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JP1 Version 12 JP1/Performance Management リファレンス


jpctool config sync

〈このページの構成〉

形式

jpctool  config  sync       [-noprogress]

機能

jpctool config syncコマンドは,PFM - Managerホストで定義情報のリストアを実行した場合に,PFM - ManagerホストとPFM - Agent,PFM - RMホスト間の構成情報を同期するコマンドです。同期する構成情報を次に示します。

コマンドを実行できるホスト

PFM - Manager

実行権限

Windowsの場合

Administrators権限を持つユーザー(WindowsのUAC機能が有効な場合は管理者コンソールから実行)

UNIXの場合

rootユーザー権限を持つユーザー(uid=0のユーザー)

格納先ディレクトリ

Windowsの場合

インストール先フォルダ\tools\

UNIXの場合

/opt/jp1pc/tools/

引数

-noprogress

このオプションを指定すると,同期処理の進捗状況は出力されません。

同期結果ファイルの出力

jpctool config syncコマンドでは,コマンドの終了時に,同期処理を実行したすべてのホスト,サービスの実行結果を,CSVファイル形式の同期結果ファイルに出力します。同期結果ファイルの概要について,次の表に示します。

表3‒86 同期結果ファイルの概要

項目

OS

内容

ファイル名

syncresult.csv

配置するパス

Windows

  • PFM - Managerが物理ホストの場合

    インストール先フォルダ\log

  • PFM - Managerが論理ホストの場合

    環境ディレクトリ\jp1pc\log

UNIX

  • PFM - Managerが物理ホストの場合

    /opt/jp1pc/log

  • PFM - Managerが論理ホストの場合

    環境ディレクトリ/jp1pc/log

権限・所有者

Windows

  • PFM - Managerが物理ホストの場合

    インストール先フォルダ\logの権限を引き継ぐ。

  • PFM - Managerが論理ホストの場合

    環境ディレクトリ\jp1pc\logの権限を引き継ぐ。

UNIX

666 [rw-rw-rw-]

owner/group

AIXの場合:root(0)/system(0)

SUSE Linux 15以降の場合:root(0)/root(0)

上記以外の場合:root(0)/sys(3)

作成契機

コマンド実行ごとに新規にファイルを作成する。

ファイルサイズ

最大でも1MB未満に収まる。

注※

すでにファイルがある場合は,既存の内容が破棄されます。

同期結果ファイルの出力例

同期結果ファイルの出力例を次に示します。

DateTime=YYYY/MM/DD HH:MM:SS
Hostname,Service ID,Sync Result,Message
hostA,0A1hostA,Success,
hostA,0S1hostA,Success,
hostA,PH1hostA,Success,
hostB,PH1hostB,Failure,Unknown service
hostB,TA1hostB,Failure,Unknown service
hostB,TS1hostB,Failure,Unknown service
hostC,7A1inst1[hostC],Failure,Host not available
hostC,7A1inst1[All@hostC],Failure,Host not available
hostC,7A1inst1[target1@hostC],Failure,Host not available
hostC,7A1inst1[target2@hostC],Failure,Host not available
hostC,7S1inst1[hostC],Failure,Host not available
hostC,PH1hostC,Failure,Host not available
hostC,TA1hostC,Failure,Host not available
hostC,TS1hostC,Failure,Host not available

同期結果ファイルの出力内容の詳細について,次の表に示します。

表3‒87 同期結果ファイルの出力内容

項目

出力形式

出力内容

出力位置

実行日時

DateTime=YYYY/MM/DD△HH:MM:SS

YYYY=西暦年,MM=月,DD=日,HH=時,MM=分,SS=秒)

タイムゾーン内の処理開始日時が出力される。

1行目

ラベル

HostName,Service ID,Sync Result,Message

左記の内容が出力される。

2行目

サービスごとの同期結果の情報

<ホスト名>,<サービスID>,<同期結果>,<要因メッセージ>

  • ホスト名

    該当するサービスのホスト名が出力される。

  • サービスID

    該当するサービスのサービスIDが出力される。

同期結果および要因メッセージに出力される内容については,次に示す表を参照してください。

3行目以降

(同期処理を実行したサービスの数だけ出力される)

(凡例)

△:半角スペース

注※

通信エラーによって同期処理が失敗した場合,該当するホストに対して,PFM - Managerホストが認識しているサービスの数だけ結果レコードが出力されます。各レコードのサービスIDラベルには,空文字ではなくサービスIDが出力されます。

同期処理が成功または失敗した場合に,同期結果ファイルの「同期結果」ラベルと「要因メッセージ」ラベルに出力されるメッセージの内容と,対処方法について次の表に示します。

表3‒88 同期結果ファイルの出力内容と対処方法

項番

同期結果

出力内容

対処方法

同期結果

要因メッセージ

1

同期に成功した。

Success

2

PFM - Baseのバージョンが10-00-10未満のため,ActionHandlerサービスとの同期に失敗した。

Failure

Incompatible version

メッセージに出力されたActionHandlerサービスを再起動してください。

3

同期対象のサービスが削除されているため,対象サービスとの同期に失敗した。

Failure

Service not exist

PFM - Agent,PFM - RMホストの環境をPFM - Managerホストが認識している環境に合わせる場合,メッセージに出力されたサービスをPFM - Agent,PFM - RMホスト上で作成および起動してください。

PFM - Managerホストが認識している環境を実際のPFM - Agent,PFM - RMホストの環境に合わせる場合,次のとおり実行してください。

  1. 対象サービスがアラームテーブルをバインドしている場合は,jpctool alarm unbindコマンドまたは,PFM - Web Consoleから,すべてのアラームテーブルをアンバインドしてください。

  2. 対象サービスをアクション実行先として指定しているアラーム定義がある場合は,jpctool alarm importコマンドまたは,PFM - Web Consoleから,該当するアラーム定義のアクション実行先を変更してください。

  3. PFM - Managerホストでjpctool service deleteコマンドを実行してください。

4

PFM - Managerが認識していないサービスが追加されているため,追加されているサービスとの同期に失敗した。

Failure

Unknown service

PFM - Agent,PFM - RMホストの環境をPFM - Managerホストが認識する環境に合わせる場合,メッセージに出力されたサービスをPFM - Agent,PFM - RMホスト上で削除してください。

PFM - Managerホストが認識する環境を実際のPFM - Agent,PFM - RMホストの環境に合わせる場合,メッセージに出力されたサービスを再起動してください。

5

同期対象ホストに通信できなかったため,同期対象ホストとの同期に失敗した。

Failure

Host not available

PFM - Agent,PFM - RMホストの環境をPFM - Managerホストが認識する環境に合わせる場合,メッセージに出力されたホストのすべてのサービスを再起動してください。

PFM - Managerホストが認識する環境を実際のPFM - Agent,PFM - RMホストの環境に合わせる場合,次のとおり実行してください。

  • 対象サービスがアラームテーブルをバインドしている場合は,jpctool alarm unbindコマンドまたは,PFM - Web Consoleから,すべてのアラームテーブルをアンバインドしてください。

  • 対象サービスをアクション実行先として指定しているアラーム定義が存在する場合は,jpctool alarm importコマンドまたは,PFM - Web Consoleから,該当アラーム定義のアクション実行先を変更してください。

  • PFM - Managerホストでjpctool service deleteコマンドを実行してください。

6

通信エラーなどの,項番2〜5以外の原因によって,同期対象との同期に失敗した。

Failure

Synchronization failure

メッセージに出力されたホスト,またはサービスを再起動してください。

7

同期対象のサービスと通信はできるが,応答がないため,同期結果が不明である。

Failure

No response

メッセージに出力されたサービスを再起動してください。

8

リストア時にPFM - Managerホストが認識していないPFM - Agent,PFM - RMホストがあるため,該当するPFM - Agent,PFM - RMホストとの同期に失敗した。

自身で管理しているPFM - Agent,PFM - RMホストの一覧と,コマンドが出力した同期結果ファイルを比較することで,実際の環境にはある,PFM - Managerホストが認識していない該当するホストを特定し,ホスト内のすべてのサービスを再起動してください。

(凡例)

−:なし

注意事項

戻り値

0

正常終了した。

1

コマンドラインの形式が不正である。

2

コマンドの実行権限がない。

5

PFM - Managerがインストールされていない。

12

コマンドが実行中である。

100

Performance Managementの環境が不正である。

101

Name Serverなど,必要なサービスが起動していない。

200

メモリーが不足している。

210

ディスク容量が不足している。

211

ファイルまたはディレクトリにアクセスできない。

222

通信処理でエラーが発生した。

237

1つ以上のサービス情報の同期に失敗した。

255

予期しないエラーが発生した。

使用例

PFM - ManagerホストとPFM - Agent,PFM - RMホスト間の構成情報を同期する場合のコマンド実行例を次に示します。

jpctool config sync

出力例

PFM - ManagerホストとPFM - Agent,PFM - RMホスト間の構成情報の同期に失敗した場合の標準出力の出力例を次に示します。

標準出力の出力例

KAVE06117-I構成情報の同期処理を開始します
[50/50]
KAVE06121-W同期処理に非対応のため同期が行えなかったサービスが存在します
KAVE06132-I同期結果の判定処理を開始します
KAVE06133-I同期結果の判定処理が正常終了しました
KAVE06118-I 構成情報の同期処理が正常終了しました