Hitachi

JP1 Version 12 JP1/Automatic Job Management System 3 構築ガイド


23.4.1 組み込みDBの高度なセットアップの手順

組み込みDBを使用する場合のインストール,環境構築およびセットアップ方法について説明します。

〈この項の構成〉

(1) 組み込みDBのインストール

JP1/AJS3 - Managerのスケジューラーデータベースとして,組み込みDBを使用する場合,次のコマンドを実行します。

ajsembdbinstl

ajsembdbinstlコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 コマンドリファレンス 2. セットアップコマンド ajsembdbinstl」を参照してください。

インストールについての注意事項
  • ajsembdbinstlコマンドは,Administrators権限があるユーザーが実行してください。Administrators権限がないユーザーがajsembdbinstlコマンドを実行すると,エラーメッセージが表示され,インストールが中止されます。

  • ネットワークドライブにはインストールしないでください。

  • 組み込みDBをインストールすると,インストールドライブの直下にtmpフォルダが作成されます。このフォルダは組み込みDBが使うため,削除しないでください。

  • Windows環境の組み込みDBで使う文字コードは,シフトJISコード(SJIS)です。

(2) 組み込みDB環境の構築

組み込みDBの環境構築手順について次に示します。

  1. 各サービスを停止する。

    物理ホストおよびすべての論理ホストで,JP1/AJS3サービスを含め,スケジューラーデータベースにアクセスするサービスはすべて停止してください。

  2. UNIXの場合,共有メモリー上の環境設定情報を削除する。

    ajsshmdelコマンドを実行して,共有メモリー上の環境設定情報を削除します。

    ajsshmdel >/dev/null 2>&1
  3. 組み込みDB環境構築コマンドを実行する。

    ajsembdbbuildコマンドを使用して,組み込みDBの環境を構築します。

    ajsembdbbuildコマンドを実行すると,次に示す処理が実行されます。

    • 組み込みDBの定義情報作成

    • 組み込みDBの領域作成

    • 組み込みDBシステムの起動

ajsembdbbuildコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 コマンドリファレンス 2. セットアップコマンド ajsembdbbuild」を参照してください。

大規模の組み込みDB環境を構築する場合のajsembdbbuildコマンドの指定例を次に説明します。表23-2および表23-3の項番の組み合わせについても示します。

補足事項

システムファイルを二重化し,システムログを使用した運用をしない(表23-2表23-3の組み合わせが2-A,4-A,6-A)場合,環境を構築できません。

注意事項
  • 組み込みDB環境を構築するホストのホスト名を,hostsファイルまたはDNSに登録してください。

  • 組み込みDB環境を構築するホストのホスト名をjp1hosts定義ファイルまたはjp1hosts2定義ファイルに登録しても,組み込みDBで使用するホスト名として有効になりません。

  • 組み込みDB環境を構築するホストのホスト名には,エイリアス名を使用しないでください。

  • 組み込みDB環境を構築するホストの物理ホスト名は,1〜63バイトで設定してください。

(a) Windowsの場合

指定例では,次に示す設定値が設定されていると仮定します。ajsembdbbuildコマンド実行前にディレクトリを作成してください。

  • データ領域作成ディレクトリ:d:\EmbDB\RDArea

  • システムファイル領域作成ディレクトリ1:e:\EmbDB\SYSArea1

  • システムファイル領域作成ディレクトリ2:f:\EmbDB\SYSArea2

  • アンロードログファイル作成ディレクトリ:g:\EmbDB\Unload_Log

  • 組み込みDBインストール先フォルダ:c:\Program Files※1\HITACHI\JP1AJS2\embdb\_JF3

  • 組み込みDBポート番号:22223

  • 組み込みDBセットアップ識別子:_JF3

  • システムファイルを二重化しないで,システムログを使用した運用をしない場合※223-223-3の組み合わせが5-A)

    ajsembdbbuild -l 
    -d "d:\EmbDB\RDArea,e:\EmbDB\SYSArea1"
     -i "c:\Program Files\HITACHI\JP1AJS2\embdb\_JF3" -id _JF3 -p 22223
  • システムファイルを二重化しないで,アンロードログ運用をする場合(23-223-3の組み合わせが5-B)

    ajsembdbbuild -l 
    -d "d:\EmbDB\RDArea,e:\EmbDB\SYSArea1" -bs 
    -bl g:\EmbDB\Unload_Log -i "c:\Program Files\HITACHI\JP1AJS2\embdb\_JF3" 
    -id _JF3 -p 22223
  • システムファイルを二重化し,アンロードログ運用をする場合(23-223-3の組み合わせが6-B)

    ajsembdbbuild -l 
    -d "d:\EmbDB\RDArea,e:\EmbDB\SYSArea1,f:\EmbDB\SYSArea2" 
    -br -bl g:\EmbDB\Unload_Log 
    -i "c:\Program Files\HITACHI\JP1AJS2\embdb\_JF3" 
    -id _JF3 -p 22223
注※1

64ビット版のWindowsの場合は,「Program Files」を「Program Files (x86)」と読み替えてください。

注※2

バックアップ強化機能を使用する場合は,ajsembdbbuildコマンドで-bオプションを指定します。

(b) UNIXの場合

指定例では,次に示す設定値が設定されていると仮定します。ajsembdbbuildコマンド実行前にディレクトリを作成してください。

  • アンロードログファイル作成ディレクトリ:/Unload_Log_JF3

  • 組み込みDB作業領域ディレクトリ:/WorkArea_JF3

  • 組み込みDB運用ディレクトリ:/opt/jp1ajs2/embdb/_JF3

  • 組み込みDBポート番号:22223

  • 組み込みDBセットアップ識別子:_JF3

  • データ領域作成ディレクトリ:/RDArea_JF3

  • システムファイル領域作成ディレクトリ1:/SYSArea1_JF3

  • システムファイル領域作成ディレクトリ2:/SYSArea2_JF3

  • システムファイルを二重化しないで,システムログを使用した運用をしない場合

    23-223-3の組み合わせが5-A)

    ajsembdbbuild -l -d "/RDArea_JF3,/SYSArea1_JF3" 
    -i /opt/jp1ajs2/embdb/_JF3 -id _JF3 -p 22223
  • システムファイルを二重化しないで,アンロードログ運用をする場合

    23-223-3の組み合わせが5-B)

    ajsembdbbuild -l 
    -d "/RDArea_JF3,/SYSArea1_JF3" -bs -bl /Unload_Log_JF3
    -i /opt/jp1ajs2/embdb/_JF3 -id _JF3 -p 22223
  • システムファイルを二重化し,アンロードログ運用をする場合

    23-223-3の組み合わせが6-B)

    ajsembdbbuild -l 
    -d "/RDArea_JF3,/SYSArea1_JF3,/SYSArea2_JF3" 
    -br -bl /Unload_Log_JF3 -i /opt/jp1ajs2/embdb/_JF3 -id _JF3 -p 22223
注※

バックアップ強化機能を使用する場合は,ajsembdbbuildコマンドで-bオプションを指定します。

(3) 環境設定パラメーターの設定

UNIXでUTF-8環境のユニット詳細定義のユニット名,ユニット詳細定義のコメント,スケジュール設定の排他ジョブネット名に指定できる文字数を変更する場合,環境設定パラメーターAJSCHARCODEの値を「UTF-8」に変更してください。

環境設定パラメーターの設定については,「4.2 環境設定パラメーターの設定」(Windowsの場合)または「14.2 環境設定パラメーターの設定」(UNIXの場合)を参照してください。

高度なセットアップを行っている場合,jajs_configコマンドはメッセージKAVS1516-Eを出力してエラーになるため,環境設定パラメーターを設定するにはjbssetcnfコマンドを実行してください。jbssetcnfコマンドの詳細については,「4.2.2 jbssetcnfコマンドを使用した環境設定パラメーターの設定手順」(Windowsの場合)または「14.2.2 jbssetcnfコマンドを使用した環境設定パラメーターの設定手順」(UNIXの場合)を参照してください。なお,セットアップは完了していないため,環境設定パラメーターの設定手順のうち,JP1/AJS3の起動については実施しないでください。JP1/AJS3の起動については,「(4) スケジューラーデータベースの組み込みDBへのセットアップ」または「(5) 複数スケジューラーデータベースの組み込みDBへのセットアップ」のあとに実施してください。

(4) スケジューラーデータベースの組み込みDBへのセットアップ

ajsembdbsetupコマンドを使用して,スケジューラーデータベースの内容を組み込みDBにセットアップします。

ajsembdbsetupコマンドを実行すると,次に示す処理が実行されます。

大規模の組み込みDB環境で実行するajsembdbsetupコマンドの指定例を次に説明します。指定例では,次に示す設定値が設定されていることとします。

ajsembdbsetup -F AJSROOT2 -ru l -id _JF3 -p 22223

ajsembdbsetupコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 コマンドリファレンス 2.セットアップコマンド ajsembdbsetup」を参照してください。

補足事項
  • UNIXでUTF-8環境のユニット詳細定義のユニット名,ユニット詳細定義のコメント,スケジュール設定の排他ジョブネット名に指定できる文字数を変更するには,ajsembdbsetupコマンドの-eオプションに「sjis」を指定する必要があります。

  • ajsembdbsetupコマンドを実行すると,次の表に示す環境設定パラメーターが設定されます。表に示す環境設定パラメーターについては設定値を変更しないでください。各環境設定パラメーターの詳細については,「20.4 スケジューラーサービス環境設定」を参照してください。

    表23‒10 ajsembdbsetupコマンド実行時に設定される環境設定パラメーター

    環境設定パラメーター

    定義内容

    ajsembdbsetupコマンドで設定する内容※1

    AJSDBTYPE

    データベース種別

    EmbedDB

    TABLENAMEPREFIX

    テーブル名プリフィックス

    次のどちらかが設定される。

    • -tpオプション指定値

    • AJS1

    TABLENAMEPOSTFIX

    テーブルID

    RDBAUTHID

    RDB認可識別子

    root

    RDBUSER

    RDBアクセスユーザー名

    ajs2

    RDBPASSWORD

    RDBユーザーパスワード

    RDBHOST

    RDB接続先ホスト名

    127.0.0.1

    RDBPORT

    RDB接続ポート番号

    次のどちらかが設定される。

    • -pオプション指定値

    • 22220

    RDBIPC

    RDBサーバとの通信方式

    MEMORY

    RDBSENDMEMSIZE

    RDBプロセス間メモリー通信使用時の送信用メモリーサイズ

    次のどちらかが設定される。

    • -sオプション指定値

    • 100

    RDBRECVMEMSIZE

    RDBプロセス間メモリー通信使用時の受信用メモリーサイズ

    次のどちらかが設定される。

    • -rオプション指定値

    • 1600

    DEFLENTYPE

    UTF-8環境で使用できる文字数の設定

    次のどちらかが設定される。※2,※3

    • -e sjisの場合

      sjis

    • -e byteの場合

      byte

    ENHANCEDBACKUP

    バックアップ強化機能の設定

    次のどちらかが設定される。

    • -bオプション指定ありの場合

      yes

    • -bオプション指定なしの場合

      no

    注※1

    設定内容が数値の場合は,10進数で表記しています。

    注※2

    -eオプションは,UNIXでだけ指定できます。

    注※3

    Linuxでは-eオプションを省略した場合,byteが設定されます。

(5) 複数スケジューラーデータベースの組み込みDBへのセットアップ

ここでは,複数のスケジューラーデータベースを組み込みDBとしてセットアップする方法について説明します。

(a) スケジューラーサービスごとに異なる組み込みDB環境を構築する

複数のスケジューラーサービスが定義されていて,スケジューラーサービスごとに異なる組み込みDB環境を構築する場合,次に示す領域を別に準備してください。

なお,次に示す領域のうちシステムファイル領域,組み込みDB作業領域,アンロードログファイル作成ディレクトリについては,必要に応じて準備してください。

  • 組み込みDB運用ディレクトリ

  • データ領域

  • システムファイル領域

  • 組み込みDB作業領域

  • アンロードログファイル作成ディレクトリ

組み込みDB環境構築の際,使用するポート番号および組み込みDBセットアップ識別子が組み込みDB間で重複しないように指定する必要があります。そのため,ajsembdbbuildコマンドおよびajsembdbsetupコマンド実行時にはポート番号を指定するオプション(-p)に,ajsembdbinstlコマンド,ajsembdbbuildコマンド,およびajsembdbsetupコマンドの実行時には組み込みDBセットアップ識別子を指定するオプション(-id)に,組み込みDBごとに異なる値を指定してください。

セットアップの実施例を次に示します。

なお,この実施例は,「23.4.1(2) 組み込みDB環境の構築」および「23.4.1(3) 環境設定パラメーターの設定」で示した環境がすでに構築されていることを前提に記載します。

■ Windowsの場合

組み込みDBの環境内容
  • データ領域作成ディレクトリ:h:\EmbDB\RDArea

  • システムファイル領域作成ディレクトリ1:i:\EmbDB\SYSArea1

  • システムファイル領域作成ディレクトリ2:j:\EmbDB\SYSArea2

  • アンロードログファイル作成ディレクトリ:k:\EmbDB\Unload_Log

  • 組み込みDBインストール先フォルダ:c:\Program Files\HITACHI\JP1AJS2\embdb\_JF5

  • スケジューラーサービス名:AJSROOT2

  • 組み込みDBポート番号:22224

  • 組み込みDBセットアップ識別子:_JF5

注※

64ビット版のWindowsの場合は,「Program Files」を「Program Files (x86)」と読み替えてください。

ajsembdbinstlコマンドの指定内容
ajsembdbinstl -s "c:\Program Files\HITACHI\JP1AJS2\tools\AJS3DB" 
-i "c:\Program Files\HITACHI\JP1AJS2\embdb\_JF5" -id _JF5
ajsembdbbuildコマンドの指定内容
ajsembdbbuild -l 
-d "h:\EmbDB\RDArea,i:\EmbDB\SYSArea1,
j:\EmbDB\SYSArea2" -br -bl k:\EmbDB\Unload_Log 
-i "c:\Program Files\HITACHI\JP1AJS2\embdb\_JF5" -p 22224 -id _JF5
ajsembdbsetupコマンドの指定内容
ajsembdbsetup -F AJSROOT2 -ru l -id _JF5 -p 22224

■ UNIXの場合

組み込みDBの環境内容
  • データ領域作成ディレクトリ:/RDArea_JF5

  • システムファイル領域作成ディレクトリ1:/SYSArea1_JF5

  • システムファイル領域作成ディレクトリ2:/SYSArea2_JF5

  • アンロードログファイル作成ディレクトリ:/Unload_Log_JF5

  • 組み込みDB運用ディレクトリ:/opt/jp1ajs2/embdb/_JF5

  • スケジューラーサービス名:AJSROOT2

  • 組み込みDBポート番号:22224

  • 組み込みDBセットアップ識別子:_JF5

ajsembdbinstlコマンドの指定内容
ajsembdbinstl -s /opt/jp1ajs2/tools/AJS3DB 
-i /opt/jp1ajs2/embdb/_JF5 -id _JF5
ajsembdbbuildコマンドの指定内容
ajsembdbbuild -l 
-d "/RDArea_JF5,/SYSArea1_JF5,/SYSArea2_JF5" 
-br -bl /Unload_Log_JF5 -i /opt/jp1ajs2/embdb/_JF5 -p 22224 
-id _JF5
ajsembdbsetupコマンドの指定内容
ajsembdbsetup -F AJSROOT2 -ru l -id _JF5 -p 22224

ajsembdbinstlコマンド,ajsembdbbuildコマンド,およびajsembdbsetupコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 コマンドリファレンス 2. セットアップコマンド」を参照してください。

(b) 一つの組み込みDB環境に複数のスケジューラーデータベースをセットアップする

一つの組み込みDB環境に複数のスケジューラーデータベースをセットアップする場合,組み込みDB内にはスケジューラーサービスごとに異なるテーブルを作成して管理する必要があります。そのため,ajsembdbsetupコマンド実行時のテーブル名プリフィックスを変更する必要があります。

同じ組み込みDBに対して二つ目のスケジューラーデータベースをセットアップする際のajsembdbsetupコマンドの指定例を次に示します。

  • スケジューラーサービス名:AJSROOT3

  • テーブル名プリフィックス:AJS3

  • 組み込みDBセットアップ識別子:_JF0

ajsembdbsetup -F AJSROOT3 -tp AJS3 -ru l -id _JF0

ajsembdbsetupコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 コマンドリファレンス 2. セットアップコマンド ajsembdbsetup」を参照してください。

注意事項
  • 一つの組み込みDB環境に複数のスケジューラーデータベースをセットアップした環境で,特定のスケジューラーデータベースだけを再構築することはできません。組み込みDB環境にセットアップしたすべてのスケジューラーデータベースの再構築が必要となります。特定のスケジューラーデータベースだけを再構築したい場合は,スケジューラーサービスごとに組み込みDBを用意してください。構築方法については,「(a) スケジューラーサービスごとに異なる組み込みDB環境を構築する」を参照してください。

  • 一つの組み込みDB環境に複数のスケジューラーデータベースをセットアップした環境で,ajsembdbbackupコマンドを使用してバックアップする場合,特定のスケジューラーデータベースだけを対象にすることはできません。ajsembdbbackupコマンドでのバックアップは,該当する組み込みDB環境にセットアップしたすべてのスケジューラーデータベースをバックアップ対象とし,そのバックアップを使用して回復すると,すべてのスケジューラーデータベースが回復されます。そのため,ajsembdbbackupコマンドおよびajsembdbrstrコマンドでバックアップ・リストアをする場合,該当する組み込みDBにアクセスするすべてのスケジューラーサービスを停止する必要があります。なお,ajsprintコマンドでユニット定義だけをバックアップする場合は,スケジューラーサービスを停止しないで,スケジューラーデータベースごとに取得できます。

    また,ajsembdbbackupコマンドで特定のスケジューラーデータベースだけをバックアップ対象としたい場合は,スケジューラーサービスごとに組み込みDBを用意してください。構築方法については,「(a) スケジューラーサービスごとに異なる組み込みDB環境を構築する」を参照してください。

(6) 組み込みDBの再セットアップ

組み込みDBを再セットアップする場合の,セットアップ手順を次に示します。

  1. ユニット定義および実行エージェント情報をバックアップする。

    バックアップの方法については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 運用ガイド 2.2.3 JP1/AJS3 - Managerの設定情報のバックアップ」を参照してください。

  2. 物理ホストおよびすべての論理ホストで,JP1/AJS3サービスを含め,スケジューラーデータベースにアクセスするサービスをすべて停止する。

  3. ajsembdbunset -eコマンドで,組み込みDB環境のデータを削除する。

  4. 組み込みDB運用ディレクトリを変更する場合は,組み込みDBのアンインストール後に,再度インストールする。

  5. ajsembdbbuildコマンドで,組み込みDBを構築する。

  6. ajsembdbsetupコマンドで,組み込みDBをセットアップする。

  7. ajsembdbstopコマンドで,組み込みDBを停止する。

  8. JP1/AJS3サービスを起動する。

  9. 手順1でバックアップした,ユニット定義および実行エージェント情報を回復する。

    マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 運用ガイド 2.3.4 JP1/AJS3 - Managerの設定情報のリカバリー」を参照してください。

  10. 運用に必要なジョブネットの実行登録を実施する。

上記の手順に記載したコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 コマンドリファレンス 3. 通常の運用で使用するコマンド」およびマニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 コマンドリファレンス 2. セットアップコマンド」を参照してください。

補足事項
  • 一つの組み込みDB環境で,複数のスケジューラーデータベースがセットアップされている場合にajsembdbunsetコマンドを実行すると,すべてのスケジューラーデータベースの情報が削除されます。この場合,この項に示した手順のうち,手順1,6,9,10については,組み込みDB環境にセットアップされているすべてのスケジューラーデータベースに対して実施してください。

  • 手順9の実行エージェント情報の回復時に,メッセージKNAC1111-Eを出力してエラーになった場合は,登録済みの実行エージェント情報を確認してください。手順1で取得した実行エージェント情報が登録されている場合,このエラーは無視してください。

  • ジョブネットを実行登録しているスケジューラーサービスの組み込みDBを再セットアップした場合は,再セットアップした組み込みDBに対応するスケジューラーサービスをコールドスタートで起動してください。

(7) 組み込みDBをバージョン10-00より前の設定に変更する手順

組み込みDBの管理機能をJP1/AJS3 - Managerの10-00よりも前のバージョンに変更する手順を次に示します。

  1. 操作対象のJP1/AJS3サービスを停止する。

  2. 組み込みDBを上書きインストールする。

    ajsembdbinstlコマンドに-v9standardオプションを指定して実行します。

    ajsembdbinstlコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 コマンドリファレンス 2. セットアップコマンド ajsembdbinstl」を参照してください。

  3. システム共通定義ファイルの設定値を変更する。

    次のファイルをエディターで開き,設定値を変更します。

    システム共通定義ファイル

    ・Windowsの場合

     組み込みDB運用ディレクトリ\conf\pdsys

    ・UNIXの場合

     組み込みDB運用ディレクトリ/conf/pdsys

    <変更前>

    set pd_mode_conf = MANUAL2

    <変更後>

    set pd_mode_conf = AUTO

    注※

    バージョン9以前のJP1/AJS3 - Managerでシステム共通定義ファイルを変更している場合は,その値に読み替えてください。

  4. DB管理用のJP1/AJS3用起動プロセス定義ファイルおよびJP1/AJS3用拡張起動プロセス定義ファイルにモデルファイルを上書きコピーする。

    次に示すファイルを,それぞれのモデルファイルで上書きコピーします。

    Windowsの場合

    ファイルの種類

    ファイル名

    モデルファイル

    JP1/AJS3用起動プロセス定義ファイル(DB管理)

    JP1/AJS3 - Managerのインストール先フォルダ\conf\jp1ajs_dbmd.conf

    JP1/AJS3 - Managerのインストール先フォルダ\conf\jp1ajs_dbmd.conf.v9standard.model

    JP1/AJS3用拡張起動プロセス定義ファイル(DB管理)

    JP1/AJS3 - Managerのインストール先フォルダ\conf\jp1ajs_dbmd_0700.conf

    JP1/AJS3 - Managerのインストール先フォルダ\conf\jp1ajs_dbmd_0700.conf.v9standard.model

    UNIXの場合

    ファイルの種類

    ファイル名

    モデルファイル

    JP1/AJS3用起動プロセス定義ファイル(DB管理)

    /etc/opt/jp1ajs2/conf/jp1ajs_dbmd.conf

    /etc/opt/jp1ajs2/conf/jp1ajs_dbmd.conf.v9standard.model

    JP1/AJS3用拡張起動プロセス定義ファイル(DB管理)

    /etc/opt/jp1ajs2/conf/jp1ajs_dbmd_0700.conf

    /etc/opt/jp1ajs2/conf/jp1ajs_dbmd_0700.conf.v9standard.model

  5. システム管理用のJP1/AJS3用拡張起動プロセス定義ファイルの設定値を変更する。

    次に示すファイルをエディターで開き,「変更前」で示す行の下線部分を変更します。下線部分がすでに「変更後」の値である場合,変更する必要はありません。

    Windowsの場合

    JP1/AJS3用拡張起動プロセス定義ファイル(システム管理)

    JP1/AJS3 - Managerのインストール先フォルダ\conf\jp1ajs_service_0700.conf

    <変更前>

     jajs_dbmd|jajs_dbmd.exe||1|3|3|21600|0|2||1|||||||

    <変更後>

     jajs_dbmd|jajs_dbmd.exe||0|3|3|21600|0|2||1|||||||

    UNIXの場合

    JP1/AJS3用拡張起動プロセス定義ファイル(システム管理)

    /etc/opt/jp1ajs2/conf/jp1ajs_service_0700.conf

    <変更前>

     jajs_dbmd|jajs_dbmd||1|3|3|21600|0|2||1|||||||

    <変更後>

     jajs_dbmd|jajs_dbmd||0|3|3|21600|0|2||1|||||||

(8) 組み込みDBのアンインストール

組み込みDBのアンインストールについては,「6.1.1(3) 不要となったデータベース環境をアンインストールする」を参照してください。