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JP1 Version 11 JP1/Base 運用ガイド


付録I.1 SNMPトラップ変換機能によるイベント変換の仕組み

SNMPトラップをJP1イベントに変換してイベントDBに登録する流れを次の図に示します。

図I‒1 SNMPトラップの変換から登録までの流れ

[図データ]

SNMPトラップ変換を使用するには,SNMPトラップ変換動作定義ファイル(imevtgw.conf)およびSNMPトラップ変換フィルターファイル(snmpfilter.conf)を作成し,JP1イベントに変換するSNMPトラップの条件や変換するJP1イベントの重大度などを指定しておきます。その後,NNMを起動すると,SNMPトラップ変換が起動します。

SNMPトラップ変換が起動すると,SNMPトラップ変換フィルターファイル(snmpfilter.conf)に指定した条件と一致するSNMPトラップを取得してJP1イベントに変換します。取得する情報は,メッセージ,重要度,エンタープライズ名,エンタープライズID,オブジェクト名,オブジェクトID,およびソースリストです。SNMPトラップ変換が起動していないときに出力されたSNMPトラップはJP1イベントに変換できません。JP1イベントとして登録できるメッセージは,1,023バイトまでです。JP1イベントに変換するメッセージが1,023バイトを超えた場合,1,023バイト以降のメッセージを切り捨てます。

JP1イベントのイベントIDは,00003A80で固定です。JP1イベントの属性については,「付録I.5 SNMPトラップ変換のJP1イベント」を参照してください。

なお,SNMPトラップ変換は,動作定義ファイルおよびSNMPトラップ変換フィルターファイル(snmpfilter.conf)を読み込む際,ファイル内の構文不正をチェックします。構文不正があった場合は,メッセージを表示します。

〈この項の構成〉

(1) クラスタシステムでの運用

SNMPトラップ変換機能は,物理ホストでしか動作しません。また,NNMの機能の一つとして動作し,NNMの起動と停止に連動します。このため,JP1/Baseのフェールオーバーとは無関係に動作します。

初期設定では,JP1イベントは物理ホストのイベントサービスに登録されます。論理ホストのイベントサービスへ登録したい場合は,SNMPトラップ変換動作定義ファイルのimevt_serverパラメーターに論理ホストのイベントサーバ名を指定してください。ただし,NNMを非クラスタシステムで使用し,変換したJP1イベントを直接論理ホストに登録する構成の場合,待機系で受信したSNMPトラップは監視できません。

NNMをクラスタシステムで使用し,直接論理ホストに登録する場合の構成例を次の図に示します。

図I‒2 JP1イベントを直接論理ホストに登録する場合の構成例

[図データ]

NNMをクラスタシステムで使用する場合は,実行系・待機系の両方で「付録I.2 SNMPトラップ変換を設定する」を参照してNNMの設定をしてください。また,NNMとJP1/Baseを同じクラスタグループにしてください。

NNMをクラスタシステムで使用し,JP1/Baseを非クラスタシステム,つまり物理ホストだけで使用する場合は,実行系・待機系の両方で物理ホストのJP1/Baseを起動しておく必要があります。

(2) 変換できるSNMPトラップの条件

なお,次に示すNNM内部で使用されるSNMPトラップはJP1イベントに変換できません。

詳細についてはNNMのマニュアルを参照してください。

(3) 注意事項