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JP1 Version 12 JP1/Automatic Job Management System 3 構築ガイド


23.5.1 組み込みDBの高度なセットアップの手順(実行系)

クラスタ構成時の実行系組み込みDBを使用する場合のインストール,環境構築,およびセットアップ方法について説明します。

〈この項の構成〉

(1) 組み込みDBのインストール

組み込みDBのインストールは,「23.4.1(1) 組み込みDBのインストール」に記載した手順で実施する必要があります。ただし,クラスタ構成で,実行系の組み込みDBをインストールする場合は,次の注意事項を考慮してインストールしてください。

注意事項
  • 組み込みDBをインストールする際は,実行系のローカルディスクにインストールしてください。また,実行系・待機系とも,同じ名称となるようにドライブおよびフォルダを指定してください。

  • 物理ホストおよび複数の論理ホストを同一マシン内に共存し,異なる組み込みDBを使用する場合は,セットアップ識別子が重複しないように指定してください。

また,インストールの詳細についても「23.4.1(1) 組み込みDBのインストール」を参照してください。

(2) 組み込みDB環境の構築

組み込みDBの環境構築手順について次に示します。

  1. 各サービスを停止する。

    物理ホストおよびすべての論理ホストで,JP1/AJS3サービスを含め,スケジューラーデータベースにアクセスするサービスをすべて停止します。

  2. UNIXの場合,共有メモリー上の環境設定情報を削除する。

    ajsshmdelコマンドを実行して,共有メモリー上の環境設定情報を削除します。

    ajsshmdel >/dev/null 2>&1
  3. 組み込みDB環境構築コマンドを実行する。

    ajsembdbbuildコマンドを使用して,組み込みDBの環境を構築します。

    ajsembdbbuildコマンドを実行すると,次の処理が実行されます。

    • 組み込みDBの定義情報作成

    • 組み込みDBの領域作成

    • 組み込みDBシステムの起動

    ajsembdbbuildコマンドの-dオプションに指定するデータ領域およびシステムファイル領域は,共有ディスク上の領域を指定して,-ldオプションに指定する組み込みDB作業領域は,ローカルディスク上の領域を指定してください。

ajsembdbbuildコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 コマンドリファレンス 2. セットアップコマンド ajsembdbbuild」を参照してください。

補足事項

システムファイルを二重化し,システムログを使用した運用をしない(表23-2表23-3の組み合わせが8-A,10-A,12-Aとなる)場合の環境は構築できません。

注意事項
  • 組み込みDB環境を構築するホストは,実行系の物理ホスト名および論理ホスト名ともにhostsファイルまたはDNSに登録してください。

  • 組み込みDB環境を構築するホストのホスト名をjp1hosts定義ファイルまたはjp1hosts2定義ファイルに登録しても,組み込みDBで使用するホスト名として有効になりません。

  • 組み込みDB環境を構築するホストのホスト名には,エイリアス名を使用しないでください。

  • 組み込みDB環境を構築するホストは,実行系の物理ホスト名を1〜63バイト,論理ホスト名を1〜32バイトで設定してください。

大規模の組み込みDB環境を構築する場合のajsembdbbuildコマンドの指定例を(a)および(b)に示します。表23-2および表23-3の項番の組み合わせについても示します。

(a) Windowsの場合

指定例では,次に示す設定値が設定されていると仮定します。ajsembdbbuildコマンド実行前にディレクトリを作成してください。

  • データ領域作成ディレクトリ:l:\EmbDB\RDArea

  • システムファイル領域作成ディレクトリ1:m:\EmbDB\SYSArea1

  • システムファイル領域作成ディレクトリ2:n:\EmbDB\SYSArea2

  • アンロードログファイル作成ディレクトリ:o:\EmbDB\Unload_Log

  • 組み込みDB作業領域ディレクトリ:p:\EmbDB\WorkArea

  • 組み込みDBインストール先フォルダ:c:\Program Files※1\HITACHI\JP1AJS2\embdb\_JFA

  • スケジューラーサービス名:AJSROOT4

  • 組み込みDBポート番号:22230

  • 組み込みDBセットアップ識別子:_JFA

  • 実行系物理ホスト名:physical_host

  • 論理ホスト名:logical_host

  • システムファイルを二重化しないで,システムログを使用した運用をしない場合※223-223-3の組み合わせが11-A)

    ajsembdbbuild -l 
    -d "l:\EmbDB\RDArea,m:\EmbDB\SYSArea1" 
    -ld p:\EmbDB\WorkArea 
    -i "c:\Program Files\HITACHI\JP1AJS2\embdb\_JFA" -p 22230 
    -id _JFA -r -mh logical_host -eh physical_host
  • システムファイルを二重化しないで,アンロードログ運用をする場合(23-223-3の組み合わせが11-B)

    ajsembdbbuild -l 
    -d "l:\EmbDB\RDArea,m:\EmbDB\SYSArea1" 
    -ld p:\EmbDB\WorkArea -bs -bl o:\EmbDB\Unload_Log 
    -i "c:\Program Files\HITACHI\JP1AJS2\embdb\_JFA" -p 22230 -id _JFA 
    -r -mh logical_host -eh physical_host
  • システムファイルを二重化し,アンロードログ運用をする場合(23-223-3の組み合わせが12-B)

    ajsembdbbuild -l 
    -d "l:\EmbDB\RDArea,m:\EmbDB\SYSArea1,n:\EmbDB\SYSArea2" 
    -ld p:\EmbDB\WorkArea -br -bl o:\EmbDB\Unload_Log 
    -i "c:\Program Files\HITACHI\JP1AJS2\embdb\_JFA" -p 22230 -id _JFA 
    -r -mh logical_host -eh physical_host
注※1

64ビット版のWindowsの場合は,「Program Files」を「Program Files (x86)」と読み替えてください。

注※2

バックアップ強化機能を使用する場合は,ajsembdbbuildコマンドで-bオプションを指定します。

(b) UNIXの場合

指定例では,次に示す設定値が設定されていると仮定します。ajsembdbbuildコマンド実行前にディレクトリを作成してください。

  • アンロードログファイル作成ディレクトリ:/Unload_Log_JFA

  • 組み込みDB作業領域ディレクトリ:/WorkArea_JFA

  • 組み込みDB運用ディレクトリ:/opt/jp1ajs2/embdb/_JFA

  • スケジューラーサービス名:AJSROOT4

  • 組み込みDBポート番号:22230

  • 組み込みDBセットアップ識別子:_JFA

  • 実行系物理ホスト名:physical_host

  • 論理ホスト名:logical_host

  • データ領域作成ディレクトリ:/share1/RDArea_JFA

  • システムファイル領域作成ディレクトリ1:/share2/SYSArea_JFA

  • システムファイル領域作成ディレクトリ2:/share3/SYSArea_JFA

  • システムファイルを二重化しないで,システムログを使用した運用をしない場合

    23-223-3の組み合わせが11-A)

    ajsembdbbuild -l 
    -d "/share1/RDArea_JFA,/share2/SYSArea_JFA" 
    -ld /WorkArea_JFA -i /opt/jp1ajs2/embdb/_JFA -p 22230 -id _JFA 
    -r -mh logical_host -eh physical_host
  • システムファイルを二重化しないで,アンロードログ運用をする場合

    23-223-3の組み合わせが11-B)

    ajsembdbbuild -l 
    -d "/share1/RDArea_JFA,/share2/SYSArea_JFA" 
    -ld /WorkArea_JFA -bs -bl /Unload_Log_JFA -i /opt/jp1ajs2/embdb/_JFA 
    -p 22230 -id _JFA -r -mh logical_host -eh physical_host
  • システムファイルを二重化し,アンロードログ運用をする場合

    23-223-3の組み合わせが12-B)

    ajsembdbbuild -l 
    -d "/share1/RDArea_JFA,/share2/SYSArea_JFA,
    /share3/SYSArea_JFA" -ld /WorkArea_JFA -br 
    -bl /Unload_Log_JFA -i /opt/jp1ajs2/embdb/_JFA -p 22230 -id _JFA 
    -r -mh logical_host -eh physical_host
注※

バックアップ強化機能を使用する場合は,ajsembdbbuildコマンドで-bオプションを指定します。

(3) 環境設定パラメーターの設定

UNIXでUTF-8環境のユニット詳細定義のユニット名,ユニット詳細定義のコメント,スケジュール設定の排他ジョブネット名に指定できる文字数を変更する場合,環境設定パラメーターAJSCHARCODEの値を「UTF-8」に変更してください。

環境設定パラメーターの設定については,「4.2 環境設定パラメーターの設定」(Windowsの場合)または「14.2 環境設定パラメーターの設定」(UNIXの場合)を参照してください。

高度なセットアップを行っている場合,jajs_configコマンドはメッセージKAVS1516-Eを出力してエラーになるため,環境設定パラメーターを設定するにはjbssetcnfコマンドを実行してください。jbssetcnfコマンドの詳細については,「4.2.2 jbssetcnfコマンドを使用した環境設定パラメーターの設定手順」(Windowsの場合)または「14.2.2 jbssetcnfコマンドを使用した環境設定パラメーターの設定手順」(UNIXの場合)を参照してください。なお,セットアップは完了していないため,環境設定パラメーターの設定手順のうち,JP1/AJS3の起動については実施しないでください。JP1/AJS3の起動については,「(4) スケジューラーデータベースの組み込みDBへのセットアップ」または「(5) 複数スケジューラーデータベースの組み込みDBへのセットアップ」のあとに実施してください。

(4) スケジューラーデータベースの組み込みDBへのセットアップ

ajsembdbsetupコマンドを使用して,スケジューラーデータベースの内容を組み込みDBにセットアップします。ただし,セットアップ作業を開始する前に,論理ホスト環境でスケジューラーサービスの設定が完了している必要があります。これらの設定が完了していることを確認してから,ajsembdbsetupコマンドを実行してください。

ajsembdbsetupコマンドを実行することで次の処理が実行されます。

大規模の組み込みDB環境で実行するajsembdbsetupコマンドの指定例を次に示します。なお,次の設定値を仮定します。

ajsembdbsetup -F AJSROOT4 -ru l -id _JFA -mh logical_host -p 22230

ajsembdbsetupコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 コマンドリファレンス 2.セットアップコマンド ajsembdbsetup」を参照してください。

補足事項
  • UNIXでUTF-8環境のユニット詳細定義のユニット名,ユニット詳細定義のコメント,スケジュール設定の排他ジョブネット名に指定できる文字数を変更するには,ajsembdbsetupコマンドの-eオプションに「sjis」を指定する必要があります。

  • ajsembdbsetupコマンドを実行することで次の環境設定パラメーターが設定されます。これらの環境設定パラメーターについては設定値を変更しないでください。また,それぞれの環境設定パラメーターの詳細については,「20.4 スケジューラーサービス環境設定」を参照してください。

    表23‒11 ajsembdbsetupコマンド実行時に設定される環境設定パラメーター

    環境設定パラメーター

    定義内容

    ajsembdbsetupコマンドで設定する内容※1

    AJSDBTYPE

    データベース種別

    EmbedDB

    TABLENAMEPREFIX

    テーブル名プリフィックス

    次のどちらかが設定される。

    • -tpオプション指定値

    • AJS1

    TABLENAMEPOSTFIX

    テーブルID

    RDBAUTHID

    RDB認可識別子

    root

    RDBUSER

    RDBアクセスユーザー名

    ajs2

    RDBPASSWORD

    RDBユーザーパスワード

    RDBHOST

    RDB接続先ホスト名

    127.0.0.1

    RDBPORT

    RDB接続ポート番号

    次のどちらかが設定される。

    • -pオプション指定値

    • 22220

    RDBIPC

    RDBサーバとの通信方式

    MEMORY

    RDBSENDMEMSIZE

    RDBプロセス間メモリー通信使用時の送信用メモリーサイズ

    次のどちらかが設定される。

    • -sオプション指定値

    • 100

    RDBRECVMEMSIZE

    RDBプロセス間メモリー通信使用時の受信用メモリーサイズ

    次のどちらかが設定される。

    • -rオプション指定値

    • 1600

    DEFLENTYPE

    UTF-8環境で使用できる文字数の設定

    次のどちらかが設定される。※2,※3

    • -e sjisの場合

      sjis

    • -e byteの場合

      byte

    ENHANCEDBACKUP

    バックアップ強化機能の設定

    次のどちらかが設定される。

    • -bオプション指定ありの場合

      yes

    • -bオプション指定なしの場合

      no

    注※1

    設定内容が数値の場合は,10進数で表記しています。

    注※2

    -eオプションは,UNIXでだけ指定できます。

    注※3

    Linuxでは-eオプションを省略した場合,byteが設定されます。

(5) 複数スケジューラーデータベースの組み込みDBへのセットアップ

ここでは,複数のスケジューラーデータベースを組み込みDBとしてセットアップする方法について説明します。

(a) スケジューラーサービスごとに異なる組み込みDB環境を構築する

複数のスケジューラーサービスが定義されていて,スケジューラーサービスごとに異なる組み込みDB環境を構築する場合,次に示す領域を別に準備してください。

  • 組み込みDB運用ディレクトリ

  • データ領域

  • システムファイル領域

  • 組み込みDB作業領域

  • アンロードログファイル作成ディレクトリ

上記に示す領域のうち,システムファイル領域,アンロードログファイル作成ディレクトリについては,必要に応じて準備してください。また,データ領域およびシステムファイル領域は,共有ディスク上の領域を指定してください。

組み込みDB環境構築の際,使用するポート番号および組み込みDBセットアップ識別子が組み込みDB間で重複しないように指定する必要があります。そのため,ajsembdbbuildコマンドおよびajsembdbsetupコマンドの実行時にはポート番号を指定するオプション(-p)に,ajsembdbinstlコマンド,ajsembdbbuildコマンド,およびajsembdbsetupコマンドの実行時には組み込みDBセットアップ識別子を指定するオプション(-id)に,組み込みDBごとに異なる値を指定してください。

セットアップ例を次に示します。

なお,この例は,「23.5.1(2) 組み込みDB環境の構築」および「23.5.1(3) 環境設定パラメーターの設定」で示した環境がすでに構築されていることを前提に記載します。

■ Windowsの場合

組み込みDBの環境内容

追加する組み込みDBの環境内容を次に示します。

  • データ領域作成ディレクトリ:q:\EmbDB\RDArea

  • システムファイル領域作成ディレクトリ1:r:\EmbDB\SYSArea1

  • システムファイル領域作成ディレクトリ2:s:\EmbDB\SYSArea2

  • アンロードログファイル作成ディレクトリ:t:\EmbDB\Unload_Log

  • 組み込みDB作業領域:u:\EmbDB\WorkArea

  • 組み込みDBインストール先フォルダ:c:\Program Files\HITACHI\JP1AJS2\embdb\_JFB

  • スケジューラーサービス名:AJSROOT5

  • 組み込みDBポート番号:22231

  • 組み込みDBセットアップ識別子:_JFB

  • 実行系物理ホスト名:physical_host

  • 論理ホスト名:logical_host

注※

64ビット版のWindowsの場合は,「Program Files」を「Program Files (x86)」と読み替えてください。

ajsembdbinstlコマンドの指定内容
ajsembdbinstl -mh logical_host 
-s "c:\Program Files\HITACHI\JP1AJS2\tools\AJS3DB" 
-i "c:\Program Files\HITACHI\JP1AJS2\embdb\_JFB" -id _JFB
ajsembdbbuildコマンドの指定内容
ajsembdbbuild -l 
-d "q:\EmbDB\RDArea,r:\EmbDB\SYSArea1,s:\EmbDB\SYSArea2" 
-ld u:\EmbDB\WorkArea -br -bl t:\EmbDB\Unload_Log 
-i "c:\Program Files\HITACHI\JP1AJS2\embdb\_JFB" 
-p 22231 -id _JFB -r -mh logical_host -eh physical_host
ajsembdbsetupコマンドの指定内容
ajsembdbsetup -F AJSROOT5 -ru l -id _JFB -p 22231 -mh logical_host

■ UNIXの場合

組み込みDBの環境内容

追加する組み込みDBの環境内容を次に示します。

  • データ領域作成ディレクトリ:/share4/RDArea_JFB

  • システムファイル領域作成ディレクトリ1:/share5/SYSArea_JFB

  • システムファイル領域作成ディレクトリ2:/share6/SYSArea_JFB

  • アンロードログファイル作成ディレクトリ:/Unload_Log_JFB

  • 組み込みDB作業領域:/WorkArea_JFB

  • 組み込みDB運用ディレクトリ:/opt/jp1ajs2/embdb/_JFB

  • スケジューラーサービス名:AJSROOT5

  • 組み込みDBポート番号:22231

  • 組み込みDBセットアップ識別子:_JFB

  • 実行系物理ホスト名:physical_host

  • 論理ホスト名:logical_host

ajsembdbinstlコマンドの指定内容
ajsembdbinstl -mh logical_host -s /opt/jp1ajs2/tools/AJS3DB 
-i /opt/jp1ajs2/embdb/_JFB -id _JFB
ajsembdbbuildコマンドの指定内容
ajsembdbbuild -l 
-d "/share4/RDArea_JFB,/share5/SYSArea_JFB,
/share6/SYSArea_JFB" -ld /WorkArea_JFB -br 
-bl /Unload_Log_JFB -i /opt/jp1ajs2/embdb/_JFB -p 22231 
-id _JFB -r -mh logical_host -eh physical_host
ajsembdbsetupコマンドの指定内容
ajsembdbsetup -F AJSROOT5 -ru l -id _JFB -p 22231 
-mh logical_host

ajsembdbinstlコマンド,ajsembdbbuildコマンド,およびajsembdbsetupコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 コマンドリファレンス 2. セットアップコマンド」を参照してください。

(b) 一つの組み込みDB環境に複数のスケジューラーデータベースをセットアップする

一つの組み込みDB環境に複数のスケジューラーデータベースをセットアップする場合,組み込みDB内にはスケジューラーサービスごとに異なるテーブルを作成して管理する必要があります。そのため,ajsembdbsetupコマンド実行時のテーブル名プリフィックスを変更する必要があります。

同じ組み込みDBに対して二つ目のスケジューラーデータベースをセットアップする際のajsembdbsetupコマンドの指定例を次に示します。なお,次の設定値を仮定します。

  • スケジューラーサービス名:AJSROOT6

  • テーブル名プリフィックス:AJS2

  • 組み込みDBポート番号:22230

  • 組み込みDBセットアップ識別子:_JFA

  • 論理ホスト名:logical_host

ajsembdbsetup -F AJSROOT6 -tp AJS2 -ru l -id _JFA -mh logical_host -p 22230

ajsembdbsetupコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 コマンドリファレンス 2. セットアップコマンド ajsembdbsetup」を参照してください。

注意事項
  • 一つの組み込みDB環境に複数のスケジューラーデータベースをセットアップした環境で,特定のスケジューラーデータベースだけを再構築することはできません。組み込みDB環境にセットアップしたすべてのスケジューラーデータベースの再構築が必要となります。特定のスケジューラーデータベースだけを再構築したい場合は,スケジューラーサービスごとに組み込みDBを用意してください。構築方法については,「(a) スケジューラーサービスごとに異なる組み込みDB環境を構築する」を参照してください。

  • 一つの組み込みDB環境に複数のスケジューラーデータベースをセットアップした環境で,ajsembdbbackupコマンドを使用してバックアップする場合,特定のスケジューラーデータベースだけを対象にはできません。ajsembdbbackupコマンドでのバックアップは,該当する組み込みDB環境にセットアップしたすべてのスケジューラーデータベースをバックアップ対象とし,そのバックアップを使用して回復すると,すべてのスケジューラーデータベースを回復します。そのため,ajsembdbbackupコマンドおよびajsembdbrstrコマンドでバックアップ・リストアをする場合,該当する組み込みDBにアクセスするすべてのスケジューラーサービスを停止する必要があります。

    なお,ajsprintコマンドでユニット定義だけをバックアップする場合は,スケジューラーサービスを停止しないで,スケジューラーデータベースごとに取得できます。

    ajsembdbbackupコマンドで特定のスケジューラーデータベースだけをバックアップ対象としたい場合は,スケジューラーサービスごとに組み込みDBを用意してください。構築方法については,「(a) スケジューラーサービスごとに異なる組み込みDB環境を構築する」を参照してください。

  • 一つの組み込みDB環境に論理ホストのスケジューラーデータベース,および物理ホストのスケジューラーデータベースを混在してセットアップできません。

(6) 組み込みDBの再セットアップ

組み込みDBの再セットアップについては,「23.4.1(6) 組み込みDBの再セットアップ」を参照してください。

なお,Windowsの場合,組み込みDBの再セットアップ後に最初にJP1/AJS3のサービスを起動するときは,JP1/AJS3のサービスを起動する前に,「JP1/AJS3 Database _JFnが停止されていることを確認してください。詳細については,「8.2.6 クラスタソフトへの登録」を参照してください。

注※

_JFn」は論理ホストのJP1/AJS3サービスが使用する組み込みDBセットアップ識別子です。

(7) 組み込みDBをバージョン10-00より前の設定に変更する

組み込みDBの管理機能をJP1/AJS3 - Managerの10-00よりも前のバージョンに変更する手順を次に示します。

  1. 操作対象のJP1/AJS3サービスを停止する。

  2. 組み込みDBを上書きインストールする。

    ajsembdbinstlコマンドに-v9standardオプションを指定して実行します。

    ajsembdbinstlコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 コマンドリファレンス 2. セットアップコマンド ajsembdbinstl」を参照してください。

  3. システム共通定義ファイルの設定値を変更する。

    次のファイルをエディターで開き,設定値を変更します。

    システム共通定義ファイル

    ・Windowsの場合

     組み込みDB運用ディレクトリ\conf\pdsys

    ・UNIXの場合

     組み込みDB運用ディレクトリ/conf/pdsys

    <変更前>

    set pd_mode_conf = MANUAL2

    <変更後>

    set pd_mode_conf = MANUAL1

    注※

    バージョン9以前のJP1/AJS3 - Managerでシステム共通定義ファイルを変更している場合は,その値に読み替えてください。

  4. DB管理用のJP1/AJS3用起動プロセス定義ファイルおよびJP1/AJS3用拡張起動プロセス定義ファイルに,モデルファイルを上書きコピーする。

    次に示すファイルを,それぞれのモデルファイルで上書きコピーします。

    Windowsの場合

    ファイルの種類

    ファイル名

    モデルファイル

    JP1/AJS3用起動プロセス定義ファイル(DB管理)

    共有フォルダ\jp1ajs2\conf\jp1ajs_dbmd.conf

    JP1/AJS3 - Managerのインストール先フォルダ\conf\jp1ajs_dbmd.conf.v9standard.model

    JP1/AJS3用拡張起動プロセス定義ファイル(DB管理)

    共有フォルダ\jp1ajs2\conf\jp1ajs_dbmd_0700.conf

    JP1/AJS3 - Managerのインストール先フォルダ\conf\jp1ajs_dbmd_0700.conf.v9standard.cluster.model

    UNIXの場合

    ファイルの種類

    ファイル名

    モデルファイル

    JP1/AJS3用起動プロセス定義ファイル(DB管理)

    /etc/opt/jp1ajs2/conf/jp1ajs_dbmd.conf

    /etc/opt/jp1ajs2/conf/jp1ajs_dbmd.conf.v9standard.model

    JP1/AJS3用拡張起動プロセス定義ファイル(DB管理)

    /etc/opt/jp1ajs2/conf/jp1ajs_dbmd_0700.conf

    /etc/opt/jp1ajs2/conf/jp1ajs_dbmd_0700.conf.v9standard.cluster.model

  5. システム管理用のJP1/AJS3用拡張起動プロセス定義ファイルの設定値を変更する。

    次に示すファイルをエディターで開き,「変更前」で示す行の下線部分を変更します。下線部分がすでに「変更後」の値である場合,変更する必要はありません。

    Windowsの場合

    JP1/AJS3用拡張起動プロセス定義ファイル(システム管理)

    共有フォルダ\jp1ajs2\conf\jp1ajs_service_0700.conf

    <変更前>

     jajs_dbmd|jajs_dbmd.exe||1|3|3|21600|0|2||1|||||||

    <変更後>

     jajs_dbmd|jajs_dbmd.exe||0|3|3|21600|0|2||1|||||||

    UNIXの場合

    JP1/AJS3用拡張起動プロセス定義ファイル(システム管理)

    共有ディレクトリ/jp1ajs2/conf/jp1ajs_service_0700.conf

    <変更前>

     jajs_dbmd|jajs_dbmd||1|3|3|21600|0|2||1|||||||

    <変更後>

     jajs_dbmd|jajs_dbmd||0|3|3|21600|0|2||1|||||||

(8) 組み込みDBのアンインストール

組み込みDBのアンインストールについては,「6.1.1(3) 不要となったデータベース環境をアンインストールする」を参照してください。