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JP1 Version 12 JP1/Performance Management 設計・構築ガイド


5.1.4 PFM - Managerのセットアップ手順

[図データ]は使用する環境によって必要になるセットアップ項目,またはデフォルトの設定を変更する場合のオプションのセットアップ項目を示します。

ヒント

起動情報ファイル(jpccomm.ini)は,Performance Managementの動作を設定するファイルです。

〈この項の構成〉

(1) LANG環境変数の設定

LANG環境変数を設定します。

これらのLANG環境変数を設定する前に,設定する言語環境が正しくインストール・構築されていることを確認しておいてください。正しくインストール・構築されていない場合,文字化けが発生したり,定義データが不当に書き換わってしまったりすることがあります。複数言語の混在環境でのそのほかの注意事項については,「3.10.4 複数の言語が混在している環境での注意事項」を参照してください。

注意1

共通メッセージログの言語は,サービス起動時やコマンド実行時に設定されているLANG環境変数によって決まります。そのため,日本語や英語など,複数の言語コードの文字列が混在することがあります。

注意2

LC_ALL環境変数が設定されており,LANG環境変数の値と異なる場合は,Performance Managementのサービスを起動する際,およびコマンドを実行する際に,LC_ALL環境変数を解除するか,LANG環境変数と同一の値に変更してください。

環境変数の変更は,該当する操作を実行するシェルだけで必要です。システム全体で変更する必要はありません。LC_ALL環境変数を解除する場合は以下のコマンドで解除できます。

unset LC_ALL

Performance Managementで使用できるLANG環境変数を次の表に示します。なお,表に示す以外の言語(ドイツ語,フランス語,スペイン語,韓国語,およびロシア語)を設定した場合,LANG環境変数の値は「C」で動作します。

表5‒3 Performance Managementで使用できるLANG環境変数(AIXの場合)

言語

文字コード

LANG環境変数の値

日本語

EUC

  • ja_JP

Shift_JIS(SJIS)

  • Ja_JP

  • Ja_JP.IBM-932

UTF-8

  • JA_JP

  • JA_JP.UTF-8

英語

ASCII

  • C

中国語(簡体字)

GB18030

  • Zh_CN

  • Zh_CN.GB18030

UTF-8

  • ZH_CN

  • ZH_CN.UTF-8

表5‒4 Performance Managementで使用できるLANG環境変数(HP-UXの場合)

言語

文字コード

LANG環境変数の値

日本語

EUC

  • ja_JP.eucJP

  • Japanese.euc

Shift_JIS(SJIS)

  • ja_JP.SJIS

  • japanese

UTF-8

  • ja_JP.utf8

英語

ASCII

  • C

中国語(簡体字)

GB18030

  • zh_CN.gb18030

UTF-8

  • zh_CN.utf8

表5‒5 Performance Managementで使用できるLANG環境変数(Linuxの場合)

言語

文字コード

LANG環境変数の値

日本語

Shift_JIS(SJIS)

  • ja_JP.SJIS

  • ja_JP.sjis

UTF-8

  • ja_JP.UTF-8

  • ja_JP.utf8

英語

ASCII

  • C

中国語(簡体字)

GB18030

  • zh_CN.gb18030

UTF-8

  • zh_CN.UTF-8

  • zh_CN.utf8

注※ SUSE Linuxだけ使用できます。

表5‒6 Performance Managementで使用できるLANG環境変数(Solarisの場合)

言語

文字コード

LANG環境変数の値

日本語

EUC

  • ja

  • ja_JP.eucJP

  • japanese

Shift_JIS(SJIS)

ja_JP.PCK

UTF-8

ja_JP.UTF-8

英語

ASCII

C

中国語(簡体字)

GB18030

  • zh_CN.GB18030

  • zh_CN.GB18030@pinyin

  • zh_CN.GB18030@radical

  • zh_CN.GB18030@stroke

UTF-8

  • zh_CN.UTF-8

  • zh_CN.UTF-8@pinyin

  • zh_CN.UTF-8@radical

  • zh_CN.UTF-8@stroke

  • zh.UTF-8

注※ Solaris 11 (SPARC)だけ使用できます。

(2) PFM - AgentまたはPFM - RMの登録[図データ]

PFM - ManagerおよびPFM - Web Consoleを使ってPFM - AgentまたはPFM - RMを一元管理するために,PFM - ManagerにPFM - AgentまたはPFM - RMを登録する必要があります。

PFM - Managerに登録されている場合には,本手順は不要です。登録されていない場合には,本手順により手動登録をしてください。

手動登録の要否については次の条件を確認してください。

次の条件をすべて満たす場合に手動登録してください。

ただし,PFM - AgentまたはPFM - RMのリリースノートにセットアップコマンドの実行が必要であることが記載されている場合は,セットアップコマンドを実行してください。

メモ

自動で登録されたPFM - AgentまたはPFM - RMの情報は,次のタイミングでPFM - Web Consoleに表示されるようになります。

PFM - Web Consoleのバージョンが08-50以降の場合

登録されたPFM - AgentまたはPFM - RMの起動後に,PFM - Web Consoleに再ログインしたとき

PFM - Web Consoleのバージョンが08-11以前の場合

登録されたPFM - Agentの起動後に,PFM - Web Consoleを再起動したとき

PFM - AgentまたはPFM - RMの起動前に登録したい場合は,jpcconf agent setupコマンドに-registerオプションを付けて実行してください。jpcconf agent setupコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Performance Management リファレンス」の,コマンドについて説明している章を参照してください。

図5‒3 PFM - AgentまたはPFM - RMの登録の流れ

[図データ]

注意
  • PFM - AgentまたはPFM - RMの登録は,PFM - AgentまたはPFM - RMのインスタンス環境を設定する前に実施してください。

  • すでにPFM - AgentまたはPFM - RMの情報が登録されているPerformance Managementシステムに,新たに同じプロダクトIDで,同じバージョンのPFM - AgentまたはPFM - RMを追加した場合は,PFM - AgentまたはPFM - RMの登録は必要ありません。

  • バージョンが異なる同じプロダクトIDのPFM - AgentまたはPFM - RMを,異なるホストにインストールする場合,古いバージョン,新しいバージョンの順でPFM - AgentまたはPFM - RMをセットアップしてください。

  • PFM - Managerと同じホストにPFM - AgentまたはPFM - RMをインストールした場合,jpcconf agent setupコマンドが自動的に実行されます。PFM - AgentまたはPFM - RMの場合は,共通メッセージログにKAVE05908-Iが出力されるので,結果を確認してください。コマンドが正しく実行されていない場合は,コマンドを実行し直してください。コマンドの実行方法については,マニュアル「JP1/Performance Management リファレンス」の,コマンドについて説明している章を参照してください。

補足

PFM - Managerホストで手動登録(jpcconf agent setup -key agtX-registerオプションの指定なし))を実行した場合について

PFM - Managerが物理環境の場合に,jpcconf agent setup -key agtX-registerオプションの指定なし)を実行したとき

登録されたPFM - AgentまたはPFM - RMの情報は,次のタイミングでPFM - Web Consoleに表示されるようになります。

  • PFM - Web Consoleのバージョンが08-50以降の場合

    PFM - Web Consoleに再ログインしたとき

  • PFM - Web Consoleのバージョンが08-11以前の場合

    PFM - Web Consoleを再起動したとき

PFM - Managerが論理環境の場合に,実行系ホストおよび待機系ホストでjpcconf agent setup -key agtX-registerオプションの指定なし)を実行したとき

登録されたPFM - AgentまたはPFM - RMの情報は,次のタイミングでPFM - Web Consoleに表示されるようになります。

  • PFM - Web Consoleのバージョンが08-50以降の場合

    登録されたPFM - AgentまたはPFM - RMの起動後または共有ディスクが接続されている実行系ホストおよび待機系ホストでjpcconf agent setup -key agtX -registerを実行し,PFM - Web Consoleに再ログインしたとき

  • PFM - Web Consoleのバージョンが08-11以前の場合

    登録されたPFM - AgentまたはPFM - RMの起動後または共有ディスクが接続されている実行系ホストおよび待機系ホストでjpcconf agent setup -key agtX -registerを実行し,PFM - Web Consoleを再起動したとき

(a) PFM - AgentまたはPFM - RMのセットアップファイルをコピーする

PFM - AgentまたはPFM - RMをインストールしたホストにあるセットアップファイルをPFM - Managerをインストールしたホストにコピーします。手順を次に示します。

  1. PFM - AgentまたはPFM - RMのセットアップファイルをバイナリーモードでコピーする。

    ファイルが格納されている場所およびファイルをコピーする場所を次の表に示します。

    表5‒7 コピーするセットアップファイル

    コピー元

    コピー先

    ホスト

    ファイル

    ホスト

    ファイル

    PFM - Agent,PFM - RM

    • UNIXの場合

      /opt/jp1pc/setup/jpcxxxxu.Z

    PFM - Manager

    /opt/jp1pc/setup/

    (凡例)

    xxxx」は,各PFM - AgentまたはPFM - RMのサービスキーを示します。サービスキーの詳細は,各PFM - AgentまたはPFM - RMマニュアルを参照してください。

(b) PFM - Managerホストでセットアップコマンドを実行する

PFM - ManagerホストでPFM - AgentまたはPFM - RMをセットアップするための次のコマンドを実行します。

jpcconf agent setup -key xxxx

xxxx」は,各PFM - AgentまたはPFM - RMのサービスキーを示します。

例えば,PFM - Agent for Oracleの場合,次のようにコマンドを実行します。

jpcconf agent setup -key Oracle

ここでは,対話形式の実行例を示していますが,jpcconf agent setupコマンドは非対話形式でも実行できます。jpcconf agent setupコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Performance Management リファレンス」のコマンドについて説明している章を参照してください。

注意

コマンドを実行するローカルホストのPerformance Managementのプログラムおよびサービスが完全に停止していない状態でjpcconf agent setupコマンドを実行した場合,エラーが発生することがあります。その場合は,Performance Managementのプログラムおよびサービスが完全に停止したことを確認したあと,再度jpcconf agent setupコマンドを実行してください。

PFM - AgentまたはPFM - RMのセットアップファイルは,この作業が終了したあと,削除してもかまいません。

(3) ネットワークの設定[図データ]

Performance Managementを使用するネットワーク構成に応じて,変更する場合に必要な設定です。

ネットワークの設定では次の4つの項目を設定できます。

(4) ログのファイルサイズ変更[図データ]

Performance Managementの稼働状況を,Performance Management独自のログファイルに出力します。このログファイルを「共通メッセージログ」と呼びます。このファイルサイズを変更したい場合に,必要な設定です。

詳細については,「5.4.1 共通メッセージログのファイルサイズの設定手順」を参照してください。

(5) 認証モードの設定[図データ]

Performance Managementの認証モードをPFM認証モードからJP1認証モードに変更したい場合に,必要な設定です。

詳細については,マニュアル「JP1/Performance Management 運用ガイド」の,ユーザーアカウントと業務グループの管理について説明している章を参照してください。

(6) 業務グループによるアクセスコントロール機能の設定[図データ]

業務グループを利用してPerformance Managementのユーザーを管理したい場合に必要な設定です。起動情報ファイル(jpccomm.ini)で,業務グループによるアクセスコントロール機能の利用有無を設定します。

詳細については,マニュアル「JP1/Performance Management 運用ガイド」の,ユーザーアカウントと業務グループの管理について説明している章を参照してください。

(7) イベントデータの格納先変更[図データ]

PFM - Managerで管理されるイベントデータの格納先,バックアップ先,またはエクスポート先のディレクトリを変更したい場合に必要な設定です。

イベントデータは,デフォルトで次の場所に格納されます。

論理ホストで運用する場合のデフォルトの保存先については,「/opt/jp1pc/」を「環境ディレクトリ\jp1pc\」に読み替えてください。

変更方法についての詳細は,「5.4.2 イベントデータの格納先の変更手順」を参照してください。

(8) 動作ログ出力の設定[図データ]

アラーム発生時に動作ログを出力したい場合に必要な設定です。動作ログとは,システム負荷などのしきい値オーバーに関するアラーム機能と連動して出力される履歴情報です。設定方法については,「付録H 動作ログの出力」を参照してください。

(9) ヘルスチェック機能の設定[図データ]

監視エージェントや監視エージェントが稼働するホストの稼働状態を確認したい場合に必要な設定です。設定方法については,マニュアル「JP1/Performance Management 運用ガイド」の,Performance Managementの障害検知について説明している章を参照してください。

(10) PFMサービス自動再起動機能の設定[図データ]

PFMサービスが何らかの原因で異常停止した場合に,自動的にPFMサービスを再起動させたいときに必要な設定です。設定方法については,マニュアル「JP1/Performance Management 運用ガイド」の,Performance Managementの障害検知について説明している章を参照してください。

(11) プロダクト名表示機能の設定[図データ]

08-50以前からのバージョンアップ時にプロダクト名表示機能を有効にしたい場合,または新規セットアップ時にプロダクト名表示機能を無効にしたい場合に必要な設定です。プロダクト名表示機能の詳細については,「3.1.2 サービスの表示・指定方法(プロダクト名表示機能)」を参照してください。設定方法については,「5.4.9 プロダクト名表示機能の設定手順」を参照してください。

(12) アラームの自動バインド機能の設定[図データ]

アラームの自動バインド機能の有効/無効をデフォルトから変更したい場合に必要な設定です。11-50以降のバージョンへの新規インストール時およびバージョンアップ時には,アラームの自動バインド機能がデフォルトで有効となります。アラームの自動バインド機能の詳細については,マニュアル「JP1/Performance Management 運用ガイド」のアラームの自動バインドについて説明している個所を参照してください。

設定方法を次に示します。

メモ

監視二重化構成で利用している場合,プライマリー側とセカンダリー側の両方で設定してください。

  1. Performance Managementのプログラムおよびサービスを停止する。

    Performance Managementのプログラムおよびサービスが起動されている場合は,jpcspm stopコマンドですべて停止します。クラスタ構成で使用している場合,クラスタソフトウェアから停止します。

  2. テキストエディターなどで,PFM - Managerホストの動作環境(物理ホストおよび論理ホスト)のjpccomm.iniファイルを編集する。

    jpccomm.iniファイルの[Common Section]セクションで,次のように変更し保存します。

    アラームの自動バインド機能を有効にする場合

    Auto Alarm Bind Mode=1

    アラームの自動バインド機能を無効にする場合

    Auto Alarm Bind Mode=0

    編集後は,jpccomm.iniファイルを保存し,ファイルを閉じます。

  3. Performance Managementのプログラムおよびサービスを起動する。

    jpcspm startコマンドで起動します。クラスタ構成で使用している場合,クラスタソフトウェアから起動します。