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JP1 Version 12 JP1/Performance Management 運用ガイド


10.4.2 PFM - Managerのインストールとセットアップ

〈この項の構成〉

(1) インストールとセットアップの流れ

論理ホスト運用するPFM - Managerのインストールおよびセットアップの流れについて,次の図に示します。

図10‒20 論理ホスト運用するPFM - Managerのインストールおよびセットアップの流れ(UNIXの場合)

[図データ]

重要
  • 論理ホスト環境のPFM - Managerをセットアップすると,物理ホスト環境のPFM - Managerは実行できなくなります。ただし,Action Handlerサービスは物理ホスト環境で運用するPFM - AgentまたはPFM - RMも使用するため,実行できる状態のまま変更されません。

    論理ホスト環境のPFM - Managerをアンセットアップすると,物理ホスト環境のPFM - Managerが実行できるようになります。

  • 論理ホスト環境のPFM - Managerをセットアップすると,物理ホスト環境のPFM - Managerの定義内容がそのまま論理ホスト環境に引き継がれます。ただし,Storeデータベースの内容は引き継がれません。なお,論理ホスト環境のPFM - Managerをアンセットアップすると論理ホスト環境の定義内容やStoreデータベースが削除されるので,物理ホスト環境に引き継ぎできません。

  • Performance ManagementではJPC_HOSTNAMEを環境変数として使用しているため,ユーザー独自に環境変数として設定しないでください。設定した場合は,Performance Managementが正しく動作しません。

  • バージョン09-00以降のPFM - Managerの場合,新たに論理ホスト環境のPFM - Managerをセットアップすると,物理ホスト環境のヘルスチェック機能の設定が引き継がれます。必要に応じて,ヘルスチェック機能の設定を変更してください。

  • 論理ホスト環境では,監視ホスト名設定機能は使用できません。論理ホスト上のjpccomm.iniファイルは無視され,論理ホストで設定されたホスト名が有効になります。

  • 監視一時停止機能が有効になっている場合,セットアップ前にすべてのホストおよびエージェントに対する監視を再開する必要があります。

手順中の[図データ]は実行系ノードで行う項目を,[図データ]は待機系ノードで行う項目を示します。また,[図データ]は使用する環境によって必要になるセットアップ項目,またはデフォルトの設定を変更する場合のオプションのセットアップ項目を示します。

(2) インストール手順[図データ] [図データ]

実行系ノードおよび待機系ノードに,PFM - Managerを新規インストールします。インストール手順は非クラスタシステムの場合と同じです。インストール手順の詳細については,マニュアル「JP1/Performance Management 設計・構築ガイド」の,インストールとセットアップ(UNIXの場合)について説明している章を参照してください。

注意

インストール先はローカルディスクです。共有ディスクにはインストールしないでください。

(3) セットアップ手順

PFM - Managerのセットアップは,まず実行系ノードで実施します。次に,実行系ノードでセットアップした内容を環境定義ファイルにエクスポートします。最後にその環境定義ファイルを待機系ノードにインポートすることで,実行系ノードから待機系ノードへセットアップの内容を反映させます。

図10‒21 実行系ノードでセットアップした内容を待機系ノードへ反映する方法

[図データ]

各セットアップについて,次に説明します。

(a) LANG環境変数の設定[図データ] [図データ]

実行系ノードおよび待機系ノードでLANG環境変数を設定します。

LANG環境変数の設定手順については,マニュアル「JP1/Performance Management 設計・構築ガイド」のLANG環境変数の設定について説明している個所を参照してください。

(b) PFM - AgentまたはPFM - RM情報の追加セットアップ[図データ]  [図データ] [図データ]

クラスタシステムでPFM - AgentまたはPFM - RMを一元管理するために,実行系ノードおよび待機系ノードのPFM - Managerに,PFM - AgentまたはPFM - RMのエージェント情報を登録します。

PFM - Managerに登録されている場合には,本手順は不要です。登録されていない場合には,本手順により手動登録をしてください。

手動登録の要否については次の条件を確認してください。

次の条件をすべて満たす場合に手動登録してください。

  • インストールするPFM - AgentまたはPFM - RMの製品バージョンがPFM - Managerのリリースノートに記載していないバージョンである。

  • PFM - AgentまたはPFM - RMをPFM - Managerホスト以外にインストールしている。

ただし,PFM - AgentまたはPFM - RMのリリースノートにセットアップコマンドの実行が必要であることが記載されている場合は,セットアップコマンドを実行してください。

セットアップの手順は,非クラスタシステムの場合と同じです。手順については,マニュアル「JP1/Performance Management 設計・構築ガイド」の,インストールとセットアップ(UNIXの場合)について説明している章を参照してください。

(c) 共有ディスクのマウント[図データ]

共有ディスクがマウントされていることを確認します。共有ディスクがマウントされていない場合は,mountコマンドを実行してファイルシステムをマウントしてください。

注意

共有ディスクをマウントしないでセットアップすると,ローカルディスク上にファイルが作成されることがあります。

(d) PFM - Managerの論理ホストをセットアップする[図データ]

実行系ノードで,PFM - Managerの論理ホスト環境をセットアップします。セットアップを実施する前に,システム全体で,Performance Managementのプログラムおよびサービスをすべて停止する必要があります。

  1. 論理ホスト環境を作成する。

    jpcconf ha setupコマンドを実行して,PFM - Managerの論理ホスト環境を作成します。

    論理ホスト名は,-lhostで指定します。DNS運用をしている場合はドメイン名を省略した論理ホスト名を指定してください。共有ディスクのディレクトリ名は,-dの環境ディレクトリ名に指定します。

    例えば,論理ホスト名がjp1-ha1で環境ディレクトリが/usr/jp1の論理ホストをセットアップする場合は,次のようにコマンドを実行します。

    jpcconf ha setup -key Manager -lhost jp1-ha1 -d /usr/jp1

    このコマンドを実行すると,/usr/jp1の配下にjp1pcディレクトリが作成され,論理ホスト環境で必要なファイルが環境ディレクトリにコピーされます。例を次の図に示します。

    図10‒22 jpcconf ha setupコマンドの実行例

    [図データ]

    コマンドを実行すると,実行系ノードのローカルディスクから,必要なデータが共有ディスクにコピーされ,論理ホスト運用するために必要な設定が行われます。

    PFM - Managerの論理ホストのセットアップをすると,物理ホスト環境の接続先PFM - Managerが,セットアップした論理ホスト名に変更されます。

    jpcconf ha setupコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Performance Management リファレンス」の,コマンドについて説明している章を参照してください。

  2. 論理ホスト環境の設定を確認する。

    jpcconf ha listコマンドを実行して,論理ホストの設定を確認し,作成した論理ホスト環境が正しいことを確認してください。

    jpcconf ha list -key all

    コマンドの実行例を次に示します。

    [図データ]

    jpcconf ha listコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Performance Management リファレンス」の,コマンドについて説明している章を参照してください。

(e) PFM - AgentまたはPFM - RMの論理ホストのセットアップ[図データ] [図データ]

PFM - Managerのほかに,同じ論理ホストにセットアップするPFM - AgentまたはPFM - RMがある場合だけに必要な手順です。

セットアップ手順については,各PFM - AgentまたはPFM - RMマニュアルの,クラスタシステムでの運用について説明している章を参照してください。

(f) ネットワークの設定[図データ]

論理ホスト名または論理IPアドレスでPFM - ManagerとPFM - Web Consoleが通信するために,環境ディレクトリ/jp1pc/mgr/viewsvr/jpcvsvr.iniファイルに次の行を追加してください。

java.rmi.server.hostname=論理ホスト名または論理IPアドレス

PFM - ManagerとPFM - Web ConsoleおよびJP1/SLMの通信で使用するホスト名については,マニュアル「JP1/Performance Management リファレンス」の付録の,ポート番号について説明している個所を参照してください。

また,ネットワーク構成に応じて,IPアドレスとポート番号を変更する場合は,次の手順で設定してください。

  • IPv6通信を設定する

    Performance ManagementでIPv6通信を利用する場合に設定します。IPv6通信を利用する場合は,IPv6通信を利用するPFM - Agent,PFM - RM,およびPFM - Managerでjpcconf ipv6 enableコマンドを実行します。

    クラスタシステムの場合は,実行系および待機系のそれぞれで設定する必要があります。

    ただし,PFM - ManagerとPFM - Web Console間はIPv4通信だけに対応しています。

    詳細については,マニュアル「JP1/Performance Management 設計・構築ガイド」の,インストールとセットアップ(UNIXの場合)について説明している章を参照してください。

  • IPアドレスを設定する[図データ]

    IPアドレスを設定したい場合は,jpchostsファイルの内容を直接編集します。jpchostsファイルを編集した場合は,jpchostsファイルを実行系ノードから待機系ノードにコピーしてください。

    IPアドレスの設定方法については,マニュアル「JP1/Performance Management 設計・構築ガイド」の,インストールとセットアップ(UNIXの場合)について説明している章を参照してください。

  • ポート番号を設定する[図データ]

    ファイアウォールがあるネットワーク環境でPerformance Managementを運用する場合だけに必要な手順です。

    ファイアウォール経由でPerformance Managementの通信を実施する場合には,jpcconf port defineコマンドを使用してポート番号を設定します。

    例えば,論理ホスト名がjp1-ha1上のサービスのポート番号をすべて固定値に設定する場合,次のようにコマンドを実行します。

    jpcconf port define -key all -lhost jp1-ha1

    コマンドを実行すると,Performance Managementのポート番号とサービス名(デフォルトではjp1pcで始まるTCPのサービス名)がservicesファイルに追加定義されます。

    ポート番号の設定方法については,マニュアル「JP1/Performance Management 設計・構築ガイド」の,インストールとセットアップ(UNIXの場合)について説明している章を参照してください。

    ここでは,対話形式の実行例を示していますが,jpcconf port defineコマンドは非対話形式でも実行できます。jpcconf port defineコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Performance Management リファレンス」の,コマンドについて説明している章を参照してください。

  • PFM - Web ConsoleおよびJP1/SLMとの通信に使用するホスト名またはIPアドレスを設定する

    次の場合,PFM - Managerホストのjpcvsvr.iniファイルにPFM - Managerのホスト名またはIPアドレスを定義します。

    • PFM - ManagerホストとPFM - Web Consoleホスト間でIPアドレス変換(NAT変換)がされている。

    • PFM - ManagerホストとPFM - Web Consoleホスト間で複数のIPアドレスを使用する。

    • JP1/SLMと連携する場合,PFM - ManagerホストとJP1/SLMホスト間でIPアドレス変換(NAT変換)がされている。

    • JP1/SLMと連携する場合,PFM - ManagerホストとJP1/SLMホスト間で複数のIPアドレスを使用する。

    詳細については,マニュアル「JP1/Performance Management 設計・構築ガイド」の,インストールとセットアップ(UNIXの場合)について説明している章を参照してください。

(g) ログのファイルサイズ変更[図データ] [図データ]

Performance Managementの稼働状況を,Performance Management独自のログファイルに出力します。このログファイルを「共通メッセージログ」と呼びます。このファイルサイズを変更したい場合に,必要な設定です。

詳細については,マニュアル「JP1/Performance Management 設計・構築ガイド」の,インストールとセットアップ(UNIXの場合)について説明している章を参照してください。

(h) 認証モードの設定[図データ] [図データ]

Performance Managementの認証モードをPFM認証モードからJP1認証モードに変更したい場合に,必要な設定です。

詳細については,「2. ユーザーアカウントと業務グループの管理」を参照してください。

(i) 業務グループによるアクセスコントロール機能の設定[図データ] [図データ]

業務グループを利用してPerformance Managementのユーザーを管理したい場合に必要な設定です。起動情報ファイル(jpccomm.ini)で,業務グループによるアクセスコントロール機能の利用有無を設定します。

詳細については,「2. ユーザーアカウントと業務グループの管理」を参照してください。

(j) イベントデータの格納先の変更[図データ] [図データ]

PFM - Managerで管理されるイベントデータの格納先,バックアップ先,またはエクスポート先のフォルダを変更したい場合に必要な設定です。

イベントデータは,デフォルトで次の場所に格納されます。

  • 格納先フォルダ:環境ディレクトリ/jp1pc/mgr/store/

  • バックアップ先フォルダ:環境ディレクトリ/jp1pc/mgr/store/backup/

  • エクスポート先フォルダ:環境ディレクトリ/jp1pc/mgr/store/dump/

変更方法についての詳細は,マニュアル「JP1/Performance Management 設計・構築ガイド」の,インストールとセットアップ(UNIXの場合)について説明している章を参照してください。

(k) 動作ログ出力の設定[図データ] [図データ]

アラーム発生時に動作ログを出力したい場合に必要な設定です。動作ログとは,システム負荷などのしきい値オーバーに関するアラーム機能と連動して出力される履歴情報です。設定方法については,マニュアル「JP1/Performance Management 設計・構築ガイド」の付録の,動作ログの出力について説明している個所を参照してください。

(l) ヘルスチェック機能を設定する[図データ] [図データ]

  1. ヘルスチェック機能の設定を確認する。

    実行系のPFM - Managerホスト上でヘルスチェック機能のセットアップコマンドを次のように実行します。

    jpcconf hc display

    コマンドを実行すると,次に示すようにヘルスチェック機能の設定が表示されます。

    • ヘルスチェック機能が有効な場合:available

    • ヘルスチェック機能が無効な場合:unavailable

    jpcconf hc displayコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Performance Management リファレンス」の,コマンドについて説明している章を参照してください。

  2. ヘルスチェック機能の設定を変更する。

    必要に応じて,実行系のPFM - Managerホスト上でヘルスチェック機能のセットアップコマンドを次に示すように実行します。

    • ヘルスチェック機能を有効にする場合:

    jpcconf hc enable
    • ヘルスチェック機能を無効にする場合:

    jpcconf hc disable

    jpcconf hc enableコマンドおよびjpcconf hc disableコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Performance Management リファレンス」の,コマンドについて説明している章を参照してください。

(m) 論理ホスト環境定義ファイルをエクスポートする[図データ]

実行系ノードでPFM - Managerの論理ホスト環境が作成できたら,待機系ノードに実行系ノードの設定情報を反映します。まず,実行系ノードの論理ホスト環境定義をファイルにエクスポートします。同じ論理ホストにほかのPerformance Managementをセットアップする場合は,すべてのセットアップが済んだあとにエクスポートしてください。

  1. jpcconf ha exportコマンドを実行する。

    論理ホスト環境定義を,任意のファイルにエクスポートします。

    例えば,lhostexp.confファイルに論理ホスト環境定義をエクスポートする場合,次のようにコマンドを実行します。

    jpcconf ha export -f lhostexp.conf

    なお,エクスポートする論理ホスト環境のPFM - Managerでヘルスチェック機能が有効になっている場合,ヘルスチェックエージェントが論理ホストにセットアップされているため,ヘルスチェックエージェントに関する情報がエクスポートされます。

    ここでは,対話形式の実行例を示していますが,jpcconf ha exportコマンドは非対話形式でも実行できます。jpcconf ha exportコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Performance Management リファレンス」の,コマンドについて説明している章を参照してください。

(n) 論理ホスト環境定義ファイルの待機系ノードへのコピー[図データ] [図データ]

(m)でエクスポートしたファイルを,待機系ノードに反映するために,実行系ノードから待機系ノードにコピーします。

次に,ファイルシステムをアンマウントして作業を終了します。なお,その共有ディスクを続けて使用する場合は,ファイルシステムをアンマウントする必要はありません。

注意

共有ディスクがアンマウントされていても,指定した環境ディレクトリにjp1pcディレクトリとそれ以下のファイルがある場合は,共有ディスクをマウントしないでセットアップしています。この場合は次の手順で対処してください。

  1. ローカルディスク上の指定した環境ディレクトリにあるjp1pcディレクトリをtarコマンドでアーカイブする。

  2. 共有ディスクをマウントする。

  3. 共有ディスク上に指定した環境ディレクトリがない場合は,環境ディレクトリを作成する。

  4. 共有ディスク上の環境ディレクトリにtarファイルを展開する。

  5. 共有ディスクをアンマウントする。

  6. ローカルディスク上の指定した環境ディレクトリにあるjp1pcディレクトリ以下を削除する。

(o) 論理ホスト環境定義ファイルをインポートする[図データ]

実行系ノードからコピーしたエクスポートファイルを,待機系ノードにインポートします。

  1. jpcconf ha importコマンドを実行する。

    論理ホスト環境定義を待機系ノードにインポートします。

    例えば,エクスポートファイル名がlhostexp.confの場合,次のようにコマンドを実行します。

    jpcconf ha import -f lhostexp.conf

    jpcconf ha importコマンドを実行すると,待機系ノードの環境を,実行系ノードと同じ環境に設定変更します。これによって,論理ホスト運用でPFM - Managerを起動するための設定が実施されます。

    なお,インポートする論理ホスト環境のPFM - Managerでヘルスチェック機能が有効になっている場合,ヘルスチェックエージェントが論理ホストにセットアップされているため,ヘルスチェックエージェントに関する情報がインポートされます。

    ここでは,対話形式の実行例を示していますが,jpcconf ha importコマンドは非対話形式でも実行できます。jpcconf ha importコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Performance Management リファレンス」の,コマンドについて説明している章を参照してください。

  2. 論理ホスト環境の設定を確認する。

    実行系ノードと同じようにjpcconf ha listコマンドを実行して,論理ホストの設定を確認します。

    次のようにコマンドを実行します。

    jpcconf ha list -key all

    jpcconf ha listコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Performance Management リファレンス」の,コマンドについて説明している章を参照してください。

(4) クラスタソフトの設定手順

クラスタソフトの設定は,実行系ノードと待機系ノードのそれぞれで実施します。

(a) クラスタソフトでのPFM - Managerの登録[図データ] [図データ]

PFM - Managerを論理ホスト運用する場合は,クラスタソフトに登録し,クラスタソフトからの制御でPFM - Managerを起動したり停止したりするように設定します。

PFM - AgentまたはPFM - RMをクラスタソフトに登録する場合は,PFM - AgentまたはPFM - RMマニュアルの,クラスタシステムでの運用について説明している章を参照して,設定してください。

一般にUNIXのクラスタソフトに,アプリケーションを登録する場合に必要な項目は「起動」「停止」「動作監視」「強制停止」の4つがあります。

PFM - Managerでは,次の表のように設定します。

表10‒8 クラスタソフトに登録するPFM - Managerの制御方法

項目

説明

起動

次のコマンドを順に実行して,PFM - Managerを起動する。

/opt/jp1pc/tools/jpcspm start -key Manager -lhost 論理ホスト名
/opt/jp1pc/tools/jpcspm start -key AH -lhost 論理ホスト名

起動するタイミングは,共有ディスクおよび論理IPアドレスが使用できる状態になったあととする。

停止

次のコマンドを順に実行して,PFM - Managerを停止する。

/opt/jp1pc/tools/jpcspm stop -key AH -lhost 論理ホスト名
/opt/jp1pc/tools/jpcspm stop -key Manager -lhost 論理ホスト名

停止するタイミングは,共有ディスクおよび論理IPアドレスを使用できない状態にする前とする。

なお,障害などでサービスが停止しているときは,jpcspm stopコマンドの戻り値が3になる。この場合,サービスは停止されているので,正常終了と扱う。戻り値で実行結果を判定するクラスタソフトの場合は,戻り値を0にするなどで対応すること。

動作監視

次のプロセスが動作していることを,psコマンドで確認する。

ps -ef | grep "プロセス名 論理ホスト名"

プロセス名については「10.6.1(3) サービス名について」を参照のこと。なお,運用中にメンテナンスなどでPerformance Managementを一時的に停止する場合を想定して,動作監視を抑止する方法(例えば,メンテナンス中を意味するファイルがあると監視をしないなど)を用意しておくことを推奨する。

備考

ps -ef | grep "プロセス名 論理ホスト名"を実行すると,次に示すように不要なgrep行が表示される場合があります。

jpcah 論理ホスト名 -d /home/pfm/clu/jp1pc/bin/action

grep xxxx

この場合はgrep -v "grep xxxx"などを指定して,不要なgrep行が表示されないようにしてください。

grep -vは一例です。grep -vを指定してもgrep行が表示されるときは,OSのgrepコマンドの引数を確認してください。)

(例)

ps -ef | grep "プロセス名 論理ホスト名" | grep -v "grep xxxx"

強制停止

強制停止が必要な場合は,次のコマンドを実行する。

/opt/jp1pc/tools/jpcspm stop -key all -lhost 論理ホスト名 -kill immediate

第一引数のサービスキーに指定できるのは,allだけである。

注意

コマンドを実行すると,指定した論理ホスト環境すべてのPerformance Managementのプロセスが,SIGKILL送信によって強制停止される。このとき,サービス単位ではなく,論理ホスト単位でPerformance Managementが強制停止される。

なお,強制停止は,通常の停止を実行しても停止できない場合に限って実行するよう設定すること。

注意
  • クラスタに登録するPerformance Managementは,クラスタから起動および停止を制御しますので,OS起動時の自動起動設定をしないでください。

  • Performance Managementを日本語環境または中国語環境で実行する場合,クラスタソフトに登録するスクリプトでLANGを設定してから,Performance Managementのコマンドを実行するようにしてください。また,LC_ALLが設定されており,LANGの値と異なる場合は,クラスタソフトに登録するスクリプトでLC_ALLを解除するか,LANGと同一の値に変更してください。LC_ALLを解除する場合は,以下の設定を追加することで解除できます。

     unset LC_ALL

  • クラスタソフトがコマンドの戻り値で実行結果を判定する場合は,Performance Managementのコマンドの戻り値をクラスタソフトの期待する値に変換するように設定してください。Performance Managementのコマンドの戻り値については,各コマンドのリファレンスを確認してください。

  • psコマンドで動作を監視する場合,事前にpsコマンドを実行して,論理ホスト名とインスタンス名をつなげた文字列がすべて表示されることを確認してください。文字列が途中までしか表示されない場合は,インスタンス名を短くしてください。

    なお,psコマンドでプロセス名および論理ホスト名を特定する場合,psコマンドがプロセス名および論理ホスト名の取得に失敗することがあります。psコマンドがプロセス名および論理ホスト名の取得に失敗すると,[ ](角括弧)が付いて表示されるケースがあります。OSのpsコマンドのリファレンスを確認して,コマンドを再実行してください。

  • 統合管理製品(JP1/IM)と連携している場合は,次の順序でサービスが起動または停止するように依存関係を設定してください。

    ・PFM - Managerのサービスが起動するより前にJP1/Baseのサービスが起動

    ・JP1/Baseのサービスが停止するより前にPFM - Managerのサービスが停止

(b) クラスタソフトからの起動と停止の確認[図データ] [図データ]

クラスタソフトからの操作で,PFM - ManagerまたはPFM - Web Consoleの起動および停止を各ノードで実行して,正常に動作することを確認してください。