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JP1 Version 12 JP1/Performance Management 運用ガイド


10.4.3 PFM - Web Consoleのインストールとセットアップ

〈この項の構成〉

(1) インストールとセットアップの流れ

図10‒23 論理ホスト運用するPFM - Web Consoleのインストールおよびセットアップの流れ

[図データ]

手順中の[図データ]は実行系ノードで行う項目を,[図データ]は待機系ノードで行う項目を示します。また,[図データ]は使用する環境によって必要になるセットアップ項目,またはデフォルトの設定を変更する場合のオプションのセットアップ項目を示します。

(2) インストール手順[図データ] [図データ]

実行系ノードおよび待機系ノードに,PFM - Web Consoleを新規インストールします。インストール手順は非クラスタシステムの場合と同じです。

インストール手順については,マニュアル「JP1/Performance Management 設計・構築ガイド」の,インストールとセットアップ(UNIXの場合)について説明している章を参照してください。

注意
  • インストール先はローカルディスクです。共有ディスクにはインストールしないでください。

  • 実行系ノードと待機系ノードのPFM - Web Consoleは同じパスにインストールしてください。

(3) セットアップ手順

PFM - Web Consoleを論理ホスト運用する場合,実行系ノードと待機系ノードで環境構成を同じにする必要があります。

(a) LANG環境変数の設定[図データ] [図データ]

実行系ノードおよび待機系ノードでLANG環境変数を設定します。

LANG環境変数の設定手順については,マニュアル「JP1/Performance Management 設計・構築ガイド」のLANG環境変数の設定について説明している個所を参照してください。

(b) PFM - Web Consoleにエージェント情報を登録する[図データ] [図データ] [図データ]

クラスタシステムでPFM - AgentまたはPFM - RMを一元管理するために,実行系ノードおよび待機系ノードのPFM - Web ConsoleにPFM - AgentまたはPFM - RMのエージェント情報を登録します。

PFM - Web Consoleに登録されている場合には,本手順は不要です。登録されていない場合には,本手順により手動登録をしてください。

手動登録の要否については次の条件を確認してください。

次の条件を満たす場合に手動登録してください。

  • インストールするPFM - AgentまたはPFM - RMの製品バージョンがPFM - Web Consoleのリリースノートに記載していないバージョンである。

ただし,PFM - AgentまたはPFM - RMのリリースノートにセットアップコマンドの実行が必要であることが記載されている場合は,セットアップコマンドを実行してください。

PFM - Web Consoleのエージェント情報の追加セットアップは,「図10-23 論理ホスト運用するPFM - Web Consoleのインストールおよびセットアップの流れ」で示す流れで実施します。

  1. セットアップファイルをコピーする。[図データ] [図データ]

    PFM - AgentまたはPFM - RMのセットアップファイルを,PFM - Web Consoleの実行系ノードおよび待機系ノードの次の場所にコピーします。

    /opt/jp1pcwebcon/setup/

    コピーするセットアップファイルおよび手順は,PFM - Managerに追加セットアップする場合と同じです。詳細については,マニュアル「JP1/Performance Management 設計・構築ガイド」の,インストールとセットアップ(UNIXの場合)について説明している章を参照してください。

  2. 待機系ノードでセットアップコマンドを実行する。[図データ]

    待機系ノードで,jpcwagtsetupコマンドを実行し,エージェント情報を登録します。

    次のようにコマンドを実行します。

    jpcwagtsetup

    jpcwagtsetupコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Performance Management リファレンス」の,コマンドについて説明している章を参照してください。

補足

PFM - AgentまたはPFM - RMのエージェント情報をPFM - Web Consoleに登録した場合は,PFM - Web Consoleを再起動する必要があります。ただし,待機系ノードは,フェールオーバー時にPFM - Web Consoleが再起動されるため,手順2のあとの再起動は必要ありません。

(c) 接続先PFM - Managerを設定する[図データ]

PFM - Web Consoleが接続するPFM - ManagerホストのIPアドレスまたはホスト名を,待機系ノードで,初期設定ファイル(config.xml)に設定します。

<vsa>タグ配下,<vserver-connection>タグ内のhostに,接続するPFM - ManagerホストのIPアドレスまたはホスト名を指定してください。接続するPFM - Managerがクラスタシステムで運用されている場合は,論理IPアドレスまたは論理ホスト名を指定してください。

初期設定ファイル(config.xml)の詳細については,マニュアル「JP1/Performance Management リファレンス」の定義ファイルについて説明している章を参照してください。

(d) PFM - Web Consoleの論理ホストを設定する[図データ]

PFM - Web Consoleホストの論理IPアドレスまたは論理ホスト名を,待機系ノードで,初期設定ファイル(config.xml)に設定します。

<vsa>タグ配下,<vserver-connection>タグ内のownHostに,PFM - Web Consoleホストの論理IPアドレスまたは論理ホスト名を指定してください。

初期設定ファイル(config.xml)の詳細については,マニュアル「JP1/Performance Management リファレンス」の定義ファイルについて説明している章を参照してください。

(e) ブックマーク定義情報の格納先を設定する[図データ]

ブックマークの定義情報を格納するディレクトリを,待機系ノードで,初期設定ファイル(config.xml)に設定します。

<vsa>タグ配下,<bookmark>タグ内のbookmarkRepositoryに,ブックマークの定義情報を格納するフォルダを指定してください。指定するフォルダは,フェールオーバー時に情報を引き継がせるため,共有ディスク上のフォルダとします。

初期設定ファイル(config.xml)の詳細については,マニュアル「JP1/Performance Management リファレンス」の定義ファイルについて説明している章を参照してください。

(f) プロセス監視定義テンプレートの格納先を設定する[図データ]

プロセス監視の定義テンプレートを格納するフォルダを,待機系ノードで,初期設定ファイル(config.xml)に設定します。

<vsa>タグ配下,<process-monitoring>タグ内のprocessMonitoringTemplatesRepositoryに,ブックマークの定義情報を格納するフォルダを指定してください。指定するフォルダは,フェールオーバー時に情報を引き継がせるため,共有ディスク上のフォルダとします。

初期設定ファイル(config.xml)の詳細については,マニュアル「JP1/Performance Management リファレンス」の定義ファイルについて説明している章を参照してください。

(g) usrconf.cfgを設定する[図データ]

システムロケールとusrconf.cfgファイルの言語設定が異なる場合,待機系ノードでusrconf.cfgファイルの設定を変更します。

なお,PFM - Web Consoleのインストール後にシステムロケールを変更した場合には,必ずusrconf.cfgファイルの設定を見直してください。

オプション定義ファイル(usrconf.cfg)の詳細については,マニュアル「JP1/Performance Management リファレンス」の,定義ファイルについて説明している章を参照してください。

(h) Webブラウザと監視コンソールサーバ間の暗号化通信の設定[図データ]

Webブラウザと監視コンソールサーバ間で暗号化通信を利用する場合は,PFM - Web ConsoleとWebブラウザで設定が必要です。詳細については,マニュアル「JP1/Performance Management 設計・構築ガイド」の,Webブラウザと監視コンソールサーバ間の暗号化通信の設定および変更の流れについて説明している個所を参照してください。

(i) 設定ファイルの実行系ノードへのコピー[図データ] [図データ]

(b),(c),(d)および(e)で編集した初期設定ファイル(config.xml)を,実行系ノードにコピーします。実行系ノードの次の場所にコピーしてください。

/opt/jp1pcwebcon/conf/

(f)で待機系ノードのusrconf.cfgファイルの設定を変更した場合は,実行系ノードにコピーします。実行系ノードの次の場所にコピーしてください。

/opt/jp1pcwebcon/CPSB/CC/server/usrconf/ejb/PFMWebConsole/

(j) 共有ディスクのオンライン確認[図データ]

実行系ノードで共有ディスクがオンラインになっていることを確認します。共有ディスクがオンラインになっていない場合は,クラスタソフトからの操作やボリュームマネージャーの操作などで,共有ディスクをオンラインにしてください。

(k) PFM - AgentまたはPFM - RM情報を追加セットアップする[図データ] [図データ]

実行系ノードで(a)でコピーしたセットアップファイルを使い,PFM - AgentまたはPFM - RMのエージェント情報を追加セットアップします。

  1. 実行系ノードで,PFM - Web Consoleサービスを停止する。

    クラスタソフトへの登録前の場合,jpcwstopコマンドでサービスを停止させてください。強制停止する場合は,jpcwstopコマンドに-immediateオプションを付けて実行してください。

    クラスタソフトへの登録後,PFM - AgentまたはPFM - RMの追加など構成を変更する場合,クラスタソフトからサービスを停止させてください。なお,構成変更の詳細については,「10.5 クラスタシステムでの構成変更(UNIXの場合)」を参照してください。

  2. 実行系ノードでセットアップコマンドを実行する。

    次のようにコマンドを実行します。

    jpcwagtsetup

    jpcwagtsetupコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Performance Management リファレンス」の,コマンドについて説明している章を参照してください。

  3. 実行系ノードで,PFM - Web Consoleサービスを起動する。

    手順1で停止させていたPFM - Web Consoleサービスを起動します。

(4) クラスタソフトの設定手順

クラスタソフトにPFM - Web Consoleを設定します。実行系ノードと待機系ノードでそれぞれに設定します。

(a) クラスタソフトでのPFM - Web Consoleの登録[図データ] [図データ]

PFM - Web Consoleを論理ホスト運用する場合は,クラスタソフトに登録し,クラスタソフトからの制御でPFM - Web Consoleを起動したり停止したりするように設定します。

クラスタソフトに,アプリケーションを登録する場合に必要な項目は「起動」「停止」「動作監視」「強制停止」の4つがあります。

PFM - Web Consoleでは,次の表のように設定します。

表10‒9 クラスタソフトに登録するPFM - Web Consoleの制御方法

項目

説明

起動

次のコマンドを実行して,PFM - Web Consoleを起動する。

/opt/jp1pcwebcon/tools/jpcwstart

停止

次のコマンドを実行して,PFM - Web Consoleを停止する。

/opt/jp1pcwebcon/tools/jpcwstop

強制停止

次のコマンドを実行して,PFM - Web Consoleを強制停止する。

/opt/jp1pcwebcon/tools/jpcwstop -immediate

動作監視

次のプロセスが動作していることを,psコマンドで確認する。

ps -ef | grep "プロセス名" | grep -v "grep 監視対象のプロセス"

プロセス名については「10.6.1(3) サービス名について」を参照のこと。

注意
  • クラスタに登録するPFM - Web Consoleは,クラスタから起動および停止を制御しますので,OS起動時の自動起動設定をしないでください。

  • PFM - Web Consoleを日本語環境で実行する場合,クラスタソフトに登録するスクリプトでLANGを設定してから,起動コマンドを実行するようにしてください。

  • クラスタソフトがコマンドの戻り値で実行結果を判定する場合は,PFM - Web Consoleのコマンドの戻り値をクラスタソフトの期待する値に変換するように設定してください。PFM - Web Consoleのコマンドの戻り値については,各コマンドのリファレンスを確認してください。

  • ユーザーがPFM - Web Consoleを操作中にjpcwstopコマンドを実行した場合など,停止処理に時間が掛かる場合があります。

    クラスタソフトにjpcwstopコマンドを登録する際に,jpcwstopコマンドの戻り値(4)が返された場合に,数分待ってから再度jpcwstopコマンドを実行するスクリプトを作成して,jpcwstopコマンドを登録してください。

  • psコマンドでプロセス名および論理ホスト名を特定する場合,psコマンドがプロセス名および論理ホスト名の取得に失敗することがあります。psコマンドがプロセス名および論理ホスト名の取得に失敗すると,[ ](角括弧)が付いて表示されるケースがあります。OSのpsコマンドのリファレンスを確認して,コマンドを再実行してください。

(b) クラスタソフトからの起動と停止の確認[図データ] [図データ]

クラスタソフトからの操作で,PFM - Managerの起動および停止を各ノードで実行し,正常に動作することを確認してください。