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JP1 Version 12 JP1/Service Support 操作ガイド


4.5.3 メールから案件を作成する

メールから案件を作成する手順について次に示します。

  1. メールを作成する。

    JP1/Service Supportに案件を登録するためのメールを作成します。作成するメールの詳細について次に示します。

    • 主題

      メールの主題が案件のタイトルとして登録されます。300文字以内の半角英数字または約100文字以内の全角文字列で入力してください。

      また,主題にプロセスワークボードIDを入力することで,案件の登録先となるプロセスワークボードを指定できます。指定しない場合は,一時受付プロセスワークボードに登録されます。なお,一時受付プロセスワークボードで使用している案件フォームが,添付ファイルを使用しない設定の場合,案件は登録されません。

      プロセスワークボードを指定する場合は,「#(半角のシャープ)」で囲んだプロセスワークボードIDを,主題の先頭に入力してください。「#」を含めたプロセスワークボードIDが主題の先頭に入力されていない場合は,プロセスワークボードを指定できません。また,状態が運用中のプロセスワークボードを指定してください。なお,入力したプロセスワークボードIDは案件のタイトルに含まれません。

      プロセスワークボードを指定する場合の主題の例を,次の表に示します。

      表4‒19 プロセスワークボードを指定する場合のメールの主題(例)

      項目

      説明

      登録先のプロセスワークボードID

      pwb01

      入力するメールの主題

      #pwb01#サーバ障害発生

      登録される案件のタイトル

      サーバ障害発生

    • 本文

      メールによる案件登録の動作モードによって,案件の登録状態が異なります。決められた動作モードに従って,本文を作成してください。メールによる案件登録の動作モードの詳細については,マニュアル「JP1/Service Support 構築・運用ガイド」のメールによる案件の作成の説明を参照してください。

      添付ファイルモードの場合:

      メールの本文は案件の添付ファイルとして保存されます。本文は4.9メガバイトより小さくなるように入力してください。

      メールサーバに4.9メガバイト以上のメールが存在すると,1回のコマンド実行時に登録できる案件の数が少なくなります。4.9メガバイト以上のメールはメールサーバに保存されたままになるので,大量に保存されたままの状態では,すべてのメールで案件の登録に失敗する場合があります。4.9メガバイト以上のメールはメールサーバから取得し,内容を画面から案件として登録したあとに,メールサーバから削除してください。

      シングルモードの場合:

      案件項目の一つとして,メール本文すべてが登録されます。登録先の案件項目によって,メール本文から登録できる文字数(バイト数)が異なります。指定した案件項目にメールの本文が登録できなかった場合,メールの本文は案件の添付ファイルとして保存されます。

      マルチモードの場合:

      メール本文をXML形式のフォーマットに従って記述することで,開始タグと終了タグで囲んだ内容を,案件の各項目にあらかじめ作成したメール本文のテンプレートに従い必要な情報を入力するだけで,案件が登録できます。メールの本文は,案件の添付ファイルとして保存されます。

    • 添付ファイル

      セキュリティ上の問題があるため,メールにファイルを添付しないでください。ファイルを添付した場合,添付ファイルは案件管理DBには登録されないで,案件管理サーバ上に用意されたフォルダに保存されます。また,案件の添付ファイルとして登録されるメールの本文の末尾に,添付ファイルの保存先フォルダ名が記載されます。

      なお,保存に失敗するおそれがあるため,ファイル名が100文字以上のファイルは添付しないでください。なお,文字数は半角,全角共に1文字として扱われます。

  2. メールを送信する。

    指定されたメールアドレスに,作成したメールを送信します。送信したメールは,メールサーバに一時保存され,そのあとJP1/Service Supportに登録されます。

メールによって案件を登録する場合,案件登録の動作モードによって案件の内容が異なります。共通の登録内容を,次の表に示します。

表4‒20 メールによって登録される共通の案件の内容

案件の設定項目

設定内容

タイトル

送信したメールの主題が,案件のタイトルとなる。メールの主題でプロセスワークボードIDを指定した場合は,メールの主題から「#プロセスワークボードID#」を取り除いた文字列が案件のタイトルとなる。

案件ID

案件の登録時点で最新の案件IDが自動で設定される。

更新日時

案件管理サーバに案件が登録されたときの日時が自動で設定される。

システム

「マスターシステム」が設定される。メールの主題で登録先のプロセスワークボードを指定した場合は,そのプロセスワークボードの対象システムが設定される。

プロセス

「インシデント管理」が設定される。「インシデント管理」プロセス表示名をカスタマイズしている場合は,「インシデント管理」のプロセス表示名が設定される。メールの主題で登録先のプロセスワークボードを指定した場合は,そのプロセスワークボードのプロセスが設定される。

担当者

登録先のプロセスワークボードで設定されている,「メールから登録された案件の担当者」が設定される。

なお,「メールから登録された案件の担当者」には,次の権限が設定される。

  • 設定先のプロセスワークボードの案件参照権限

  • 設定先のプロセスワークボードに登録されている案件を,ステータスが「受付(ステータスID:JIMSD_STAT_INQUIRY)」の場合に編集できる権限

ステータス

「受付(ステータスID:JIMSD_STAT_INQUIRY)」が設定される。

プロセス間ID

案件の登録時点で最新のプロセス間IDが自動で設定される。

登録日時

案件管理サーバに案件が登録されたときの日時が自動で設定される。

登録者

登録先のプロセスワークボードで設定されている「メールから登録された案件の担当者」が設定される。

拡張ユーザー情報01〜05のうち,案件ごとの参照権限所有者を指定するために使用する項目

登録先のプロセスワークボードで設定されている,「メールから登録された案件の担当者」が設定される。

なお,この項目は,登録先のプロセスワークボードに対して案件ごとに参照権限が設定されている場合に設定される。

[プロセスワークボード作成]画面,または[プロセスワークボード編集]画面の「案件自動入力」タブで,自動入力を設定している項目があれば,それらの項目も自動で設定されます。

注意事項
  • 案件が文字化けするおそれがあるため,メールの主題や本文に,次の例に示すような文字コード間に互換性のない文字および機種依存文字は使用しないでください。

    (例)

    「~(チルダ)」,「\(バックスラッシュ)」,「\(全角のバックスラッシュ)」,「〜(波ダッシュ)」,「‖(双柱)」,「−(減算記号)」,「¢(セント記号)」,「£(ポンド記号)」,「¬(否定)」

  • 案件が文字化けしたり,案件の登録に失敗したりするおそれがあるため,暗号化したメールは送信しないでください。

  • メールの主題で指定したプロセスワークボードが存在しない場合は,一時受付プロセスワークボードに案件が登録されます。

  • メールの主題で指定したプロセスワークボードが運用中以外の状態になっている場合は,一時受付プロセスワークボードに案件が登録されます。

  • メールの主題で指定したプロセスワークボードで使用している案件フォームが,添付ファイルを使用しない設定になっている場合は,一時受付プロセスワークボードに案件が登録されます。