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JP1 Version 12 JP1/Integrated Management 2 - Manager 導入・設計ガイド


4.5.5 大量発生イベントの監視抑止を終了する契機

大量発生イベントが監視抑止対象になったあと,大量発生イベントの取得量が一定期間(終了監視期間)しきい値を下回り続けた場合,大量発生イベントの監視抑止を終了します。終了監視期間およびしきい値は,[繰り返しイベント条件設定]画面の[オプション]ページで指定します。

JP1/IM - Managerは,イベントサービスからイベントを取得した時点で大量発生イベントの監視抑止を終了するかどうかを判断します。

大量発生イベントの監視抑止を終了するかどうかは,繰り返しイベント条件ごとに判定されます。

ここでは発生監視期間を2秒間,発生件数を5件,終了監視期間を300秒(5分)とした繰り返しイベント条件αに一致する大量発生イベントの監視抑止が,終了監視期間中しきい値を下回り続けた場合に抑止を終了する契機について説明します。

図4‒62 大量発生イベントの発生1

[図データ]

図4-62のように繰り返しイベント条件αに一致する大量発生イベントが発生した場合を考えます。

JP1/IM - Managerは,大量発生イベントの到着時刻(B.ARRIVEDTIME)を基にイベントの大量発生が収束したかを判断します。次の式が成立する場合,イベントの大量発生が収束したと判断します。

図4-62に示すイベントが発生した場合,イベントサービスから取得した最新のイベントは301秒に到着したイベントMです。発生監視期間当たりの件数およびしきい値をグラフに示すと,次の図のようになります。発生監視期間当たりの件数およびしきい値のグラフの考え方については,「4.5.4 大量発生イベントの監視抑止を開始する契機」を参照してください。

図4‒63 発生監視期間当たりの件数のグラフ3

[図データ]

このグラフのとき,最後にしきい値以上になった大量発生イベントであるイベントGの到着時刻は2秒です。終了監視期間は,図4-63に示す1秒から301秒までです。イベントG,イベントM,および繰り返しイベント条件αの終了監視期間の関係を式で示すと,次のようになります。

イベントMの到着時刻(301秒)−イベントGの到着時刻(2秒)<繰り返しイベント条件αの終了監視期間(300秒)

イベントMの到着時刻とイベントGの到着時刻の差が終了監視期間より小さいため,イベントMを取得した時点では大量発生イベントの監視抑止を終了しません。

図4-62に示す繰り返しイベント条件αに一致する大量発生イベントが発生したあと,次のようにJP1イベントが発生したとします。

図4‒64 大量発生イベントの発生2

[図データ]

図4-64に示すイベントが発生した場合,イベントサービスから取得した最新のイベントは302秒に到着したイベントNです。イベントNの時点での発生監視期間当たりの件数およびしきい値をグラフに示すと,次のようになります。

図4‒65 発生監視期間当たりの件数のグラフ4

[図データ]

このグラフのとき,最後にしきい値以上になった大量発生イベントであるイベントGの到着時刻は2秒です。終了監視期間は,図4-65に示す2秒から302秒までです。イベントG,イベントN,および繰り返しイベント条件αの終了監視期間の関係を式で示すと,次のようになります。

イベントNの到着時刻(302秒)−イベントGの到着時刻(2秒)≧繰り返しイベント条件αの終了監視期間(300秒)

イベントNの到着時刻とイベントGの到着時刻の差が終了監視期間より大きいため,大量発生イベントの監視抑止が終了します。

図4-65のグラフの場合に,抑止される大量発生イベントと抑止されない大量発生イベントを次に示します。

図4‒66 抑止される大量発生イベントと抑止されない大量発生イベント

[図データ]

監視抑止が終了するタイミングは,302秒です。そのため,抑止が解除される302秒以降に発生したイベントN以降の繰り返しイベント条件αのイベント条件に一致するイベントは,抑止されません。

大量発生イベントの監視抑止が終了した際のJP1/IM - Viewでの表示については,「4.4.6 繰り返しイベントが表示抑止中のイベント一覧の表示」を参照してください。

大量発生イベントの取得量が一定期間(終了監視期間)しきい値を下回り続けた場合以外での監視抑止の終了について

次の場合も大量発生イベントの監視抑止を終了します。