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JP1 Version 12 JP1/Integrated Management 2 - Manager 導入・設計ガイド


4.1.4 業務グループの参照・操作制限の仕組み

システム管理者は,参照・操作できる範囲をJP1ユーザーごとに制限できます。これを業務グループの参照・操作制限といいます。

業務グループの参照・操作制限が有効になっている場合,業務グループ内で発生したJP1イベントだけを参照・操作できます。不注意でほかの業務グループのJP1イベントを操作してしまったといった誤りを防げます。

参照・操作制限が有効になっている場合,次の画面には,業務グループ内で発生したJP1イベントだけが表示されます。

なお,この例では,あらかじめ業務グループAに資源グループ「sigenA」を,業務グループBに資源グループ「sigenB」を設定しています。

業務グループの参照・操作制限を有効にする方法については,マニュアル「JP1/Integrated Management 2 - Manager 構築ガイド」の「5.19 業務グループの参照・操作制限の設定」を参照してください。

なお,業務グループの構成を変更する場合は,次の点に注意してください。

業務グループの詳細については,「7.4 業務グループの管理」を参照してください。

〈この項の構成〉

(1) 複数の業務グループが割り当たっている場合の設定

一人のJP1ユーザーに対し,参照・操作できるJP1資源グループを複数設定し,異なるJP1権限レベルを割り当てることによって,次の図に示すように,表示されるJP1イベントに対して,ある部分は操作できるが,ある部分は参照だけ,といった運用もできるようになります。

図4‒9 JP1資源グループとJP1権限レベルの組み合わせを利用した業務グループの参照・操作制御

[図データ]

(2) JP1ユーザーに対するJP1資源グループとJP1権限レベルの割り当て

業務グループの参照・操作制限が有効になっている場合,JP1資源グループとJP1権限レベルの組み合わせによってできる操作が異なります。JP1資源グループとJP1権限レベルを必ず見直してください。

JP1資源グループとJP1権限レベルの組み合わせでできる操作については,「付録E.2(2) 業務グループの参照・操作制限が有効な場合に必要な操作権限」を参照してください。

なお,業務グループの参照・操作制限が有効な場合,参照・操作制限が設定されているJP1ユーザーでも,次の項目については操作できます。

なお,業務グループの参照・操作制限が無効な場合のJP1権限レベルについては,「付録E.2(1) 業務グループの参照・操作制限が無効な場合に必要な操作権限」を参照してください。

(3) 業務グループの指定方法

次の前提条件を満たす場合,イベント条件および実行ホスト名(コマンド実行先ホスト)に,業務グループをパス表記で指定できます。これにより,業務グループや監視グループに所属するホストを変更するだけで,定義の変更が不要になります。

この条件を満たしていない場合,イベント条件および実行ホスト名(コマンド実行先ホスト)に業務グループを指定しても,業務グループとして扱いません。ホスト名として扱います。

イベント条件に業務グループを指定できる属性と機能の対応を次に示します。

表4‒3 イベント条件の属性と機能の対応

機能

属性

登録ホスト名(B.SOURCESERVER

送信先イベントサーバ名(B.DESTSERVER

発生元ホスト名(E.JP1_SOURCEHOST

重要イベント定義

イベント検索

イベント取得フィルター(拡張モードの共通除外条件)でのフィルタリング

ユーザーフィルターでのフィルタリング

表示フィルターでのフィルタリング

自動アクション

相関イベントの発行

重大度の変更

メッセージの表示形式の変更

イベントレポート出力のフィルターファイル

発生元ホストのマッピング

繰り返しイベントの監視抑止

(凡例)

○:指定できる

−:指定できない(属性がない)

イベント条件で業務グループを指定する場合,比較キーワードには,「IN(と一致する)」「NOTIN(と一致しない)」を指定できます。

業務グループをパス表記で指定するための条件を満たしている場合,または比較キーワードが「IN(と一致する)」「NOTIN(と一致しない)」のどちらでもない場合は,イベント条件および実行ホスト名(コマンド実行先ホスト)に業務グループを指定してもホスト名として扱います。

なお,イベント条件に指定した業務グループにホストが存在しない場合,そのイベント条件は常に成立しない状態となります。

実行ホスト名(コマンド実行先ホスト)は,自動アクション,アクション結果の表示,コマンドボタン定義およびコマンド実行時に指定できます。パス表記の例を次に示します。

例:業務グループ「人事システム」内のホストをイベント条件に指定する場合

/人事システム

例:業務グループ「人事システム」中の監視グループ「APサーバ」をイベント条件に指定する場合

/人事システム/APサーバ

業務グループや監視グループを反映すると,セントラルコンソールの次の定義に指定された業務グループ・監視グループの名称が最新の名称に変更されます。なお,業務グループや監視グループを削除した場合,セントラルコンソールで指定していた業務グループ・監視グループの名称が"//"となり,無効になります。