付録C.5 レポートキャッシュファイルを使用する場合のディスク占有量
レポートキャッシュファイル化機能が有効な場合に,レポートキャッシュファイルが占有するディスク容量について説明します。なお,レポートキャッシュファイル化機能の詳細については,マニュアル「JP1/Performance Management 運用ガイド」のレポートについて説明している章を参照してください。
(1) 見積もり式
レポートキャッシュファイルは,次に示す3種類のファイルから構成されます。レポートキャッシュファイルのディスク占有量は,これら3種類のファイルサイズの総和となります。
-
行データファイル
-
時間位置情報ファイル
-
行データファイルポインタリストファイル
レポートキャッシュファイル化機能が有効な場合,レポートの表示または出力するたびに,レポートキャッシュファイル格納ディレクトリの配下に新しくディレクトリが作成され,レポートキャッシュファイルが格納されます。
- メモ
-
複数のレポートを同時に表示する場合,それぞれのレポートのレポートキャッシュファイルを合計したディスク占有量が必要です。
レポートキャッシュファイルのディスク占有量の見積もり式を次に示します。
C=t*(i*(f+d+9)+12)
- (凡例)
-
C:レポートキャッシュファイルのディスク占有量
t:出力データ時間数※1
i:レコードのインスタンス数
f:1レコード当たりのフィールド数※2
d:1レコードに含まれるフィールドのデータ長(バイト)の合計※2※3
- 注※1
-
(レポート間隔*表示期間)+1で算出します。例えば,レポート間隔が「時」で,レポートの表示期間が過去7日以内の場合,出力データ時間数は7日*24時間 + 1=169になります。なお,PDレコードタイプおよびPLレコードタイプの場合のレポート間隔は「分」だけです。
- 注※2
-
見積もりには,次の表に示すレポート種別によって自動的に付加されるフィールドも含めてください。
レポート種別
自動的に付加されるフィールド
リアルタイムレポート
-
Record Time
-
レコード固有のODBCキーフィールド(マルチインスタンスレコードだけ)
履歴レポート(単一のエージェント)
-
Date and Time
-
レコード固有のODBCキーフィールド(マルチインスタンスレコードだけ)
履歴レポート(複数のエージェント)
-
Date and Time
-
Agent Host
-
Agent Instance
-
- 注※3
-
各フィールドのデータ長については,各PFM - AgentまたはPFM - RMマニュアルに記載されている各レコードおよびStoreデータベースに記録されるときだけ追加されるフィールドのデータ型を確認の上,次に示す表から対応するデータ長を求めてください。
なお,データ型がchar(n)またはstring(n)のフィールド長は可変長のため,nに示される最大長で見積もってください。ただし,ASCIIコード以外でStoreデータベースに保存された2バイト文字は,レポートキャッシュファイルへの記録時にUTF-8コードに変換されるため,1文字が2バイトではなく3バイトで保存されます。このため,フィールドに格納される文字のバイト長によって,算出式が異なります。
データ型
データ長(バイト)
-
char(n)
-
string(n)
n+4(1バイト文字の場合)
(n*1.5)+4(2バイト文字の場合)
float
4
double
8
short
2
-
ushort
-
long
-
word
4
ulong
8
-
time_t
-
timeval
-
utime
8
uchar
4
-
また,複合レポートのレポートキャッシュファイルのディスク占有量は,複合レポートに含まれる各レポートのレポートキャッシュファイルの合計です。複合レポートの場合のディスク占有量の見積もり式を次に示します。
C=C1+C2+...+CR
- (凡例)
-
C:複合レポートのレポートキャッシュファイルのディスク占有量
C1, C2, ..., CR:各レポートのレポートキャッシュファイルのディスク占有量
R:複合レポートに含まれるレポート数
(2) 見積もり例
ヘルスチェックエージェントのPI_HAVLレコードをレポートに表示する場合を例にして説明します。
前提条件を次に示します。
-
レポート種別:履歴レポート(単一のエージェント)
-
レコードのインスタンス数(監視エージェント数):4
-
表示期間:過去7日以内
-
レポート間隔:分
-
レポートに含めるフィールド:Availability,Total Available Time,Total Monitoring Time
見積もりに当たり,レポートに含まれる各フィールドのデータ長を求めます。ODBCキーフィールド,およびレポート種別によって自動的に付加されるフィールドを考慮すると,レポートに含まれるフィールドおよびそのデータ長は次のとおりです。
フィールド |
データ型 |
データ長 |
---|---|---|
Date and Time |
time_t |
8 |
Host |
string(256) |
260 |
Availability |
float |
4 |
Total Available Time |
ulong |
8 |
Total Monitoring Time |
ulong |
8 |
この場合,「付録C.5(1) 見積もり式」に示す変数は次のようになります。
-
tの値:60*24*7+1=10081
-
iの値:4
-
fの値:5
-
dの値:8+260+4+8+8=288
以上から,レポートキャッシュファイルのディスク占有量は次のようになります。
C=t*(i*(f+d+9)+12)
=10081*(4*(5+288+9)+12)
=10081*(1208+12)
=12,298,820(バイト)
=約12(メガバイト)