5.11.1 JP1/IM - Manager連携の検討
JP1/IM - Managerと連携する場合,JP1/IM - Manager側で次の設定をする必要があります。
- JP1/IM - Managerのシステム構成定義で案件管理サーバを定義する。
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JP1/IM - Managerから自動アクションを実行するには,JP1/IM - Managerのシステム構成定義で,案件管理サーバをJP1/IM - Managerの管理対象に含める必要があります。
- 自動アクションを定義する。
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案件の自動登録の実行契機となるJP1イベントを自動アクションの実行条件に定義し,jssitementryコマンドを,実行するコマンドとして指定します。
詳細については,マニュアル「JP1/Integrated Management - Manager 導入・設計ガイド」を参照してください。
また,案件管理サーバにはJP1/Baseをインストールする必要があります。案件管理サーバで使用しているOSによって,必要なJP1/Baseのバージョンが異なります。JP1/Baseのサポートバージョンについては,リリースノートを参照してください。
- 〈この項の構成〉
(1) JP1製品と連携する場合の自動アクション定義例
各JP1製品が発行するJP1イベントを,JP1/IM - Managerを使ってJP1/Service Supportに案件として登録する場合,表5-9〜表5-14に示す定義例を参考に自動アクションを定義してください。また,JP1/IM - Managerから自動登録された案件のステータスが「クローズ」になったときに,JP1/Service SupportからJP1イベントを発行して自動アクションによって対処状況を「対処済」に変えるためには,-evtオプションで発行先となるJP1/IM - Managerのホスト名とイベントDB内通し番号を指定しておく必要があります。なお,この定義例で実行条件として指定しているJP1イベントは,正常運用を妨げる事象が発生したときに各JP1製品が発行するJP1イベントとなっています。
- 注※
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文字列置換設定ファイルを編集して,文字列「[\r\n]」を改行文字として登録する必要があります。文字列置換設定ファイルの詳細については,「13. 定義ファイル」の「文字列置換設定ファイル(jp1imss_replace_string_setting.conf)」を参照してください。
指定が必要な項目だけ表に示しています。実行条件,実行内容で定義できるそのほかの項目は,ユーザーが任意に決めてください。
- 注意事項
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各オプションの引数で半角スペースを含む場合は,"(ダブルクォーテーション)で引数を囲んで指定してください。
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案件管理サーバ上で実行できるコマンドの同時実行数はJP1/Baseの設定(jcocmddefコマンドで設定)で変更できます(デフォルトは1)。jcocmddefコマンドについては,マニュアル「JP1/Base 運用ガイド」を参照してください。
案件管理サーバ上でのコマンド同時実行数は,最大6としてください。
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自動アクションの実行条件に定義したJP1イベントが大量に発生すると,案件もその分大量に登録されます。実行条件を絞ることと,自動アクションで登録された案件ということがわかるよう,運用を検討してください。
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「5.7 案件の自動登録の検討」の注意事項もあわせてお読みください。
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JP1/AJS3から発生したJP1イベントをJP1/Service Supportにインシデントとして登録し,さらにJP1/AJS3 - Web ConsoleのWeb GUIと連携して[モニタ]画面を表示するときの自動アクションの定義例については,「4.9.3 自動アクションの定義例(JP1/AJS3 - Web ConsoleのWeb GUIとの連携の場合)」を参照してください。
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JP1/PFMが監視するホストが発行契機となるJP1イベントをJP1/Service Supportにインシデントとして登録し,さらにJP1/PFM - Web Consoleと連携して[レポート選択]画面を表示するときの自動アクションの定義例については,「4.10.3 自動アクションの定義例(JP1/PFM - Web Consoleとの連携の場合)」を参照してください。
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(2) JP1/Service SupportからJP1イベントを発行する場合の自動アクション定義例
JP1/Service SupportからJP1イベントを発行するかどうかは,JP1/Service Support側で定義します。詳細については,「13. 定義ファイル」の「JP1イベント発行設定ファイル(hptl_jp1_imss_jp1event_setting.properties)」を参照してください。
JP1/Service Supportから発行されたJP1イベントを使用して,JP1/IM - Managerと連携するには,JP1/IM - Manager側で自動アクションを定義します。JP1/Service Supportからは,次に示すJP1イベントが発行されます。
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イベントID:00005F00(対処済み連動用JP1イベント)
自動登録された案件がクローズしたときに,JP1/IM - Manager側の対処状況を「対処済」に変えるために発行されます。
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イベントID:00005F01(ステータス変更用JP1イベント)
案件のステータスが変更されたことを通知して,自動アクションを実行するために発行されます。
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イベントID:00005F02(対処済み連動用集約JP1イベント)
JP1イベントの集約が有効な場合,自動登録された案件を一括操作でクローズしたときに,JP1/IM - Manager側の対処状況を「対処済」に変えるために発行されます。なお,対処済み連動用集約JP1イベントが発行された場合は,対処済み連動用JP1イベントは発行されません。また,案件の一括操作で,案件を1件だけクローズした場合は,対処済み連動用集約JP1イベントは発行されません。この場合,対処済み連動用JP1イベントが発行されます。案件の一括操作で発行されるJP1イベントの詳細については,「3.7 案件の一括操作」を参照してください。
ID別のJP1イベントの詳細については,「付録E.1 JP1イベント一覧」を参照してください。
それぞれのJP1イベントに対する自動アクションの定義例について,次の表に示します。
- 注※1
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自動登録された案件がクローズしたときに,JP1/Service SupportからJP1イベントを発行してJP1/IM - Manager側の対処状況を「対処済」に変える例を示します。
- 注※2
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案件のステータスが「クローズ」に変更されたときに,JP1/Service SupportからJP1イベントを発行して,自動アクションで定義されたJP1/TELstaffのteldialコマンドを実行して,案件の回答責任者へ電話で連絡する例を示します。
- 注※3
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JP1イベントの集約が有効な場合,自動登録された案件を一括操作でクローズしたときに,JP1/Service SupportからJP1イベントを発行してJP1/IM - Manager側の対処状況を「対処済」に変える例を示します。
- 注意事項
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指定するステータスの詳細については,マニュアル「JP1/Integrated Management - Manager 導入・設計ガイド」を参照してください。
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実行条件,実行内容で定義できるそのほかの項目は,ユーザーが任意に決めてください。実行条件は,ステータス変更JP1定義ファイルで指定できます。詳細については,「13. 定義ファイル」の「ステータス変更JP1イベント定義ファイル(hptl_jp1_imss_jp1event_status.properties)」を参照してください。
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JP1イベントを集約するかどうかは,JP1イベント発行設定ファイルで設定します。詳細については,「13. 定義ファイル」の「JP1イベント発行設定ファイル(hptl_jp1_imss_jp1event_setting.properties)」を参照してください。
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JP1イベントは,自ホストのイベントサーバに発行されたあと,転送設定ファイルの定義に従って別ホストに転送されます。詳細については,マニュアル「JP1/Base 運用ガイド」を参照してください。
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(3) クラスタ運用でのJP1/IM - Manager連携
JP1/Service Supportをクラスタシステムで運用し,かつ,JP1/IM - Managerと連携して案件の自動登録をしたい場合,案件管理サーバ上のJP1/Baseもクラスタシステムで運用する必要があります。クラスタシステムで運用する場合の構成を次に示します。
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案件管理サーバ上で,JP1/Service Supportの論理ホストと同じ論理ホストでJP1/Baseを環境構築する(推奨構成)。
JP1/Service Support,JP1/Baseのどちらかに障害が発生すると,それを契機にJP1/Service Support,JP1/Base共に系が切り替わります。
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案件管理サーバ上で,JP1/Service Supportの論理ホストと別の論理ホストでJP1/Baseを環境構築する。
この構成は,JP1/BaseがほかのJP1製品と連携を開始している場合だけとしてください。
JP1/Service Support,JP1/Baseのどちらかに障害が発生しても,正常に稼働している方はそのまま稼働し続け,障害が発生した方だけ系が切り替わります。
この場合(一つのサーバ上でJP1/Service Supportは待機系,JP1/Baseは実行系となった場合)でも案件は,問題なく自動登録されます。
JP1/Baseのクラスタシステムでの運用,環境構築については,マニュアル「JP1/Base 運用ガイド」を参照してください。
なお,フェールオーバー中に自動アクション(案件の自動登録)が実行されると,実行に失敗することがあります。これを検知したい場合には,JP1/IM - Managerの自動アクションの遅延監視機能を有効にしてください。遅延が発生したときに,JP1イベントが発行されるため,それを契機にJP1/IM - Manager側で調査を開始できます。詳細については,マニュアル「JP1/Integrated Management - Manager 導入・設計ガイド」を参照してください。