Hitachi

JP1 Version 12 JP1/Service Support 構築・運用ガイド


3.9 案件の保存

案件管理DBに登録されている運用が終了した過去の案件を,案件保存DBに保存できます。過去の案件を案件保存DBに保存することで,それらの案件をナレッジとして管理し,必要なときに参照できます。また,案件管理DBと案件保存DBを意識することなく,案件を表示したり,検索したりできます。

案件保存DBに保存された案件の表示

案件保存DBに保存された案件は,メイン画面(案件一覧)の案件一覧や[案件検索結果一覧]画面で表示が異なります。案件保存DBに保存された案件は,青字で表示されます。また,編集状態アイコンには,案件保存DBの案件(保存案件)を示すアイコンが表示されます。保存案件が表示されたメイン画面(案件一覧)を,次の図に示します。

図3‒33 メイン画面(案件一覧)(案件保存DBに保存された案件)

[図データ]

なお,案件の編集や削除など,参照以外で案件を操作するメニュー([アクション]メニュー)は,非活性となります。

また,案件管理ウィンドウを使用することで,大量の案件の中から通常の業務に必要な案件を効率よく検索できます。案件管理ウィンドウについては「3.2.3 案件管理ウィンドウ」を参照してください。

案件保存DBに格納される情報

案件保存DBには,次に示す情報が格納されます。

案件保存DBの保存単位

案件保存DBは,保存エリア単位で案件を管理します。案件を保存する際は,一つの保存エリアに対して,保存したい年数分の案件を保存します。また,使用している保存エリアの容量に空きがある間は,何度でも案件を保存できます。なお,案件保存DBでは,案件単位で案件を削除できません。案件の削除も保存エリア単位となります。

案件保存DBの運用方法

案件保存DBに案件を保存する際に,案件保存DBに保存される案件は,案件管理DBから削除されます。なお,案件保存DBに保存された案件は,案件管理DBに戻せません。また,案件保存DBを運用する前に,何年分の案件を保存するか,保存先をどうするかなどの運用方法について,あらかじめ検討する必要があります。案件保存DBの運用方法の検討については,「5.13 案件保存DBの運用についての検討」を参照してください。

保存案件に対して使用できる機能

案件管理DBの案件と比較した案件保存DBの保存案件に対して使用できる機能を,次の表に示します。

表3‒44 案件保存DBの保存案件および案件管理DBの案件に対して使用できる機能

機能

案件保存DB

案件管理DB

説明

案件の表示

案件保存DBと案件管理DBの案件で機能差異はない。

案件の検索

案件保存DBと案件管理DBの案件で機能差異はない。

案件の作成

×

案件管理DBに対して案件を作成,およびエスカレーションできる。

案件の編集

×

案件管理DBの案件に対して編集できる。

案件の一括操作

×

案件管理DBの案件に対して案件のステータスを一括で操作できる。

案件の削除

案件管理DBでは,案件単位で案件を削除できる。案件保存DBでは,保存エリア単位で案件を削除できる。

案件の印刷

案件保存DBと案件管理DBの案件で機能差異はない。

メールによる通知

×

案件保存DBに対して案件を作成または変更できないため,メールで通知できない。

案件情報をCSVファイルに出力

案件保存DBと案件管理DBの案件で機能差異はない。

案件の作業状況の管理

案件保存DBと案件管理DBの案件で機能差異はない。

コマンドを使用したデータベースの操作

案件保存DBと案件管理DBの案件に対して実行できるコマンド,およびコマンドで指定できるオプションに差異がある。

(凡例)

○:使用できる

×:使用できない