDB,PD_PDDF,PI_PIDF,PD_PDTF,PD_PDTS,PD_PCTSレコードのローカル管理一時表領域の空き容量の情報の表示を切り替えるオプション。 「Y」を指定した場合,使用されていないサイズを表示する。「N」を指定した場合,未割り当てのサイズを表示する。 |
{Y|N} |
N |
|
nls_lang※13 |
PFM - RM for OracleがOracle Databaseとの通信で使用する文字コード形式を指定するオプション。 |
文字コードセット PFM - RM for Oracle起動時のOSのLANG環境変数により次のとおり。
|
AMERICAN_AMERICA.US7ASCII |
undospace_option※14 |
PD_PDDB,PI_PIDB,PD_PDDF,PI_PIDF,PD_PDTS,PD_PCTSレコードのUNDO表領域の空き容量の表示を切り替えるオプション。 「N」を指定した場合,未割り当てのサイズを表示する。 「Y」を指定した場合,使用されていないサイズを表示する。 |
{Y|N} |
Y |
- (凡例)
-
−:なし
- 注※1
-
10-50以前のバージョンではOracle Client 32-bitを前提製品としていましたが,11-00以降のバージョンではOracle Client 64-bitを前提製品としています。
バージョン10-50以前の設定方法では,Oracle Databaseに接続できないため,バージョン11-00以降では,Oracle Client 64-bitを前提として,設定する必要があります。
バージョン11-00以降,インスタンス情報の設定は次の表のように異なるため,設定内容を確認してください。
項目
PFM - RM for Oracleのバージョン
10-50以前
11-00以降
oracle_home
Oracle Client 32-bitのOracleホームを指定する。
Oracle Client 64-bitのOracleホームを指定する。
oracle_version
Oracle Client 32-bitのバージョンを指定する。
Oracle Client 64-bitのバージョンを指定する。
Oracle Client 12c以降(Oracle Client 18cなど)を使用する場合は,12を指定する。
net_service_name
Oracle Client 32-bitで設定した監視対象のOracle Databaseに接続できるネットサービス名を指定する。
Oracle Client 64-bitで設定した監視対象のOracle Databaseに接続できるネットサービス名を指定する。
- 注意
-
-
PFM - RM for Oracle 10-50以前から11-00以降にバージョンアップする場合,インスタンス情報の設定内容が変更になるため,PFM - RM for Oracleのサービスを起動する前にインスタンス情報を更新してください。
また,Oracle Client 32-bitは不要になります。Oracle Client 32-bitをPFM - RM for Oracle以外で使用しない場合,アンインストールしても問題ありません。
-
Oracle Client 32-bitのORACLE_HOMEを指定して,PFM - RM for Oracleを起動すると,KAVL18011-EおよびKAVL18021-Eのメッセージが表示されます。
-
- 注※2
-
PFM - RM for OracleがOracle Databaseのクライアントライブラリを使用する(Oracle DatabaseにOracle Client 64bit がインストールされている)場合には,Oracle DatabaseのOracleホームを指定してください。
- 注※3
-
PFM - RM for Oracleは,Oracleのパスワード認証で動作します。
- 注※4
-
oracle_passwdにパスワードの有効期限が設定されている場合,有効期限に達するとOracleとの接続エラーが起こり,パフォーマンス情報を収集できません。Oracleとの接続エラーを起こさないようにするために,パスワードの有効期限が切れる前に,次のどちらかを設定してください。
-
パスワードの有効期限を解除します。
-
パスワードの更新後,jpcconf inst setupコマンドを実行し,oracle_passwdを更新します。
なお,mk_rmus.sqlで作成したOracleのアカウントには,Oracleが提供しているDEFAULTのプロファイルが適用されます。
-
- 注※5
-
PFM - RM for Oracleが使用するOracleクライアントのネットワークサービス(tnsnames.oraなど)を設定している必要があります。
また監視対象となるOracleのネットワークサービス定義(listener.oraなど)を設定し,リスナーを起動しておく必要があります。
Oracle RAC構成のOracle Databaseインスタンスを監視するときは,各ノードのOracle Databaseインスタンスを監視するよう設定してください。設定方法については,Oracleのマニュアルを参照してください。
また,tnsnames.oraファイルは次に示すディレクトリに格納してください。
oracle_homeで指定したディレクトリ/network/admin
これ以外のディレクトリに格納する場合,PFM - RM for Oracleの起動ユーザに,OracleのTNS_ADMIN環境変数を設定してから起動してください。TNS_ADMIN環境変数の詳細はOracleのマニュアルを参照してください。
- 注※6
-
変更前のパス情報は保存されません。手動でファイルなどに履歴として記録しておいてください。トラブルなどによって,変更前のディレクトリからのエージェントログの採取が必要となる場合があります。
- 注※7
-
エージェントログは,1インスタンスにつき最大4ファイルが採取されます。log_sizeの値は,次の条件を満たすことを確認して指定してください(log_pathがデフォルトの場合を含む)。
log_pathに指定したディスクの空き容量(メガバイト) > log_sizeの値×4
ハードディスクに十分な空き容量がない場合,エージェントログが出力エラーとなります。エージェントログについては「7.3 ログ情報」を参照してください。
- 注※8
-
タイムアウト値は,高負荷時(ピーク時)に収集するレコードの収集時間に応じて設定してください。
- 注※9
-
PFM - RM for OracleではOracleの各セグメント関連の情報を取得するため,Oracleの静的ディクショナリ・ビュー DBA_SEGMENTSを検索します。Oracleに大量のセグメント(数十万件以上のセグメント)が存在する場合,情報収集で非常に時間が掛かるときがあります。そのため,大量のセグメントが存在し,次の表に示す情報の収集が不要な場合,sql_optionを「Y」と設定して運用してください。
表2‒20 レコード名とnumeric_10で指定した値(インスタンス情報の設定) レコード名
PFM - View名
numeric_10で指定した値
PD_PDTS
Segments
有効
Extents
有効
PI_PIDB
DB Files %
有効
Log Files %
有効
NextAlloc Fails
有効
Tablespaces
有効
Rollback Segments
有効
Rollback Segments Trans
有効
Blocks
有効
Segments
有効
Extents
有効
Free Mbytes
有効
Overextended
有効
High Max Extent
有効
Datafiles
有効
Mbytes
有効
Free Extents
有効
Free%
有効
Free Change
有効
Write%
有効
Write/sec
有効
Redo Files
有効
Links
有効
Links Logged On
有効
Links In Tran
有効
Links Open Cursors
有効
Used Change
有効
Used Mbytes
有効
Rollback Segments Hit%
有効
Sort Segments
有効
Sorting Users
有効
Physical Blocks Read
デルタ項目のため,常に0設定。
Physical Blocks Written
デルタ項目のため,常に0設定。
Physical Reads
デルタ項目のため,常に0設定。
Physical Writes
デルタ項目のため,常に0設定。
- 注※10
-
PFM - Web Consoleなどで表示した場合に,注※9の各フィールドに設定される値がOracle Databaseからの収集値なのか,または固定値なのかを判別するために指定する項目です。
- 注※11
-
各レコードのフィールドの形式が,「float」または「double」型の場合,データは浮動小数点数となるため,指定値によってまるめられる場合があります。
- (例)
-
numeric_10の指定を32767と指定した場合,32760と表示される場合があります。
- 注※12
-
localtemp_optionに「Y」を指定した場合,ローカル管理一時表領域の空き容量やエクステントに関しての情報を動的パフォーマンスビューのv$sort_segment,またはv$temp_extent_poolを使用して取得します。取得する情報の空き容量は,収集時に使用していた領域のサイズから未使用サイズを算出します。
localtemp_optionに「N」を指定した場合,ローカル管理一時表領域の空き容量やエクステントに関しての情報を動的パフォーマンスビューのv$temp_space_headerを使用して取得します。取得する情報の空き容量は,未割り当てのサイズとなります。一度割り当てられたサイズは,一時表領域の再構築や再作成などをするまで解放されないため,解放されるまで空き容量は増加しません。
v$temp_extent_poolビューを検索した場合,Oracleのインスタンスが休止状態となります。Oracle Databaseの性能に影響することがありますので,十分に検討してから設定してください。詳細については,Oracleのマニュアルを参照してください。
v$temp_extent_poolビューを使用するレコードは次の通りです。
-
Data File(PD_PDDF)
-
Data File Interval(PI_PIDF)
-
- 注※13
-
PFM - RM for Oracleが扱うデータとPFM - RM for Oracle起動時のLANG環境変数,インスタンス情報nls_langとの関係図を以下に示します。
図2‒10 データと設定値との関係 PFM - RM for Oracleでは7ビットアスキーに加え,日本語環境ではUTF-8,中国語環境ではUTF-8,GB18030形式のパフォーマンスデータを収集できます。
PFM - RM for Oracle起動時のOSのLANG環境変数により,インスタンス情報nls_langに設定できる値は次のとおりです。
PFM - RM for Oracle起動時のOSのLANG環境変数
nls_langインスタンス情報(本項目)
ja_JP.UTF-8
AMERICAN_AMERICA.AL32UTF8またはAMERICAN_AMERICA.US7ASCII※
ja_JP.utf8
zh_CN.UTF-8
zh_CN.utf8
zh_CN.gb18030
AMERICAN_AMERICA.ZHS32GB18030またはAMERICAN_AMERICA.US7ASCII※
上記以外
AMERICAN_AMERICA.US7ASCII※
- 注※
-
7ビットアスキーの範囲外のパフォーマンスデータは文字化けが発生します。
上記以外の組み合わせの場合,パフォーマンスデータの文字化けが発生することがあります。
なお,OSのLANG設定は「2.2.4(1) LANG環境変数の設定」を参照ください。
nls_langインスタンス情報に不正な文字コードセットを指定した場合,errcodeが12705のメッセージ「KAVL18302-W」を出力し,Oracleとの接続に失敗します。
また,次の場合にパフォーマンスデータの文字化けや文字欠けが発生します。
-
Oracleのカラム長を超えることによる文字化け
Oracleにカラム長を超えるデータを格納する場合,最終文字で文字化けが発生することがあります。Oracleで文字化けが発生するデータをPFM - RM for Oracleで収集すると,パフォーマンスデータの最終文字で文字化けが発生します。
-
PFM - RM for Oracleのフィールドサイズを超えることによる文字化け
PFM - RM for OracleではOracleからレコードのフィールドサイズ分のパフォーマンスデータを取得します。そのためOracleがフィールドサイズを超えるデータを保持している場合,パフォーマンスデータの最終文字で文字化けが発生することがあります。対象となるフィールドは次のとおりです。
レコード名
フィールド名
フィールドサイズ
(単位:byte)
Parameter Values(PD_PDP)
Value
512
SQL Text(PD_PDSQ)
Explain Plan
30000
SQL Text
30000
-
データベースキャラクタセットとnls_langの違いによる文字化けや文字欠け
nls_langにAMERICAN_AMERICA.AL32UTF8を設定し,監視対象のデータベースキャラクタセットがUTF-8でない場合,Oracleデータベースで2バイト表現されていたデータが3バイトで取り出されることがあります。そのため収集するパフォーマンスデータがPFM - RM for Oracleのフィールドサイズを超える場合,超過部分の文字が欠けることがあります。また,最終文字で文字化けが発生することがあります。対象となるフィールドは次のとおりです。
レコード名
フィールド名
フィールドサイズ
(単位:byte)
Collection Tablespace 2(PD_PCTS)
Tablespace Name
30
Collection Instance 2(PD_PCI)
Recovery File Dest
513
Data File(PD_PDDF)
File Name
513
Tablespace Name
30
Data File Interval(PI_PIDF)
File Name
513
Tablespace Name
30
Database(PD_PDDB)
DB Name
9
Database Interval(PI_PIDB)
DB Name
9
Instance(PD_PDI)
Host
64
Lock Waiters(PD_PDLW)
Holding User
30
Waiting User
30
Minimum Database Interval 2(PI_PMDB)
DB Name
9
Minimum Data File Interval 2(PI_PMDF)
File Name
513
Minimum Tablespace Interval 2(PI_PMTS)
Tablespace Name
30
Open Cursor(PD_PDOC)
Program
48
SQL Text
60
Parameter Values(PD_PDP)
Value
512
Session Detail(PD_PDS)
Machine
64
Module
48
OS User
30
Program
64
Schema Name
30
User
30
Session I/O Interval(PI_PIIO)
User
30
Session Statistics Summary(PD_PDS2)
Program
48
User
30
SQL Text(PD_PDSQ)
Explain Plan
30000
SQL Text
30000
Tablespace Fragmentation(PD_PDTF)
Tablespace Name
30
Tablespace Interval(PI_PITS)
Tablespace Name
30
Tablespace(PD_PDTS)
Tablespace Name
30
Transaction(PD_PDTR)
User
30
Transaction Lock(PD_PDTL)
Object Name
30
Owner
30
User
30
- 注※14
-
undospace_optionに「N」を指定した場合,UNDO表領域の空き容量は,未割り当てのサイズを収集します。UNDO表領域のうち,リテンション期間が過ぎて使用可能になった領域は解放されるまでの間,割り当て済みの領域として扱います。
undospace_optionに「Y」を指定した場合, UNDO表領域の空き容量は,未使用サイズを収集します。UNDO表領域のうち,リテンション期間が過ぎて使用可能になった領域は未使用サイズに含みます。
undospace_optionにより値が変わるフィールドは次のとおりです。
レコード名
フィールド名
Data File(PD_PDDF)
Free %
Free Mbytes
Used Mbytes
Data File Interval
(PI_PIDF)
Free %
Free Change
Free Mbytes
Used Change
Used Mbytes
Database(PD_PDDB)
Free %
Free Mbytes
Used Mbytes
Database Interval
(PI_PIDB)
Free %
Free Change
Free Mbytes
Used Change
Used Mbytes
Tablespace(PD_PDTS)
Free %
Free Mbytes
Used Mbytes
Max Extend Free %
Max Extend Free Mbytes
Collection Tablespace 2
(PD_PCTS)
Free Mbytes
- 注意
-
-
インスタンス環境を設定していない場合,PFM - RM for Oracleのサービスを起動できません。
-
jpcconf inst setupコマンドを使用してインスタンス環境を構築する際,Oracle上に存在しないインスタンス名を指定した場合でもコマンドは正常に終了します。しかし,その後レコードの収集を開始すると,共通メッセージログに「KAVL18401-W」のメッセージが出力され,監視対象のOracleに接続できません。この場合,正しいインスタンス名を確認の上,再度jpcconf inst setupコマンドを実行してください。
-
複数のPFM - RM for Oracleで同じOracleインスタンスを監視しないでください。また,PFM - RM for OracleとPFM - Agent for Oracleで同じOracleインスタンスを監視しないでください。
-
PFM - RM for Oracleの監視対象に,Oracle9iを指定しないでください。指定した場合,PFM - RM for Oracleは共通ログに「KAVL18501-E」を出力して停止します。
-
インスタンス環境を構築するには,jpcconf inst setupコマンドを使用します。インスタンス環境の構築手順を次に示します。
-
サービスキーおよびインスタンス名を指定して,jpcconf inst setupコマンドを実行する。
例えば,PFM - RM for Oracleのインスタンス名SDCのインスタンス環境を構築する場合,次のように指定してコマンドを実行します。
jpcconf inst setup -key RMOracle -inst SDC
なお,インスタンス名に「sql」という名称は使用できません。
jpcconf inst setupコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Performance Management リファレンス」の,コマンドについて説明している章を参照してください。
-
Oracleのインスタンス情報を設定する。
表2-19に示した項目を,コマンドの指示に従って入力してください。各項目とも省略はできません。デフォルトで表示されている値を,項目の入力とする場合はリターンキーだけを押してください。
すべての入力が終了すると,インスタンス環境が構築されます。構築時に入力したインスタンス情報を変更したい場合は,再度jpcconf inst setupコマンドを実行し,インスタンス環境を更新してください。インスタンス環境の更新については,「2.6.3 インスタンス環境の更新の設定」を参照してください。
構築されるインスタンス環境を次に示します。
-
インスタンス環境のディレクトリ構成
次のディレクトリ下にインスタンス環境が構築されます。
物理ホストの場合:/opt/jp1pc/agt1
論理ホストの場合:環境ディレクトリ※\jp1pc\agt1
- 注※
-
環境ディレクトリとは,論理ホスト作成時に指定した共有ディスク上のディレクトリです。
構築されるインスタンス環境のディレクトリ構成を次に示します。
- 注※
-
インスタンス環境を構築した時点の設定値に戻したいときに使用します。
-
インスタンス環境のサービスID
インスタンス環境のサービスIDは次のようになります。
-
Remote Monitor Collectorサービスの場合
1Aインスタンス番号 インスタンス名[ホスト名]
-
Remote Monitor Storeサービスの場合
1Sインスタンス番号 インスタンス名[ホスト名]
-
Group Agentサービスの場合
1Aインスタンス番号 インスタンス名[All@ホスト名]
PFM - RM for Oracleの場合,インスタンス名にはjpcconf inst setupコマンドで指定したインスタンス名が表示されます。
例えば,ホスト名が「host1」で,インスタンス名に「SDC」を指定した場合,サービスIDは次のようになります。
-
Remote Monitor Collectorサービスの場合
1A1SDC[host1]
-
Remote Monitor Storeサービスの場合
1S1SDC[host1]
-
Group Agentサービスの場合
1A1SDC[All@host1]
サービスIDについては,マニュアル「JP1/Performance Management 設計・構築ガイド」の,付録に記載されている命名規則を参照してください。
-
(b) 監視対象を設定する
監視対象の設定では,「(a) インスタンス情報を設定する」で設定したインスタンスに監視対象ホストの情報を設定します。
監視対象の設定は,PFM - RMホストで実施します。
設定する情報を次の表に示します。セットアップの操作を始める前に,次の情報をあらかじめ確認してください。
項目 |
説明 |
設定できる値 |
デフォルト値 |
jpcconf target setupコマンドによる再更新の可/不可 |
---|---|---|---|---|
Target Host |
監視対象となるOracleが稼働しているホスト名。 論理ホストの場合は,論理ホスト名。 |
1〜32バイトの半角英数字およびハイフン(-)だけ使用できる。ただし,「-」から始まる名前は指定できない。 インスタンス内でユニーク※1である必要がある。 |
−※2 |
可 |
- (凡例)
-
−:なし
- 注※1
-
「All」はグループエージェント用の予約語のため使用できません。
- 注※2
-
指定を省略した場合は,PFM - RMホストのホスト名が仮定されます。
- 注意
-
-
PFM - RM for Oracleを起動するためには,監視対象の設定が必要です。
監視対象を設定しないでPFM - RM for Oracleを起動した場合,共通メッセージログに「KAVL18639-E」のメッセージが出力され,PFM - RM for Oracleは停止します。
-
PFM - RM for Oracleは,インスタンス環境で指定したoracle_sidで,監視対象のOracleインスタンスを特定します。
Target Hostで指定したホスト名はヘルスチェックだけに使用され,Oracleインスタンスへの接続には使用されません。
Target Hostに不正なホスト名を指定した場合,パフォーマンスデータの収集状況と,ヘルスチェック結果は一致しないことがあります。
-
監視対象の設定で指定した値が不正の場合でも,監視対象の生成コマンドは正常に終了します。
-
監視対象となるOracleインスタンスのホストにファイアウォールが設定されている場合,PFM - RM for Oracleが使用するOracleクライアントからの接続が拒否されないように設定してください。Oracleの環境設定については,Oracleのマニュアルを参照してください。また,Oracleの環境設定後は,Oracleのsqlplusコマンドが実行できる環境かどうか確認してください。
-
監視対象の環境を構築するには,jpcconf target setupコマンドを使用します。監視対象の環境の構築手順を次に示します。
-
サービスキー,インスタンス名および監視対象名を指定して,jpcconf target setupコマンドを実行する。
jpcconf target setup -key RMOracle -inst インスタンス名 -target 監視対象名
-
PFM - RM for Oracleの監視対象の情報を設定する。
表2-22に示した項目を,コマンドの指示に従って入力してください。各項目とも省略はできません。デフォルトで表示されている値を入力値とする場合は,リターンキーだけを押してください。
すべての入力が終了すると,インストール先ディレクトリ\agt1以下に監視対象の環境が構築されます。構築時に入力した監視対象の情報を変更したい場合は,再度jpcconf target setupコマンドを実行し,監視対象の環境を更新してください。監視対象の環境の更新については,「2.6.2 監視対象の更新の設定」を参照してください。
構築される監視対象の環境のディレクトリ構成を次に示します。
ディレクトリ名・ファイル名 |
説明 |
|||
---|---|---|---|---|
agent |
インスタンス名 |
targets |
監視対象名.ini |
監視対象設定ファイル |
監視対象名.ini.model |
監視対象設定ファイルのモデル |
(c) Oracle Databaseへオブジェクトを登録する
PFM - RM for OracleでOracle Databaseを監視するためには,監視先のOracle Databaseに対して,PFM - RM for Oracleが提供するオブジェクトを登録する必要があります。ここでは,PFM - RM for Oracleが提供しているSQLスクリプトを次の手順で実行します。なお,この手順は,Oracle Databaseのインスタンスを監視するアカウントごとに,1回だけ必要です。
また,監視対象がOracle Database 12c Release 2以降でCDB構成の場合,監視するPDBにオブジェクトを登録してください。sysアカウントを使用する場合は,監視するPDBごとにsp_rist.sqlを実行してください。ルート・コンテナ(CDB$ROOT)の監視では,オブジェクトを使用しないためCDB$ROOTへのオブジェクトの登録はしないでください。
-
Oracleのsqlplusコマンドが実行できる環境を設定する。
Oracleの環境設定については,Oracleのマニュアルを参照してください。
-
PFM - RM for Oracleが提供しているsp_rist.sqlがある,次のディレクトリに移動する。
/opt/jp1pc/agt1/agent/sql
-
監視先のOracle Databaseに対して,sp_rist.sqlスクリプトを実行する。
インスタンス情報のoracle_userに指定したアカウントでOracle Databaseに接続し,sp_rist.sqlスクリプトを実行してください。
sp_rist.sqlスクリプトによって,PFM - RM for OracleがOracleを監視するときに必要なオブジェクト(監視用のプロシージャや作業用のテーブル)をOracleに登録します。
(例)
- 監視対象がOracle Database 12c Release 1以前の場合,または監視対象がOracle Database 12c Release 2以降で非CDB構成の場合
-
sqlplus Oracleのアカウント/Oracleのアカウントのパスワード@監視対象のデータベースのネットサービス名 @sp_rist.sql
- 監視対象がOracle Database 12c Release 2以降で,CDB構成の場合
-
sqlplus Oracleのアカウント/Oracleのアカウントのパスワード@監視対象のPDBのネットサービス名 @sp_rist.sql
-
sqlplusは,ORACLE Corporationが提供しているコマンドです。
-
Oracleのアカウントには,oracle_userの値を指定してください。ここで実行したOracleのアカウントでデータベースにオブジェクトが作成されます。また,アンセットアップの際には,同じOracleのアカウントで実行する必要があります。
-
OracleのアカウントにSYSユーザーを使用する場合,AS SYSDBAオプションを指定しないで,sp_rist.sqlスクリプトを実行するとエラーになる場合があります。その場合は,AS SYSDBAオプションを指定して実行してください。
このコマンドの実行で,次の表に示すテーブルおよびパッケージが作成されます。
表2‒24 作成されるテーブルおよびパッケージ テーブル
パッケージ
LSC_14_PLAN_TABLE※
LSC_14_PDAS,LSC_14_73_PDDB,LSC_14_PDDB2,LSC_14_PDI,LSC_14_73_PIDB,LSC_14_PIDB2,LSC_14_PIDB3
- 注※
-
LSC_14_PLAN_TABLEは,SQL Text(PD_PDSQ)レコードを収集する場合だけ使用されるため,SQL Text(PD_PDSQ)レコードを収集される場合は,デフォルト表領域に5メガバイト以上の空き容量を確保しておく必要があります。
(d) Oracle Databaseを設定する
PFM - RM for Oracleが提供するレコードで,次の表に示すパフォーマンスデータを収集するためには,Oracle Databaseの初期化パラメーター「TIMED_STATISTICS」の値を「TRUE」に変更する必要があります。
レコード |
フィールド |
---|---|
ASM Disk(PD_PDDK) |
Read Time(READ_TIME) |
Write Time(WRITE_TIME) |
|
Data File Interval(PI_PIDF) |
Write Time(WRITE_TIME) |
Session Detail(PD_PDS) |
Avg Wait(AVERAGE_WAIT) |
Avg Wait String(AVERAGE_WAIT_STRING) |
|
Time Waited(TIME_WAITED) |
|
Time Waited String(TIME_WAITED_STRING) |
|
Session Statistics Summary(PD_PDS2) |
Statement CPU(STATEMENT_CPU) |
System Stat Summary(PD) |
Session CPU Usage(SESSION_CPU_USAGE) |
System Stat Summary Interval(PI) |
Session CPU Usage(SESSION_CPU_USAGE) |
- 注意
-
-
初期化パラメーターファイルを変更した場合は,データベースインスタンスの再起動が必要です。
-
サーバ・パラメーターファイルの値を変更した場合,初期化パラメーターファイルによる変更よりも優先されることがあります。
-
初期化パラメーターのTIMED_STATISTICSをTRUEに設定すると,時間の統計に関するオーバーヘッドが発生し,Oracle Databaseの性能に影響することがありますので,十分に検討してから設定してください。詳細については,Oracleのマニュアルを参照してください。
-
(5) ネットワークの設定![[図データ]](GRAPHICS/ZU12001.GIF)
Performance Managementを使用するネットワーク構成に応じて行う設定です。
ネットワークの設定には次の2つの項目があります。
-
IPアドレスを設定する
Performance Managementを複数のLANに接続されたネットワークで使用するときに設定します。複数のIPアドレスを設定するには,jpchostsファイルにホスト名とIPアドレスを定義します。設定したjpchostsファイルはPerformance Managementシステム全体で統一させてください。
詳細についてはマニュアル「JP1/Performance Management 設計・構築ガイド」の,インストールとセットアップについて説明している章を参照してください。
-
ポート番号を設定する
Performance Managementが使用するポート番号を設定できます。運用での混乱を避けるため,ポート番号とサービス名は,Performance Managementシステム全体で統一させてください。
ポート番号の設定の詳細についてはマニュアル「JP1/Performance Management 設計・構築ガイド」の,インストールとセットアップについて説明している章を参照してください。
(6) ログのファイルサイズ変更![[図データ]](GRAPHICS/ZU12001.GIF)
Performance Managementの稼働状況を,Performance Management独自のログファイルに出力します。このログファイルを「共通メッセージログ」と呼びます。このファイルサイズを変更したい場合に,必要な設定です。
詳細については,マニュアル「JP1/Performance Management 設計・構築ガイド」の,インストールとセットアップについて説明している章を参照してください。
(7) パフォーマンスデータの格納先の変更![[図データ]](GRAPHICS/ZU12001.GIF)
PFM - RM for Oracleで管理されるパフォーマンスデータを格納するデータベースの保存先,バックアップ先またはエクスポート先のディレクトリを変更したい場合に必要な設定です。
パフォーマンスデータは,デフォルトで,次の場所に保存されます。
-
保存先
/opt/jp1pc/agt1/store/インスタンス名/
-
バックアップ先
/opt/jp1pc/agt1/store/インスタンス名/backup/
-
部分バックアップ先
/opt/jp1pc/agt1/store/インスタンス名/partial
-
エクスポート先
/opt/jp1pc/agt1/store/インスタンス名/dump/
-
インポート先
/opt/jp1pc/agt1/store/インスタンス名/import
- 注意
-
論理ホストで運用する場合のデフォルトの保存先については,「/opt/jp1pc」を「環境ディレクトリ/jp1pc」に読み替えてください。
詳細については,「2.6.1 パフォーマンスデータの格納先の変更」を参照してください。
(8) PFM - RM for Oracleの接続先PFM - Managerの設定
PFM - RM for Oracleがインストールされているホストで,そのPFM - RM for Oracleを管理するPFM - Managerを設定します。接続先のPFM - Managerを設定するには,jpcconf mgrhost defineコマンドを使用します。
- 重要
-
-
同一ホスト上に,複数のPFM - RMがインストールされている場合でも,接続先に指定できるPFM - Managerは,1つだけです。PFM - RMごとに異なるPFM - Managerを接続先に設定することはできません。
-
PFM - RM for OracleとPFM - Managerが同じホストにインストールされている場合,接続先PFM - ManagerはローカルホストのPFM - Managerとなります。この場合,接続先のPFM - ManagerをほかのPFM - Managerに変更できません。
-
手順を次に示します。
-
Performance Managementのプログラムおよびサービスを停止する。
セットアップを実施する前に,ローカルホストでPerformance Managementのプログラムおよびサービスが起動されている場合は,すべて停止してください。サービスの停止方法については,マニュアル「JP1/Performance Management 運用ガイド」の,Performance Managementの起動と停止について説明している章を参照してください。
jpcconf mgrhost defineコマンド実行時に,Performance Managementのプログラムおよびサービスが起動されている場合は,停止を問い合わせるメッセージが表示されます。
-
接続先のPFM - Managerホストのホスト名を指定して,jpcconf mgrhost defineコマンドを実行する。
例えば,接続先のPFM - Managerがホストhost01上にある場合,次のように指定します。
jpcconf mgrhost define -host host01
(9) 動作ログ出力の設定![[図データ]](GRAPHICS/ZU12001.GIF)
アラーム発生時に動作ログを出力したい場合に必要な設定です。動作ログとは,システム負荷などのしきい値オーバーに関するアラーム機能と連動して出力される履歴情報です。
設定方法については,「付録K 動作ログの出力」を参照してください。