6.1.2 クラスタシステムでのJP1/SLMのシステム構成
JP1/SLMをクラスタシステムで運用する場合は，システム構成が次の条件を満たす必要があります。
論理ホストには，実行系サーバから待機系サーバに引き継げる共有ディスクや論理IPアドレスが必要です。また，共有ディスクや論理IPアドレスは，「6.1.1 クラスタシステムでの運用の前提条件」で示した条件を満たしている必要があります。
クラスタシステムを構成するOSは，すべて同じOSである必要があります。異なるOS間でのフェールオーバーはできません。
クラスタシステムの構成は，アクティブ・スタンバイ構成にしてください。
クラスタシステムでJP1/SLM - ManagerおよびJP1/SLM - URを運用する場合のシステム構成について説明します。
(1) JP1/SLM - Managerのシステム構成
クラスタシステムで運用する場合のJP1/SLM - Managerのシステム構成例を次に示します。なお，クラスタシステムで運用する場合のJP1/Baseのシステム構成については，マニュアル「JP1/Base 運用ガイド」を参照してください。なお，JP1/Baseをクラスタ構成で運用する場合，JP1/SLM - Managerのシステム定義ファイル（jp1itslm.properties）のjbsHostNameプロパティにJP1/Baseの論理ホスト名を指定する必要があります。
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![[図データ]](GRAPHICS/F0000181.GIF)
JP1/SLM - Managerでは，フェールオーバー発生時に実行系サーバから待機系サーバに引き継ぐ情報を，共有ディスク上の共有フォルダに配置します。共有フォルダに配置するファイルは，論理ホスト上にJP1/SLM - Managerの環境をセットアップする時に作成されます。なお，論理ホスト上のJP1/SLM - Managerの環境をセットアップする時に共有フォルダがない場合は，セットアップコマンドによって，共有フォルダが作成されます。
共有ディスク上には，データベースのファイルシステム領域が配置されます。配置されるフォルダ名は次のとおりです。
- データベースのファイルシステム領域のフォルダ名
共有フォルダ※\JP1ITSLM\database
- 注※
セットアップ時に論理ホストごとに異なる共有フォルダを指定する必要があります。
なお，共有ディスク上に配置するデータベースのファイルシステム領域には，JP1/SLMのシステム情報や監視対象サービスの性能情報だけが格納されます。JP1/SLMが使用するそれ以外のファイルシステム領域は，それぞれの論理ホストのローカルディスク上に作成されます。
(2) JP1/SLM - URのシステム構成
クラスタシステムで運用する場合のJP1/SLM - URのシステム構成例を次に示します。
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![[図データ]](GRAPHICS/F0000161.GIF)
なお，JP1/SLM - URでは，フェールオーバー時に待機系サーバにアクセス履歴を引き継ぐため，共有ディスクを使用します。システム構成に共有ディスクが必要かどうかは，クラスタソフトの仕様，およびアクセス履歴を記録するファイルの作成先を確認して判断してください。
なお，JP1/SLM - URをクラスタシステムで運用する場合，JP1/SLM - URとスイッチの間に，スイッチのミラーポートのHTTPパケットを複製するネットワークタップが必要です。ネットワークタップによって，スイッチを経由したHTTPパケットが複製されて，クラスタシステムを構成する個々のJP1/SLM - URに送信されます。