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JP1 Version 12 JP1/Performance Management 運用ガイド


9.2.2 コマンドでの定義情報のバックアップとリストア(PFM - Web Console以外の場合)

Performance Managementのサービスを停止することなく,コマンドラインでバックアップ操作を実行できます。バッチ処理と組み合わせることで,バックアップ作業を自動化できます。

PFM - Web Console以外のPerformance Managementでは,jpccfgbackupコマンドを実行して定義情報をバックアップし,ファイルコピーによってリストアします。

〈この項の構成〉

(1) 定義情報をバックアップする

コマンドを用いて,定義情報をバックアップする場合は,次に示す前提条件を確認した上で行ってください。

前提条件
  • UNIXで実行する場合,Kornシェル(ksh)を利用できる環境であること。

  • 各PFM - Agent固有または各PFM - RM固有の定義情報をコマンドでバックアップする場合は,PFM - AgentまたはPFM - RMのバージョンが10-00以降であること。10-00未満のエージェントの場合は,手動でコピーしてください。

注意
  • バックアップを取得する際は,取得した環境の製品バージョン番号を管理するようにしてください。

    製品バージョン番号の詳細については,リリースノートを参照してください。

  • バックアップ先ディレクトリにネットワークドライブを指定しないでください。

  • コマンドの実行中に定義・構成の変更を行わないでください。定義・構成の変更の操作を,次に示します。

    ・コマンドの場合:実行に管理者権限を必要とするすべての操作

    ・PFM - Web Consoleからの操作の場合:管理者ユーザーでだけ可能なすべての操作

    定義・構成の変更を実施した場合は,コマンドの実行に失敗するときがあります。コマンドの戻り値が235の場合は,定義・構成の変更を行わずに,コマンドを再度実行してください。

定義情報をバックアップする手順を以下に示します。

  1. バックアップを実行するホストにログインする

  2. 以下のディレクトリに移動する

    インストール先フォルダ\tools(Windowsの場合)

    /opt/jp1pc/tools(UNIXの場合)

  3. jpccfgbackupコマンドを実行する

    非クラスタシステムで運用している場合

    例えば,「C:\backup」フォルダに定義情報をバックアップしたいとき,次のようにコマンドを実行します。

    jpccfgbackup C:\backup

    クラスタシステムで運用している場合

    実行系ノードでの操作

    例えば,「C:\backup\jp1-ha1」フォルダに実行系ノードの定義情報をバックアップしたいとき,実行系ノードに共有ディスクを接続している状態で,次のようにコマンドを実行します。

    jpccfgbackup C:\backup\jp1-ha1

    待機系ノードでの操作

    例えば,「C:\backup\jp1-ha2」フォルダに待機系ノードの定義情報をバックアップしたいとき,待機系ノードに共有ディスクを接続していない状態で,次のようにコマンドを実行します。

    jpccfgbackup C:\backup\jp1-ha2

(2) 定義情報をリストアする

コマンドを用いてバックアップした定義情報をリストアする場合は,次に示す前提条件を確認した上で行ってください。

前提条件
  • リストアするホストのPFM - Web Consoleを除くPerformance Managementのサービスが停止していること。

  • PFM - Managerが管理しているシステム構成がバックアップしたときと同じであること。

  • それぞれのホストで,バックアップしたホスト名とリストアするホスト名が一致していること。

  • バックアップ環境のPFM 製品構成情報(PFM製品形名とそのバージョンおよびPFM - AgentやPFM - RMのインスタンス名およびインスタンス数)がリストア対象のPFM製品構成情報と一致していること。

注※

PFM - Managerが管理しているPFM - AgentおよびPFM - RMの次の内容が同じであることを意味します。

  • ネットワーク構成(ホスト名,IPアドレス)

  • インスタンス名,監視対象名

  • 製品バージョン

注意

Performance Management の設定情報をリストアする場合,バックアップを取得した環境とリストアする環境の製品バージョン番号が完全に一致している必要があります。製品バージョン番号の詳細については,リリースノートを参照してください。

定義情報をリストアする手順を次に示します。

  1. リストアを実行するホストにログインする。

  2. ホスト内のPFM - Web Consoleを除くすべてのPerformance Management のプログラムおよびサービスが停止していることを確認する。

  3. 定義情報のリストアを実行する。

    非クラスタシステムで運用している場合

    例えば,「C:\backup」フォルダに,コマンドを用いてバックアップした定義ファイルが格納されているとき,「C:\backup\jp1pcbackup\localhost」以下をすべて,以下のディレクトリに上書きする。

    Windows:インストール先フォルダ,UNIX:/opt/jp1pc

    クラスタシステムで運用している場合

    実行系ノードでの操作

    例えば,「C:\backup\jp1-ha1」フォルダに,コマンドを用いて実行系ノードでバックアップした定義ファイルが格納されているとき,「C:\backup\jp1-ha1\jp1pcbackup\localhost」以下をすべて,以下のディレクトリに上書きする。

    インストール先フォルダ(Windowsの場合)

    /opt/jp1pc(UNIXの場合)

    また,実行系ノードに共有ディスクを接続している状態で,「C:\backup\jp1-ha1\jp1pcbackup\論理ホスト名※1」以下をすべて,以下のディレクトリに上書きする。

    環境ディレクトリ※2\jp1pc\(Windowsの場合)

    環境ディレクトリ※2/jp1pc/(UNIXの場合)

    注※1

    論理ホスト名は,バックアップした論理ホスト名に置き換えてください。

    注※2

    環境ディレクトリは,論理ホスト作成時に作成される共有ディスク上のディレクトリです。

    待機系ノードでの操作

    例えば,「C:\backup\jp1-ha2」フォルダに,コマンドを用いて待機系ノードでバックアップした定義ファイルが格納されているとき,「C:\backup\jp1-ha2\jp1pcbackup\localhost」以下をすべて,以下のディレクトリに上書きする。

    インストール先フォルダ(Windowsの場合)

    /opt/jp1pc(UNIXの場合)

  4. ポート固定をしている場合,ポート情報のリストアを実行する。

    非クラスタシステムで運用している場合

    例えば,「C:\backup」フォルダに,コマンドを用いてバックアップした定義ファイルが格納されているとき,以下のコマンドを実行し,ポート情報のリストアを実行する。

    jpcconf port define -key all -input C:\backup\jp1pcbackup\pfm_port.def

    クラスタシステムで運用している場合

    実行系ノードでのリストアを実行後に,待機系ノードでのリストアを実行してください。

    実行系ノードでの操作

    例えば,「C:\backup\jp1-ha1」フォルダに,コマンドを用いて実行系ノードでバックアップした定義ファイルが格納されているとき,以下のコマンドを実行し,ポート情報のリストアを実行する。論理ホスト名にはクラスタシステムで利用している論理ホスト名を入力してください。

    物理ホストのポートのリストア

    jpcconf port define -key all -input C:\backup\jp1-ha1\jp1pcbackup\pfm_port.def

    論理ホストのポートのリストア

    jpcconf port define -key all -lhost 論理ホスト名 -input C:\backup\jp1-ha1\jp1pcbackup\pfm_port_論理ホスト名.def

    ポート情報のリストア後に,実行系でのポート設定を待機系で同期するために,実行系での論理ホスト環境定義をエクスポートする。ここで,エクスポートファイルをjp1-ha.confとすると,実行コマンドは以下となる。

    jpcconf ha export -f jp1-ha.conf

    待機系ノードでの操作

    例えば,「C:\backup\jp1-ha2」フォルダに,コマンドを用いて待機系ノードでバックアップした定義ファイルが格納されているとき,以下のコマンドを実行し,ポートのリストアを実行する。

    物理ホストのポートのリストア

    jpcconf port define -key all -input C:\backup\jp1-ha2\jp1pcbackup\pfm_port.def

    実行系ノードでの論理ホスト環境定義を,待機系ノードに反映するために,以下のコマンドを実行する。

    jpcconf ha import -f jp1-ha.conf

  5. PFMサービスを起動する非クラスタシステムで運用している場合jpcspm startコマンドを利用して,起動する。クラスタシステムで運用している場合クラスタソフトを利用して,起動する。

  6. PFM - Managerをリストアした場合は,PFM - Managerから次の同期コマンドを実行して,PFM - Managerに接続するPFM - AgentまたはPFM - RMのPFMサービスとの同期処理を実行する。

    jpctool config sync

    jpctool config syncコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Performance Management リファレンス」の,コマンドについて説明している章を参照してください。