Hitachi

JP1 Version 12 JP1/Automatic Job Management System 3 for Enterprise Applications


jr3bjrel

〈このページの構成〉

形式1

jr3bjrel [R/3あて先情報] 
         [R/3ログオン情報] 
         [リダイレクション情報] 
         -jn ジョブ名  
         [-jc ジョブ番号 [-wait [-time 監視時間 [-cancel]]
                           [-ival 監視間隔] 
                           [-jo R/3ジョブログ取得先ファイル名
                           [-mt [-mts メッセージタイプ文字列]]]
                           [-with_child]]]
         [{-tgh ターゲットホスト | -tgs ターゲットサーバ}]
         [{-rs | -ri}] 
         [-user SAPユーザー名] 
注意

引数に指定した文字列に空白が含まれる場合,引数を「"(二重引用符)」で囲んでください。

形式2

jr3bjrel -help

機能

R/3システムに登録したジョブをリリースします。

-rsおよび-riオプションを省略した場合,登録されたジョブは「できる限り早く」リリースされます。jr3bjrelコマンドが正常終了すると,R/3システム上のジョブの状態が「リリース済」(Released)に遷移します。ジョブをできる限り早くリリースするとは,ジョブを実行するために必要なシステムリソースが確保できるまで待ってからジョブをリリースすることです。

jr3bjrelコマンドのリリース対象となるジョブは,次のとおりです。

引数

R/3あて先情報

リリース対象のジョブがあるR/3システムを指定します。R/3あて先情報の形式については,「(1)ジョブ制御機能のコマンドで共通の引数の形式」を参照してください。

R/3ログオン情報

リリース対象のジョブがあるR/3システムで有効なログオン情報を指定します。R/3ログオン情報の形式については,「(1)ジョブ制御機能のコマンドで共通の引数の形式」を参照してください。

リダイレクション情報

コマンド実行時の標準出力先,および標準エラー出力先を指定します。リダイレクション情報の形式については,「(1)ジョブ制御機能のコマンドで共通の引数の形式」を参照してください。

-jn ジョブ名

リリースさせるジョブのジョブ名を指定します。ジョブ名に指定できる文字列の長さは,1〜32バイトです。なお,指定したR/3システム内に同じジョブ名を持つジョブが複数存在する場合,-jcオプションでジョブ番号を指定してジョブを特定できます。

-jnオプションの指定は省略できません。

-jc ジョブ番号

同じジョブ名のジョブを区別するために,ジョブに設定されているジョブ番号を指定します。ジョブ番号の指定を省略した場合,ジョブ名が同じであるすべてのジョブをリリースできます。なお,-waitオプションを使用してジョブの終了を監視する場合には,ジョブ番号を必ず指定してください。

-wait

リリースしたジョブの実行が終了するまでジョブを監視します(ジョブの実行が終了するまで,コマンドラインからコマンドを実行できなくなります)。-waitオプションは,-rsまたは-riオプションを指定した場合に有効です。

-time 監視時間

ジョブの終了を監視する時間(単位:分)を指定します。監視時間に指定した時間,ジョブの終了を監視できます。監視時間は,-ivalオプションで指定した監視間隔より長くなるように指定してください。監視時間に指定できる値は,1〜65,535です。-timeオプションの指定を省略した場合,監視時間は無限になります。

なお,-with_childオプションを指定した場合は,子ジョブを含むすべてのジョブの終了を監視するための時間になります。

また,指定した監視時間内にジョブが終了しない場合は,ジョブの監視がタイムアウトになり,ジョブの状態に関係なくコマンドが終了します。

-timeオプションは,-waitオプションを指定した場合に有効です。

-cancel

-timeオプションで指定した時間内にジョブが終了しない場合に,終了監視対象のジョブを打ち切ります。打ち切ることができるのは,「実行中」(Active)の状態のジョブだけです。次の条件のジョブを打ち切ることはできません。

  • 終了監視対象のジョブが「実行中」(Active)の状態になっていない場合

  • 終了監視対象のジョブの状態が「実行中」(Active)の状態で,外部プログラムのジョブステップが実行中のとき

なお,-with_childオプションを指定した場合は,子ジョブを含むすべてのジョブが打ち切られます。

また,-cancelオプションを指定しない場合,ジョブの実行はそのままR/3システムで継続します。

-cancelオプションは,-timeオプションを指定した場合に有効です。

-ival 監視間隔

ジョブを監視する時間間隔(単位:秒)を指定します。ジョブが終了するまで,監視間隔に指定した周期でジョブを監視できます(ジョブのポーリング監視)。監視間隔に指定できる値は,1〜65,535です。-ivalオプションの使用時に監視間隔の指定を省略した場合,監視間隔に5が設定されます。

なお,デフォルトの監視間隔(5秒)は,環境設定ファイルで変更できます。

-ivalオプションは,-waitオプションを指定した場合に有効です。

-jo R/3ジョブログ取得先ファイル名

R/3ジョブログを取得するファイル名を指定します。R/3ジョブログは,ジョブの実行が終了した場合(-waitオプションの指定時に戻り値が0または1の場合)に取得できます。R/3ジョブログ取得先ファイル名に指定できる文字列の長さは,WindowsとLinuxとで異なります。

  • Windowsの場合

    R/3ジョブログ取得先ファイル名に指定できる文字列の長さは,1〜259バイトです。

  • Linuxの場合

    R/3ジョブログ取得先ファイル名に指定できる文字列の長さは,1〜255バイトです。

R/3ジョブログ取得先ファイル名を絶対パスで指定しない場合,JP1/AJS3 for EAPの作業ディレクトリにファイルが作成されます(JP1/AJS3 for EAPの作業ディレクトリが設定されていない場合,カレントディレクトリにファイルが作成されます)。

R/3ジョブログ取得先ファイル名には/dev/nullなどのデバイスファイルを指定しないでください。R/3ジョブログ取得先ファイルが不要な場合は,出力されたファイルを削除してください。

R/3ジョブログの出力形式は,「書き込み日付 書き込み時刻 メッセージコード(メッセージクラスとメッセージ番号) メッセージテキスト」です。

R/3ジョブログは,このファイルに追加書きで書き込みます。

環境設定ファイルのCommandセクションのJoblogAddToStderrキーに"YES"を設定した場合には,R/3ジョブログは指定したファイルと同時に標準エラー出力にも出力されます。このため,-seオプションを指定しない場合,上記のように,R/3ジョブログの内容をJP1/AJS - Viewで参照できます。

  • -seオプションを指定した場合

    R/3ジョブログは,-seオプションに指定した標準エラー出力ファイルに出力できます。

  • -seオプションを指定しないで,JP1/AJS - Viewの[詳細定義-[Custom Job]]ダイアログボックスで「標準エラー出力ファイル名」を指定した場合

    R/3ジョブログの内容は,JP1/AJS - Viewの[ジョブネットモニタ]ウィンドウの[実行結果詳細]ダイアログボックスで参照できます。

なお,-with_childオプションを指定した場合は,子ジョブを含むすべてのジョブの終了監視が終わった時点(タイムアウト時を含む)で,「終了」または「中止」の状態になっているすべてのジョブのログが取得されます。

また,-joオプションの指定を省略した場合,JP1/AJS3 for EAPのシステムにR/3ジョブログは出力されません。

-mt

メッセージタイプをR/3ジョブログに出力する場合に指定します。

-joオプションを指定しない場合,このオプションを指定できません。

-mts メッセージタイプ文字列

R/3ジョブログのメッセージタイプを検索する場合に指定します。

メッセージタイプ文字列に指定できる文字列の長さは,1〜8バイトです。指定できる文字と意味は,次のとおりです。複数指定する場合は文字を続けて記載してください。

A:異常終了
E:エラー
S:正常終了
I:情報
W:警告

メッセージタイプを検索する場合は,省略できません。-mtオプションを指定しない場合,このオプションを指定できません。出力されたジョブログのメッセージタイプにメッセージタイプ文字列に指定した文字列が含まれていた場合,戻り値が「4」でコマンドが異常終了します。

-with_child

ジョブの実行中に生成された子ジョブを含むすべてのジョブの終了を監視します(親/子ジョブの終了監視)。終了監視の対象となる子ジョブは,終了監視中のジョブが終了または中止されたときに検出される子ジョブです。終了監視できるジョブの最大数は,子ジョブの世代数には関係なく,100個です。

終了監視対象のジョブが最大数を超えた場合は,メッセージKAJM1872-Wが表示され,終了監視可能なジョブについて終了監視処理が続行されたあとで,1個以上のジョブの結果が確認できなかったことを示す戻り値1が返されます。

終了監視中のジョブが削除された場合は,メッセージKAJM1837-WまたはKAJM1871-Wが表示され,ほかの終了監視対象ジョブについて終了監視処理が続行されたあとで,1個以上のジョブの結果が確認できなかったことを示す戻り値1が返されます。

なお,リリースされていない子ジョブが検出された場合は,終了監視処理が終わらないことがあります。その場合は,メッセージKAJM1838-Wが表示されるので,そのメッセージに従って対処してください。

-with_childオプションは,-waitオプションを指定した場合に有効です。

注意

-with_childオプションを指定する場合は,実行先ホストにJP1/AJS2 for EAP 07-10以降がインストールされ,かつ接続先のR/3システムでXBP2.0インターフェースが使用できる状態で親/子機能が有効になっている必要があります。

-tgh ターゲットホスト

登録したジョブを実行させるアプリケーションサーバのホスト名を指定します。ターゲットホストに指定できる文字列の長さは,1〜32バイトです。ホスト名には,トランザクションSM51でホスト名として表示される一覧のうち,バックグラウンド処理サービスを提供するアプリケーションサーバに割り当てられたホスト名を使用できます。

このオプションを指定すると,指定されたホストで稼働しているアプリケーションサーバの中から任意のサーバを選択し,ジョブの実行先を決定します。

このオプションを省略し,-tgsオプションも指定しない場合,ジョブの実行先はR/3システムによって動的に選択されます。なお,このオプションは-tgsオプションと同時に使用することはできません。

注意

このオプションは,リリース4.0以前のR/3システム用に作成されたジョブ定義の互換パラメーターです。リリース4.5以降のR/3システム用にジョブを定義する場合は,-tgsオプションを使用してください。

-tgs ターゲットサーバ

登録したジョブを実行させるアプリケーションサーバのサーバ名またはジョブサーバグループ名を指定します。ターゲットサーバに指定できる文字列の長さは,1〜20バイトです。サーバ名には,トランザクションSM51でサーバ名として表示される一覧のうち,バックグラウンド処理サービスを提供するアプリケーションサーバに割り当てられたサーバ名(大文字・小文字は区別される)を使用できます。また,ジョブサーバグループ名には,トランザクションSM61でジョブサーバグループ名として表示される一覧のうち,バックグラウンド処理サービスを提供するアプリケーションサーバがグルーピングされたジョブサーバグループ名(大文字・小文字は区別される)を使用できます。

このオプションを省略し,-tghオプションも指定しない場合,ジョブの実行先はR/3システムによって動的に選択されます。なお,このオプションは-tghオプションと同時に使用することはできません。

-rs

ジョブの登録後にジョブをできる限り早くリリースします。

ジョブをできる限り早くリリースするとは,ジョブを実行するために必要なシステムリソースが確保された時点でジョブをリリースすることです。

-rsオプションは,-rsおよび-riオプションを指定しないときにデフォルトで設定されます。

ほかのジョブがR/3システムのシステムリソースを占有していて,必要なリソースを確保できない場合は,必要なリソースが確保できるまでジョブのリリースが待たされます。

-ri

ジョブの登録後にジョブをすぐにリリースします。

ジョブを実行するために必要なシステムリソースの確保ができているかどうかに関係なく,コマンド実行後すぐにジョブをリリースします。したがって,ほかのジョブがR/3システムのシステムリソースを占有している場合には,ジョブのリリースに失敗します。

-user SAPユーザー名

-jnオプションで指定したジョブのうち,指定したSAPユーザーが所有するジョブだけをリリースします。SAPユーザー名に指定できる文字列の長さは,1〜12バイトです。

-userオプションは,-waitオプションと同時に使用できません。

-help

このコマンドの使用方法を表示します。

戻り値

補足事項

使用例