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JP1 Version 12 JP1/Performance Management 設計・構築ガイド


付録C.6 PFM - Managerに接続するPFM - AgentおよびPFM - RMが多い場合の見積もりと設定

〈この項の構成〉

(1) レコード収集間隔によって再接続処理が多発する場合

同一装置内のPFM - ManagerまたはPFM - Baseが09-00-08以前の場合,PFM - Agentでは収集されている全レコードの収集間隔の最小値が60秒以上,PFM - RMでは収集されている全レコードの収集間隔の最小値が300秒以上に設定されていると,収集するたびにPFM - Managerへの再接続処理が実行されます。

このように設定されているPFM - AgentまたはPFM - RMが多いと,PFM - Managerへの再接続処理が集中し,PFM - AgentまたはPFM - RMからPFM - Managerへのイベント送信に失敗するなど,通信処理が失敗することがあります。

このような現象が発生する場合は,収集間隔の最小値を60秒より大きい値に設定しているPFM - Agentのホスト,または収集間隔の最小値を300秒より大きい値に設定しているPFM - RMのホストで次のように設定することで,PFM - Managerへの負荷を軽減できます。

  1. PFM - AgentホストまたはPFM - RMホストの収集間隔の最小値を求める。

    (a) PFM - AgentまたはPFM - RMが収集しているレコードまたはアラーム評価に使用しているレコードに対して設定されている収集間隔の最小値(単位:秒)をPFM - AgentまたはPFM - RMのインスタンスごとに求める。

    (b) 同じPFM - Agent製品またはPFM - RM製品のインスタンスが複数ある場合は,(a)で求めた最小値をインスタンス間で比較し,最大値を求める(同じPFM - Agent製品またはPFM - RM製品のインスタンス数が1つの場合は,(a)で求めた値を使用します)。

  2. jpccomm.iniファイルの[Agent Collector x Section]の「NS Cache Maintenance Time」ラベルを編集する。

    [Agent Collector x Section]の「x」には,PFM - AgentまたはPFM - RMごとに固有のプロダクトIDが入ります。PFM - AgentまたはPFM - RMのプロダクトIDは,各PFM - AgentまたはPFM - RMマニュアルの付録に記載されている識別子一覧を参照してください。

    jpccomm.iniファイルの格納先は次のとおりです。環境ディレクトリは,jpcconf ha setupコマンド実行時に指定したディレクトリを指します。

    OS

    jpccomm.iniファイルの格納先

    Windowsの場合

    • PFM - AgentまたはPFM - RMが物理ホスト環境の場合

      インストール先フォルダ\jpccomm.ini

    • PFM - Agentが論理ホスト環境の場合

      環境ディレクトリ\jp1pc\jpccomm.ini

    UNIXの場合

    • PFM - AgentまたはPFM - RMが物理ホスト環境の場合

      /opt/jp1pc/jpccomm.ini

    • PFM - Agentが論理ホスト環境の場合

      環境ディレクトリ/jp1pc/jpccomm.ini

    jpccomm.iniファイルの編集個所は次のとおりです。

    [変更前]

    NS Cache Maintenance Time=70

    [変更後]

    NS Cache Maintenance Time=手順1で算出した収集間隔の最小値 + 10
  3. PFM - Agentを再起動する。

(a) 収集間隔の見積もり例

この例では,次の条件を基に説明します。

  • ホスト1(PFM - Agent for Oracle)のインスタンスAのレコード収集間隔

    レコードa:180秒

    レコードb:300秒

  • ホスト1(PFM - Agent for Oracle)のインスタンスBのレコード収集間隔

    レコードa:300秒

    レコードc:600秒

  • ホスト2(PFM - Agent for Microsoft SQL Server)のインスタンスCのレコード収集間隔

    レコードa:60秒

    レコードb:600秒

この場合の,ホスト1とホスト2での見積もりと修正方法を次に示します。

ホスト1の場合
  1. ホスト1上のPFM - Agent for Oracleで,インスタンスごとに収集するレコードの収集間隔の最小値を求める。

    インスタンスA:180秒

    インスタンスB:300秒

  2. インスタンスが複数あるため,レコードの収集間隔を比較して最大値を求める。

    180秒(インスタンスA) < 300秒(インスタンスB)

    この結果,インスタンスBの300秒がPFM - Agent for Oracleの最大値と判断できます。

  3. 2で求めた最大値に10を加算する。

    300 + 10 = 310秒

  4. jpccomm.iniファイルの[Agent Collector O Section]セクションの設定値を次のように変更する。

NS Cache Maintenance Time=310
ホスト2の場合

ホスト2上のPFM - Agent for Microsoft SQL Serverでは,収集するレコードの収集間隔の最小値は60秒となります。そのため,jpccomm.iniファイルの[Agent Collector Q Section]セクションは,変更の必要はありません。