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JP1 Version 12 JP1/Power Monitor


1.2.4 いろいろな方法でホストを終了できます

ホストを終了する場合,幾つかの方法があります。Windowsホストの場合とUNIXホストの場合とで,その方法は異なります。それぞれの方法について説明します。

〈この項の構成〉

(1) Windowsホストの終了方法

Windowsホストの場合,次のような方法でホストを終了できます。

これらの終了方法では,シャットダウン後の処理を選べます。シャットダウン後の処理を次に示します。

マネージャーホストでエージェントホストを終了する場合,計画終了,および強制終了のほかに,エージェントホストに接続された電源制御装置を使って,エージェントホストを強制電源オフ・強制再起動する方法もあります。

次に,それぞれの終了方法について説明します。

(a) 計画終了

計画終了とは,ジョブの終了などを終了条件として指定し,新たに実行するジョブを抑止してから,すべての終了条件が成立した場合にホストをシャットダウンする方法です。

計画終了の流れを次の図に示します。

図1‒9 計画終了の流れ

[図データ]

例えば,ジョブ1は実行中,ジョブ2は実行待ち,ジョブ3はキューイングされようとしていたとき,計画終了を開始したとします。このような場合,JP1/Power Monitorは,ジョブ3のキューイングを抑止して,ジョブ1,ジョブ2が終了するのを待ってからホストを終了します。

次の場合は,終了までの流れが異なります。

JP1/AJS3 - Managerが組み込まれている場合

図の中の「ジョブ」は,ジョブネットになります。終了までの流れは,jpwenvsetコマンドの-dオプションでの設定によって,次の二つのどちらかになります。

  • 当日に実行予定のジョブすべての実行完了を待ってからJP1/AJS3を終了させ,その後ホストを終了する。

  • 実行待ちのジョブネットの実行を抑止し,実行中のジョブネットの終了を待ってから,JP1/AJS3を終了させる。その後ホストを終了する。

詳細については,「15. コマンド」の「jpwenvset(Windows限定)」を参照してください。

JP1/AJS3 - Agentが組み込まれている場合

まず,実行待ちのジョブの実行を抑止して,実行中のジョブの終了を待ち,その後JP1/AJS3を終了させてからホストを終了します。

プリントジョブの終了を待つ場合

新たに実行するジョブを抑止できません。この場合,JP1/Power Monitorは,ジョブ1,ジョブ2,ジョブ3が終了するのを待ってからホストを終了します。

(b) 強制終了

強制終了とは,実行中のジョブの処理を中断してホストをシャットダウンする方法です。ホストの計画終了中に終了条件が成立せず,なかなかシャットダウンされない場合などに実行します。

強制終了の流れを次の図に示します。

図1‒10 強制終了の流れ

[図データ]

例えば,ジョブ1は実行中,ジョブ2は実行待ち,ジョブ3はキューイングされようとしていたとき,強制終了を開始したとします。このような場合,JP1/Power Monitorは,ジョブ1の実行を中断してホストを終了します。

次の場合は,終了までの流れが異なります。

JP1/AJS3 - Managerが組み込まれている場合

図の中の「ジョブ」は,ジョブネットになります。ジョブネットの実行を中断し,さらにJP1/AJS3を終了させてからホストを終了します。

JP1/AJS3 - Agentが組み込まれている場合

ジョブの実行を中断し,さらにJP1/AJS3を終了させてからホストを終了します。

(c) 強制電源オフ・強制再起動

強制電源オフ・強制再起動とは,ホストのOSの状態にかかわらず直接電源制御装置に働きかけて,強制的にエージェントホストを電源オフまたは再起動する方法です。エージェントホストがハングアップした場合や,エージェントホストの状態が不明な場合に実行します。

重要

強制電源オフおよび強制再起動は,実行中のジョブやアプリケーションを正常に終了しません。OSをシャットダウンしないでハードウェア的に電源を落とします。ホストがハングアップした場合などの緊急時以外では,使わないでください。

(2) UNIXホストの終了方法

UNIXホストの場合,次のような方法でホストを終了できます。

UNIXホストの場合,これら三つの終了方法を組み合わせてホストで実行しているジョブを安全に段階的に終了したあとに,ホストをシャットダウンするという運用ができます。

各終了方法の関係と処理の流れを,次の図に示します。

図1‒11 UNIXホストの終了方法の関係と処理の流れ

[図データ]

これらの終了方法では,シャットダウン後の処理を選べます。シャットダウン後の処理を次に示します。

マネージャーホストでエージェントホストを終了する場合,監視終了,制限終了,および強制終了のほかに,エージェントホストに接続された電源制御装置を使って,エージェントホストを強制電源オフ・強制再起動する方法もあります。

次に,それぞれの終了方法について説明します。

(a) 監視終了

監視終了とは,ジョブの終了などを終了条件として指定し,すべての終了条件が成立した場合にホストをシャットダウンする方法です。

監視終了の流れを次の図に示します。

図1‒12 監視終了の流れ

[図データ]

例えば,ジョブ1は,実行中,ジョブ2は,実行待ち,ジョブ3は,キューイングされようとしていたとき,監視終了を開始したとします。このような場合,JP1/Power Monitorは,ジョブ1,ジョブ2,ジョブ3が終了するのを待ってからホストを終了します。

次の場合は,終了までの流れが異なります。

JP1/AJS3 - Managerが組み込まれている場合

まず,その日実行予定のジョブネットがすべて終了するのを待ち,さらにJP1/AJS3を終了させてからホストを終了します。

JP1/AJS3 - Agentが組み込まれている場合

まず,実行中のジョブが終了するのを待ち,さらにJP1/AJS3を終了させてからホストを終了します。

(b) 制限終了

制限終了とは,ジョブの終了などを終了条件として指定し,新たに実行するジョブを抑止してから,すべての終了条件が成立した場合にホストをシャットダウンする方法です。

制限終了の流れを次の図に示します。

図1‒13 制限終了の流れ

[図データ]

例えば,ジョブ1は,実行中,ジョブ2は,実行待ち,ジョブ3は,キューイングされようとしていたとき,制限終了を開始したとします。このような場合,JP1/Power Monitorは,ジョブ3のキューイングを抑止して,ジョブ1,ジョブ2が終了するのを待ってからホストを終了します。

次の場合は,終了までの流れが異なります。

JP1/AJS3 - Managerが組み込まれている場合

まず,実行待ちのジョブネットの実行を抑止して,実行中のジョブネットが終了するのを待ち,さらにJP1/AJS3を終了させてからホストを終了します。

JP1/AJS3 - Agentが組み込まれている場合

まず,実行待ちのジョブの実行を抑止して,実行中のジョブが終了するのを待ち,さらにJP1/AJS3を終了させてからホストを終了します。

(c) 強制終了

強制終了とは,実行中のジョブの処理を中断してホストをシャットダウンする方法です。

強制終了の流れを次の図に示します。

図1‒14 強制終了の流れ

[図データ]

例えば,ジョブ1は,実行中,ジョブ2は,実行待ち,ジョブ3は,キューイングされようとしていたとき,強制終了を開始したとします。このような場合,JP1/Power Monitorは,ジョブ1の実行を中断してホストを終了します。

次の場合は,終了までの流れが異なります。

JP1/AJS3 - Managerが組み込まれている場合

図の中の「ジョブ」は,ジョブネットになります。ジョブネットの実行を中断し,さらにJP1/AJS3を終了させてからホストを終了します。

JP1/AJS3 - Agentが組み込まれている場合

ジョブの実行を中断し,さらにJP1/AJS3を終了させてからホストを終了します。

(d) 強制電源オフ・強制再起動

強制電源オフ・強制再起動とは,ホストのOSの状態にかかわらず直接電源制御装置に働きかけて,強制的にエージェントホストを電源オフまたは再起動する方法です。エージェントホストがハングアップした場合や,エージェントホストの状態が不明な場合に実行します。

重要

強制電源オフまたは強制再起動は,実行中のジョブやアプリケーションを正常に終了しないでホストの電源をオフにします。ホストがハングアップした場合などの緊急時以外では,使わないでください。