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JP1 Version 12 JP1/Performance Management - Remote Monitor for Oracle


2.1.4 PFM - RM for Oracleのセットアップ手順(Windowsの場合)

ここでは,PFM - RM for Oracleを運用するための,セットアップについて説明します。

[図データ]は使用する環境によって必要になるセットアップ項目,またはデフォルトの設定を変更する場合のオプションのセットアップ項目を示します。

〈この項の構成〉

(1) PFM - RM for Oracleの登録[図データ]

PFM - ManagerおよびPFM - Web Consoleを使ってPFM - RM for Oracleを一元管理するために,PFM - ManagerおよびPFM - Web ConsoleにPFM - RM for Oracleを登録する必要があります。

PFM - ManagerおよびPFM - Web Consoleに登録されている場合には,本手順は不要です。登録されていない場合には,本手順により手動登録をしてください。

手動登録の要否については,次の条件を確認してください。

PFM - Managerへの手動登録

次の条件をすべて満たす場合に手動登録してください。

  • インストールするPFM - RM for Oracleの製品バージョンがPFM - Managerのリリースノートに記載していないバージョンである。

  • PFM - RM for OracleをPFM - Manager ホスト以外にインストールしている。

PFM - Web Consoleへの手動登録

次の条件を満たす場合に手動登録してください。

  • インストールするPFM - RM for Oracleの製品バージョンがPFM - Web Consoleのリリースノートに記載していないバージョンである。

ただし,PFM - RM for Oracleのリリースノートにセットアップコマンドの実行が必要であることが記載されている場合は,セットアップコマンドを実行してください。

PFM - RM for Oracleの登録の流れを次に示します。

図2‒4 PFM - RM for Oracleの登録の流れ

[図データ]

重要
  • PFM - RM for Oracleの登録は,インスタンス環境を設定する前に実施してください。

  • すでにPFM - RM for Oracleの情報が登録されているPerformance Managementシステムに,新たに同じバージョンのPFM - RM for Oracleを追加した場合,PFM - RM for Oracleの登録は必要ありません。

  • バージョンが異なるPFM - RM for Oracleを,異なるホストにインストールする場合,古いバージョン,新しいバージョンの順でセットアップしてください。

  • PFM - Managerと同じホストにPFM - RM for Oracleをインストールした場合,jpcconf agent setupコマンドが自動的に実行されます。共通メッセージログに「KAVE05908-I エージェント追加セットアップは正常に終了しました」と出力されるので,結果を確認してください。コマンドが正しく実行されていない場合は,コマンドを実行し直してください。コマンドの実行方法については,マニュアル「JP1/Performance Management リファレンス」の,コマンドの章を参照してください。

  • PFM - RM for Oracleの情報を登録する作業では,PFM - Web Consoleの[レポート階層]画面および[アラーム階層]画面に「RM Oracle」という名前のフォルダが作成されます。[レポート階層]画面で,ユーザーが「RM Oracle」という名前のフォルダまたはファイルを作成していた場合には,名前を変更してから作業を始めてください。

(a) PFM - RM for Oracleのセットアップファイルをコピーする

PFM - RM for Oracleをインストールしたホスト(PFM - RMホスト)にあるセットアップファイルをPFM - ManagerおよびPFM - Web Consoleをインストールしたホストにコピーします。手順を次に示します。

  1. PFM - Web Consoleが起動されている場合は,停止する。

  2. PFM - RM for Oracleのセットアップファイルをバイナリーモードでコピーする。

    ファイルが格納されている場所およびファイルをコピーする場所を次の表に示します。

    表2‒2 コピーするセットアップファイル

    PFM - RM for Oracleの

    セットアップファイル

    コピー先

    PFMプログラム名

    OS

    コピー先フォルダ

    インストール先フォルダ\setup\jpcagt1w.EXE

    PFM - Manager

    Windows

    PFM - Managerのインストール先フォルダ\setup

    インストール先フォルダ\setup\jpcagt1u.Z

    UNIX

    /opt/jp1pc/setup/

    インストール先フォルダ\setup\jpcagt1w.EXE

    PFM - Web Console

    Windows

    PFM - Web Consoleのインストール先フォルダ\setup

    インストール先フォルダ\setup\jpcagt1u.Z

    UNIX

    /opt/jp1pcwebcon/setup/

(b) PFM - Managerホストでセットアップコマンドを実行する

PFM - ManagerでPFM - RM for Oracleをセットアップするための次のコマンドを実行します。

jpcconf agent setup -key RMOracle
コマンド実行時の注意事項

コマンドを実行するローカルホストのPerformance Managementのプログラムおよびサービスが完全に停止していない状態でjpcconf agent setupコマンドを実行した場合,エラーが発生することがあります。その場合は,Performance Managementのプログラムおよびサービスが完全に停止したことを確認したあと,再度jpcconf agent setupコマンドを実行してください。

PFM - ManagerホストにあるPFM - RM for Oracleのセットアップファイルは,この作業が終了したあと,削除してもかまいません。

(c) PFM - Web Consoleホストでセットアップコマンドを実行する

PFM - Web ConsoleでPFM - RM for Oracleをセットアップするための次のコマンドを実行します。

jpcwagtsetup

PFM - Web ConsoleホストにあるPFM - RM for Oracleのセットアップファイルは,この作業が終了したあと削除してもかまいません。

(2) PFM - RM for Oracleで使用するOracleのアカウントの作成

PFM - RM for OracleでOracle Databaseを監視し,パフォーマンス情報を収集するためには,次のどちらかの設定が必要になります。

なお,環視対象がOracle Database 12c Release 2以降でCDB構成の場合は,PDBとルート・コンテナ(CDB$ROOT)を監視します。CDB構成でそれぞれを監視するためにOracleアカウントを作成する場合は,次のユーザーを作成してください。

また,mk_rmus.sqlスクリプトを実行してOracleアカウントを作成する場合は,次のユーザーが作成できます。

PFM - RM for Oracleがパフォーマンス情報を収集するためにOracle Databaseに対して実行する操作と,操作を実行するために必要なOracleのアカウントのシステム権限を次の表に示します。

表2‒3 Oracle Databaseに対して実行する操作と必要なシステム権限

PFM - RM for OracleがOracle Databaseに対して実行する操作

操作に必要なシステム権限

  • 静的データディクショナリ・ビューの検索

  • 動的パフォーマンス・ビューの検索

  • リスナー制御ユーティリティの実行

  • 選択したSQLの実行計画の取得

  • PFM - RM for Oracle独自のストアドパッケージの実行

  • CREATE SESSION

  • CREATE TABLE

  • CREATE PROCEDURE

  • SELECT ANY DICTIONARY

  • SELECT ANY TABLE

  • INSERT ANY TABLE

  • DELETE ANY TABLE

  • UPDATE ANY TABLE

  • CREATE ANY INDEX

  • ALTER ANY INDEX

  • UNLIMITED TABLESPACE(この権限は監視に使用するアカウントのデフォルト表領域に書き込み可能な割り当て制限が設定されていれば不要です。)

sysアカウントは,表2-3のシステム権限を持ちます。Oracle Databaseの監視にセキュリティ要件などによってsysアカウントを使用できない場合,表2-3のシステム権限を持つOracleのアカウントを使用してください。

mk_rmus.sqlスクリプトを使用しないでOracle Databaseを監視するOracleのアカウントを用意したい場合は,操作に応じた権限を付与してください。操作に応じた権限を付与することにより,Oracleのアカウントに付与する権限を,必要最小限に限定することができます。なお,ロールとして権限を付与している場合は,明示的(GRANT "権限" ...)に権限を与えてください。各操作で必要となる権限については,「付録I 権限に関する注意事項」を参照してください。

mk_rmus.sqlスクリプトを実行してOracleのアカウントを作成するために必要な情報を次の表に示します。セットアップの操作を始める前に,次の情報をあらかじめ確認してください。

表2‒4 Oracleのアカウント作成に必要な情報

項目

説明

Enter username

作成するアカウント名を指定する。

指定できる値は,CREATE USER文のuserパラメーターに指定できる値,かつ30バイト以内の7ビットアスキーの半角英数文字列。なお,数字で始まり,かつ英字を含む文字列は指定できない。デフォルト値はRMAGT1

注意

PFM - RM for Oracleのインスタンスが使用するアカウントに,既存のデータベースアカウントを指定した場合,スクリプトの処理がエラーとなる。

必ず,事前にデータベースに存在するアカウント名を確認し,PFM - RM for Oracleのインスタンス専用のアカウントを指定すること。

Enter password

作成するアカウントのパスワードを指定する。

指定できる値は,CREATE USER文のIDENTIFIED句のBY passwordパラメーターに指定できる値,かつ30バイト以内の7ビットアスキーの半角英数文字列。なお,数字で始まり,かつ英字を含む文字列は指定できない。入力は必須。

Enter default tablespace

作成するアカウントが使用するデフォルト表領域を指定する。

指定できる値は,CREATE USER文のDEFAULT TABLESPACE句に指定できる値,かつ30バイト以内の7ビットアスキーの半角英数文字列。なお,数字で始まり,かつ英字を含む文字列は指定できない。入力は必須。

注意

デフォルト表領域としてSYSTEM表領域,INDEX表領域を指定しないこと。

デフォルト表領域には,PFM - RM for Oracle用パッケージを登録しても問題のない表領域を指定するか,または,PFM - RM for Oracle用の表領域を作成し,デフォルト表領域に指定すること。

Enter default temporary tablespace

作成するアカウントが使用するデフォルト一時表領域を指定する。

指定できる値は,CREATE USER文のTEMPORARY TABLESPACE句に指定できる値,かつ30バイト以内の7ビットアスキーの半角英数文字列。なお,数字で始まり,かつ英字を含む文字列は指定できない。入力は必須。

注意

デフォルト一時表領域としてSYSTEM表領域,INDEX表領域,USERS表領域を指定しないこと。

デフォルト一時表領域には,デフォルト一時表領域として使用しても問題のない表領域を指定するか,または,PFM - RM for Oracle用の表領域を作成し,デフォルト一時表領域に指定すること。

  • 各項目の入力値は,必ず,30バイト以内の7ビットアスキーの半角英数文字列で指定してください。31バイト以上の文字列が入力された場合や7ビットアスキー半角英数文字以外の文字を指定した場合,スクリプトが予期しない動作をするおそれがあります。

  • 各パラメーターの入力値には,「スキーマ・オブジェクトの名称規則」の「非引用識別子」に含まれる値を指定してください。「非引用識別子」以外の値を指定した場合,スクリプトが予期しない動作をするおそれがあります。「スキーマ・オブジェクトの名称規則」および「非引用識別子」についてはOracleのマニュアルを参照してください。

  • Oracle Database 12c Release 2以降でCDB構成のルート・コンテナ(CDB$ROOT)を監視するために,mk_rmus.sqlを使用して共通ユーザーを作成する場合は,CDBに属するすべてのコンテナに,mk_rmus.sqlで指定するデフォルト表領域およびデフォルト一時表領域が存在する必要があります。そのためmk_rmus.sqlを実行する前に,CDBに属するすべてのコンテナにデフォルト表領域およびデフォルト一時表領域を作成してください。共通ユーザーを作成するための条件が不足している状態でmk_rmus.sqlを使用した場合は,共通ユーザーの作成に失敗し,「KAVL18506-E」のメッセージが表示されることがあります。共通ユーザーを作成するための条件についてはOracle Databaseのマニュアルを参照してください。

  • mk_rmus.sqlで作成したアカウントの詳細を確認するには,監視対象のOracle Databaseの静的ディクショナリ・ビュー DBA_USERSを参照してください。

    静的ディクショナリ・ビュー DBA_USERSでアカウント「R4O」の表領域を参照する例を示します。次のSQL文を実行し,実行結果から誤った表領域でアカウントを作成していることがわかった場合は,アカウントを削除し,mk_rmus.sqlで再作成してください。

(例)

Windows上のOracleでアカウント「R4O」の詳細を参照する場合

  1. コマンドプロンプトからSQL*Plusにsysアカウントで接続する。

    sqlplus "sysアカウント/sysアカウントのパスワード@監視対象のデータベースのネットサービス名 AS SYSDBA"

  2. SQL*Plusで次のようなSQL文を実行する。

    SQL>select DEFAULT_TABLESPACE,TEMPORARY_TABLESPACE from DBA_USERS where USERNAME='R4O';

  3. 実行結果で表示される,「DEFAULT_TABLESPACE」列(デフォルト表領域),「TEMPORARY_TABLESPACE」列(デフォルト一時表領域)などを確認する。

注意

Oracleのバージョンによって,SQL*Plusにsysアカウントで接続する方法が異なります。詳細については,Oracleのマニュアルを参照してください。

監視対象のOracle Databaseに対して,SYSDBA権限で接続を実施します。

CREATE USER文の詳細については,Oracleのマニュアルを参照してください。

また,Oracleのアカウント作成に必要な表領域などのリソースをあらかじめ用意してから,作業を実施してください。

Oracleのアカウント作成は,次の手順で実行します。

  1. Oracleのsqlplusコマンドが実行できる環境を設定する。

    Oracleの環境設定については,Oracleのマニュアルを参照してください。

  2. PFM - RM for Oracleが提供しているmk_rmus.sqlがある,次のフォルダに移動する。

    インストール先フォルダ\agt1\agent\sql

  3. 監視先のOracle Databaseに対して,mk_rmus.sqlスクリプトを実行する。

    (例)

    監視対象がOracle Database 12c Release 1以前の場合,または監視対象がOracle Database 12c Release 2以降で非CDB構成の場合

    sqlplus Oracleのアカウント/Oracleのアカウントのパスワード@監視対象のデータベースのネットサービス名 @mk_rmus.sql

    監視対象がOracle Database 12c Release 2以降で,CDB構成の場合

    PDBにローカル・ユーザーを作成する場合

     sqlplus Oracleのアカウント/Oracleのアカウントのパスワード@監視対象のPDBのネットサービス名 @mk_rmus.sql

    ・ルート・コンテナ(CDB$ROOT)に共通ユーザーを作成する場合

     sqlplus Oracleのアカウント/Oracleのアカウントのパスワード@監視対象のルート・コンテナ(CDB$ROOT)のネットサービス名 @mk_rmus.sql

    注意

    • sqlplusは,ORACLE Corporationが提供しているコマンドです。

    • mk_rmus.sqlスクリプトを実行するOracleのアカウントには,あらかじめCREATE USERシステム権限,CREATE SESSIONシステム権限,およびGRANT ANY PRIVILEGEシステム権限が付与されている必要があります。

    • SYSアカウントを使用してmk_rmus.sqlスクリプトを実行する場合,AS SYSDBAオプションを指定しないとエラーになることがあります。

    • 監視対象のOracle Databaseに対して,SYSDBA接続を実施します。

      mk_rmus.sqlスクリプトの実行例を示します。

      (例)

      監視対象がOracle Database 12c Release 1以前の場合,または監視対象がOracle Database 12c Release 2以降で非CDB構成の場合

       sqlplus "sys/sysのパスワード@監視対象のデータベースのネットサービス名 AS SYSDBA" @mk_rmus.sql

      監視対象がOracle Database 12c Release 2以降で,CDB構成の場合

      ・PDBにローカル・ユーザーを作成する場合

       sqlplus "sys/sysのパスワード@監視対象のPDBのネットサービス名 AS SYSDBA" @mk_rmus.sql

      ・ルート・コンテナ(CDB$ROOT)に共通ユーザーを作成する場合

       sqlplus "sys/sysのパスワード@監視対象のルート・コンテナ(CDB$ROOT)のネットサービス名 AS SYSDBA" @mk_rmus.sql

    • mk_rmus.sqlスクリプトを実行すると,スクリプトの処理で実行結果をスプールファイルに出力します。ただし,mk_rmus.sqlスクリプトを実行時に,カレントフォルダを手順2で示すフォルダに変更していない場合,スプールファイルの作成に失敗します。

  4. Oracleのアカウント作成に必要なパラメーターを設定する。

    表2-4に示した項目を,コマンドの指示に従って入力してください。各項目とも省略はできません。デフォルトで表示されている値を,項目の入力とする場合はリターンキーだけを押してください。

すべての入力が終了すると,Oracleのアカウントが作成されます。

注意
  • PFM - RM for Oracleが使用するアカウントをsys以外に設定した場合,SYSスキーマに属するオブジェクトへの操作に対する,SQL Text(PD_PDSQ)レコードのExplain Plan(EXPLAIN_PLAN)フィールドの値を取得できません。この場合,Explain Plan(EXPLAIN_PLAN)フィールドには「Explain Plan Failed」というメッセージが格納されます。SYSスキーマのオブジェクトに対する,SQL Text(PD_PDSQ)レコードのExplain Plan(EXPLAIN_PLAN)フィールドの値を取得したい場合は,PFM - RM for Oracleの使用するアカウントに,sysを指定してください。

  • SQLを実行したユーザーのスキーマに属するオブジェクトに対して,PFM - RM for Oracleの使用するアカウントにアクセスする権限がない場合,またはオブジェクトを参照できない場合,SQL Text(PD_PDSQ)レコードのExplain Plan(EXPLAIN_PLAN)フィールドの値を取得できません。この場合,Explain Plan(EXPLAIN_PLAN)フィールドには「Explain Plan Failed」というメッセージが格納されます。Explain Plan(EXPLAIN_PLAN)フィールドの値を取得したい場合は,このフィールドの対象となるSQLを所有者.テーブル名で実行してください。

  • mk_rmus.sqlスクリプトを実行して作成したOracleのアカウントには,UPDATE ANY TABLEシステム権限など,ほかのスキーマのオブジェクトを自由に操作する権限が付与されますので,アカウントの管理には十分注意してください。

    Oracleのアカウントに付与される権限と表領域の割り当て制限を次の表に示します。

    表2‒5 mk_rmus.sqlでOracleのアカウントに付与される権限と表領域の割り当て制限

    種別

    付与される権限/割り当て制限

    説明

    システム権限

    CREATE SESSION

    監視先のOracle Databaseに対して,セッションを確立するために必要。

    CREATE TABLE

    監視先のOracle Databaseに対して,Oracle Databaseを監視するために必要なテーブル(表2-11を参照)を登録するときに必要。

    CREATE PROCEDURE

    監視先のOracle Databaseに対して,Oracle Databaseを監視するために必要な監視用のプロシージャ(表2-11を参照)を登録するときに必要。

    SELECT ANY DICTIONARY

    監視先のOracle Databaseに対して,Oracle Databaseを監視するために必要な情報(表2-11を参照)を登録するとき,および情報収集するために必要。

    SELECT ANY TABLE

    SQL Text(PD_PDSQ)レコードのExplain Plan(EXPLAIN_PLAN)フィールドを取得するために必要。

    INSERT ANY TABLE

    SQL Text(PD_PDSQ)レコードのExplain Plan(EXPLAIN_PLAN)フィールドを取得するために必要。

    UPDATE ANY TABLE

    SQL Text(PD_PDSQ)レコードのExplain Plan(EXPLAIN_PLAN)フィールドを取得するために必要。

    DELETE ANY TABLE

    SQL Text(PD_PDSQ)レコードのExplain Plan(EXPLAIN_PLAN)フィールドを取得するために必要。

    CREATE ANY INDEX

    SQL Text(PD_PDSQ)レコードのExplain Plan(EXPLAIN_PLAN)フィールドを取得するために必要。

    ALTER ANY INDEX

    SQL Text(PD_PDSQ)レコードのExplain Plan(EXPLAIN_PLAN)フィールドを取得するために必要。

    表領域に対する割り当て制限

    デフォルト表領域に対する無制限の割り当て

    監視先のOracle Databaseに対して,

    Oracle Databaseを監視するために必要な情報(表2-11を参照)を登録するとき,およびPD_PDSQレコードのExplain Planフィールドを取得するために必要です。

注※

作成されたアカウントには,デフォルト表領域に指定された表領域に対して無制限に書き込みができる権限が付与されます。表領域の使用量の割り当てを変更する場合は,アカウントの作成後に,Oracleのsqlplusコマンドが実行できる環境でALTER USER文を発行してください。なお,ALTER USER文を実行するOracleアカウントには,ALTER USERシステム権限が必要になります。

使用量の割り当て変更の例を次に示します。

(例)

 ALTER USER Oracleのアカウント QUOTA 表領域使用量の上限値 ON 表領域名;

ALTER USER文の詳細については,Oracleのマニュアルを参照してください。

(3) インスタンス環境の設定

PFM - RM for Oracleでは,インスタンス環境および監視対象の設定が必要です。インスタンス環境の設定と監視対象の設定は1対1の関係です。

PFM - RM for Oracleでは,1つのインスタンス環境に定義できる監視対象は1つだけです。複数のインスタンス環境および監視対象を設定する場合は,次の手順を繰り返し実施します。

例えば,3つのOracleのインスタンスを監視したい場合は,これらの設定を3つそれぞれについて実施します。

複数のインスタンス環境を作成する場合,インスタンス数はシステムの構成に依存し,その目安は3〜5インスタンスです。収集するレコードを減らす,または収集間隔を広げることでインスタンス数を増やすことができます。なお,運用の前に十分に検証してください。

それぞれの手順について説明します。

(a) インスタンス情報を設定する

PFM - RM for Oracleで監視するOracleのインスタンス情報を設定します。インスタンス情報の設定は,PFM - RMホストで実施します。

設定するインスタンス情報を次の表に示します。セットアップの操作を始める前に,次の情報をあらかじめ確認してください。Oracleのインスタンス情報の詳細については,Oracleのマニュアルを参照してください。

表2‒6 PFM - RM for Oracleのインスタンス情報

項目

説明

設定できる値

デフォルト値

oracle_sid

監視対象となるOracleシステム識別子(環境変数ORACLE_SIDと同じ値)。

255バイト以内の半角文字列。

ただし,次の文字は指定できない。

  • 空白文字

  • タブ

  • 次の記号

    「,」「<」「>」

jpcconf inst setupコマンドの-instオプションで指定した値

oracle_home※1

PFM - RM for Oracleが使用するOracleクライアントのOracleホームのフォルダ(環境変数ORACLE_HOMEと同じ値)。※2

255バイト以内の半角文字列。

ただし,次の文字は指定できない。

  • 空白文字

  • タブ

  • 次の記号

    「,」「<」「>」

oracle_version※1

PFM - RM for Oracleが使用するOracleクライアントのバージョン番号。

Oracle Client 12c以降(Oracle Client 18cなど)を使用する場合は,12を指定する。

2桁の数字。

  • Oracle 11gのとき:11

  • Oracle 12c以降のとき:12

11

oracle_user※3

Oracleを監視するアカウント。

指定できるアカウント,および必要な権限については,「(2) PFM - RM for Oracleで使用するOracleのアカウントの作成」を参照のこと。

255バイト以内の半角文字列。

ただし,次の文字は指定できない。

  • 空白文字

  • タブ

  • 次の記号

    「,」「<」「>」

sys

oracle_passwd※3,※4

oracle_userで指定したアカウントのパスワード。

255バイト以内の半角文字列。

ただし,次の文字は指定できない。

  • 空白文字

  • タブ

  • 次の記号

    「,」「<」「>」

net_service_name※1,※5

監視対象のデータベースのネットサービス名。

監視対象のデータベースのネットサービス名については,Oracleのマニュアルを参照のこと。

255バイト以内の半角文字列。

ただし,次の文字は指定できない。

  • 空白文字

  • タブ

  • 次の記号

    「,」「<」「>」

インスタンス名(oracle_sidの値)

retry_time

Oracle接続時に認証エラーが出力された場合に,再接続を試みる秒数。

指定した期間を経過後に認証エラーが発生した場合は,PFM - RM for Oracleのサービスを停止する。

0の場合は,認証エラー時に再接続を試みないでPFM - RM for Oracleのサービスを停止する。

startup_alwaysが「N」の場合,有効となる。

startup_alwaysが「Y」の場合,指定を無視する。

0〜600(単位:秒)。

0

log_path※6

エージェントログの出力先フォルダ(絶対パス)。

245バイト以内の半角文字列。

ただし,次の文字は指定できない。

  • タブ

  • 次の記号

    「/」「:」「,」「;」「*」「?」「"」「<」「>」「|

注意
  • デフォルト以外のフォルダを設定する場合,インストール先フォルダ配下となるパスは指定できない。

  • ほかのインスタンス出力先として指定している値は指定できない。

インストール先フォルダ\agt1\agent\インスタンス名\log

log_size

エージェントログの1ファイルの最大サイズ。※7

1〜32(単位:メガバイト)。

ただし,推奨は16以上。

16

timeout※8

クエリー時のOracleアクセスのタイムアウト時間。

0,10〜3600(単位:秒)。

0を指定した場合はタイムアウト監視を行わない。1〜9を指定した場合は,実行時,10に変更する。

タイムアウトについては,「2.6.5 レコード収集でのOracleアクセスのキャンセル機能」を参照のこと。

0

sql_option※9

Y」を指定した場合,PI_PIDB,PD_PDTSレコードで,次の項目※9の情報収集を行わず,0またはnumeric_10で指定した値を設定する。

YN

N

numeric_10※10

sql_optionが「Y」の場合,情報収集しない項目に設定する値を指定する。sql_optionが「N」の場合,指定を無視する。

0〜99999。

ただし,設定するフィールドのデータ型の最大値(shortの場合32767,ushortの場合65535)を超える値を指定した場合,データ型の最大値が設定される。※11

0

startup_always

PFM - RM for Oracle起動時に監視対象のOracleが起動処理中であった場合などに,PFM - RM for OracleがOracle接続エラーで停止することがある。

Y」を指定した場合,接続エラーが発生しても起動処理を継続する。「N」を指定した場合,この動作を有効にしない。

YN

Y

localtemp_option※12

PD_PDDB, PI_PIDB,PD_PDDF,PI_PIDF,PD_PDTF, PD_PDTS,PD_PCTSレコードのローカル管理一時表領域の空き容量の情報の表示を切り替えるオプション。

Y」を指定した場合,使用されていないサイズを表示する。「N」を指定した場合,未割り当てのサイズを表示する。

YN

N

nls_lang※13

PFM - RM for OracleがOracle Databaseとの通信で使用する文字コード形式を指定するオプション。

文字コードセット

日本語Windowsの場合

AMERICAN_AMERICA.US7ASCIIAMERICAN_AMERICA.JA16SJISTILDE

簡体字中国語Windowsの場合

AMERICAN_AMERICA.US7ASCIIAMERICAN_AMERICA.ZHS32GB18030

その他言語のWindowsの場合

AMERICAN_AMERICA.US7ASCII

AMERICAN_AMERICA.US7ASCII

undospace_option※14

PD_PDDB,PI_PIDB,PD_PDDF,PI_PIDF,PD_PDTS,PD_PCTSレコードのUNDO表領域の空き容量の表示を切り替えるオプション。

N」を指定した場合,未割り当てのサイズを表示する。

Y」を指定した場合,未使用なサイズを表示する。

YN

Y

(凡例)

−:なし

注※1

10-50以前のバージョンではOracle Client 32-bitを前提製品としていましたが,11-00以降のバージョンではOracle Client 64-bitを前提製品としています。

バージョン10-50以前の設定方法では,Oracle Databaseに接続できないため,バージョン11-00以降では,Oracle Client 64-bitを前提として,設定する必要があります。

バージョン11-00以降,インスタンス情報の設定は次の表のように異なるため,設定内容を確認してください。

項目

PFM - RM for Oracleのバージョン

10-50以前

11-00以降

oracle_home

Oracle Client 32-bitのOracleホームを指定する。

Oracle Client 64-bitのOracleホームを指定する。

oracle_version

Oracle Client 32-bitのバージョンを指定する。

Oracle Client 64-bitのバージョンを指定する。

Oracle Client 12c以降(Oracle Client 18cなど)を使用する場合は,12を指定する。

net_service_name

Oracle Client 32-bitで設定した監視対象のOracle Databaseに接続できるネットサービス名を指定する。

Oracle Client 64-bitで設定した監視対象のOracle Databaseに接続できるネットサービス名を指定する。

注意
  • PFM - RM for Oracle 10-50以前から11-00以降にバージョンアップする場合,インスタンス情報の設定内容が変更になるため,PFM - RM for Oracleのサービスを起動する前にインスタンス情報を更新してください。

    また,Oracle Client 32-bitは不要になります。Oracle Client 32-bitをPFM - RM for Oracle以外で使用しない場合,アンインストールしても問題ありません。

  • Oracle Client 32-bitのORACLE_HOMEを指定して,PFM - RM for Oracleを起動すると,KAVL18020-Eのメッセージが表示されます。

注※2

PFM - RM for OracleがOracle Databaseのクライアントライブラリを使用する(PFM - RM for Oracle導入サーバにOracle Database 64bitがインストールされている)場合には,Oracle DatabaseのOracleホームを指定してください。

注※3

PFM - RM for Oracleは,Oracleのパスワード認証で動作します。

注※4

oracle_passwdにパスワードの有効期限が設定されている場合,有効期限に達するとOracleとの接続エラーが起こり,パフォーマンス情報を収集できません。Oracleとの接続エラーを起こさないようにするために,パスワードの有効期限が切れる前に,次のどちらかを設定してください。

  • パスワードの有効期限を解除します。

  • パスワードの更新後,jpcconf inst setupコマンドを実行し,oracle_passwdを更新します。

なお,mk_rmus.sqlで作成したOracleのアカウントには,Oracleが提供しているDEFAULTのプロファイルが適用されます。

注※5

PFM - RM for Oracleが使用するOracleクライアントのネットワークサービス(tnsnames.oraなど)を設定している必要があります。

また監視対象となるOracleのネットワークサービス定義(listener.oraなど)を設定し,リスナーを起動しておく必要があります。

Oracle RAC構成のOracle Databaseインスタンスを監視するときは,各ノードのOracle Databaseインスタンスを監視するよう設定してください。設定方法については,Oracleのマニュアルを参照してください。

また,tnsnames.oraファイルは次に示すフォルダに格納してください。

oracle_homeで指定したフォルダ\network\admin

これ以外のフォルダに格納したときは,PFM - RM for OracleがOracle接続エラーとなります。

注※6

変更前のパス情報は保存されません。手動でファイルなどに履歴として記録しておいてください。トラブルなどによって,変更前のディレクトリからのエージェントログの採取が必要となる場合があります。

注※7

エージェントログは,1インスタンスにつき最大4ファイルが採取されます。log_sizeの値は,次の条件を満たすことを確認して指定してください(log_pathがデフォルトの場合を含む)。

log_pathに指定したドライブの空き容量(メガバイト) > log_sizeの値×4

ハードディスクに十分な空き容量がない場合,エージェントログが出力エラーとなります。エージェントログについては「7.3 ログ情報」を参照してください。

注※8

タイムアウト値は,高負荷時(ピーク時)に収集するレコードの収集時間に応じて設定してください。

注※9

PFM - RM for OracleではOracleの各セグメント関連の情報を取得するため,Oracleの静的ディクショナリ・ビュー DBA_SEGMENTSを検索します。Oracleに大量のセグメント(数十万件以上のセグメント)が存在する場合,情報収集で非常に時間が掛かるときがあります。そのため,大量のセグメントが存在し,次の表に示す情報の収集が不要な場合,sql_optionを「Y」と設定して運用してください。

表2‒7 レコード名とnumeric_10で指定した値(インスタンス情報の設定)

レコード名

PFM - View名

numeric_10で指定した値

PD_PDTS

Segments

有効

Extents

有効

PI_PIDB

DB Files %

有効

Log Files %

有効

NextAlloc Fails

有効

Tablespaces

有効

Rollback Segments

有効

Rollback Segments Trans

有効

Blocks

有効

Segments

有効

Extents

有効

Free Mbytes

有効

Overextended

有効

High Max Extent

有効

Datafiles

有効

Mbytes

有効

Free Extents

有効

Free%

有効

Free Change

有効

Write%

有効

Write/sec

有効

Redo Files

有効

Links

有効

Links Logged On

有効

Links In Tran

有効

Links Open Cursors

有効

Used Change

有効

Used Mbytes

有効

Rollback Segments Hit%

有効

Sort Segments

有効

Sorting Users

有効

Physical Blocks Read

デルタ項目のため,常に0設定。

Physical Blocks Written

デルタ項目のため,常に0設定。

Physical Reads

デルタ項目のため,常に0設定。

Physical Writes

デルタ項目のため,常に0設定。

注※10

PFM - Web Consoleなどで表示した場合に,注※9の各フィールドに設定される値がOracle Databaseからの収集値なのか,または固定値なのかを判別するために指定する項目です。

注※11

各レコードのフィールドの形式が,「float」または「double」型の場合,データは浮動小数点数となるため,指定値によってまるめられる場合があります。

(例)

numeric_10の指定を32767と指定した場合,32760と表示される場合があります。

注※12

localtemp_optionに「Y」を指定した場合,ローカル管理一時表領域の空き容量やエクステントに関しての情報を動的パフォーマンスビューのv$sort_segment,またはv$temp_extent_poolを使用して取得します。取得する情報の空き容量は,収集時に使用していた領域のサイズから未使用サイズを算出します。

localtemp_optionに「N」を指定した場合,ローカル管理一時表領域の空き容量やエクステントに関しての情報を動的パフォーマンスビューのv$temp_space_headerを使用して取得します。取得する情報の空き容量は,未割り当てのサイズとなります。一度割り当てられたサイズは,一時表領域の再構築や再作成などをするまで解放されないため,解放されるまで空き容量は増加しません。

v$temp_extent_poolビューを検索した場合,Oracleのインスタンスが休止状態となります。Oracle Databaseの性能に影響することがありますので,十分に検討してから設定してください。詳細については,Oracleのマニュアルを参照してください。

v$temp_extent_poolビューを使用するレコードは次の通りです。

  • Data File(PD_PDDF)

  • Data File Interval(PI_PIDF)

注※13

PFM - RM for Oracleが扱うデータとOSの言語環境,インスタンス情報nls_langとの関係図を以下に示します。

図2‒5 データと設定値との関係

[図データ]

PFM - RM for Oracleでは7ビットアスキーに加え,日本語Windows環境ではSJIS形式,簡体字中国語Windows環境ではGB18030形式のパフォーマンスデータを収集できます。

OSの言語環境および監視対象Oracleのデータベースキャラクタセットによって,nls_langインスタンス情報に設定できる値の組み合わせは次のとおりです。

PFM - RM for OracleをインストールしたOSの言語環境

監視対象OracleのNLS_CHARACTERSET

(データベースキャラクタセット)

nls_langインスタンス情報(本項目)

日本語

JA16SJISTILDE

AMERICAN_AMERICA.JA16SJISTILDEまたはAMERICAN_AMERICA.US7ASCII

JA16SJIS

その他

AMERICAN_AMERICA.US7ASCII

簡体字中国語

ZHS16GBK

AMERICAN_AMERICA.ZHS32GB18030またはAMERICAN_AMERICA.US7ASCII

AL32UTF8

その他データベースキャラクタセット

AMERICAN_AMERICA.US7ASCII

その他言語

依存なし

AMERICAN_AMERICA.US7ASCII

注※

7ビットアスキーの範囲外のパフォーマンスデータは文字化けが発生します。

上記以外の組み合わせの場合,パフォーマンスデータの文字化けが発生することがあります。

nls_langインスタンス情報に不正な文字コードセットを指定した場合,errcodeが12705のメッセージ「KAVL18302-W」を出力し,Oracleとの接続に失敗します。

また,次の場合にパフォーマンスデータの文字化けが発生します。

  1. Oracleのカラム長を超えることによる文字化け

    Oracleにカラム長を超えるデータを格納する場合,最終文字で文字化けが発生することがあります。Oracleで文字化けが発生するデータをPFM - RM for Oracleで収集すると,パフォーマンスデータの最終文字で文字化けが発生します。

  2. PFM - RM for Oracleのフィールドサイズを超えることによる文字化け

    PFM - RM for OracleではOracleからレコードのフィールドサイズ分のパフォーマンスデータを取得します。そのためOracleがフィールドサイズを超えるデータを保持している場合,パフォーマンスデータの最終文字で文字化けが発生することがあります。対象となるフィールドは次のとおりです。

    レコード名

    フィールド名

    フィールドサイズ

    (単位:byte)

    Parameter Values(PD_PDP)

    Value

    512

    SQL Text(PD_PDSQ)

    Explain Plan

    30000

    SQL Text

    30000

注※14

undospace_optionに「N」を指定した場合,UNDO表領域の空き容量は,未割り当てのサイズを収集します。UNDO表領域のうち,リテンション期間が過ぎて使用可能になった領域は解放されるまでの間,割り当て済みの領域として扱います。

undospace_optionに「Y」を指定した場合,UNDO表領域の空き容量は,未使用サイズを収集します。UNDO表領域のうち,リテンション期間が過ぎて使用可能になった領域は未使用サイズに含みます。

undospace_optionにより値が変わるフィールドは次のとおりです。

レコード名

フィールド名

Data File(PD_PDDF)

Free %

Free Mbytes

Used Mbytes

Data File Interval

(PI_PIDF)

Free %

Free Change

Free Mbytes

Used Change

Used Mbytes

Database(PD_PDDB)

Free %

Free Mbytes

Used Mbytes

Database Interval

(PI_PIDB)

Free %

Free Change

Free Mbytes

Used Change

Used Mbytes

Tablespace(PD_PDTS)

Free %

Free Mbytes

Used Mbytes

Max Extend Free %

Max Extend Free Mbytes

Collection Tablespace 2

(PD_PCTS)

Free Mbytes

注意
  • インスタンス環境を設定していない場合,PFM - RM for Oracleのサービスを起動できません。

  • jpcconf inst setupコマンドを使用してインスタンス環境を構築する際,Oracle上に存在しないインスタンス名を指定した場合でもコマンドは正常に終了します。しかし,その後レコードの収集を開始すると,共通メッセージログに「KAVL18401-W」のメッセージが出力され,監視対象のOracleに接続できません。この場合,正しいインスタンス名を確認の上,再度jpcconf inst setupコマンドを実行してください。

  • 複数のPFM - RM for Oracleで同じOracleインスタンスを監視しないでください。また,PFM - RM for OracleとPFM - Agent for Oracleで同じOracleインスタンスを監視しないでください。

  • PFM - RM for Oracleの監視対象に,Oracle9iを指定しないでください。指定した場合,PFM - RM for Oracleは共通ログに「KAVL18501-E」を出力して停止します。

インスタンス環境を構築するには,jpcconf inst setupコマンドを使用します。インスタンス環境の構築手順を次に示します。

  1. サービスキーおよびインスタンス名を指定して,jpcconf inst setupコマンドを実行する。

    例えば,PFM - RM for Oracleのインスタンス名SDCのインスタンス環境を構築する場合,次のように指定してコマンドを実行します。

    jpcconf inst setup -key RMOracle -inst SDC

    なお,インスタンス名に「sql」という名称は使用できません。

    jpcconf inst setupコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Performance Management リファレンス」の,コマンドについて説明している章を参照してください。

  2. PFM - RM for Oracleのインスタンス情報を設定する。

    表2-6に示した項目を,コマンドの指示に従って入力してください。各項目とも省略はできません。デフォルトで表示されている値を,項目の入力とする場合はリターンキーだけを押してください。

すべての入力が終了すると,インスタンス環境が構築されます。構築時に入力したインスタンス情報を変更したい場合は,再度jpcconf inst setupコマンドを実行し,インスタンス環境を更新してください。インスタンス環境の更新については,「2.6.3 インスタンス環境の更新の設定」を参照してください。

構築されるインスタンス環境を次に示します。

  • インスタンス環境のフォルダ構成

    次のフォルダ下にインスタンス環境が構築されます。

    物理ホストの場合:インストール先フォルダ\agt1

    論理ホストの場合:環境フォルダ\jp1pc\agt1

    注※

    環境フォルダとは,論理ホスト作成時に指定した共有ディスク上のフォルダです。

    構築されるインスタンス環境のフォルダ構成を次に示します。

    表2‒8 インスタンス環境のフォルダ構成

    フォルダ名・ファイル名

    説明

    agent

    インスタンス名

    jpcagt.ini

    Remote Monitor Collectorサービス起動情報ファイル

    jpcagt.ini.model

    Remote Monitor Collectorサービス起動情報ファイルのモデルファイル

    status.dat

    内部処理用中間ファイル

    tstatuses.dat

    仮想Agentステータス情報

    targetlist.ini

    監視対象一覧

    grouplist.ini

    グループ一覧

    GARULES.DAT

    グループ化ルールの記述一覧

    targets

    リモートエージェント格納フォルダ

    groups

    グループエージェント格納フォルダ

    log

    ログファイル格納フォルダ

    store

    インスタンス名

    jpcsto.ini

    Remote Monitor Storeサービス起動情報ファイル

    jpcsto.ini.model

    Remote Monitor Storeサービス起動情報ファイルのモデルファイル

    *.DB

    パフォーマンスデータファイル

    *.IDX

    パフォーマンスデータファイルのインデックスファイル

    *.LCK

    パフォーマンスデータファイルのロックファイル

    status.dat

    内部処理用中間ファイル

    *.DAT

    データモデル定義ファイル

    dump

    エクスポート先フォルダ

    import

    標準のデータベースインポート先フォルダ

    backup

    バックアップ先フォルダ

    log

    ログファイル格納フォルダ

    partial

    標準のデータベース部分バックアップ先フォルダ

    STPD

    PDレコードタイプのパフォーマンスデータ格納先フォルダ

    STPI

    PIレコードタイプのパフォーマンスデータ格納先フォルダ

    注※

    インスタンス環境を構築した時点の設定値に戻したいときに使用します。

  • インスタンス環境のサービスID

    インスタンス環境のサービスIDは次のようになります。

    • Remote Monitor Collectorサービスの場合

      1Aインスタンス番号 インスタンス名[ホスト名]

    • Remote Monitor Storeサービスの場合

      1Sインスタンス番号 インスタンス名[ホスト名]

    • Group Agentサービスの場合

      1Aインスタンス番号 インスタンス名[All@ホスト名]

    PFM - RM for Oracleの場合,インスタンス名にはjpcconf inst setupコマンドで指定したインスタンス名が表示されます。

    例えば,ホスト名が「host1」で,インスタンス名に「SDC」を指定した場合,サービスIDは次のようになります。

    • Remote Monitor Collectorサービスの場合

      1A1SDC[host1]

    • Remote Monitor Storeサービスの場合

      1S1SDC[host1]

    • Group Agentサービスの場合

      1A1SDC[All@host1]

    サービスIDについては,マニュアル「JP1/Performance Management 設計・構築ガイド」の,付録に記載されている命名規則を参照してください。

  • インスタンス環境のWindowsのサービス名

    インスタンス環境のWindowsのサービス名は次のようになります。

    • Remote Monitor Collectorサービスの場合

      PFM - RM for Oracle インスタンス名[論理ホスト名]

    • Remote Monitor Storeサービスの場合

      PFM - RM Store for Oracle インスタンス名[論理ホスト名]

    例えば,論理ホスト名が「lhost」で,インスタンス名に「SDC」を指定した場合,サービス名は次のようになります。

    • Remote Monitor Collectorサービスの場合

      PFM - RM for Oracle SDC[lhost]

    • Remote Monitor Storeサービスの場合

      PFM - RM Store for Oracle SDC[lhost]

    Windowsのサービス名については,マニュアル「JP1/Performance Management 設計・構築ガイド」の,付録に記載されている命名規則を参照してください。また,論理ホストで運用する場合のWindowsのサービス名については,マニュアル「JP1/Performance Management 運用ガイド」の,クラスタシステムでの構築と運用について説明している章を参照してください。

(b) 監視対象を設定する

監視対象の設定では,「(a) インスタンス情報を設定する」で設定したインスタンスに監視対象ホストの情報を設定します。

監視対象の設定は,PFM - RMホストで実施します。

設定する情報を次の表に示します。セットアップの操作を始める前に,次の情報をあらかじめ確認してください。

表2‒9 PFM - RM for Oracleの監視対象の設定

項目

説明

設定できる値

デフォルト値

jpcconf target setupコマンドによる再更新の可/不可

Target Host

監視対象となるOracleが稼働しているホスト名。

論理ホストの場合は,論理ホスト名。

1〜32バイトの半角英数字およびハイフン(-)だけ使用できる。ただし,「-」から始まる名前は指定できない。

インスタンス内でユニーク※1である必要がある。

※2

(凡例)

−:なし

注※1

All」はグループエージェント用の予約語のため使用できません。

注※2

指定を省略した場合は,PFM - RMホストのホスト名が仮定されます。

注意
  • PFM - RM for Oracleを起動するためには,監視対象の設定が必要です。

    監視対象を設定しないでPFM - RM for Oracleを起動した場合,共通メッセージログに「KAVL18639-E」のメッセージが出力され,PFM - RM for Oracleは停止します。

  • PFM - RM for Oracleは,インスタンス環境で指定したoracle_sidで,監視対象のOracleインスタンスを特定します。

    Target Hostで指定したホスト名はヘルスチェックだけに使用され,Oracleインスタンスへの接続には使用されません。

    Target Hostに不正なホスト名を指定した場合,パフォーマンスデータの収集状況と,ヘルスチェック結果は一致しないことがあります。

  • 監視対象の設定で指定した値が不正な場合でも,監視対象の生成コマンドは正常に終了します。

  • 監視対象となるOracleインスタンスのホストにファイアウォールが設定されている場合,PFM - RM for Oracleが使用するOracleクライアントからの接続が拒否されないように設定してください。Oracleの環境設定については,Oracleのマニュアルを参照してください。また,Oracleの環境設定後は,Oracleのsqlplusコマンドが実行できる環境かどうか確認してください。

監視対象の環境を構築するには,jpcconf target setupコマンドを使用します。監視対象の環境の構築手順を次に示します。

  1. サービスキー,インスタンス名および監視対象名を指定して,jpcconf target setupコマンドを実行する。

    jpcconf target setup -key RMOracle -inst インスタンス名 -target 監視対象名
  2. PFM - RM for Oracleの監視対象の情報を設定する。

    表2-9に示した項目を,コマンドの指示に従って入力してください。各項目とも省略はできません。デフォルトで表示されている値を入力値とする場合は,リターンキーだけを押してください。

すべての入力が終了すると,インストール先フォルダ\agt1以下に監視対象の環境が構築されます。構築時に入力した監視対象の情報を変更したい場合は,再度jpcconf target setupコマンドを実行し,監視対象の環境を更新してください。監視対象の環境の更新については,「2.6.2 監視対象の更新の設定」を参照してください。

構築される監視対象の環境のフォルダ構成を次に示します。

表2‒10 監視対象の環境のフォルダ構成

フォルダ名・ファイル名

説明

agent

インスタンス名

targets

監視対象名.ini

監視対象設定ファイル

監視対象名.ini.model

監視対象設定ファイルのモデル

(c) Oracle Databaseへオブジェクトを登録する

PFM - RM for OracleでOracle Databaseを監視するためには,監視先のOracle Databaseに対して,PFM - RM for Oracleが提供するオブジェクトを登録する必要があります。ここでは,PFM - RM for Oracleが提供しているSQLスクリプトを次の手順で実行します。なお,この手順は,Oracle Databaseのインスタンスを監視するアカウントごとに,1回だけ必要です。

また,監視対象がOracle Database 12c Release 2以降でCDB構成の場合,監視するPDBにオブジェクトを登録してください。sysアカウントを使用する場合は,監視するPDBごとにsp_rist.sqlを実行してください。ルート・コンテナ(CDB$ROOT)の監視では,オブジェクトを使用しないためCDB$ROOTへのオブジェクトの登録はしないでください。

  1. Oracleのsqlplusコマンドが実行できる環境を設定する。

    Oracleの環境設定については,Oracleのマニュアルを参照してください。

  2. PFM - RM for Oracleが提供しているsp_rist.sqlがある,次のフォルダに移動する。

    インストール先フォルダ\agt1\agent\sql

  3. 監視先のOracle Databaseに対して,sp_rist.sqlスクリプトを実行する。

    インスタンス情報のoracle_userに指定したアカウントでOracle Databaseに接続し,sp_rist.sqlスクリプトを実行してください。

    sp_rist.sqlスクリプトによって,PFM - RM for OracleがOracleを監視するときに必要なオブジェクト(監視用のプロシージャや作業用のテーブル)をOracleに登録します。

    (例)

    監視対象がOracle Database 12c Release 1以前の場合,または監視対象がOracle Database 12c Release 2以降で非CDB構成の場合

    sqlplus Oracleのアカウント/Oracleのアカウントのパスワード@監視対象のデータベースのネットサービス名 @sp_rist.sql

    監視対象がOracle Database 12c Release 2以降で,CDB構成の場合

    sqlplus Oracleのアカウント/Oracleのアカウントのパスワード@監視対象のPDBのネットサービス名 @sp_rist.sql

    • sqlplusは,ORACLE Corporationが提供しているコマンドです。

    • Oracleのアカウントには,oracle_userの値を指定してください。ここで実行したOracleのアカウントでデータベースにオブジェクトが作成されます。また,アンセットアップの際には,同じOracleのアカウントで実行する必要があります。

    • OracleのアカウントにSYSユーザーを使用する場合,AS SYSDBAオプションを指定しないで,sp_rist.sqlスクリプトを実行するとエラーになる場合があります。その場合は,AS SYSDBAオプションを指定して実行してください。

    このコマンドの実行で,次の表に示すテーブルおよびパッケージが作成されます。

    表2‒11 作成されるテーブルおよびパッケージ

    テーブル

    パッケージ

    LSC_14_PLAN_TABLE

    LSC_14_PDAS,LSC_14_73_PDDB,LSC_14_PDDB2,LSC_14_PDI,LSC_14_73_PIDB,LSC_14_PIDB2,LSC_14_PIDB3

    注※

    LSC_14_PLAN_TABLEは,SQL Text(PD_PDSQ)レコードを収集する場合だけ使用されるため,SQL Text(PD_PDSQ)レコードを収集される場合は,デフォルト表領域に5メガバイト以上の空き容量を確保しておく必要があります。

(d) Oracle Databaseを設定する

PFM - RM for Oracleが提供するレコードで,次の表に示すパフォーマンスデータを収集するためには,Oracle Databaseの初期化パラメーター「TIMED_STATISTICS」の値を「TRUE」に変更する必要があります。

表2‒12 TIMED_STATISTICS=TRUEを設定しないと収集できない項目

レコード

フィールド

ASM Disk(PD_PDDK)

Read Time(READ_TIME)

Write Time(WRITE_TIME)

Data File Interval(PI_PIDF)

Write Time(WRITE_TIME)

Session Detail(PD_PDS)

Avg Wait(AVERAGE_WAIT)

Avg Wait String(AVERAGE_WAIT_STRING)

Time Waited(TIME_WAITED)

Time Waited String(TIME_WAITED_STRING)

Session Statistics Summary(PD_PDS2)

Statement CPU(STATEMENT_CPU)

System Stat Summary(PD)

Session CPU Usage(SESSION_CPU_USAGE)

System Stat Summary Interval(PI)

Session CPU Usage(SESSION_CPU_USAGE)

注意
  • 初期化パラメーターファイルを変更した場合は,データベースインスタンスの再起動が必要です。

  • サーバ・パラメーターファイルの値を変更した場合,初期化パラメーターファイルによる変更よりも優先されることがあります。

  • 初期化パラメーターのTIMED_STATISTICSTRUEに設定すると,時間の統計に関するオーバーヘッドが発生し,Oracle Databaseの性能に影響することがありますので,十分に検討してから設定してください。詳細については,Oracleのマニュアルを参照してください。

(4) ネットワークの設定[図データ]

Performance Managementを使用するネットワーク構成に応じて行う設定です。

ネットワークの設定には次の2つの項目があります。

(5) ログのファイルサイズ変更[図データ]

Performance Managementの稼働状況を,Performance Management独自のログファイルに出力します。このログファイルを「共通メッセージログ」と呼びます。このファイルサイズを変更したい場合に,必要な設定です。

詳細については,マニュアル「JP1/Performance Management 設計・構築ガイド」の,インストールとセットアップについて説明している章を参照してください。

(6) パフォーマンスデータの格納先の変更[図データ]

PFM - RM for Oracleで管理されるパフォーマンスデータを格納するデータベースの保存先,バックアップ先またはエクスポート先のフォルダを変更したい場合に必要な設定です。

パフォーマンスデータは,デフォルトでは次の場所に保存されます。

注意

論理ホストで運用する場合のデフォルトの保存先については,「インストール先フォルダ」を「環境フォルダ\jp1pc」に読み替えてください。

詳細については,「2.6.1 パフォーマンスデータの格納先の変更」を参照してください。

(7) PFM - RM for Oracleの接続先PFM - Managerの設定

PFM - RM for Oracleがインストールされているホストで,そのPFM - RM for Oracleを管理するPFM - Managerを設定します。接続先のPFM - Managerを設定するには,jpcconf mgrhost defineコマンドを使用します。

重要
  • 同一ホスト上に,複数のPFM - RMがインストールされている場合でも,接続先に指定できるPFM - Managerは,1つだけです。PFM - RMごとに異なるPFM - Managerを接続先に設定することはできません。

  • PFM - RM for OracleとPFM - Managerが同じホストにインストールされている場合,接続先PFM - ManagerはローカルホストのPFM - Managerとなります。この場合,接続先のPFM - ManagerをほかのPFM - Managerに変更できません。

手順を次に示します。

  1. Performance Managementのプログラムおよびサービスを停止する。

    セットアップを実施する前に,ローカルホストでPerformance Managementのプログラムおよびサービスが起動されている場合は,すべて停止してください。サービスの停止方法については,マニュアル「JP1/Performance Management 運用ガイド」の,Performance Managementの起動と停止について説明している章を参照してください。

    jpcconf mgrhost defineコマンド実行時に,Performance Managementのプログラムおよびサービスが起動されている場合は,停止を問い合わせるメッセージが表示されます。

  2. 接続先のPFM - Managerホストのホスト名を指定して,jpcconf mgrhost defineコマンドを実行する。

    例えば,接続先のPFM - Managerがホストhost01上にある場合,次のように指定します。

    jpcconf mgrhost define -host host01

(8) 動作ログ出力の設定[図データ]

アラーム発生時に動作ログを出力したい場合に必要な設定です。動作ログとは,システム負荷などのしきい値オーバーに関するアラーム機能と連動して出力される履歴情報です。

設定方法については,「付録K 動作ログの出力」を参照してください。