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JP1 Version 12 JP1/Integrated Management 2 - Manager 導入・設計ガイド


4.1.3 JP1/IM - Manager内部のJP1イベント制御の仕組み

JP1/IM - Managerでは,JP1/BaseのイベントDBやJP1/IM - Managerの統合監視DBからJP1イベントを取得し,その情報に基づいて各種処理が実行されます。

〈この項の構成〉

(1) 統合監視DBを使用しない場合のJP1イベント制御の仕組み

統合監視DBを使用しない場合,JP1/BaseのイベントDBからJP1イベントを取得します。JP1/BaseのイベントDBからJP1イベントを取得するのは,JP1/IM - Manager内のイベント基盤サービス,および相関イベント発行サービスです。

図4‒4 JP1/IM - Manager内部のJP1イベント制御の仕組み(統合監視DBを使用しない場合)

[図データ]

これら二つのサービスが取得したJP1イベントは,設定した条件に合わせてフィルター(イベント取得フィルター)をかけられ,各種処理が実行されます。

イベント基盤サービスのJP1イベント取得後の処理

JP1/IM - Managerは,イベント基盤サービスからイベントコンソールサービス,アクション実行サービスおよびセントラルスコープサービスにJP1イベントを送信します。

JP1イベントを送信した先のすべてのサービスから,JP1イベントの受信が完了した通知を受け取ったあと,イベント基盤サービスは次の処理をします。そのため,JP1イベントが大量に発生した場合は,JP1イベントの処理が遅れるおそれがあります。運用管理に必要なJP1イベントをフィルタリングして管理することをお勧めします。

なお,イベント基盤サービスのJP1イベントの取得処理・送信処理(イベントDBから取得するJP1イベントのイベント取得開始位置の変更,送信タイムアウト・リトライなど)は,jcoimdefコマンドで調整できます。詳細については,マニュアル「JP1/Integrated Management 2 - Manager コマンド・定義ファイル・APIリファレンス」の「jcoimdef」(1. コマンド)を参照してください。

相関イベント発行サービスのJP1イベント取得後の処理

相関イベント発行定義に従い,相関イベントの発行処理をします。詳細については,「4.3 相関イベントの発行」を参照してください。

(2) 統合監視DBを使用する場合のJP1イベント制御の仕組み

統合監視DBを使用する場合,JP1/BaseのイベントDBからJP1イベントを取得するのは,JP1/IM - Manager 内のイベント基盤サービスです。取得したJP1イベントは,統合監視DBに保管します。

図4‒5 JP1/IM - Manager内部のJP1イベント制御の仕組み(統合監視DBを使用する場合)

[図データ]

イベント基盤サービスはJP1イベントを取得し,各種処理を実行します。

jcoimdefコマンドで-bオプションに-1を指定すると,イベント基盤サービスは,JP1/IM - Managerを停止する前に処理したJP1イベントの中で最も古いイベントDB内通し番号を持つJP1イベント(前回停止位置のイベント)の次のJP1イベントから順番にJP1イベントを取得します。取得するJP1イベントは,JP1/IM - Managerを停止する前に処理したJP1イベントかどうかによって,取得先が異なります。

JP1/IM - Managerを停止する前に処理したJP1イベントの場合

統合監視DBからJP1イベントを取得します。

統合監視DBからイベントを取得する際は,イベント取得フィルターは使用しません。

JP1/IM - Managerを停止する前に処理していないJP1イベントの場合

JP1/BaseのイベントDBからイベントを取得します。

イベントDBから取得するイベントは,イベント取得フィルターを通過したJP1イベントです。イベントDBから取得したJP1イベントは,統合監視DBに格納されます。

イベント基盤サービスのJP1イベント取得後の処理

JP1/IM - Managerは,イベント基盤サービス内で,相関イベント発行の定義に従い,相関イベントの発行処理をします。そのあとイベント基盤サービスからイベントコンソールサービス,アクション実行サービスおよびセントラルスコープサービスにJP1イベントを送信します。

JP1イベントを送信した先のすべてのサービスから,JP1イベントの受信が完了した通知を受け取ったあと,イベント基盤サービスは次の処理をします。そのため,JP1イベントが大量に発生した場合は,JP1イベントの処理が遅れるおそれがあります。運用管理に必要なJP1イベントをフィルタリングして管理することをお勧めします。

なお,イベント基盤サービスのJP1イベントの取得処理・送信処理(統合監視DBから取得するJP1イベントのイベント取得開始位置の変更,送信タイムアウト・リトライなど)は,jcoimdefコマンドで調整できます。詳細については,マニュアル「JP1/Integrated Management 2 - Manager コマンド・定義ファイル・APIリファレンス」の「jcoimdef」(1. コマンド)を参照してください。