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JP1 Version 11 JP1/Advanced Shell 


2.5 環境変数を設定する

JP1/Advanced Shellで使用できる環境変数を次の表に示します。

重要

JP1/Advanced Shellでは,名称がADSHから始まるシェル変数・環境変数を設定・参照しています。このため,このマニュアルに記載されている使用目的以外では,名称がADSHから始まるシェル変数・環境変数は使用しないでください。

表2‒15 JP1/Advanced Shellで使用できる環境変数

環境変数名

設定する内容

値が自動的に設定される場合の設定時期

値の設定可否

ADSH_AJS_APPEXEC

【Windows実行環境限定】

カスタムジョブ用GUIアプリケーション実行プログラム識別用。

カスタムジョブで起動した場合のジョブ開始時

※1

ADSH_AJS_APPNAME

【Windows実行環境限定】

カスタムジョブ用実行アプリケーションのパス名。

カスタムジョブで起動した場合のジョブ開始時

※1

ADSH_AJS_APPARG

【Windows実行環境限定】

カスタムジョブ用実行アプリケーションの引数。

ジョブで起動した場合のジョブ開始時

※1

ADSH_AJS_WORKF

【Windows実行環境限定】

カスタムジョブ用ワークフォルダ。

カスタムジョブで起動した場合のジョブ開始時

※1

ADSH_AJS_SHOWN

【Windows実行環境限定】

カスタムジョブ用表示名。

カスタムジョブで起動した場合のジョブ開始時

※1

ADSH_AJS_AFEXECMV

【Windows実行環境限定】

カスタムジョブ用実行アプリケーション実行後の動作。

カスタムジョブで起動した場合のジョブ開始時

※1

ADSH_AJS_MESOUT

【Windows実行環境限定】

カスタムジョブ用メッセージの出力。

カスタムジョブで起動した場合のジョブ開始時

※1

ADSH_AJS_ENVF

カスタムジョブ用ジョブ環境ファイル名。

カスタムジョブで起動した場合のジョブ開始時

※1

ADSH_AJS_GCHE

カスタムジョブ用事前チェックオプション。

カスタムジョブで起動した場合のジョブ開始時

※1

ADSH_AJS_LHOST

カスタムジョブ用論理ホスト名。

カスタムジョブで起動した場合のジョブ開始時

※1

ADSH_AJS_SCRF

カスタムジョブ用ジョブ定義スクリプトファイル名。

カスタムジョブで起動した場合のジョブ開始時

※1

ADSH_ENV

ジョブ環境ファイルのファイル名。

カスタムジョブで起動した場合のジョブ開始時

※2

ADSH_CMD_ARGORDER※3

コマンドラインに指定するコマンド引数の指定順序規則。設定できる値はseqだけである。

cpcutdatediffexpandgunzipgziplnlsmvstatコマンドで有効となる。また,getoptコマンドのユーザー定義のオプションの解析でも有効となる。

(自動的には設定されない)

ADSH_CMDDATE_FORMAT

JP1/Advanced shell固有の共通書式処理を行うdateコマンドの書式指定コード。

(自動的には設定されない)

ADSH_CMDEXPR_LENGTH

文字列長。exprコマンドのlength演算子を使用する場合に設定する。

文字列のバイト数を取得するときはb,文字列の文字数を取得するときにはcを設定する。

この環境変数の設定がないか,上記以外の値を設定した場合は,lengthは演算子として扱われない。

(自動的には設定されない)

ADSH_CMDLN_FOLLOW

lnコマンドの引数ターゲットにディレクトリに対するシンボリックリンクを指定した場合に,リンクをたどるかたどらないかを設定する。

リンクをたどらない場合はNOを設定する。リンクをたどる場合はNO以外を設定する。

(自動的には設定されない)

ADSH_CMDLN_OPT_I_F

lnコマンドで-iオプションと-fオプションを同時に指定した場合にどちらを有効にするか設定する。

最後に指定した方を有効にしたいときはLASTを設定する。

(自動的には設定されない)

ADSH_CMDTAR_ROOTPATH

tarコマンドのルートディレクトリの動作の変更。値にabsoluteを指定することでルートディレクトリは取り除かないで格納,抽出,および表示するようにする。

(自動的には設定されない)

ADSH_JOB_NAME

ジョブ名。

ジョブ開始時

不可

ADSH_JOBID

ジョブ識別子(先頭に0を付加した6桁固定の10進数)。

ジョブ開始時

不可

ADSH_JOBRC_FATAL

構文エラーなど,ジョブを続行できない致命的なエラーが発生した場合のジョブの終了コード。

設定方法については「(2) 環境変数ADSH_JOBRC_FATAL(ジョブ続行不可エラー発生時の終了コードを設定する)」を参照してください。

(自動的には設定されない)

※2

ADSH_LANG

【UNIX限定】※4※6

JP1/Advanced Shellが出力するメッセージの言語とエンコード。

特定のジョブのadshexecコマンドが出力するメッセージを,一時的に切替えたい場合に設定する。

設定できる値については「2.2.4 JP1/Advanced Shellを使用するときのエンコーディング」を参照してください。

ジョブ定義スクリプトファイルや環境ファイルで設定した場合,その指定は,ジョブ定義スクリプトから起動する子孫ジョブ,ルートジョブ,およびadshexecコマンド以外のシェル運用コマンドにだけ有効となる。

(自動的には設定されない)

ADSH_LANG_JP1EVENT

【UNIX限定】※5

ユーザー応答機能で使用するJP1イベントで出力するメッセージの言語。出力先のJP1/IMの設定に合わせて,JP1/Advanced Shellが出力するメッセージの言語とは異なる言語のJP1イベントのメッセージを出力したい場合に設定する。

設定できる値については「2.2.4 JP1/Advanced Shellを使用するときのエンコーディング」を参照してください。

ジョブ定義スクリプトファイルで設定した場合,その指定は,ジョブ定義スクリプトから起動する子孫ジョブ,ルートジョブ,およびadshexecコマンド以外のシェル運用コマンドにだけ有効となる。環境ファイルで設定した場合,ジョブ定義スクリプトから出力するJP1イベントのメッセージの言語がその値に従った言語となる。

(自動的には設定されない)

ADSH_LINK_SUPPORT

【Windows限定】

JP1/Advanced Shellのリンク対応レベルを指定します。

設定方法については「(4) 環境変数ADSH_LINK_SUPPORT(JP1/Advanced Shellのリンク対応レベルを定義する)」を参照してください。

(自動的には設定されない)

※7

ADSH_STEP_NAME

ジョブステップ名。

ジョブステップ外のコマンド実行時や,ジョブステップ名省略時は,環境変数を定義しない。

ジョブステップ開始時

不可

AJS_BJEX_STOP

JP1/AJSからの強制終了で使用するインターフェース。PCジョブやUNIXジョブでJP1/Advanced Shellのバッチジョブを定義する場合は,この環境変数を定義する必要がある。OSの設定で定義するのではなく,PCジョブやUNIXジョブの定義で定義すること。

カスタムジョブで起動した場合のジョブ開始時

可(TERMだけ設定可能)

BLOCKSIZE

1ブロック当たりのバイト数。lsコマンドとstatコマンドで使用する。

デフォルトは512

(自動的には設定されない)

COLUMNS

コマンド実行結果出力時の1行あたりの出力幅。lsコマンドの-Cオプションとsedコマンドのlコマンド(編集コマンド)で使用する。

(自動的には設定されない)

GETOPT_COMPATIBLE

パラメーターの解析方法の指定。getoptコマンドで使用する。

設定する値に決まりはない。設定されている場合,解析される引数はすべて,getoptコマンドが形式1で指定されていると解釈して処理される。

(自動的には設定されない)

GZIP※8

gzipコマンド,およびgunzipコマンドのオプションを設定する。次のコマンドで使用する。

  • gzipコマンド

  • gunzipコマンド

  • tarコマンド(-zオプション指定時)

gzipコマンド,およびgunzipコマンドの場合,引数に指定したオプションを優先する。オプションを複数指定する場合は,スペースまたはタブ文字で区切って設定する。

(自動的には設定されない)

POSIXLY_CORRECT※3

コマンドラインに指定するコマンド引数の指定順序規則。

設定する値に決まりはない。値が設定されている場合,環境変数ADSH_CMD_ARGORDERseqが設定されているのと同じ意味になる。

(自動的には設定されない)

TMPDIR

【UNIX限定】

一時ファイル出力先ディレクトリ。diffコマンドとsortコマンドで使用する。

(自動的には設定されない)

注※1

これらの環境変数は,JP1/AJSのajsdefineコマンドのユニット定義,またはJP1/AJS - Definition Assistantのジョブ定義だけで使用できます。JP1/Advanced Shellのジョブ定義スクリプトや,ユーザープロファイルやシステムプロファイルなどのユーザー環境でこれらの環境変数は設定しないでください。

注※2

ジョブ定義スクリプトファイルや環境ファイルで設定した場合,その指定は,ジョブ定義スクリプトから起動する子孫ジョブやルートジョブにだけ有効となります。

注※3

環境変数POSIXLY_CORRECTは,環境変数ADSH_CMD_ARGORDERで有効なコマンドのほかにLinuxのOS標準のコマンドにも適用されますが,コマンドによってはコマンド引数の指定順序規則以外の機能にも作用する場合があります。そのため,UNIX互換コマンドだけにコマンド引数の指定順序規則を設定したい場合は,環境変数ADSH_CMD_ARGORDERを使用してください。

注※4

環境変数ADSH_LANGの指定は,環境変数LANGより優先して使用します。環境変数ADSH_LANGを指定しない場合は,環境変数LANGと同じ言語とエンコードでメッセージを出力します。環境変数ADSH_LANGおよび環境変数LANGを指定しない場合は,Cが指定されたように動作します。

注※5

環境変数ADSH_LANG_JP1EVENTの指定値は,環境変数ADSH_LANGおよび環境変数LANGより優先されます。

環境変数ADSH_LANG_JP1EVENTを指定しない場合は,環境変数ADSH_LANGと同じ言語でメッセージを出力します。環境変数ADSH_LANG_JP1EVENTも環境変数ADSH_LANGも指定しない場合は,環境変数LANGと同じ言語でメッセージを出力します。

環境変数ADSH_LANGC以外,または環境変数ADSH_LANGが未指定で環境変数LANGC以外の場合,JP1イベントで出力するメッセージの言語は日本語になります。このときに出力するJP1イベントのメッセージを英語で出力したい場合は,環境変数ADSH_LANG_JP1EVENTCを指定します。

注※6

adshmdctlコマンドに使用した場合,syslogに出力するメッセージも環境変数ADSH_LANGに従った言語とエンコードで出力されます。システムによってはsyslogにその言語とエンコードの文字コードが出力できない場合があります。その場合にはadshmdctlコマンドに使用しないでください。

注※7

ジョブ定義スクリプトファイルや環境ファイルで設定した場合,その指定は,ジョブ定義スクリプトから起動する子孫ジョブやルートジョブ,一部のUNIX互換コマンドで有効となります。

注※8

環境変数GZIPにオプション値のあるオプションを設定する場合,次のことに注意してください。

  • オプション値をクォーテーション('または")で囲んだ場合,クォーテーション('または")をオプション値として扱うことがあります。

  • オプション値にスペースやタブ文字を含めた場合,スペースやタブ文字をオプションの区切り文字と見なし,複数の引数の指定として扱うことがあります。

この表の環境変数に加えて,OSが標準的に設定する環境変数や,環境ファイルにexportパラメーターで設定した環境変数も,ジョブ定義スクリプトから参照できます。exportパラメーターについては,「7.3.18 exportパラメーター(環境変数を定義する)」を参照してください。