Hitachi

JP1 Version 12 JP1/Power Monitor


13.2.1 運転スケジュール定義ファイル

Windowsホストを起動・終了するスケジュールを設定する運転スケジュール定義ファイルについて説明します。

運転スケジュール定義ファイルは,任意のファイル名で作成します。運転スケジュール定義ファイルの定義範囲は,次のように異なります。

年単位のスケジュールと月単位のスケジュールを,同じファイルに定義することはできません。また,曜日指定のスケジュールと年単位のスケジュールを組み合わせて定義する場合,必ず,曜日指定のスケジュールを前に書いてください。年単位のスケジュールの後ろに曜日指定のスケジュールを定義するとエラーになります。

〈この項の構成〉

(1) パラメーターの指定形式

運転スケジュール定義ファイルのパラメーターの指定形式を次に示します。

]
△0[+]/1曜日1次回電源投入時刻1監視終了開始時刻1
制限終了開始時刻1強制終了開始時刻
(凡例)

0:0バイト以上の空白文字を指定することを示します。空白文字は,省略できます。

1:1バイト以上の空白文字を指定することを示します。空白文字は,省略できません。

(2) パラメーターの内容

運転スケジュール定義ファイルで指定する各パラメーターの内容について説明します。

年単位でスケジュールを設定したい場合だけ指定します。1970〜2037の数値を指定できます。

次のような指定をした場合,エラーになります。

  • 1970〜2037以外の数値を指定している。

  • 曜日単位で指定したスケジュールの間に日付単位でスケジュールを指定している。

  • 曜日単位で指定したスケジュールの間に年を指定している。

  • 同じ年を複数指定している。

  • 年ごとに曜日単位でスケジュールを指定している。

次のようなスケジュールを指定した場合,警告メッセージが出力され,定義情報は,無視されます。

  • 定義したスケジュールの月/日と曜日が一致していない。

  • うるう年でない年に2月29日のスケジュールを指定している。

同じ日に,複数のスケジュールを設定する場合に指定します。

電源投入時刻が「holiday」の場合,およびすべての時刻が「*」の場合は,この指定は,無視されます。

同じ日に設定できるスケジュールは6件までです。同じ日に7件以上のスケジュールを指定した場合,警告メッセージが出力され,7件目以降の指定は無視されます。

/

ホストを起動・終了する日付を「/」で区切って指定します。「月」は,1から12までの数値を,「日」は,1から31までの数値を指定できます。「*」を指定すると,すべての日付を指定したものとみなします。複数の月/日を指定するときは,「,」で区切って指定します。ある範囲の月/日を指定するときは,「-」で結んで指定します。「-」を指定したときは,当日の電源投入時刻から24時間以上離れた監視終了開始時刻,制限終了開始時刻,および強制終了開始時刻は指定できません。

「月/日」を重複して指定した場合,後ろの行の情報が有効になります。

曜日

「月/日」に対する曜日を英語で指定します。mon,tue,wed,thu,fri,sat,sunを指定できます。「*」を指定すると,すべての曜日を指定したものとみなします。複数の曜日を指定するときは「,」で区切って指定します。ある範囲の曜日を指定するときは,「-」で結んで指定します。「-」を指定したときは,当日の電源投入時刻から24時間以上離れた監視終了開始時刻,制限終了開始時刻,および強制終了開始時刻は指定できません。

「月/日」と「曜日」を両方指定した場合,それが一致する年だけスケジュールが有効になります。

「曜日」を重複して指定した場合,後ろの行の情報が有効になります。

曜日単位および年単位の指定を組み合わせてスケジュールを定義する場合,必ず曜日単位の指定を先にしてください。年単位の後に曜日単位のスケジュールを指定すると,エラーになります。

次回電源投入時刻

ホストの次回電源投入時刻を「時:分」の形式で指定します。「時」には,0から23までの数値を,「分」には,0から59までの数値を指定できます。次回電源投入時刻を指定しない場合,「*」を指定します。運休日にしたい場合は,ここに「holiday」を指定し,ほかの項目には何も指定しません。

監視終了開始時刻

ホストの計画終了開始時刻を「時:分」の形式で指定します。「時」には,0から23までの数値を,「分」には,0から59までの数値を指定できます。監視終了開始時刻を指定しない場合,「*」を指定します。

翌日の時刻指定はできません。次回電源投入時刻と同じか,それよりも早い時刻を設定した場合,翌日の時刻指定とみなされるため,この指定は無視されます。

制限終了開始時刻

ホストの計画終了開始時刻を「時:分」の形式で指定します。「時」には,0から23までの数値を,「分」には,0から59までの数値を指定できます。制限終了開始時刻を指定しない場合,「*」を指定します。

翌日の時刻指定はできません。次のようなスケジュールを設定した場合,翌日の時刻指定とみなされるため,この指定は無視されます。

  • 次回電源投入時刻と同じか,それよりも早い時刻を指定した。

  • 次回電源投入時刻を指定しない場合,監視終了開始時刻と同じか,それよりも早い時刻を指定した。

強制終了開始時刻

ホストの強制終了開始時刻を「時:分」の形式で指定します。「時」には,0から23までの数値を,「分」には,0から59までの数値を指定できます。強制終了開始時刻を指定しない場合,「*」を指定します。

翌日の時刻指定はできません。次のようなスケジュールを設定した場合,翌日の時刻指定とみなされるため,この指定は無視されます。

  • 次回電源投入時刻と同じか,それよりも早い時刻を指定した。

  • 次回電源投入時刻を指定しない場合,監視終了開始時刻または制限終了開始時刻と同じか,それよりも早い時刻を指定した。

(3) パラメーターの指定例

運転スケジュール定義ファイルのパラメーターの指定例を月単位で指定する場合と年単位で指定する場合それぞれについて説明します。

(a) 月単位で設定する場合

運転スケジュール定義ファイルを月単位で設定する場合のパラメーターの指定例を示します。

(例1)

月曜日から金曜日の間,次回電源投入時刻を8:00,監視終了開始時刻を21:00,強制終了開始時刻を23:00とする場合の定義を次に示します。

[図データ]

(例2)

1月1日の午前8時にホストの電源をオンにし,1月2日の午後8時まで運転を継続して監視終了を開始する例を次に示します。

[図データ]

(例3)

1月2日は運休日のため,1月3日は手動で電源をオンにするものとみなします。

なお,1月3日に手動でホストの電源をオンにしなかった場合,1月4日以降で電源投入時刻の指定のあるパラメーターに従います。

[図データ]

電源投入時刻が「*」であるパラメーターは,次の条件を満足する場合,前日からの運転を継続しているとみなします。そうでない場合は,当日に手動で電源をオンにする予定とみなします。

  • 当日,「*」より前に時刻を表すパラメーターがない場合

  • 前日にホストを起動・終了する時刻が設定されている場合

  • 前日にすべての時刻が設定されていない場合

  • 前日の監視終了開始時刻(監視終了開始時刻が設定されていない場合は,制限終了開始時刻),強制終了開始時刻と,当日の監視終了開始時刻(監視終了開始時刻が設定されていない場合は,制限終了開始時刻),強制終了開始時刻との間で,二つの「*」パラメーターが継続するとみなしても矛盾がない場合

  • 前日のパラメーターがさらにその前日からの継続としても矛盾がない場合

(例4)

1月2日に複数のスケジュールを設定する例を次に示します。

[図データ]

このように指定すると,次の表のようなスケジュールでホストが運用されます。

月日

次回電源投入時刻

監視終了開始時刻

制限終了開始時刻

強制終了開始時刻

1/1

8:00

(指定なし)

(指定なし)

(指定なし)

1/2

(指定なし)

3:00

4:00

5:00

1/2

8:00

(指定なし)

18:00

19:00

注※

Windowsホストの運転スケジュール定義ファイルでは,監視終了開始時刻および制限終了開始時刻は,両方とも計画終了開始時刻とみなされます。監視終了開始時刻と制限終了開始時刻を同時に指定した場合も,両方とも計画終了時刻とみなされます。

(b) 年単位で設定する場合

運転スケジュール定義ファイルを年単位で設定する場合のパラメーターの指定例を示します。

(例1)

2003年と2004年のスケジュールを定義する例を次に示します。

[図データ]

(例2)

月曜日から金曜日の間,次回電源投入時刻を8:00,監視終了開始時刻を21:00,強制終了開始時刻を23:00とし,2003年および2004年の特定の日だけ異なるスケジュールで運用する例を次に示します。

[図データ]

(例3)

2003年12月30日から2004年1月5日を運休日に設定する例を次に示します。

[図データ]

(4) 注意事項

(5) UNIXホストの運転スケジュール定義ファイルがインポートされたときの互換性

UNIXホストの運転スケジュール定義ファイルは,そのまま,Windowsホストでカレンダー情報としてインポートできます。なお,UNIXホストだけで有効な機能は,設定されていても無視され,インポートされません。

UNIXホストとWindowsホストの運転スケジュール定義ファイルの互換性を次の表に示します。UNIXホストの運転スケジュール定義ファイルの項目については,「14.3.1 運転スケジュール定義ファイル」を参照してください。

表13‒4 UNIXホストとWindowsホストの運転スケジュール定義ファイルの互換性

UNIXホストの運転スケジュール定義ファイルの項目

Windowsホストでインポートする内容

[年]

コマンド実行日より次年同月−1か月までをインポートする。以降は無視し,インポートしない。

[+]

同じ日のスケジュール設定は6件までインポートできる。7件以上設定されている場合は6件目までをインポートし,7件目以降を無視する。

月/日または

月/日−月/日

曜日または

曜日−曜日

次回電源投入時刻

※1

監視終了開始時刻

計画終了開始時刻としてインポートする。

制限終了開始時刻

計画終了開始時刻としてインポートする。同一行に監視終了開始時刻と制限終了開始時刻が指定されている場合,両時刻を計画終了開始時刻としてインポートする。

強制終了開始時刻

[(+n)]監視終了開始時刻,

[(+n)]制限終了開始時刻および

[(+n)]強制終了開始時刻

Windowsホストでは,翌日以降の時刻設定はできない。

[△1構成定義ファイル名]

インポートしない。

行先頭の”#”

インポートしない。

継続文字”\

改行コード

※2

時刻設定がすべて「*」である運転スケジュール

運休日としてインポートする。※3

(凡例)

○:インポートできる

−:インポートできない,またはWindowsホストでは使用できない

注1

次の時刻設定は,翌日の時刻設定とみなします。

  • 次回電源投入時刻が指定されている場合で,終了開始時刻が次回電源投入時刻以前である。

  • 次回電源投入時刻が指定されていない場合で,制限終了開始時刻が監視終了開始時刻以前である。

  • 次回電源投入時刻が指定されていない場合で,強制終了開始時刻が監視終了開始時刻以前または制限終了開始時刻以前である。

なお,Windowsホストでは,翌日の時刻設定とみなす時刻は無視し,インポートしません。

注2

すべての時刻が設定されていない場合は,運休日としてインポートされます。

注※1

次回電源投入時刻に「holiday」が指定されている場合,Windowsホストでは,次のようにインポートされます。

  • 特定日に指定している場合は,そのまま特定日に運休日を設定する。

  • 週間情報に指定している場合,週単位で運休日を指定できないため,該当する特定日に運休日を設定する。

注※2

UNIXホストとWindowホストでは,運転スケジュール定義ファイルの改行コードに違いがあります。Windows用の改行コードに変換してください。なお,運転スケジュール定義ファイルを,FTPコマンドを使用してアスキーモードで転送した場合は,改行コードの変換は不要です。

注※3

Windowsホストでは運休日としてインポートします。

UNIXホストで,継続運転を目的として時刻設定がすべて「*」である運転スケジュールを定義している場合は,Windowsホストでインポートする前に,運転スケジュール定義ファイルから必要に応じて継続運転の定義を削除してください。

UNIXホストの運転スケジュール定義ファイルのインポート方法については,「8.1.5 UNIXホストのスケジュール情報をWindowsホストで利用する」を参照してください。