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JP1 Version 12 JP1/Performance Management 設計・構築ガイド


付録C.7 運用に応じたメモリー量の見積もり方法

〈この項の構成〉

(1) メモリー見積もりの実施の前に

PFM - Web ConsoleのGUIでは,Performance Managementに同時にログインするユーザー数が多い場合,またはPFM - Managerに接続するPFM - AgentおよびPFM - RMの数が大量となるシステムの場合,非常に大きなメモリーを使用することがあります。

また,レポートを表示する場合,大量データのレポートを表示すると非常に大きなメモリーを使用することがあります。そのため,運用に応じたメモリー見積もりを実施して,適切なレポートを設定する必要があります。

レポートキャッシュファイル化機能を利用しない場合,または監視一時停止機能を利用する場合は,レポート表示時,または監視一時停止機能利用時に使用するメモリーも加算して,ここで説明しているメモリー見積もりの実施が必要になります。特にレポート表示機能,および監視一時停止機能を同時に利用する場合は,これらを合算したメモリーを使用するため,注意が必要です。条件に該当する場合,以降の手順に従ってメモリー見積もりを実施してください。

ここでは,GUI(PFM - Web Consoleの画面),jpcrptコマンドのレポート表示,および監視一時停止機能の実行に必要な,PFM - Manager(View Serverサービス)およびPFM - Web Consoleのメモリー見積もり方法について記載します。ここでの説明に従ってメモリー見積もりを実施してください。

この見積もり手順で対象となるメモリーはJavaのヒープ領域であり,プログラム上で使用可能な範囲は限定されています。例えば,物理メモリーが4ギガバイト積まれたような環境でも,物理メモリーの空き領域は関係なく,プログラムが別途確保した限られたヒープ領域を使用します。そのため,メモリーが大量に積まれた環境でも,メモリー見積もりを必ず実施してください。

なお,前述のシステム見積もりに記載されているPFM - Manager(View Serverサービス)およびPFM - Web Consoleのメモリー所要量は,この見積もり手順で対象となるJavaヒープメモリーを含んでいます。そのため,メモリー拡張を実施する場合は,PFM - Manager(View Serverサービス)およびPFM - Web Console製品のメモリー所要量に,拡張したメモリー量を追加してシステムを見直す必要があります。

(a) レポート表示機能利用時のデータ通信処理

図C‒1 PFMでのレポート表示のデータ通信処理概要

[図データ]

レポート表示を実行してからレポートが表示されるまでの流れを説明します。

  1. エージェント関連情報を要求(PFM - Web ConsoleのGUIだけ)

    PFM - Web ConsoleのGUIにログインすると,ユーザーごとにPFM - Manager(View Serverサービス)に対してエージェントに関連する情報を要求します。

  2. レポート要求

    PFM - Web ConsoleのGUIまたはjpcrptコマンドでレポート表示を実行すると,PFM - Manager(View Serverサービス)に対してレポートの表示を要求します。このとき,レポート表示に必要な情報(対象のPFM - Agent名,レコードや表示期間など)をPFM - Managerに送信します。

  3. レポート表示に必要なデータを要求

    レポート表示の要求を受けたView Serverサービスは,対象のPFM - Agentに対してレポート表示に必要なデータを要求します。このとき,レポート表示に必要な情報(対象のレコードや表示期間など)をPFM - Agentに送信します。

  4. レポート表示に必要なデータを送信

    レポート表示に必要なデータの要求を受けたPFM - Agentは,View Serverサービスに対してレポート表示に必要なデータ(稼働情報)を送信します。

  5. レポート表示に必要なデータを送信

    レポート表示に必要なデータを受けたView Serverサービスは,レポート表示の要求のあったGUIまたはjpcrptコマンドに対して,レポート表示に必要なデータを送信します。

  6. GUIまたはjpcrptコマンドのレポート表示(グラフ画像生成)

    レポート表示に必要なデータを受信したGUIまたはjpcrptコマンドは,受信したデータを基に,レポートを作成して表示します。この時,レポート定義にグラフ表示の設定がある場合は,グラフ画像を生成します。

GUIまたはjpcrptコマンドは,それぞれ別プロセスで動作するため,使用するメモリー領域も異なります。そのため,それぞれ別にメモリー見積もりを実施する必要があります。一方,View Serverサービスは,GUIまたはjpcrptコマンドでそれぞれ別にレポート表示の要求があった場合でも,同じメモリー領域を使用します。

メモ

図中の2.,3.の使用メモリー量は非常に小さいため,見積もりは必要ありません。

(b) 監視一時停止機能利用時のデータ通信処理

図C‒2 監視一時停止機能利用時のデータ通信処理

[図データ]

監視一時停止または再開を実行してから結果が表示されるまでの流れ,および監視状態取得を実行してから結果が表示されるまでの流れを説明します。

  • 監視一時停止または再開を実行してから結果が表示されるまでの流れ(PFM - Web Console(GUI)またはコマンド(jpctool monitor suspend/jpctool monitor resume))

    1. 監視一時停止または再開を要求※1

      ユーザー操作に従って,ホストまたはサービス単位での監視一時停止または再開を要求します。

    2. 監視状態変更と変更後の監視状態取得を要求

      Master Managerが管理する監視状態を,要求に従って更新します。また,要求によって影響を受ける各エージェントに対する監視状態の一覧を取得します。

    3. 監視状態を通知

      各エージェントに対して変更後の監視状態を通知します。また,通知に失敗したエージェントが存在した場合,適用未確認情報※2として管理します。

    4. 監視一時停止または再開の結果を出力

      この処理の結果を出力します。

  • 監視状態取得を実行してから結果が表示されるまでの流れ(PFM - Web Console(GUI)またはコマンド(jpctool monitor list))

    1. 監視状態取得を要求※1

      ユーザー操作に従って必要なエージェントに対する監視状態取得を要求します。

    2. 監視状態取得を要求

      Master Managerが管理する監視状態を要求に従って取得します。また,適用未確認情報※2に,通知に失敗したエージェントが登録されている場合,該当エージェントの監視状態にこの情報を付与します。

    3. 監視状態取得結果を出力

      この処理の結果を出力します。

注※1

各処理の1回分の対象として,環境にあるすべてのエージェントを指定できます。

注※2

環境にないホストの情報が含まれることがあります。

メモ
次の処理は同時に複数実行できます。

・監視一時停止または再開を実行してから結果が表示されるまでの流れの手順1.から手順4.までの処理と,監視状態取得を実行してから結果が表示されるまでの流れの手順1.から手順3.までの処理。

・監視状態取得を実行してから結果が表示されるまでの流れの手順1.から手順3.までの処理同士。

次の処理はシステム内で排他が掛かり,複数実行できません。

監視一時停止または再開を実行してから結果が表示されるまでの流れの手順2.から手順3.までの処理。

(2) GUI利用時のメモリー見積もり

GUI利用時のメモリー見積もり(メモリーサイズ設計)については,次の手順で見積もりを実施します。

図C‒3 GUI利用時のメモリー見積もり手順のフローチャート

[図データ]

メモリーサイズ設計は,View Serverサービスのメモリーサイズ設計(【手順1】【手順3】),GUIのメモリーサイズ設計(【手順4】【手順6】)の順で実施します。

(a) 【手順1】View Serverサービスで必要なメモリー量の見積もり

View Serverサービスで必要なメモリー量の見積もりでは,GUI,jpcrptコマンド,および監視一時停止機能について,それぞれ必要なメモリー量を考慮の上,見積もりを実施します。

GUIのレポート表示では,複数のログインユーザーが同時にレポートを実行する場合を考慮し,1回のレポートデータ受信に必要なデータ量(B1)の最大値ユーザー数によって見積もりを実施します。

jpcrptコマンドのレポート表示では,1回のレポートデータ受信に必要なデータ量(B1)の最大値によって見積もりを実施します。

監視一時停止機能では,エージェントの数に比例して扱うデータ量が増加します。また,複数のログインユーザーが同時に操作する場合を考慮し,エージェントごとに必要なメモリー量の理論値,環境に存在するエージェントの総数,ユーザー数によって見積もりを実施します。

さらに,View Serverサービスは起動中のサービスが約30メガバイトを使用するため,見積もり式は次のとおりになります。

View Serverサービスで必要なメモリー量(11-00未満)…(A1)

= 1回のレポートデータ受信に必要なデータ量(B1)の最大値*2*ユーザー数※1※2(GUIのレポート表示)

+ 1回のレポートデータ受信に必要なデータ量(B1)の最大値*2(jpcrptのレポート表示)

+(0.025MB+0.01MB*ユーザー数※2※3)*環境に存在するエージェントの総数※4(監視一時停止機能※5

+ 30メガバイト(起動中のサービスが使用するメモリー量)

View Serverサービスで必要なメモリー量(11-00以降)…(A1)

=View Serverサービスで必要なメモリー量(11-00未満)*2

注※1 同時にPerformance Managementにログインするユーザー数です。Performance Managementの管理ユーザーA,一般ユーザーBの環境で,現在PFM - Web Consoleから管理ユーザーAが1人,一般ユーザーBで3人同時にログインしている場合は,ユーザー数を合計4人と考えてください。

注※2 PFM - Web Console 09-00以降ではconfig.xmlのenableDuplicateLoginパラメーターで同一ユーザーによる多重ログインを制御できます。この機能を利用すれば,同名ユーザーの同時ログインによる意図しないユーザーログイン数の増加をシステム上で抑止できます。PFM - Web Console 08-50以前を使用する場合は,運用によって複数ユーザーの同時ログイン数を抑止してください。

注※3 同時にPerformance Managementにログイン,または,コマンドを実行するユーザー数です。Performance Managementの管理ユーザーA,一般ユーザーBの環境で,現在PFM - Web Consoleから管理ユーザーAが1人,一般ユーザーBで3人同時にログインしていて,かつ2つのコマンドプロンプトから次のコマンドのどれかが実行されている場合は,ユーザー数を合計6人と考えてください。

  • jpctool monitor list

  • jpctool monitor resume

  • jpctool monitor suspend

注※4 PFM - Agent(Agent Collectorサービス),PFM - RM(RM Collectorサービス),およびPFM - RMが管理するリモートエージェント,グループエージェントの合計台数です。

注※5 監視一時停止機能を利用しない場合,「(0.025MB+0.01MB*ユーザー数)*環境に存在するエージェントの総数」の計算は不要です。

メモ

View Serverサービスで必要なメモリー量の概略図

[図データ]

1回のレポートデータ受信に必要なデータ量(B1)の最大値は,運用で実行するレポートに対して,1回のレポートデータ受信に必要なデータ量(B1)を計算し,その中から最大値となるものを選びます。1回のレポートデータ受信に必要なデータ量(B1)の最大値は,GUI表示とjpcrptコマンドのレポート表示について,それぞれ別に見積もりを実施してください。

1回のレポートデータ受信に必要なデータ量(B1)の計算式

1回のレポートデータ受信に必要なデータ量=レコードサイズ(C1)*レコード数…(B1)

レコードサイズとは,1レコード当たりのデータ量(表またはCSV形式でレポートを出力した場合の「データ1行当たりのデータ量」)を表します。

レコード数とは,1レポート当たりの表またはCSV形式でレポートを出力した場合の,「データの行数」を表します。

なお,各レポートから1回のレポートデータ受信に必要なデータ量(B1)の最大の値を計算する場合,特にレコード数がデータ量に大きく影響するため,レコード数が多いレポートに絞って計算することをお勧めします。

レコードサイズの計算式

レコードサイズ(バイト)=選択した各フィールドのサイズの合計+選択したフィールドの数*2 + 34…(C1)

フィールドの形式とサイズの対応は次のとおりです。なおここに記載されているサイズは,レポート表示時に必要なサイズであり,各PFM - Agentのマニュアルのデータ型一覧に記載されているサイズとは異なります。

表C‒7 フィールド形式とサイズの対応

項番

フィールドの形式

サイズ(バイト)

1

文字列 char,string

文字列長 + 2

2

日付/時刻 time_t,timeval

16

3

上記以外のフィールド

13

注※ 履歴レポート表示時は,Date and TimeフィールドとODBCキーフィールドはレポート表示に含めなくても必ず取得されます。リアルタイムレポートの場合は,Record timeフィールドとODBCキーフィールドが必ず取得されます。

レコード数の計算式

対象レポートの入力条件(レコードのインスタンス数やデータ収集期間,レポートの表示期間など)から計算します。計算方法については,「付録C.7(8) レコード数の見積もり方法」を参照してください。

メモ
  • 各レコードのインスタンス数の見積もり方法については,各PFM - Agentのマニュアルを参照ください。

    表C-25 レコード数の目安」は一般的なデータ収集間隔,インスタンス数,レポート表示,レコード数,レポート表示期間なので,検討の参考にしてください。

    メモリー見積もりの計算例については,「付録C.7(6) 見積もり計算例」参照してください。

  • 運用によってView Serverサービスのメモリー負荷を軽減するためには

    GUIによるレポート表示,jpcrptコマンドによるレポート表示および監視一時停止機能を同時に実行する場合,ViewServerサービスは共通のメモリー領域を使用するため,環境によってViewServerサービスで必要なメモリー量を大きく圧迫する場合があります。それぞれの機能は実行中にだけメモリーを消費するため,運用によって,GUIのレポート表示,jpcrptコマンドでのレポート表示,および監視一時停止機能を実行する時間帯を分けることで,View Serverサービスのメモリー負荷を軽減し,少ないメモリー量でも各機能を利用できます。(運用例:GUIは毎日09:00〜20:00,jpcrptコマンドは毎日深夜0:00〜1:00,監視一時停止実行時にはレポート機能を利用しない)

    なお,この場合のメモリー量の見積もりは,「【手順1】」のViewServerサービスで必要なメモリー量の式の中で,(GUIのレポート表示),(jpcrptのレポート表示),(監視一時停止機能)を別々に算出し,時間帯ごとに,同時に実行されることがある機能の値を加算し,その中で最大の値を求め,それに(起動中のサービスが使用するメモリー量)を加算した値です。

(b) 【手順2】View Serverサービスで必要なメモリー量とデフォルトメモリー量との比較およびメモリー拡張の検討

View Serverサービスで必要なメモリー量とデフォルトメモリー量との比較

【手順1】」で求めた(A1)の値が,デフォルトの使用可能なメモリー量の範囲内か確認してください。範囲内であれば,View Serverサービスのメモリー量の見積もりは終了です。この場合,【手順3】は不要です。【手順4】以降に進んでください。

View Serverサービスのメモリー量でのデフォルト値と拡張可能範囲を次の表に支援します。

表C‒8 08-10以前のView Serverサービスの場合

対象

デフォルト値(メガバイト)

拡張可能範囲(メガバイト)

View Serverサービス(全OS)

64

〜384

表C‒9 08-50以前のView Serverサービスの場合

対象

デフォルト値(メガバイト)

拡張可能範囲(メガバイト)

View Serverサービス(Windows)

64

〜384

View Serverサービス(UNIX)

128

〜384

表C‒10 09-00以降のView Serverサービスの場合

対象

デフォルト値(メガバイト)

拡張可能範囲(メガバイト)

View Serverサービス(全OS)

256

〜384

表C‒11 11-00以降のView Serverサービスの場合

対象

デフォルト値(メガバイト)

拡張可能範囲

View Serverサービス(全OS)

512

上限値なし

注※

実際に使用できるメモリー量は,環境に依存します。View Serverで必要なメモリー量の見積もりを実施の上,OSやPerformance Management以外のアプリケーションが使用するメモリー量も考慮して,適切な値を設定してください。

メモリー拡張の検討

【手順1】」で求めた(A1)の値が,デフォルトの使用可能なメモリー量以上となった場合は,メモリーの拡張を検討します。メモリーの拡張ができ,かつ(A1)の値が拡張可能範囲内であれば,【手順3】でメモリー拡張の設定を実施した上で,【手順4】以降に進んでください。

運用の見直しによる再見積もりの実施

メモリー拡張の検討」を実施の上,(A1)の値が使用可能なメモリー量以上となった場合は,「付録C.7(4) 使用メモリーを軽減するためには」を参照し,View Serverサービスのメモリー見積もりを再度実施してください。

(c) 【手順3】View Serverサービスのメモリー拡張の設定(メモリー拡張を実施しない場合は不要)

メモリー拡張の検討」で決定したメモリー量をView Serverサービスのメモリー量の設定手順に従って設定してください。詳細については,「付録C.7(7) View ServerサービスおよびPFM - Web Console(GUIおよびjpcrpt)のメモリー拡張方法について」を参照してください。メモリー拡張の設定後は,【手順4】以降に進んでください。メモリー拡張を実施しない場合は,この手順は不要です。

(d) 【手順4】PFM - Web Console(GUI)で必要なメモリー量の見積もり

PFM - Web Consoleで必要なメモリー量を見積もります。PFM - Web Consoleで必要なメモリー量の見積もりでは,複数のログインユーザーが同時に操作する場合を考慮し,ログインユーザー1人当たりが管理するエージェントの総数レポート表示でログインユーザー1人当たりに必要なメモリー量,およびユーザー数によって見積もりを実施します。さらに,グラフ作成時に必要なメモリー量の最大値1回のレポートデータ受信に必要なデータ量(B1)(レポート画面からのCSV出力または印刷画面表示に必要なメモリー量)(印刷画面表示機能は08-11以降)を考慮します。また,PFM - Web Consoleは起動中のサービスが約50メガバイト使用するため,見積もり式は次のとおりになります。

PFM - Web Console(GUI)で必要なメモリー量…(D1)

= {0.1メガバイト*ログインユーザー1人当たりが管理するエージェントの総数※1※2(最低20メガバイト)

+ レポート表示でログインユーザー1人当たりに必要なメモリー量(E1)}

*ユーザー数※3

+ グラフ作成時に必要なメモリー量の最大値(F1)

+ 1回のレポートデータ受信に必要なデータ量(B1)(CSV出力または印刷画面表示で使用)

+ 50メガバイト(サービス起動中に使用するメモリー量)

+ JP1/IM2のモニター起動・提案機能でのレポート表示でログインユーザー1人当たりに必要なメモリー量(G1)※4

*イベントモニター・提案機能を利用するユーザー数

注※1 「0.1メガバイト*ログインユーザー1人当たりが管理するエージェントの総数」は,ログインユーザー1人がPFM - Web Console機能利用時に必要なメモリー量を示します。計算値が20メガバイト未満となる場合は,20メガバイトとしてください。

注※2 「ログインユーザー1人当たりの管理するエージェントの総数」は,PFM - Agent(Agent Collectorサービス),PFM - RM(RM Collector サービス),およびPFM - RMが管理するリモートエージェントおよびグループエージェントの合計台数です。

注※3 同時にPerformance Managementにログインするユーザー数です。Performance Managementの管理ユーザーA,一般ユーザーBの環境で,現在PFM - Web Consoleから管理ユーザーAが1人,一般ユーザーBで3人同時にログインしている場合は,ユーザー数を合計4人と考えてください。また,PFM - Web Console 09-00以降ではconfig.xmlのenableDuplicateLoginパラメーターで同一ユーザーによる多重ログインを制御できます。この機能を利用すれば,同名ユーザーの同時ログインによる,意図しないユーザーログイン数の増加をシステム上で抑止できます。

注※4 JP1/IM2連携機能を使用しない場合は計算不要です。また,JP1/IM2連携機能を使用する場合でも,config.xmlのdispReportsSameTimeパラメーターの設定値がfalseのときは計算不要です。

メモ

PFM - Web Consoleで必要なメモリー量の概略図

[図データ]

それぞれのメモリーの見積もり方法は,次のとおりです。

レポート表示でログインユーザー1人当たりに必要なメモリー量の見積もり方法(レポートキャッシュファイル化機能利用時は不要)

PFM - Web Consoleでは,ログインユーザー1人当たり,最大20回分の履歴レポートデータをキャッシュとして保持します。そのため,1回のレポートデータ受信に必要なデータ量(B1)の最大値キャッシュ数を考慮してメモリーを見積もります。見積もり式は次のとおりになります。1回のレポートデータ受信に必要なデータ量(B1)の最大値には,【手順1】で計算したGUIでの(B1)の最大値を使用してください。

レポート表示でログインユーザー1人当たりに必要なメモリー量…(E1)

= 1回のレポートデータ受信に必要なデータ量(B1)の最大値(GUIでの【手順1】(B1)の最大値)

*20

注※ キャッシュの保持回数は,初期設定ファイルconfig.xmlのcondCacheSizeパラメーターで変更できます。

08-50以前のPFM - Web Consoleを使用する場合,condCacheSizeパラメーター行を追記します。キャッシュ保持回数を5に設定する例を次に示します。

(例)

     <!-- The maximum limits of the records.
                Specifiable values: 1 to 2,147,483,647
                Default           : 1,440
        -->
           <param name="maxFetchCount" value="1440"/>   
 
<param name="condCacheSize" value="5"/>   ←追加行
 
        <!-- The display count per a page.
                Specifiable values: 1 to 2,147,483,647
                Default           : 20
        -->

09-00以降のPFM - Web Consoleを新規にインストールして使用する場合は,デフォルトでcondCacheSizeパラメーターがあります。設定可能範囲は,5〜20です。このパラメーターを5に設定した場合,ユーザーが5つの履歴レポートを開いた状態にしたままで6つ目のレポートを表示すると,1つ目に表示したレポートに対して,グラフ画像を拡大するなどの操作ができなくなります(キャッシュ期限切れのメッセージが表示されます)。

グラフ作成時に必要なメモリー量の最大値の見積もり方法(グラフ非表示時は不要)

PFM - Web Consoleでは,グラフ画像生成時にメモリーを一時的に大きく消費します。グラフ作成で必要なメモリー領域は,複数のレポートが同時に実行された場合でも,表示順で常にレポート作成1回分だけが使用されます。そのため,各レポートでグラフ作成時に必要なメモリー量を見積もったあと,その中で最大の値をグラフ作成時に必要なメモリー量の最大値(F1)として使用してください。また,レポートにグラフが含まれない場合は,この見積もり手順は不要となります。

PFM - Web Consoleのレポートでは,8種類のグラフ種別を選択できますが,それぞれの描画時の特性によって,メモリー見積もり方法を次の3つに分類できます。

a) 集合縦棒/積み上げ縦棒/集合横棒/積み上げ横棒/円グラフの場合(最新時刻のグラフ)

集合縦棒/積み上げ縦棒/集合横棒/積み上げ横棒/円グラフのグラフ作成時に必要なメモリー量は,以下の表を参考にメモリー量の見積もりを行ってください。

集合縦棒/積み上げ縦棒/集合横棒/積み上げ横棒/円グラフの場合,グラフには最新時刻1回分の取得レコード(=インスタンス)が表示されます。そのため,メモリー量の見積もりには,表示期間内の1回で収集されるインスタンス数の最大値(最大インスタンス数)を使用します。グラフ作成時に(5) 必要なメモリー量の見積もりの考え方については,「付録C.7(5) グラフ作成時に必要なメモリー量の見積もりの考え方」を参照してください。

表C‒12 最新時刻のグラフのグラフ作成時に必要なメモリー量の目安

最大インスタンス数

必要なメモリー量の目安(メガバイト)

1〜50

2

注※

最大インスタンス数が51以上の場合,グラフで確認することが困難な状態になるため,レポート定義にフィルターを設定し,インスタンス数を絞り込むように検討してください。

メモ

各レコードのインスタンス数の見積もり方法については,各PFM - Agentのマニュアルを参照ください。

b) 折れ線・面グラフの場合(時系列のグラフ)

折れ線・面グラフのグラフ作成時に必要なメモリー量は,次の表を参考にメモリー量の見積もりを行ってください。レコード数は,【手順1】で計算したレコード数の中で最大の値を使用してください。

表C‒13 折れ線・面グラフのグラフ作成時に必要なメモリー量の目安

レコード数(【手順1】の最大値

必要なメモリー量の目安(メガバイト)

1〜1000

5

1,001〜10,000

10

10,001〜30,000

30

30,001〜70,000

50

70,001〜100,000

80

100,001〜

下記の式参照

注※

レコード数が100,001以上の場合,メモリー量の見積もりは,次の式で算出してください。

グラフ作成時に必要なメモリー量=(レコード数(【手順1】の最大値)÷100,000)*80メガバイト

c) 積み上げ面グラフの場合

積み上げ面グラフのグラフ作成時に必要なメモリー量は,次の表を参考にメモリー量の見積もりを行ってください。

表C‒14 積み上げ面グラフのグラフ作成時に必要なメモリー量の目安

レコード数※1

必要なメモリー量の目安(メガバイト)

1〜1000

20

1,001〜10,000

50

10,001〜30,000

80

30,001〜70,000

120

70,001〜100,000

200

100,001〜300,000

下記の式参照※2

300,001〜

表示不可※3

注※1

積み上げ面グラフ作成時の見積もりでは,レコード数を以下の式で算出してください。

レコード数(H1) = データの取得回数*総インスタンス数

総インスタンス数とは,データ収集期間中に1度でも存在したインスタンスの総数を表します。そのため,積み上げ面グラフの場合は,グラフ作成時に非常に大量のメモリーを使用します。グラフ作成時に必要なメモリー量の見積もりの考え方については,「付録C.7(5) グラフ作成時に必要なメモリー量の見積もりの考え方」を参照してください。

注※2

レコード数が100,001〜300,000の場合,メモリー量の見積もりは,次の式で算出してください。

グラフ作成時に必要なメモリー量 = (レコード数(H1) / 100000)*200メガバイト

注※3

レコード数が300001以上の場合,PFM - Web Consoleの拡張可能な最大メモリー量1024メガバイトの大部分を使用してしまうため,積み上げ面グラフのレポートを表示しないでください。表示期間やデータ収集間隔の調整,およびレポート定義にフィルターを設定することで,レコード数を減らすことを検討してください。

以上のように,グラフ作成時に必要なメモリー量の見積もり結果の中で,最大のメモリー量をグラフ作成時に必要なメモリー量の最大値(F1)として使用してください。

レポート画面からのCSV出力または印刷画面表示に必要なメモリー量の見積もり方法

PFM - Web Consoleでは,GUIで表示したレポートから,CSV形式でのレポート出力や,HTML形式での印刷画面を表示できます。CSV形式でのレポート出力や,HTML形式での印刷画面表示には,レポート表示1回分のメモリー量を使用するため,必要なメモリー量の見積もりには,【手順1】1回のレポートデータ受信に必要なデータ量(B1)の最大値を使用してください。

計算見積もり例については,「付録C.7(6) 見積もり計算例」を参照してください。

JP1/IM2のモニター起動・提案機能でのレポート表示でログインユーザー1人当たりに必要なメモリー量(JP1/IM2連携機能を使用する場合)

PFM - Web Consoleでは,12-50以降のJP1/IM2と連携することで,JP1/IM2のイベントからのモニター起動,またはJP1/IM2の提案機能でレポートを表示できます。

12-50以降のPFM - Web Consoleでは,JP1/IM2の統合オペレーション・ビューアー上に表示するPFM - Web Consoleの画面と同時に表示できるように,セッションを個別に管理するように変更しています。そのため,レポート表示でログインユーザー1人当たりに必要なメモリー量(E1)とは別に,セッション情報のメモリー量の見積もりが必要となります。見積もり式は次のとおりになります。

JP1/IM2のモニター起動・提案機能でのレポート表示でログインユーザー1人当たりに必要なメモリー量…(G1)

= アラーム定義数*1KB

+ レポート定義数*1KB

+ 業務グループ数*1KB

+ エージェント数*1KB

(e) 【手順5】PFM - Web Console(GUI)で必要なメモリー量とデフォルトメモリー量との比較およびメモリー拡張の検討

PFM - Web Console(GUI)で必要なメモリー量とデフォルトメモリー量との比較

【手順4】で求めた(D1)の値が,デフォルトの使用可能なメモリー量の範囲内か確認してください。範囲内であれば,PFM - Web Consoleのメモリー量の見積もりは終了です。【手順6】で最大取得レコード数の設定を実施してください。

PFM - Web Consoleのメモリー量でのデフォルト値と拡張可能範囲は次の表を参照してください。

表C‒15 08-50以前のPFM - Web Consoleの場合

対象

デフォルト値(メガバイト)

拡張可能範囲(メガバイト)

PFM - Web Console(全OS)

256

〜1,024

表C‒16 09-00以降のPFM - Web Consoleの場合

対象

デフォルト値(メガバイト)

拡張可能範囲(メガバイト)

PFM - Web Console(全OS)

512

〜1,024

表C‒17 11-00以降のPFM - Web Consoleの場合

対象

デフォルト値(メガバイト)

拡張可能範囲(メガバイト)

PFM - Web Console(全OS)

1,024

〜2,048

表C‒18 12-10以降のPFM - Web Consoleの場合

対象

デフォルト値(メガバイト)

拡張可能範囲(メガバイト)

PFM - Web Console(全OS)

1,024

制限なし

メモリー拡張の検討

【手順4】で求めた(D1)の値が,デフォルトの使用可能なメモリー量以上となった場合は,メモリーの拡張を検討します。メモリー拡張が可能,かつ(D1)の値が拡張可能範囲内であれば,【手順6】でメモリー拡張と最大取得レコード数の設定を実施してください。

運用の見直しによる再見積もりの実施

メモリー拡張の検討」を実施の上,(D1)の値が使用可能なメモリー量以上となった場合は,「付録C.7(4) 使用メモリーを軽減するためには」を参照し,PFM - Web Consoleのメモリー見積もりを再度実施してください。

(f) 【手順6】PFM - Web Console(GUI)のメモリー拡張とレコード数の設定

PFM - Web Console(GUI)のメモリー拡張の設定(メモリー拡張を実施しない場合は不要)

メモリー拡張の検討」で決定したメモリー量をPFM - Web Consoleのメモリー量設定手順に従って設定してください。詳細については,「付録C.7(7) View ServerサービスおよびPFM - Web Console(GUIおよびjpcrpt)のメモリー拡張方法について」を参照してください。メモリー拡張を実施しない場合は,本手順は不要です。

PFM - Web Console(GUI)の最大取得レコード数の設定

config.xmlのmaxFetchCount(<vsa>タグ配下)パラメーターに,【手順1】で計算したレコード数の中で,最大の値を設定してください。

注 jpcrptコマンドでレポート出力する場合の最大取得レコード数は,<command>タグ配下のmaxFetchCountパラメーターで設定しますので,注意してください。

(3) jpcrptコマンドによるレポート表示時のメモリー見積もり

jpcrptコマンドによるレポート表示時のメモリー見積もり(メモリーサイズ設計)については,次の手順で見積もりを実施します。

図C‒4 jpcrptコマンドのメモリー見積もり手順のフローチャート

[図データ]

注※1 jpcrptコマンドを同時に多重実行すると,View Serverサービスのメモリーを圧迫し,Performance Management機能利用に支障をきたす場合があります。jpcrptコマンドを複数回連続で実行する場合は,必ず,逐次実行(jpcrptコマンド実行結果の戻り値を判定し,次のjpcrptを実行するなど)するようにシステムを設計してください。

注※2 履歴(1つのエージェント)のレポートに対してCSV出力を実行する場合,1回の実行で約1,000,000レコードまでのデータを扱うことができます。1,000,000レコード以上のデータを扱う場合は,1,000,000レコード単位で,複数回に分けてCSV出力を実行してください。

jpcrptコマンドは,履歴(1つのエージェント)のレポートに対してCSV出力を実行する場合,分割送信でデータの通信を実行するため,大量データを扱うのに適した設計になっており,特にメモリー見積もりを実施する必要はありません。運用上,大量データのレポートを出力する場合は,jpcrptコマンドで,履歴(1つのエージェント)のレポートに対してCSV出力を実行してください。

注※ 履歴(1つのエージェント)のレポートに対してCSV出力を実行する場合,1回の実行で約1,000,000レコードまでのデータを扱うことができます。1,000,000レコード以上のデータを扱う場合は,1,000,000レコード単位で,複数回に分けてCSV出力を実行してください。

一方,jpcrptコマンドのHTML出力(PFM - Web Console 08-10以降),または,履歴(複数のエージェント)のレポートに対してCSV出力を実行する場合,分割送信ではなく大量データを扱うのに適した設計になっていないため,メモリー見積もりによるメモリーサイズ設計を実施する必要があります。

メモリーサイズ設計は,View Serverサービスのメモリーサイズ設計(【手順1】【手順3】),PFM - Web Console(jpcrpt)のメモリーサイズ設計(【手順4】【手順6】)の順で実施します。

(a) 【手順1】View Serverサービスで必要なメモリー量の見積もり

付録C.7(2) GUI利用時のメモリー見積もり」の【手順1】を参照してください。

(b) 【手順2】View Serverサービスで必要なメモリー量とデフォルトメモリー量との比較およびメモリー拡張の検討

付録C.7(2) GUI利用時のメモリー見積もり」の【手順2】を参照してください。

(c) 【手順3】View Serverサービスのメモリー拡張の設定(メモリー拡張を実施しない場合は不要)

付録C.7(2) GUI利用時のメモリー見積もり」の【手順3】を参照してください。

(d) 【手順4】PFM - Web Console(jpcrpt)で必要なメモリー量の見積もり

PFM - Web Consoleのjpcrptコマンドで必要なメモリー量を見積もります。jpcrptコマンドで必要なメモリー量の見積もりでは,1回のレポートデータ受信に必要なデータ量(B1)の最大値(【手順1】(B1)の最大値)グラフ作成時に必要なメモリー量の最大値を考慮します。

jpcrptコマンドで必要なメモリー量…(D1)

= 1回のレポートデータ受信に必要なデータ量(B1)の最大値(jpcrptでの【手順1】(B1)の最大値)

+ グラフ作成時に必要なメモリー量の最大値(F1)

それぞれのメモリーの見積もり方法については,次のとおりです。

1回のレポートデータ受信に必要なデータ量の最大値の見積もり方法

【手順1】(B1)の最大値を使用してください。

グラフ作成時に必要なメモリー量の最大値の見積もり方法(レポート定義にグラフ表示の設定がない場合は不要)

jpcrptコマンドのHTML出力では,レポート定義にグラフ表示の設定がある場合,グラフを含むレポートをHTML形式で出力できますが,グラフ画像生成時にメモリーを一時的に大きく消費します。グラフ作成で必要なメモリー量は,各レポートでグラフ作成時に必要なメモリー量を見積もったあと,その中で最大の値をグラフ作成時に必要なメモリー量の最大値(F1)として使用してください。また,jpcrptで出力しようとしているレポート定義にグラフが含まれない場合は,この見積もり手順は不要となります。

PFM - Web Consoleのレポートでは,8種類のグラフ種別を選択できますが,それぞれの描画時の特性によって,メモリー見積もり方法を次の3つに分類できます。

a) 集合縦棒/積み上げ縦棒/集合横棒/積み上げ横棒/円グラフの場合(最新時刻のグラフ)

集合縦棒/積み上げ縦棒/集合横棒/積み上げ横棒/円グラフのグラフ作成時に必要なメモリー量は,次の表を参考にメモリー量の見積もりを行ってください。

集合縦棒/積み上げ縦棒/集合横棒/積み上げ横棒/円グラフの場合,グラフには最新時刻1回分の取得レコード(=インスタンス)が表示されます。そのため,メモリー量の見積もりには,表示期間内の1回で収集されるインスタンス数の最大値(最大インスタンス数)を使用します。グラフ作成時に必要なメモリー量の見積もりの考え方については,「付録C.7(5) グラフ作成時に必要なメモリー量の見積もりの考え方」を参照してください。

表C‒19 最新時刻のグラフのグラフ作成時に必要なメモリー量の目安

最大インスタンス数

必要なメモリー量の目安(メガバイト)

1〜50

2

注※

最大インスタンス数が51以上の場合,グラフで確認することが困難な状態になるため,レポート定義にフィルターを設定し,インスタンス数を絞り込むように検討してください。

メモ

各レコードのインスタンス数の見積もり方法については,各PFM - Agentのマニュアルを参照ください。

b) 折れ線・面グラフの場合(時系列のグラフ)

折れ線・面グラフのグラフ作成時に必要なメモリー量は,以下の表を参考にメモリー量の見積もりを行ってください。レコード数は,【手順1】で計算したレコード数の中で最大の値を使用してください。

表C‒20 折れ線・面グラフのグラフ作成時に必要なメモリー量の目安

レコード数(【手順1】の最大値

必要なメモリー量の目安(メガバイト)

1〜1,000

5

1,001〜10,000

10

10,001〜30,000

30

30,001〜70,000

50

70,001〜100,000

80

100,001〜

下記の式参照

注※

レコード数が100,001以上の場合,メモリー量の見積もりは,次の式で算出してください。

グラフ作成時に必要なメモリー量=(レコード数(【手順1】の最大値)÷100,000)*80メガバイト

c) 積み上げ面グラフの場合

積み上げ面グラフのグラフ作成時に必要なメモリー量は,次の表を参考にメモリー量の見積もりを行ってください。

表C‒21 積み上げ面グラフのグラフ作成時に必要なメモリー量の目安

レコード数※1

必要なメモリー量の目安(メガバイト)

1〜1000

20

1,001〜10,000

50

10,001〜30,000

80

30,001〜70,000

120

70,001〜100,000

200

100,001〜300,000

下記の式参照※2

300,001〜

表示不可※3

注※1

積み上げ面グラフ作成時の見積もりでは,レコード数を次の式で算出してください。

レコード数(H1) = データの取得回数*総インスタンス数

総インスタンス数とは,データ収集期間中に1度でも存在したインスタンスの総数を表します。そのため,積み上げ面グラフの場合は,グラフ作成時に非常に大量のメモリーを使用します。グラフ作成時に必要なメモリー量の見積もりの考え方については,「付録C.7(5) グラフ作成時に必要なメモリー量の見積もりの考え方」を参照してください。

注※2

レコード数が100,001〜300,000の場合,メモリー量の見積もりは,次の式で算出してください。

グラフ作成時に必要なメモリー量=(レコード数(H1)÷100,000)*200メガバイト

注※3

レコード数が300,001以上の場合,PFM - Web Consoleの拡張可能な最大メモリー量1,024メガバイトの大部分を使用してしまうため,積み上げ面グラフのレポートを表示しないでください。表示期間やデータ収集間隔の調整,およびレポート定義にフィルターを設定することで,レコード数を減らすことを検討してください。

以上のように,グラフ作成時に必要なメモリー量の見積もり結果の中で,最大のメモリー量をグラフ作成時に必要なメモリー量の最大値(F1)として使用してください。

計算見積もり例については,「付録C.7(6) 見積もり計算例」を参照してください。

メモ

PFM - Web Console(jpcrpt)で必要なメモリー量の概略図

[図データ]

(e) 【手順5】PFM - Web Console(jpcrpt)で必要なメモリー量とデフォルトメモリー量との比較およびメモリー拡張の検討

PFM - Web Console(jpcrpt)で必要なメモリー量とデフォルトメモリー量との比較

【手順4】で求めた(D1)の値が,デフォルトの使用可能なメモリー量の範囲内か確認してください。範囲内であれば,PFM - Web Consoleのメモリー量の見積もりは終了です。【手順6】で最大取得レコード数の設定を実施してください。

PFM - Web Console(jpcrpt)のメモリー量でのデフォルト値と拡張可能範囲は次の表を参照してください。

表C‒22 08-00以降のjpcrptコマンドの場合

対象

デフォルト値(メガバイト)

拡張可能範囲(メガバイト)

PFM - Web Console(全OS)

64

〜1,024

表C‒23 11-00以降のjpcrptコマンドの場合

対象

デフォルト値(メガバイト)

拡張可能範囲(メガバイト)

PFM - Web Console(全OS)

128

〜2,048

メモリー拡張の検討

【手順4】で求めた(D1)の値が,デフォルトの使用可能なメモリー量以上となった場合は,メモリーの拡張を検討します。メモリー拡張を検討の上,(D1)の値が範囲内であれば,本手順は終了です。この場合,【手順6】でメモリー拡張と最大取得レコード数の設定を実施してください。

運用の見直しによる再見積もりの実施

メモリー拡張の検討」を実施の上,(D1)の値が使用可能なメモリー量以上となった場合は,「付録C.7(4) 使用メモリーを軽減するためには」を参照し,PFM - Web Console(jpcrpt)のメモリー見積もりを再度実施してください。

(f) 【手順6】PFM - Web Console(jpcrpt)のメモリー拡張とレコード数の設定

PFM - Web Console(jpcrpt)のメモリー拡張の設定(メモリー拡張を実施しない場合は不要)

メモリー拡張の検討」で決定したメモリー量をPFM - Web Consoleのメモリー量設定手順に従って設定してください。詳細については,「付録C.7(7) View ServerサービスおよびPFM - Web Console(GUIおよびjpcrpt)のメモリー拡張方法について」を参照してください。メモリー拡張を実施しない場合は,本手順は不要です。

PFM - Web Console(jpcrpt)の最大取得レコード数の設定

config.xmlのmaxFetchCount(<command>タグ配下)パラメーターに,【手順1】で計算したレコード数の中で,最大の値を設定してください。

注 GUIでレポート表示する場合の最大取得レコード数は,<vsa>タグ配下のmaxFetchCountパラメーターで設定しますので,注意してください。

(4) 使用メモリーを軽減するためには

使用メモリーを軽減するために次の表に示す項目を検討し,再度メモリー見積もりを実施してください。

表C‒24 メモリー見積もりの再考事項

項目

再考事項

方法

View Serverサービス

レコードサイズを調整する

選択したフィールドの数を減らす

レコード数を調整する

次のどれかまたはすべてを実施する

  1. 表示期間を短くする

  2. インスタンス数を減らす(レポート定義にフィルターを設定)

  3. データ収集間隔またはレポート表示間隔を長くする

PFM - Web Console

(GUI)

キャッシュの保持回数を変更する

config.xmlのcondCacheSizeパラメーターの値を小さくする

レコード数を調整する

次のどれかまたはすべてを実施する

  1. 表示期間を短くする

  2. インスタンス数を減らす(レポート定義にフィルターを設定)

  3. データ収集間隔またはレポート表示間隔を長くする

同一ユーザーによる多重ログインを制御する

config.xmlのenableDuplicateLoginパラメーターを設定する

(0900以降だけ設定可能)

拠点ごとにシステムを分散する

拠点ごとにPFM - Managerを設置し,PFM - Agent,PFM - RM,およびログインするユーザーを分散して運用する

運用する際は,PFM - Web Consoleを各拠点のPFM - Managerに接続して運用する

PFM - Web Console

(jpcrpt)

レコードサイズを調整する

選択したフィールドの数を減らす

レコード数を調整する

次のどれかまたはすべてを実施する

  1. 表示期間を短くする

  2. インスタンス数を減らす(レポート定義にフィルターを設定)

  3. データ収集間隔またはレポート表示間隔を長くする

データ収集間隔やレポート表示期間を調整することで,取得レコード数を調整できます。レコード数を調整する場合は,次の表を参考にして検討してください。

表C‒25 レコード数の目安

項番

最大取得レコード数

データ収集間隔

インスタンス数

レポート表示間隔

レポート表示期間

1

1,440(デフォルト)

1分

1

1日

5分

1

5日

5分

5

1日

1分

1

60日

2

10,080

1分

1

7日

5分

1

35日

5分

5

7日

1分

1

420日

3

44,640

1分

1

31日

5分

1

155日

5分

5

31日

1分

1

1860日

(5) グラフ作成時に必要なメモリー量の見積もりの考え方

グラフ作成時に必要なメモリー量の考え方をグラフ種別ごとに説明します。

次の図では,アルファベットが記入された1セルは1レコードを表しています。

12:01に収集されたレコードは「A」,「B」,12:02に収集されたレコードは「A」,「C」,「D」,12:03に収集されたレコードは「A」,「B」,「C」であることを表しています。

集合縦棒/積み上げ縦棒/集合横棒/積み上げ横棒/円グラフの場合(最新時刻のグラフ)

最新時刻のレコードを描画します。

図C‒5 最新時刻のグラフのグラフ描画時に必要なレコード

[図データ]

そのため,グラフ描画時にこの図で網掛けされた3レコードが必要となります(斜線で示したレコードは,実際にデータとして取得していますが,グラフ描画の対象外となるレコードです)。

[最大インスタンス数について]

グラフ作成時のメモリー量の見積もりに使用する最大インスタンス数について説明します。最大インスタンス数とは,表示期間内の各収集時刻の中で,収集レコード数(= インスタンス数)が最も大きい値を表します。

この図の場合,収集時刻12:00のレコード数が2,収集時刻12:01のレコード数が3,収集時刻12:02のレコード数が3,収集時刻12:03のレコード数が0であるため,最大インスタンス数は3となります。

最大インスタンス数の見積もりは,レコードによって異なるため,各PFM - Agentのマニュアルを参照して検討してください。

折れ線・面グラフの場合(時系列のグラフ)

表示期間の全レコードを描画します。

図C‒6 時系列グラフのグラフ描画時に必要なレコード

[図データ]

そのため,グラフ描画時にこの図で網掛けされた合計8レコードが必要となります。

積み上げ面グラフの場合(時系列かつ,時刻ごとに収集対象のレコードを積み上げたグラフ)

表示期間の全レコードを描画します。また,各時刻のレコードを同じ順で積み上げる必要があるため,ある時刻でレコードがない場合も空のレコード(「仮(B)」,「仮(C)」,「仮(D)」)を追加して描画します。

図C‒7 積み上げ面グラフ描画時に必要なレコード

[図データ]

そのため,グラフ描画にこの図で網掛けされた合計12レコードが必要となります。

[総インスタンス数について]

グラフ作成時のメモリー量の見積もりに使用する総インスタンス数について説明します。総インスタンス数とは,データ収集期間中に1度でも存在したインスタンスの総数を表します。

この図の場合,表示期間の範囲(12:00〜12:03)の中で,1度でも存在したインスタンスは,「A」,「B」,「C」,「D」です。そのため,総インスタンス数は4となります。

しかし,収集ごとにインスタンスが大きく変動するレコード(例:PFM - Agent for PlatformのPDレコード)については,総インスタンス数が非常に大きくなる場合があります。総インスタンス数の見積もりは,各レコードのインスタンスの特性によって異なるため,各PFM - Agentのマニュアルを参照した上で,見積もり方法を検討してください。

(6) 見積もり計算例

(a) GUIによるレポート表示の見積もり計算例

前提条件を次に示します。ただし,jpcrptコマンドとは時間帯を分けて運用するため,ViewServerサービスのメモリー見積もりには,jpcrptコマンドは考慮しないことにします。

前提条件

View Serverサービスのメモリー設定

256メガバイト(メモリー拡張不可の環境とする)

PFM - Web Consoleのメモリー設定

512メガバイト(メモリー拡張不可の環境とする)

管理エージェント数

500エージェント(UNIX Agent for Platform)

ユーザー数

アカウント

管理:administrator

一般:public1,public2,public3

上記のアカウントを4人で使用

同時ログイン制御設定の有無

(enableDuplicateLoginパラメーター)

あり

キャッシュの保持回数 (condCacheSizeパラメーター)

20

レポートA

UNIX Agent for Platform

PI_DEVDレコード

Busy %フィールド

Write %フィールド

ODBCキーフィールド Device Nameフィールド(今回はstring(10)とする)

インスタンス数 20

データ収集間隔 60秒

レポート表示間隔 時(60分)

レポート表示期間 過去1ヶ月

グラフの種類 折れ線

レポートB

UNIX Agent for Platform

PD_FSLレコード

Mbytes Free %フィールド

ODBCキーフィールド File Systemフィールド

(今回はstring(50))

インスタンス数 50

データ収集間隔 300秒

レポート表示間隔 分(1分)

レポート表示期間 過去1週間

グラフの種類 集合縦棒

レポートC

Windows Agent for Platform

PIレコード

CPU % フィールド

ODBCキーフィールド なし

インスタンス数 1

データ収集間隔 60秒

レポート表示間隔 分(1分)

レポート表示期間 過去1週間

グラフの種類 円

レポートD

Windows Agent for Platform

PDレコード

Virtual Kbytesフィールド

ODBCキーフィールド Programフィールド(今回はstring(30)),PIDフィールド

インスタンス数 50

データ収集間隔 60秒

レポート表示間隔 分(1分)

レポート表示期間 過去1日

グラフの種類 折れ線

[メモリーサイズ設計開始]

まず始めに,同時ログイン制御を有効にするため,config.xmlのenableDuplicateLoginパラメーターをtrueからfalseに変更します。

【手順1】View Serverサービスで必要なメモリー量の見積もり

View Serverサービスで必要なメモリー量を見積もる場合,運用で実行する各レポートの1回のレポートデータ受信に必要なデータ量(B1)から,最終的に1回のレポートデータ受信に必要なデータ量(B1)の最大値が必要です。

複数のレポートに対して効率的に見積もるためには,レコード数が多いレポートに絞りこむことをお奨めします。レポートA,B,C,Dについてそれぞれレコード数を求めると

レポートAは前提条件より

b)“データ収集間隔<レポート表示間隔”の場合に該当するため

データの取得回数 = レポート表示期間÷レポート表示間隔より

データの取得回数 = 31(日)*24(時間)*60(分)÷60(分)=744(回)

レコード数 = 744 * 20 = 14880レコード

レポートBは前提条件より

a)“データ収集間隔≧レポート表示間隔”の場合に該当するため

データの取得回数 = レポート表示期間÷データ収集間隔より

データの取得回数 = 7(日)*24(時間)*60(分)÷5(分)=2016(回)

レコード数 = 2016 * 50 = 100800レコード

レポートCは前提条件より

a)“データ収集間隔≧レポート表示間隔”の場合に該当するため

データの取得回数 = レポート表示期間÷データ収集間隔より

データの取得回数 = 7(日)*24(時間)*60(分) / 1(分)=10080(回)

レコード数 = 10080 * 1 = 10080レコード

レポートDは前提条件より

a)“データ収集間隔≧レポート表示間隔”の場合に該当するため

データの取得回数 = レポート表示期間 / データ収集間隔より

データの取得回数 = 1(日)*24(時間)*60(分) / 1(分)=1440(回)

レコード数 = 1440 * 50 = 72000レコード

となり,今回はレコード数が多いレポートBとレポートDについて見積もりを実施することにします。

次に,レポートBとレポートDの1回のレポートデータ受信に必要なデータ量(B1)を求めます。

1回のレポートデータ受信に必要なデータ量=レコードサイズ(C1)*レコード数…(B1)

まず,レポートBの1回のレポートデータ受信に必要なデータ量(B1)を計算します。

レポートBのレコードサイズは,次のようになります。

レコードサイズ(バイト)

=選択した各フィールドのサイズの合計+選択したフィールドの数*2+34…(C1)より

(16[date and timeフィールド])+(13[Mbytes Free %フィールド])+{(50+2)[File Systemフィールド]}+3*2+34=121(バイト)

1回のレポートデータ受信に必要なデータ量(B1)

=121(バイト)*100800レコード=12196800 (バイト)≒12メガバイト

注※ 履歴レポート表示時は,Date and TimeフィールドとODBCキーフィールドはレポート表示に含めなくても必ず取得されます。リアルタイムレポートの場合は,Record timeフィールドとODBCキーフィールドが必ず取得されます。

次に,レポートDの1回のレポートデータ受信に必要なデータ量(B1)を計算します。

レポートDのレコードサイズは次のようになります。

レコードサイズ(バイト)

=選択した各フィールドのサイズの合計+選択したフィールドの数*2+34…(C1)より

(16[date and timeフィールド])+(13[Virtual Kbytesフィールド])+{(30+2)[programフィールド]}+ (13[PIDフィールド])+4*2+34=116(バイト)

1回のレポートデータ受信に必要なデータ量(B1)

=116(バイト)*72000レコード=8352000 (バイト)≒8メガバイト

以上より,View Serverサービスで必要なメモリー量(jpcrptコマンドは考慮しない)は

View Serverサービスで必要なメモリー量

=1回のレポートデータ受信に必要なデータ量(B1)の最大値*2*ユーザー数+30メガバイト…(A1)より

各レポートで求めた1回のレポートデータ受信に必要なデータ量(B1)の中で最大の値はレポートBの12メガバイトであるので

View Serverサービスで必要なメモリー量

=12メガバイト*2*4+30メガバイト=126メガバイト

注※ 同時にPerformance Managementにログインするユーザー数です。Performance Managementの管理ユーザーA,一般ユーザーBの環境で,現在PFM - Web Consoleから管理ユーザーAが1人,一般ユーザーBで3人同時にログインしている場合は,ユーザー数を合計4人と考えてください。また,PFM - Web Console 09-00以降ではconfig.xmlのenableDuplicateLoginパラメーターで同一ユーザーによる多重ログインを制御できます。この機能を利用すれば,同名ユーザーの同時ログインによる意図しないユーザーログイン数の増加をシステム上で抑止できます。PFM - Web Console 08-50以前を使用する場合は,運用によって複数ユーザーの同時ログイン数を抑止してください。

【手順2】View Serverサービスで必要なメモリー量とデフォルトメモリー量との比較およびメモリー拡張の検討

View Serverサービスの必要メモリーが256メガバイト以下であるのでView Serverサービスのメモリー設定に問題はなしとなります。

【手順3】View Serverサービスのメモリー拡張の設定

View Serverサービスのメモリーを拡張しないため,本手順は不要です。

【手順4】PFM - Web Consoleで運用に必要なメモリー量の見積もり

次にPFM - Web Consoleで必要なメモリー量を見積もります。

レポート表示でログインユーザー1人当たりに必要なメモリー量…(E1)

=1回のレポートデータ受信に必要なデータ量(B1)の最大値*20より

1回のレポートデータ受信に必要なデータ量(B1)は,【手順1】で各レポートで計算した結果,レポートBの12メガバイトが最大値であるので

レポート表示でログインユーザー1人当たりに必要なメモリー量(E1)=12メガバイト*20 = 240メガバイト

各レポートのグラフ作成時に必要なメモリー量は,レポートBとレポートDのそれぞれのグラフ種別,レコード数より

レポートBのグラフ作成時に必要なメモリー量は,2メガバイト

レポートDのグラフ作成時に必要なメモリー量は,80メガバイト

以上より,グラフ作成時に必要なメモリー量の最大値(F1)は,最大値の80メガバイト

PFM - Web Console(GUI)で必要なメモリー量…(D1)

={0.1メガバイト*ログインユーザー1人当たりが管理するエージェントの総数※1※2(最低20メガバイト)

+レポート表示でログインユーザー1人たりに必要なメモリー量(E1)}

*ユーザー数※3

+グラフ作成時に必要なメモリー量の最大値(F1)

+1回のレポートデータ受信に必要なデータ量(B1)(CSV出力または印刷画面表示で使用)

+50メガバイト(サービス起動中に使用するメモリー量)より

0.1メガバイト*ログインユーザー1人当たりが管理するエージェントの総数」は

0.1メガバイト*500=50メガバイト(>20メガバイト)となるため,

PFM - Web Consoleで必要なメモリー量

={0.1メガバイト*500+240メガバイト}*4+80メガバイト+12メガバイト+50メガバイト=1302メガバイト

注※1 「0.1メガバイト*ログインユーザー1人当たりが管理するエージェントの総数」は,ログインユーザー1人がPFM - Web Console機能利用時に必要なメモリー量を示します。計算値が20メガバイト未満となる場合は,20メガバイトとしてください。

注※2 「ログインユーザー1人当たりの管理するエージェントの総数」は,PFM - Agent(Agent Collectorサービス),PFM - RM(RM Collector サービス),およびPFM - RMが管理するリモートエージェントおよびグループエージェントの合計台数です。

注※3 同時にPerformance Managementにログインするユーザー数です。Performance Managementの管理ユーザーA,一般ユーザーBの環境で,現在PFM - Web Consoleから管理ユーザーAが1人,一般ユーザーBで3人同時にログインしている場合は,ユーザー数を合計4人と考えてください。また,PFM - Web Console 09-00以降ではconfig.xmlのenableDuplicateLoginパラメーターで同一ユーザーによる多重ログインを制御できます。この機能を利用すれば,同名ユーザーの同時ログインによる意図しないユーザーログイン数の増加をシステム上で抑止できます。PFM - Web Console 08-50以前を使用する場合は,運用によって複数ユーザーの同時ログイン数を抑止してください。

【手順5】PFM - Web Consoleの必要なメモリー量の検証とメモリー拡張の検討

見積もりの結果,PFM - Web Consoleの必要なメモリー量が,使用可能なメモリー量のデフォルト値である512メガバイトを超えています。また,今回はメモリーの拡張を検討できません。そのため,レポート表示の運用を見直し,レポートのキャッシュの保持回数(config.xmlのcondCacheSizeパラメーター)を20→5に変更,レポートBのデータ収集間隔を300秒から360秒に変更して,PFM - Web Consoleの必要なメモリー量を再計算します。

【手順4】PFM - Web Consoleで運用に必要なメモリー量の見積もり(再実施)

[PFM - Web Consoleの必要メモリーの再計算]

まず,レポートBのレコード数を再計算します。

データの取得回数 = 7(日)*24(時間)*60(分)÷6(分)=1680(回)

レコード数= 1680 * 50 = 84000レコード

1回のレポートデータ受信に必要なデータ量(B1)

=121(バイト)*84000レコード=10164000 (バイト)≒10メガバイト

レポート表示でログインユーザー1人当たりに必要なメモリー量…(E1)

=1回のレポートデータ受信に必要なデータ量(B1)の最大値*20より

キャッシュの保持回数を20から5に変更,

1回のレポートデータ受信に必要なデータ量(B1)は,各レポートで計算した結果,レポートBの10メガバイトが最大値であるので

レポート表示でログインユーザー1人当たりに必要なメモリー量(E1)=10メガバイト*5 =50メガバイト

グラフ作成時に必要なメモリー量の最大値(F1)は,80メガバイト

PFM - Web Console(GUI)で必要なメモリー量…(D1)

={0.1メガバイト*ログインユーザー1人当たりが管理するエージェントの総数※1※2(最低20メガバイト)

+レポート表示でログインユーザー1人当たりに必要なメモリー量(E1)}

*ユーザー数※3

+グラフ作成時に必要なメモリー量の最大値(F1)

+1回のレポートデータ受信に必要なデータ量(B1) (CSV出力または印刷画面表示で使用)

+50メガバイト(サービス起動中に使用するメモリー量)より

0.1メガバイト*ログインユーザー1人当たりが管理するエージェントの総数」は

0.1メガバイト*500=50メガバイト(>20メガバイト)となるため,

PFM - Web Consoleで必要なメモリー量=

{0.1メガバイト*500+50メガバイト*4+80メガバイト+10メガバイト+50メガバイト = 540メガバイト

注※1 「0.1メガバイト*ログインユーザー1人当たりが管理するエージェントの総数」は,ログインユーザー1人がPFM - Web Console機能利用時に必要なメモリー量を示します。計算値が20メガバイト未満となる場合は,20メガバイトとしてください。

注※2 「ログインユーザー1人当たりの管理するエージェントの総数」は,PFM - Agent(Agent Collectorサービス),PFM - RM(RM Collector サービス),およびPFM - RMが管理するリモートエージェントおよびグループエージェントの合計台数です。

注※3 同時にPerformance Managementにログインするユーザー数です。Performance Managementの管理ユーザーA,一般ユーザーBの環境で,現在PFM - Web Consoleから管理ユーザーAが1人,一般ユーザーBで3人同時にログインしている場合は,ユーザー数を合計4人と考えてください。また,PFM - Web Console 09-00以降ではconfig.xmlのenableDuplicateLoginパラメーターで同一ユーザーによる多重ログインを制御できます。この機能を利用すれば,同名ユーザーの同時ログインによる意図しないユーザーログイン数の増加をシステム上で抑止できます。PFM - Web Console 08-50以前を使用する場合は,運用によって複数ユーザーの同時ログイン数を抑止してください。

【手順5】PFM - Web Consoleの必要なメモリー量の検証とメモリー拡張の検討(再実施)

見積もりの結果,PFM - Web Consoleの必要なメモリー量が,使用可能なメモリー量のデフォルト値である512メガバイトを超えています。また,レポートの運用を見直しはこれ以上できません。

そのため,システムを2つのPFM - Managerに分散し,ぞれぞれのPFM - Managerのエージェント数を500→250に変更,1つのPFM - Managerにログインするユーザー数を4→2に変更して,PFM - Web Consoleの必要なメモリー量を再計算します。

【手順4】PFM - Web Consoleで運用に必要なメモリー量の見積もり(再々実施)

[PFM - Web Consoleの必要メモリーの再計算]

レポート表示の運用は変更しないため,「【手順4】PFM - Web Consoleで運用に必要なメモリー量の見積もり(再実施)」での見積もり値と同じ値になります。

よって,

PFM - Web Console(GUI)で必要なメモリー量…(D1)

={0.1メガバイト*ログインユーザー1人当たりが管理するエージェントの総数※1※2(最低20メガバイト)

+レポート表示でログインユーザー1人当たりに必要なメモリー量(E1)}

*ユーザー数※3

+グラフ作成時に必要なメモリー量の最大値(F1)

+1回のレポートデータ受信に必要なデータ量(B1) (CSV出力または印刷画面表示で使用)

+50メガバイト(サービス起動中に使用するメモリー量)より

0.1メガバイト*ログインユーザー1人当たりが管理するエージェントの総数」は

0.1メガバイト*250=25メガバイト(>20メガバイト)となるため,

PFM - Web Consoleで必要なメモリー量=

{0.1メガバイト*250+50メガバイト*2+80メガバイト+10メガバイト+50メガバイト = 290メガバイト

注※1 「0.1メガバイト*ログインユーザー1人当たりが管理するエージェントの総数」は,ログインユーザー1人がPFM - Web Console機能利用時に必要なメモリー量を示します。計算値が20メガバイト未満となる場合は,20メガバイトとしてください。

注※2 「ログインユーザー1人当たりの管理するエージェントの総数」は,PFM - Agent(Agent Collectorサービス),PFM - RM(RM Collector サービス),およびPFM - RMが管理するリモートエージェントおよびグループエージェントの合計台数です。

注※3 同時にPerformance Managementにログインするユーザー数です。Performance Managementの管理ユーザーA,一般ユーザーBの環境で,現在PFM - Web Consoleから管理ユーザーAが1人,一般ユーザーBで3人同時にログインしている場合は,ユーザー数を合計4人と考えてください。また,PFM - Web Console 09-00以降ではconfig.xmlのenableDuplicateLoginパラメーターで同一ユーザーによる多重ログインを制御できます。この機能を利用すれば,同名ユーザーの同時ログインによる意図しないユーザーログイン数の増加をシステム上で抑止できます。PFM - Web Console 08-50以前を使用する場合は,運用によって複数ユーザーの同時ログイン数を抑止してください。

【手順5】PFM - Web Consoleの必要メモリー量の検証とメモリー拡張の検討(再々実施)

PFM - Web Consoleの必要メモリーが512メガバイト以下であるのでPFM - Web Consoleのメモリー設定に問題はなしとなります。

【手順6】PFM - Web Consoleのメモリー拡張とレコード数の設定

PFM - Web Consoleのメモリーを拡張しないため,メモリー拡張の設定は不要です。最後にconfig.xmlのmaxFetchCount(<vsa>タグ配下)パラメーターを設定します。【手順1】で計算した各レポートのレコード数の中で最大の値である84,000を設定します。

以上で,メモリーサイズ設計は終了です。

(b) jpcrptコマンドによるレポート表示の見積もり計算例

前提条件を以下に示します。ただし,GUIのレポート表示とは時間帯を分けて運用するため,ViewServerサービスのメモリー見積もりには,GUI表示は考慮しないことにします。

前提条件

View Serverサービスのメモリー設定

256メガバイト(メモリー拡張不可の環境とする)

PFM - Web Console(jpcrpt)のメモリー設定

64メガバイト(メモリー拡張不可の環境とする)

レポートA

UNIX Agent for Platform

PI_DEVDレコード

Busy %フィールド

Write %フィールド

ODBCキーフィールド Device Nameフィールド(今回はstring(10)とする)

インスタンス数 20

データ収集間隔 60秒

レポート表示間隔 時(60分)

レポート表示期間 過去1ヶ月

グラフの種類 折れ線

レポートB

UNIX Agent for Platform

PD_FSLレコード

Mbytes Free %フィールド

ODBCキーフィールド File Systemフィールド

(今回はstring(50))

インスタンス数 50

データ収集間隔 300秒

レポート表示間隔 分(1分)

レポート表示期間 過去1週間

グラフの種類 集合縦棒

レポートC

Windows Agent for Platform

PIレコード

CPU % フィールド

ODBCキーフィールド なし

インスタンス数 1

データ収集間隔 60秒

レポート表示間隔 分(1分)

レポート表示期間 過去1週間

グラフの種類 円

レポートD

Windows Agent for Platform

PDレコード

Virtual Kbytesフィールド

ODBCキーフィールド Programフィールド(今回はstring(30)),PIDフィールド

インスタンス数 50

データ収集間隔 60秒

レポート表示間隔 分(1分)

レポート表示期間 過去1日

グラフの種類 折れ線

注※

履歴(1つのエージェント)のレポート

レポートA,B,C,Dがすべて履歴(1つのエージェント)のレポートであるため,すべてのレポートに対してメモリー見積もりを実施します。

[メモリーサイズ設計開始]

【手順1】View Serverサービスで必要なメモリー量の見積もり

View Serverサービスで必要なメモリー量を見積もる場合,運用で実行する各レポートの1回のレポートデータ受信に必要なデータ量(B1)から,最終的に1回のレポートデータ受信に必要なデータ量(B1)の最大値が必要です。

複数のレポートに対して効率的に見積もるためには,レコード数が多いレポートに絞りこむことをお奨めします。レポートA,B,C,Dについてそれぞれレコード数を求めると

レポートAは前提条件より

b)“データ収集間隔<レポート表示間隔”の場合に該当するため

データの取得回数 = レポート表示期間÷レポート表示間隔より

データの取得回数 = 31(日)*24(時間)*60(分)÷60(分)=744(回)

レコード数 = 744 * 20 = 14880レコード

レポートBは前提条件より

a)“データ収集間隔≧レポート表示間隔”の場合に該当するため

データの取得回数 = レポート表示期間÷データ収集間隔より

データの取得回数 = 7(日)*24(時間)*60(分)÷5(分)=2016(回)

レコード数 = 2016 * 50 = 100800レコード

レポートCは前提条件より

a)“データ収集間隔≧レポート表示間隔”の場合に該当するため

データの取得回数 = レポート表示期間÷データ収集間隔より

データの取得回数 = 7(日)*24(時間)*60(分)÷1(分)=10080(回)

レコード数 = 10080 * 1 = 10080レコード

レポートDは前提条件より

a)“データ収集間隔≧レポート表示間隔”の場合に該当するため

データの取得回数 = レポート表示期間÷データ収集間隔より

データの取得回数 = 1(日)*24(時間)*60(分)÷1(分)=1440(回)

レコード数 = 1440 * 50 = 72000レコード

となり,今回はレコード数が多いレポートBとレポートDについて見積もりを実施することにします。

次に,レポートBとレポートDの1回のレポートデータ受信に必要なデータ量(B1)を求めます。

1回のレポートデータ受信に必要なデータ量=レコードサイズ(C1)*レコード数…(B1)

まず,レポートBの1回のレポートデータ受信に必要なデータ量(B1)を計算します。

レポートBのレコードサイズは

レコードサイズ(バイト)

=選択した各フィールドのサイズの合計+選択したフィールドの数*2+34…(C1)より

(16[date and timeフィールド])+(13[Mbytes Free %フィールド])+{(50+2)[File Systemフィールド]}+3*2+34=121(バイト)

1回のレポートデータ受信に必要なデータ量(B1)

=121(バイト)*100800レコード=12196800 (バイト)≒12メガバイト

次に,レポートDの1回のレポートデータ受信に必要なデータ量(B1)を計算します。

レポートDのレコードサイズは

レコードサイズ(バイト)

=選択した各フィールドのサイズの合計+選択したフィールドの数*2+34…(C1)より

(16[date and timeフィールド])+(13[Virtual Kbytesフィールド])+{(30+2)[programフィールド]}+ (13[PIDフィールド])+4*2+34=116(バイト)

1回のレポートデータ受信に必要なデータ量(B1)

=116(バイト)*72000レコード=8352000 (バイト)≒8メガバイト

以上より,View Serverサービスで必要なメモリー量(GUIのレポート表示は考慮しない)は

View Serverサービスで必要なメモリー量

=1回のレポートデータ受信に必要なデータ量(B1)の最大値*2+30メガバイト…(A1)より

各レポートで求めた1回のレポートデータ受信に必要なデータ量(B1)の中で最大の値はレポートBの12メガバイトであるので

View Serverサービスで必要なメモリー量=12メガバイト*2+30メガバイト=54メガバイト

【手順2】View Serverサービスで必要なメモリー量とデフォルトメモリー量との比較およびメモリー拡張の検討

View Serverサービスの必要メモリーが256メガバイト以下であるのでView Serverサービスのメモリー設定に問題はなしとなります。

【手順3】View Serverサービスのメモリー拡張の設定

View Serverサービスのメモリーを拡張しないため,本手順は不要です。

【手順4】PFM - Web Console(jpcrpt)で運用に必要なメモリー量の見積もり

次にPFM - Web Console(jpcrpt)で必要なメモリー量を見積もります。

【手順1】(B1)で,各レポートで計算した結果,レポートBの値が最大値であるので,1回のレポートデータ受信に必要なデータ量(B1)の最大値は12メガバイト

各レポートのグラフ作成時に必要なメモリー量は,レポートBとレポートDのそれぞれのグラフ種別,レコード数より

レポートBのグラフ作成時に必要なメモリー量は,2メガバイト

レポートDのグラフ作成時に必要なメモリー量は,80メガバイト

以上より,グラフ作成時に必要なメモリー量の最大値(F1)は,最大値の80メガバイト

jpcrptコマンドで必要なメモリー量…(D1)

=1回のレポートデータ受信に必要なデータ量(B1)の最大値(jpcrptでの【手順1】(B1)の値)

+グラフ作成時に必要なメモリー量の最大値(F1)より

jpcrptコマンドで必要なメモリー量=12メガバイト+80メガバイト=92メガバイト

【手順5】PFM - Web Consoleの必要なメモリー量の検証とメモリー拡張の検討

見積もりの結果,jpcrptコマンドの必要なメモリー量が,使用可能なメモリー量のデフォルト値である64メガバイトを超えています。また,今回はメモリーの拡張を検討できません。見積もりで計算したメモリー量のうち,グラフ作成に必要なメモリー量が,使用可能なデフォルトのメモリー量64メガバイトに対して非常の大きいため,レポート表示の運用を見直します。レポートDのデータ収集間隔を60秒→300秒に変更して,jpcrptコマンドの必要なメモリー量を再計算します。

【手順4】PFM - Web Console(jpcrpt)で運用に必要なメモリー量の見積もり(再実施)

[PFM - Web Console(jpcrpt)の必要メモリーの再計算]

まず,レポートDのレコード数を再計算します。

データの取得回数 = 1(日)*24(時間)*60(分)÷5(分)=288(回)

レコード数=288 * 50 = 14400レコード

グラフ作成時に必要なメモリー量の最大値(F1)は,30メガバイト

jpcrptコマンドで必要なメモリー量…(D1)

=1回のレポートデータ受信に必要なデータ量(B1)の最大値(jpcrptでの【手順1】(B1)の値)

+グラフ作成時に必要なメモリー量の最大値(F1)より

jpcrptコマンドで必要なメモリー量=12メガバイト+30メガバイト = 42メガバイト

【手順5】PFM - Web Console(jpcrpt)の必要メモリー量の検証とメモリー拡張の検討(再実施)

PFM - Web Consoleの必要メモリーが64メガバイト以下であるのでPFM - Web Consoleのメモリー設定に問題はなしとなります。

【手順6】PFM - Web Console(jpcrpt)のメモリー拡張とレコード数の設定

PFM - Web Console(jpcrpt)のメモリーを拡張しないため,メモリー拡張の設定は不要です。最後にconfig.xmlのmaxFetchCount(<command>タグ配下)パラメーターを設定します。【手順1】(B1)で計算した各レポートのレコード数の中で最大の値である100800を設定します。

以上で,メモリーサイズ設計は終了です。

(7) View ServerサービスおよびPFM - Web Console(GUIおよびjpcrpt)のメモリー拡張方法について

(a) View Serverサービスのメモリー拡張方法について

Windowsの場合(11-00未満)

View Serverサービスが使用するヒープメモリーの上限値を拡張する手順を説明します。

  1. PFM - Managerを停止する。

  2. インストール先ディレクトリ\mgr\viewsvr直下に,jvmopt.iniという名称で空ファイルを作成する。

  3. jvmopt.iniをテキストエディターで開いて,次の2行を追加する。

    -XmxView Serverサービスの使用するヒープメモリーの上限値

    -Djava.rmi.dgc.leaseValue=172800000

  4. jvmopt.iniを上書き保存する。

  5. PFM - Managerを再起動する。

[使用例]

View Serverサービスが使用するヒープメモリーの上限値を384メガバイトにした場合の例を次に示します。

-Xmx384M

-Djava.rmi.dgc.leaseValue=172800000

注1

-Xmxオプションで指定した数値が,View Serverサービスが使用する最大のヒープメモリー使用量となります。指定時は,メガバイト単位(2の倍数)で記載してください(半角英数字だけ使用可)。

注2

-Xmxオプションは,View Serverサービスが使用するヒープメモリーの上限値を指定するもので,指定した値のヒープメモリーを常に使用するわけではありません。

注3

PFM - Managerを論理ホスト環境で運用している場合は,実行系・待機系両方のインストール先ディレクトリ上にあるjvmopt.iniファイルを変更してください。

Windowsの場合(11-00以降)

View Serverサービスが使用するヒープメモリーの上限値を拡張する手順を説明します。

  1. PFM - Managerを停止する。

  2. PFM - Managerのインストール先ディレクトリ\mgr\viewsvr直下に,jvmopt.iniという名称で空ファイルを作成する。

  3. jvmopt.iniをテキストエディターで開いて,次の2行を追加する。

    -XmxView Serverサービスの使用するヒープメモリーの上限値[k|K|m|M|g|G|t|T]

    -Djava.rmi.dgc.leaseValue=172800000

  4. jvmopt.iniを上書き保存する。

  5. PFM - Managerを再起動する。

[使用例]

View Serverサービスが使用するヒープメモリーの上限値を1ギガバイトにした場合の例を次に示します。

-Xmx1G

-Djava.rmi.dgc.leaseValue=172800000

注1

-Xmxオプションで指定した数値が,View Serverサービスが使用するヒープメモリーの最大値となります(サービス全体で使用するヒープメモリー量とは異なります)。設定値の単位は,バイト,キロバイト,メガバイト,ギガバイト,テラバイトのどれかを選択できます。ただし,バイトの場合は単位を指定する必要はありません。指定時は,半角英数字だけ使用できます。単位の大文字小文字は区別されません。

注2

-Xmxオプションは,View Serverサービスが使用するヒープメモリーの上限値を指定するもので,指定した値のヒープメモリーを常に使用するわけではありません。

注3

PFM - Managerを論理ホスト環境で運用している場合は,実行系・待機系両方のインストール先ディレクトリ上にあるjvmopt.iniファイルを変更してください。

UNIXの場合(11-00未満)

View Serverサービスが使用するヒープメモリーの上限値を拡張する手順を説明します。

  1. PFM - Managerを停止する。

  2. /opt/jp1pc/mgr/viewsvr/jpcvsvrをテキストエディターで開いて,次の行を検索する。

    -XmxView Serverサービスの使用するヒープメモリーの上限値 \

  3. /opt/jp1pc/mgr/viewsvr/jpcvsvrを上書き保存する。

  4. PFM - Managerを再起動する。

[使用例]

View Serverサービスが使用するヒープメモリーの上限値を384メガバイトにした場合の例を次に示します。

-Xmx384m△\

△:半角スペース

注1

-Xmxオプションで指定した数値が,View Serverサービスが使用する最大のヒープメモリー使用量となります。指定時は,メガバイト単位(2の倍数)で記載してください(半角英数字だけ使用可)。

注2

-Xmxオプションは,View Serverサービスが使用するヒープメモリーの上限値を指定するもので,指定した値のヒープメモリーを常に使用するわけではありません。

注3

上書きインストールを実行すると,/opt/jp1pc/mgr/viewsvr/jpcvsvrのファイルが上書きされます。View Serverサービスが使用するヒープメモリーの上限値を拡張して運用していた場合は,上書きインストール前に上記ファイルのバックアップを取り,上書きインストール後に,再度設定してください。

注4

PFM - Managerを論理ホスト環境で運用している場合は,実行系/待機系両方の/opt/jp1pc/mgr/viewsvr/jpcvsvrファイルを変更してください。

UNIXの場合(11-00以降)

View Serverサービスが使用するヒープメモリーの上限値を拡張する手順を説明します。

  1. PFM - Managerを停止する。

  2. /opt/jp1pc/mgr/viewsvr/jpcvsvrをテキストエディターで開いて,次の行を検索する。

    -XmxView Serverサービスの使用するヒープメモリーの上限値[k|K|m|M|g|G|t|T] \

  3. /opt/jp1pc/mgr/viewsvr/jpcvsvrを上書き保存する。

  4. PFM - Managerを再起動する。

[使用例]

View Serverサービスが使用するヒープメモリーの上限値を1ギガバイトにした場合の例を次に示します。

-Xmx1G△\

△:半角スペース

注1

-Xmxオプションで指定した数値が,View Serverサービスが使用するヒープメモリーの最大値となります(サービス全体で使用するヒープメモリー量とは異なります)。設定値の単位は,バイト,キロバイト,メガバイト,ギガバイト,テラバイトのどれかを選択できます。ただし,バイトの場合は単位を指定する必要はありません。指定時は,半角英数字だけ使用できます。単位の大文字小文字は区別されません。

注2

-Xmxオプションは,View Serverサービスが使用するヒープメモリーの上限値を指定するもので,指定した値のヒープメモリーを常に使用するわけではありません。

注3

上書きインストールを実行すると,/opt/jp1pc/mgr/viewsvr/jpcvsvrのファイルが上書きされます。View Serverサービスが使用するヒープメモリーの上限値を拡張して運用していた場合は,上書きインストール前に上記ファイルのバックアップを取り,上書きインストール後に,再度設定してください。

注4

PFM - Managerを論理ホスト環境で運用している場合は,実行系・待機系両方の/opt/jp1pc/mgr/viewsvr/jpcvsvrファイルを変更してください。

(b) PFM - Web Consoleのメモリー拡張方法について

PFM - Web Consoleサービスが使用するメモリーの上限値を拡張するにはオプション定義ファイル(usrconf.cfg)のadd.jvm.arg=-Xmxを変更します。

オプション定義ファイル(usrconf.cfg)の詳細については,マニュアル「JP1/Performance Management リファレンス」の定義ファイルについて説明している章を参照してください。

(c) jpcrptコマンドのメモリー拡張方法について

jpcrptコマンドが使用するメモリーの上限値を拡張する手順を説明します。jpcrptコマンドが使用するメモリーの上限値を拡張する場合,-mxオプションで最大ヒープサイズを指定してください。詳細については,マニュアル「JP1/Performance Management リファレンス」のコマンドの章を参照してください。

<256メガバイトに拡張する場合のコマンドライン例>

jpcrpt -o <出力ファイル> -mx 256 <入力ファイル>

(8) レコード数の見積もり方法

レコード数を計算する場合は,計算式は以下となります。

レコード数 = データの取得回数*インスタンス数

データ取得回数は,表示期間や収集間隔によって,次のように計算が異なります。

a)“データ収集間隔≧レポート表示間隔”の場合

データの取得回数 = レポート表示期間 / データ収集間隔

b)“データ収集間隔<レポート表示間隔”の場合

データの取得回数 = レポート表示期間/レポート表示間隔

メモ

各レコードのインスタンス数の見積もり方法については,各PFM - Agentのマニュアルを参照ください。

(計算例)

次の各レポートの条件で計算する場合の計算例を示します。

前提条件

レポートA

インスタンス数 20

データ収集間隔 60秒

レポート表示間隔 時(60分)

レポート表示期間 過去1ヶ月

レポートB

インスタンス数 50

データ収集間隔 300秒

レポート表示間隔 分(1分)

レポート表示期間 過去1週間

[レポートAの場合]

b)“データ収集間隔<レポート表示間隔”の場合に該当するため

データの取得回数 = レポート表示期間/レポート表示間隔より

データの取得回数 = 31(日)*24(時間)*60(分)/ 60(分)=744(回)

レコード数 = 744 * 20 = 14880レコード

[レポートBの場合]

a)“データ収集間隔≧レポート表示間隔”の場合に該当するため

データの取得回数 = レポート表示期間÷データ収集間隔より

データの取得回数 = 7(日)*24(時間)*60(分)÷5(分)=2016(回)

レコード数 = 2016 * 50 = 100800レコード

(9) レコード数が多いデータに対してGUIによるレポートを表示するためには

通常,表示間隔が[分]で過去1ヶ月などのデータは,レコード数が多大になることがあります。しかし,GUIのレポート表示は,レコード数が多いデータを参照するのに適しておりません。

この章ではPerformance Managementのレコードの特性を用い,レコード数が多いデータに対して,GUIでレポートを表示する方法を説明します。

PFMで扱うレコードには,大きく3つのレコード(PI,PD,PL)があります。それぞれの特性の説明を,次の表に示します。

表C‒26 各レコードの特性

履歴データの形式

特徴・用途

推奨するレポート運用

PIレコード

(要約レコード)

収集したパフォーマンスデータを基に,分,時,日単位などの要約レコードを自動的に生成・記録する。

パフォーマンスデータの推移や傾向を確認するのに向いている。

線グラフ・面グラフ・積み上げ面グラフなど,横軸が時系列のグラフを選択することで,パフォーマンスデータの推移や傾向を確認できる。

広域で粗い間隔のレポートから,狭域で細かい間隔のレポートへドリルダウン表示していくことで,問題の発生している期間を素早く特定できる。

PD,PLレコード

(非要約レコード)

収集したパフォーマンスデータをそのまま記録する。

ある時点での詳細な情報を確認するのに向いている。

棒グラフ・円グラフなど,ある時点の情報を表示するグラフを選択することで,任意の時刻の詳細な情報を確認できる。

次に,運用ケースを例として挙げ,各レコードの特性を用いて,レコード数が多いデータに対して,GUIでレポートを表示する方法を説明します。レコード数が多いデータとして,表示期間が[1ヶ月],表示間隔が[分]のデータを例に挙げます。

(a) 運用ケース1

[PIレコードのレポートを過去1ヶ月の期間で表示する場合]

PIレコードのレポートの場合は,ドリルダウンレポートを活用することで実現できます。

以下にドリルダウン機能の概要と設定方法を説明します。

・PIレコードの履歴レポートからのドリルダウン機能について

Performance Managementのドリルダウン機能には,ユーザーが明示的に関連づけるものと,PIレコードの履歴レポートに対して自動的に設定されるものがあります。このうち,PIレコードの履歴レポートで想定されるドリルダウンの運用例を示します。

[図データ]

[作成方法]

ドリルダウンのレポートの作成方法は次のとおりです。

  1. レポート階層より,レポートの新規作成を実施します。

  2. PIレコードタイプのレコードを設定します。

  3. [レポート表示期間の設定]で[対象期間]を[過去1ヶ月以内],[レポート間隔]を[日]とします。

  4. [表示形式]を[表]と[グラフ]とします。

  5. [グラフの種類]を[積み上げ面]とします。

  6. ドリルダウンの設定は実施しません。

注※ ここではレポートドリルダウン,フィールドのドリルダウンを設定できます。しかし,PIレコードタイプの場合は本設定を実施せずとも,1つ下位のレポート間隔へ自動的にドリルダウンできます。

[確認手順]

上記[作成方法]で作成したレポートをドリルダウンレポート機能で表示する手順は次のとおりです。

  1. [過去1ヶ月以内]でレポート間隔が「日」のレポートが表示されます。

  2. 手順1.のレポートの[表]の[Date and time]フィールドから確認する必要がある[日]をクリックします。

  3. 手順2.を実行すると選択した[日]の24時間が[時間]単位で表示されます。

  4. 手順3.で表示したレポートの[表]の[Date and time]フィールドから確認する必要がある[時刻]をクリックします。

  5. 手順4.を実行すると選択した[時刻]の1時間が[分]単位で表示されます。

(b) 運用ケース2

[PDやPLレコードのレポートを過去1ヶ月の期間で表示する場合]

PDやPLレコードは,PIレコードのようにドリルダウンレポートを使用できません。そのため,次のような運用による回避によって,データを参照してください。

  • jpcrptコマンドによるCSV出力

    jpcrptコマンドのCSV出力によって,レコード数の多いデータを参照します。マニュアルのコマンドの章を参照し,下記に格納されているサンプルファイルを編集してjpcrptの入力ファイルを作成してください。

    Windowsの場合:インストール先ディレクトリ\sample\conf

    UNIXの場合:/opt/jp1pcwebcon/sample/conf

  • レコードを減らして表示する

    次の方法でレコードを減らしてレポートを表示してください(「付録C.7(4) 使用メモリーを軽減するためには」を参照)。

    ・レポートの表示期間を小さくし,レポート表示期間を分割して表示する

    ・レポートのフィルター機能を使用する

    ・データ収集間隔を大きくする

    以上を踏まえ,システム運用に合わせたレポート表示設定を検討し,安全に運用が行えるようなシステムを設計してください。