Hitachi

JP1 Version 12 JP1/Power Monitor


14.3.1 運転スケジュール定義ファイル

UNIXホストを起動・終了するスケジュールを設定する運転スケジュール定義ファイルについて説明します。

運転スケジュール定義ファイルは,任意のファイル名で作成します。運転スケジュール定義ファイルは,構成定義ファイルに定義したものが有効になります。

運転スケジュール定義ファイルの定義範囲は,次のように異なります。

年単位のスケジュールと月単位のスケジュールを,同じファイルに定義することはできません。また,曜日指定のスケジュールと年単位のスケジュールを組み合わせて定義する場合,必ず,曜日指定のスケジュールを前に書いてください。年単位のスケジュールの後ろに曜日指定のスケジュールを定義するとエラーになります。

〈この項の構成〉

(1) パラメーターの指定形式

運転スケジュール定義ファイルのパラメーターの指定形式を次に示します。

]
△0[+]/1曜日1次回電源投入時刻1[(+n)]監視終了開始時刻1
[(+n)]制限終了開始時刻1[(+n)]強制終了開始時刻[△1構成定義ファイル名
(凡例)

0:0バイト以上の空白文字を指定することを示します。空白文字は,省略できます。

1:1バイト以上の空白文字を指定することを示します。空白文字は,省略できません。

(2) パラメーターの内容

運転スケジュール定義ファイルで指定する各パラメーターの内容について説明します。

年単位でスケジュールを設定したい場合だけ指定します。1970〜2036の数値を指定できます。

次のような指定をした場合,エラーになります。

  • 1970〜2036以外の数値を指定している。

  • 曜日単位で指定したスケジュールの間に日付単位でスケジュールを指定している。

  • 曜日単位で指定したスケジュールの間に年を指定している。

  • 同じ年を複数指定している。

  • 年ごとに曜日単位でスケジュールを指定している。

次のようなスケジュールを指定した場合,警告メッセージが出力され,定義情報は,無視されます。

  • 定義したスケジュールの月/日と曜日が一致していない。

  • うるう年でない年に2月29日のスケジュールを指定している。

同じ日に,複数のスケジュールを設定する場合に指定します。

電源投入時刻が「holiday」の場合,およびすべての時刻が「*」の場合は,この指定は,無視されます。

/

ホストを起動・終了する日付を「/」で区切って指定します。「月」は,1から12までの数値を,「日」は,1から31までの数値を指定できます。

*」を指定すると,すべての日付を指定したものとみなします。

複数の月/日を指定するときは,「,」で区切って指定します。

ある範囲の月/日を指定するときは,「-」で結んで指定します。「-」を指定したときは,当日の電源投入時刻から24時間以上離れた監視終了開始時刻,制限終了開始時刻,および強制終了開始時刻は指定できません。

「月/日」を重複して指定した場合,後ろの行の情報が有効になります。

曜日

「月/日」に対する曜日を英語で指定します。mon,tue,wed,thu,fri,sat,sunを指定できます。「*」を指定すると,すべての曜日を指定したものとみなします。複数の曜日を指定するときは「,」で区切って指定します。ある範囲の曜日を指定するときは,「-」で結んで指定します。「-」を指定したときは,当日の電源投入時刻から24時間以上離れた監視終了開始時刻,制限終了開始時刻,および強制終了開始時刻は指定できません。

「月/日」と「曜日」を両方指定した場合,それが一致する年だけスケジュールが有効になります。

「曜日」を重複して指定した場合,後ろの行の情報が有効になります。

曜日単位および年単位の指定を組み合わせてスケジュールを定義する場合,必ず曜日単位の指定を先にしてください。年単位の後ろに曜日単位のスケジュールを指定すると,エラーになります。

次回電源投入時刻

ホストの次回電源投入時刻を「時:分」の形式で指定します。「時」には,0から23までの数値を,「分」には,0から59までの数値を指定できます。次回電源投入時刻を指定しない場合,「*」を指定します。運休日にしたい場合は,ここに「holiday」を指定し,ほかの項目には何も指定しません。

監視終了開始時刻

ホストの監視終了開始時刻を「時:分」の形式で指定します。「時」には,0から23までの数値を,「分」には,0から59までの数値を指定できます。監視終了開始時刻を指定しない場合,「*」を指定します。次回電源投入時刻と同じか,それよりも早い時刻を指定した場合は,翌日の時刻とみなします。時刻の直前に「(+n)」を指定した場合は,次回電源投入時刻からn日後の時刻として処理されます。nには,1から30(単位:日)までの数値を指定できます。

制限終了開始時刻

ホストの制限終了開始時刻を「時:分」の形式で指定します。「時」には,0から23までの数値を,「分」には,0から59までの数値を指定できます。制限終了開始時刻を指定しない場合,「*」を指定します。次回電源投入時刻と同じか,それよりも早い時刻を指定した場合は,翌日の時刻とみなします。時刻の直前に「(+n)」を指定した場合は,次回電源投入時刻からn日後の時刻として処理されます。nには,1から30(単位:日)までの数値を指定できます。

強制終了開始時刻

ホストの強制終了開始時刻を「時:分」の形式で指定します。「時」には,0から23までの数値を,「分」には,0から59までの数値を指定できます。強制終了開始時刻を指定しない場合,「*」を指定します。次回電源投入時刻と同じか,それよりも早い時刻を指定した場合は,翌日の時刻とみなします。時刻の直前に「(+n)」を指定した場合は,次回電源投入時刻からn日後の時刻として処理されます。nには,1から30(単位:日)までの数値を指定できます。

構成定義ファイル名

その日または曜日に使用する構成定義ファイル名を指定します。日ごとまたは曜日ごとに使用する構成定義ファイルを変えたい場合などに指定します。

ここで指定する構成定義ファイルを「日次構成定義ファイル」と呼びます。ここで指定した日次構成定義ファイルは,指定した日のJP1/Power Monitorデーモン起動時や,次回電源投入時刻に達したときにも使用されます。

自動起動用シェルスクリプトファイルで設定した基本構成定義ファイルを使う場合,ここでの指定は必要ありません。

(3) パラメーターの指定例

運転スケジュール定義ファイルのパラメーターの指定例を月単位で指定する場合と年単位で指定する場合それぞれについて説明します。

(a) 月単位で設定する場合

運転スケジュール定義ファイルを月単位で設定する場合のパラメーターの指定例を示します。

(例1)

月曜日から金曜日の間,次回電源投入時刻を8:00,監視終了開始時刻を21:00,制限終了開始時刻を22:00,強制終了開始時刻を23:00とする場合の定義を次に示します。

[図データ]

(例2)

1月1日の午前8時にホストの電源をオンにし,1月2日の午後8時まで運転を継続して監視終了を開始する例を次に示します。

[図データ]

(例3)

1月2日の運転を1月1日の継続とみなすと制限終了開始時刻が監視終了開始時刻より早い時刻になるため,運転が継続するとはみなしません。1月1日にホストが終了したあと,1月2日に手動で電源をオンにするものとみなします。

なお,もし1月2日に手動でホストの電源をオンにしなかった場合,1月3日以降で電源投入時刻の指定のあるパラメーターに従い,その日に電源がオンされます。

[図データ]

(例4)

1月2日は運休日のため,1月3日は手動で電源をオンにするものとみなします。1月3日に手動で電源をオンにしなかった場合の動作は,(例3)と同じです。

[図データ]

電源投入時刻が「*」であるパラメーターは,次の条件を満足する場合,前日からの運転を継続しているとみなします。そうでない場合は,当日に手動で電源をオンにする予定とみなします。

  • 当日,「*」より前に時刻を表すパラメーターがない場合

  • 前日にホストを起動・終了する時刻が設定されている場合

  • 前日にすべての時刻が設定されていない場合

  • 前日の監視終了開始時刻,制限終了開始時刻,強制終了開始時刻と,当日の監視終了開始時刻,制限終了開始時刻,強制終了開始時刻との間で,二つの「*」パラメーターが継続するとみなしても矛盾がない場合

  • 前日のパラメーターがさらにその前日からの継続としても矛盾がない場合

(例5)

1月2日に複数のスケジュールを設定する例を次に示します。

[図データ]

このように指定すると,次の表のようなスケジュールでホストが運用されます。

月日

次回電源投入時刻

監視終了開始時刻

制限終了開始時刻

強制終了開始時刻

1/1

8:00

(指定なし)

(指定なし)

(指定なし)

1/2

(指定なし)

3:00

4:00

5:00

1/2

8:00

17:00

18:00

19:00

(例6)

曜日指定の運転スケジュールと月日指定の運転スケジュールが混在する例を示します。

[図データ]

この例では,1月7日が日曜日である場合に,1/7は月日指定された運転スケジュールが有効になり,曜日指定で定義された日曜日の運転スケジュールは無視されます。

(b) 年単位で設定する場合

運転スケジュール定義ファイルを年単位で設定する場合のパラメーターの指定例を示します。

(例1)

2002年と2003年のスケジュールを定義する例を次に示します。

[図データ]

(例2)

月曜日から金曜日の間,次回電源投入時刻を8:00,監視終了開始時刻を21:00,制限終了開始時刻を22:00,強制終了開始時刻を23:00とし,2002年および2003年の特定の日だけ異なるスケジュールで運用する例を次に示します。

[図データ]

(例3)

2002年12月30日から2003年1月5日を運休日に設定する例を次に示します。

[図データ]

(4) 注意事項

(5) Windowsホストでエクスポートした運転スケジュール定義ファイルを利用するときの互換性

Windowsホストのカレンダー情報をエクスポートして生成した運転スケジュール定義ファイルは,そのまま,UNIXホストでスケジュール情報として使うことができます。

Windowsホストでエクスポートした運転スケジュール定義ファイルをUNIXホストで利用するときの互換性を次の表に示します。Windowsホストの運転スケジュール定義ファイルについては,「13.2.1 運転スケジュール定義ファイル」を参照してください。

表14‒6 Windowsホストの運転スケジュール定義ファイルをUNIXホストで利用する場合の互換性

Windowsホストの運転スケジュール定義ファイルの項目

UNIXホストで利用できる項目

[年]

1970〜2036の範囲内であることが必要。

[+]

月/日

特定日の範囲指定(月/日−月/日)の機能はないので,特定日を全日分出力する。

曜日

曜日の範囲指定(曜日−曜日)の機能はないので,曜日を全日分出力する。

次回電源投入時刻※1

監視終了開始時刻

「計画終了開始時刻」が出力されるため,必要に応じて監視終了開始時刻を指定する。

制限終了開始時刻

※2

「*」が出力されるため,必要に応じて制限終了開始時刻を指定する。

強制終了開始時刻

コメント行※3

改行コード

※4

UNIX標準に変更する。

電源をオンにする月日と電源をオフにする月日が異なり,3日以上継続運転を行う運転スケジュール

※5

(凡例)

○:エクスポートした運転スケジュール定義ファイルの内容を利用できる

−:エクスポート後に編集が必要。

次に示す項目は,エクスポートした運転スケジュール定義ファイルには含まれません。UNIXホストでこれらの項目を使用したい場合は,エクスポートした運転スケジュール定義ファイルを編集する必要があります。

  • [(+n)]を使用した終了開始時刻の指定

  • 構成定義ファイル名の指定

  • 継続文字”\

注※1

次回電源投入時刻に「holiday」が指定されている場合,Windowsホストでは,特定日に運休日を設定します。週単位で運休日を指定する機能は,Windowsホストにはありません。UNIXホストで,必要に応じて設定してください。

注※2

Windowsホストでは,監視終了開始時刻および制限終了開始時刻は,ともに計画終了開始時刻であるため,制限終了開始時刻は「*」が設定されています。制限終了開始時刻が必要な場合は,UNIXホストで設定してください。

注※3

運転スケジュール定義ファイルのエクスポートで,「タイトル行の出力」を指定した場合,運転スケジュール定義ファイルの先頭行にタイトルをコメント行で出力します。

注※4

UNIXホストとWindowホストでは,運転スケジュール定義ファイルの改行コードに違いがあります。UNIX用の改行コードに変換してください。なお,運転スケジュール定義ファイルを,FTPコマンドを使用してアスキーモードで転送した場合は,改行コードの変換は不要です。

注※5

Windowsホストで,1月1日8:00に電源をオンにし,1月3日20:00に電源をオフにする運転スケジュールを定義し,エクスポートした場合の出力例を示します。

[図データ]

この運転スケジュール定義ファイルをUNIXホストで使用する場合は,次のことに注意してください。

  • 電源をオンにする1月1日には電源をオフにする時刻が定義されていないため,手動で電源をオフにするものと見なします。同様に,電源をオフにする1月3日には電源をオンにする時刻が定義されていないため,手動で電源をオンにしているものと見なします。

    UNIXホストで,1月1日8:00に電源をオンにして,1月3日20:00の電源をオフにするまで継続運転する運転スケジュールの定義例を示します。

    [図データ]

    電源をオンにする月日から,電源をオンにする月日を含めて3日以上の継続運転をした上で電源をオフにする場合には,継続運転期間中の月日のすべての時刻パラメーターを「*」と定義した特定日として,運転スケジュール定義ファイルに追加します。

    また,電源をオンにする月日と電源をオフにする月日の間を無条件に継続運転する場合には,次の運転スケジュールを運転スケジュール定義ファイルに追加します。

    [図データ]

Windowsホストのカレンダー情報を運転スケジュール定義ファイルにエクスポートする方法については,「8.1.4(2) 運転スケジュール定義ファイルへのエクスポート方法」を参照してください。